「ギギスト、貴様が言った。光が眩しくなる程、闇は濃くなると。だが、闇が濃くなれば、そこに差し込む光は…強く、眩く、輝く…!」
ギギスト「はっ…!?」
「この光は父と母が、鏡花さんが、そして…一ノ瀬宝太郎が、俺にくれた輝きだ!」
メタルダイオーニ「オニオーニ!」
メタルマッハウィール「ウィール!」
『MACHWHEEL! ガキン!』
『DAIOHNI! ゴキン!』
「変身!」
『ガッチャーンコ!バースト!』
メタルダイオーニ「オニオーニ!」
メタルマッハウィール「ウィール!」
『オーバートップギア!』
「字(あざな)は“仮面ライダーヴァルバラド……黒鋼”!」
『黒鋼!』
りんね「黒鋼先輩が、新しい仮面ライダーに…!」
宝太郎「よし、俺も…!」
「コイツとは俺が決着を付ける。それが、俺の進むべき道だ!」
概要
『仮面ライダーガッチャード』に登場する仮面ライダーヴァルバラドの強化形態にして最強形態(新たな基本形態と取ることができる点や登場経緯はこちらと非常によく似ている)。第49話より登場。
第47話で破損したヴァルバラドライバーに代わり黒鋼スパナ自身が製作した新たなドライバー・ヴァルバラドライバー黒鋼と、メタルケミーへと進化したマッハウィールとダイオーニを用いて変身する。
黒い炎がスパナの意思に呼応する形で性質変化した「白銀の炎」により完成した進化型物質錬成機能により人間と2体のメタルケミーによる独自の多重錬成こと「白銀炎進化多重錬成」によって変身した。
この白銀の炎は冥黒王・ギギストやスパナの持っていた黒い炎の進化系に当たり、『ガッチャード』の世界における錬金術の始祖たるギギストをも超えたことを表している(劇中でもギギストは死に際に「良き後継者ができた」と呟いており、スパナの思わぬ成長に喜んでいた様だ)。
この形態への変身には以前のライダーヴァルバラドとは違い枝見鏡花や一ノ瀬宝太郎といった味方の手は借りず自分の本質を掴んだことで変身しており、公式サイト曰く「黒鋼」の字(あざな)はスパナの「これが今の自分だ」という一種の宣誓とのこと。
なお、『ファイナルステージ』以降は通常のヴァルバラドライバーが修復されたため、一応スパナは通常の仮面ライダーヴァルバラドと黒鋼を敵の格に応じて使い分けるスタンスになった模様。
一応変身には白銀の炎及び前段階でもある黒い炎が必要不可欠な形態でもあるため、『ファイナルステージ』では1度仮面ライダードレッド終式に黒い炎を吸収された影響で一時的に変身できなくなっていた。
変身
銀色の炎に包まれ、黒い素体となる装甲を形成。そこから更に銀色の炎が下から全身へと集まって装甲に彩られると、2本のヴァルバラッシャーが背中に装備されて変身が完了する。
変身シーケンスと音声がこれまでのヴァルバラドの集大成に仕上がっている。
外見
これまでの歪さを併せ持ったデザインから白と銀を基調としたよりスタイリッシュな姿に変化。オッドアイの複眼は健在で、パープルの右目の奥に旧ヴァルバラドの目が覗いているのも変わらず。
スタイリッシュが増した反面、これまでのヴァルバラド系譜に見られた車の要素はほぼ無くなっている。
公式サイトでは旧ヴァルバラドが「継ぎ接ぎ」、仮面ライダーヴァルバラドが「装甲」、そしてヴァルバラド黒鋼は融かして精錬された「金属(メタル)」を表しているとされ、金属としてより洗練された結果、従来のヴァルバラドとは大きくデザインコンセプトが変化した見た目となっている。
背面のヴァルバラッシャー専用ウェポンラックはライダーヴァルバラドから引き継がれた要素だが、本形態の場合は2つに増設されて大型化、向きも斜めから縦に改められている。
スペック
身長 | 219.9cm |
---|---|
体重 | 111.1kg |
パンチ力 | 26.8t |
キック力 | 37.7t |
ジャンプ力 | 17.5m(ひと跳び) |
走力 | 5.3秒(100m) |
性能はライダーヴァルバラドから大きく向上しており、ヴァルバラドライバーの大元であるファイヤーガッチャードをも上回るステータスを持つ。数値上のスペックはプラチナガッチャードよりも下ではあるが、スパナ本人の黒い炎が白銀の炎へと性質が変化することでより能力が向上しており、冥黒王を圧倒する程の超パワーを獲得した。
胸の内熱錬成機関であるコンバーティブコアは新たに「プログレスブリードコア」へと進化しており、変身者が持つ錬成白銀炎「シルバレイブロウスター」などの錬金素材を大気や水と混ぜ合わせることでより爆発的な力を発揮する。
シルバレイブロウスターはかつてライダーヴァルバラドに装備された「レイヴンブロウスター」の強化体であり、極めて高い密度のエネルギーをオーラのように全身を駆け巡ることで超絶的なパワーを発揮する。かつてのように炎が直接具現化したようなビジュアルではなく内部循環式の構造へと変化しているが、これは白銀炎を安定化させるには高い錬成術を要するため。
頭部に搭載された「ラバルムアナライザー」は透過性インターフェイスとして機能しており、ライダーヴァルバラド時にはなかったサポートAI機能が内蔵されている。このAIは分析した対象の性質や構造などを表示、錬金連合が所蔵している様々な文献などのデータベースやケミーライザーの情報などの必要事項を瞬時に検索する。
その他、名称は不明だが手のひらに円形のビーム砲を備えており、ヴァルバラッシャーを構えなくとも即座に射撃戦が行えるようになっている。機構上は白銀の炎を噴射するものである模様。
なお、ライダーヴァルバラドの特徴でもあったカスタムアップは受け継がれていないが、そもそもの地力が大幅にアップしていることとケミーの能力を追加で使用できる必殺技「メタルドライブ」の存在により補完されている。
使用アイテム
スパナが自身で製作を進め、白銀の炎で完成させた新たな変身ベルト。破損したヴァルバラドライバーとは完全に別個の存在である。
ライダーヴァルバラドへの変身に使用していたマッハウィールとダイオーニがスパナと共鳴し、メタルケミーへと進化した姿。引き続き変身に使用する。
引き続き使用される武器。本形態では戦闘中の錬成ではなく最初から2本装備しており、これに白銀の炎を纏わせて強力な攻撃を叩き込む近接戦を得意とする。未使用時は背部のウェポンラックにマウント可能。
このうち1本はスパナが以前より所有しているオリジナル、もう1本はラケシスが所有していた量産型である。初戦ではあくまでラケシスのものを借りる形で使用していたが、直後ラケシスが凶弾に倒れてしまったため、以降はスパナに正式に受け継がれた。
グリップを連結させて薙刀のように使うこともできるが、玩具では再現不可能。
左腰に装備こそしているが、本形態では使用していない。また、ライダーヴァルバラドでは右腰に装備していたケミーライザーは装備されていない。
必殺技
- オーバーヴァルバラブレイク
『オーバーヴァルバラブレイク!』
セミアルトヴォークを操作して発動する必殺技。逆手持ちした2本のヴァルバラッシャーを用いて突撃、対象を切り裂く。
最終話にてグリオンにより人形として再生されたギギストにこの技を喰らわせ、再び引導を渡した。
- オーバーヴァルバラバースト
『リミットクラッシュ!』
『オーバーヴァルバラバースト!』
セミアルトヴォークを押し込んで待機状態にした上でフルバーストVKを一度閉じて横のレバーを下げることで再度点火し、続けてセミアルトヴォークを展開して発動する超必殺技。2本のヴァルバラッシャーを相手に突き刺し、そこに強烈なライダーキックを浴びせて敵を穿つ。
初登場回でギギスト相手にこの技を発動し、引導を渡した。ちなみに、演出の都合上どう見ても脇に抱えているようにしか見えない。
- メタルドライブ
『〇〇! ガキン!』 『〇〇! ガキン!』
『〇〇!〇〇!メタルドライブ!』
マッハウィールとダイオーニ以外のライドケミーカードを1~2枚装填してセミアルトヴォークを操作して発動する必殺技。音声読み上げ時は、カードセット時と必殺技名の前にそれぞれ装填したケミーの名称も追加される(上記の『〇〇』の部分)。
おそらくプラチナガッチャードの「プラチナシュートフィーバー」と同じくケミーの力を引き出す技と思われる。
機能的にカスタムアップの代わりとも言える技だが、ケミーの属性を問わず使用可能となっているため戦術の幅はこちらが上回っている。
余談
- スーツは頭部とウェポンラックが新規造型、胸部アーマーはジオウのライダーアーマー(具体的な改造元は不明)、肩アーマーは仮面ライダージオウⅡ、腕が仮面ライダーゴースト・闘魂ブースト魂、腕輪が『エグゼイド』のライダー(どのライダーから流用したかは不明、恐らくブジンソード或いはプロージョンレイジから残したもの)、アンダースーツがクローズチャージ、脛アーマーとブーツがゲイツリバイブからそれぞれ流用・改造したと思われる。
- なお、スーツ流用については制作側も元からその前提で動いていたらしく、熟考した結果「スーツ流用であっても新規造型であっても、表現したいテーマに併せてデザインを選択すべし」という結論に至ったとのこと。
- 公式サイト曰く、「スパナがハンドメイドで作り出した全く新しいボディ」という狙いを踏まえて、デザインを「元の仮面ライダーヴァルバラドのパーツは一切使わず、統一されたカラーと体内に宿した炎の力を手の平から噴射できるシステム、その上にスパナの手製であることを示すメカニカルなイメージを優先、更に新規造形としてターゲットスコープ等ロボ的なイメージを加える。」ことにしたとのこと。
- 『ファイナルステージ』では、観客とのハイタッチに配慮してか、手のひらの砲門はシールに差し替えられている。
- この形態を以て最も遅い3号ライダー最強フォーム登場記録を2年ぶり(これまでは『ビルド』第46話の仮面ライダーグリスブリザードと『リバイス』第46話登場のインビンシブルジャンヌが最も遅かった)に更新することとなった。また、本編で登場したフォームチェンジ全体で見ても仮面ライダービルド トライアルフォーム(ラビットドラゴン)、仮面ライダーオーマジオウと並んで初登場回が最も遅かったが、翌週の最終回で仮面ライダーガッチャード アルティマスチームホッパーに記録を塗り替えられた(これらは最終回限定フォームなので、それを除くと一番遅い)。
- 何の因果か同作品に登場したスターシャイン星野とは名前の構成が似ており、度々ネタにされている。
関連タグ
ファンタジーフォーム←ヴァルバラド黒鋼