「うおおおおおおおおおお!!!!」
「変身…!!」
祝福の刻!
最高!最善!最大!最強王!
逢魔時王(オーマジオウ)!
ウォズ「我が魔王…!?」
「ウォズ……祝え」
ウォズ「…はっ?」
「祝えと言っている……!」
ウォズ「……祝え!時空を超え、過去と未来をしろしめす究極の時の王者!
「その名もオーマジオウ!歴史の最終章へたどり着いた瞬間である!」
概要
本稿では2019年の常磐ソウゴが変身するオーマジオウについて記載する。
公式サイトでは「仮面ライダーオーマジオウ(2019常磐ソウゴ)」と表記されており、2068年の「オーマジオウ」とは別に記載されている。
元々同一の存在であるため、作中では「オーマジオウ」とだけ呼称されている。
ドライバーのセグメント表示=最初に変身した年代は「2018」となっていることから、通常形態の純粋な進化形態に位置している模様。
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変身シークエンス
オーマジオウドライバーを身につけたソウゴの雄叫びと共に、背後に赤黒く燃え盛る巨大な針時計のイメージが大地を裂きながら出現し、「10時10分」を刻む。
「変身」の合図と共にドライバーの両端を押しこむと、溶岩で満たされた「ライダー」の文字が射出され、いくつもの歯車や文字盤のようなイメージが天球儀のようにソウゴを包んでオーマジオウの姿を形成し、「ライダー」の文字が顔部分にセットされることで変身が完了する。
変身完了時にはラスボス級の怪物たちですら軒並み後ろに吹き飛びかけるほどの凄まじい衝撃波が発生する。
一連の禍々しくも荘厳な変身シークエンスは、文字通り「大魔王」と呼ぶにふさわしい迫力である。
本気で覚悟を決めたためか、変身後のソウゴは呆然とするウォズに祝辞を促すなど言動が2068年のオーマジオウに近いものになり、声のトーンもドスの効いたものになっている。
EP17では通常形態のジオウからオーマジオウに変貌するイメージが登場していた。
スペック
身長 | 200.0cm |
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体重 | 144.0kg |
パンチ力 | 108.3t |
キック力 | 324.9t |
ジャンプ力 | ひと跳び240.6m |
走力 | 100mを0.1秒 |
キック力に関しては(「自由に設定可能」を除けば)オーマフォームに次いで平成ライダー第2位のスペックを持つ。
また走力に関してもドライブ・タイプフォーミュラを上回り歴代3位。
さらに額の「オーマシグナル」が各種センサーの計測結果を統合・分析することで、どんな敵であろうとも変身者の力が上回るようにシステム歩度を調整する。
能力
最終回での登場により公式サイトでオーマジオウの持つ詳細な能力が明かされたが、その力はとにかく規格外の一言に尽きる。
スーツは四肢に内蔵された人工筋肉や形状変化機能によって装着者に超常的な運動能力を授け、歴代ラスボスを一撃で葬り去り、世界にあふれ出した怪人の群れをたった一人で圧倒する戦闘力を発揮する。
各部装甲は鋼鉄の1200倍の強度を持つ「ザバルダストグラフェニウム」や重量と密度を自在に変化させられる「ダークマターインゴット」で形成され、内包する呪術的な力によってあらゆるダメージを萎縮させるバリアのようなエネルギーを纏っており、ジオウトリニティやグランドジオウの最大火力でも傷一つ付かない極限の防御力を有する。
また、因果律操作による物体の操作や空中浮遊、高速移動も可能。
お馴染みのカタカナ状の複眼は常に1000~1200℃の熱を発しており、その気になれば目からビームも出せる。
最大の特徴は、サブアイテムの使用や変身切り替えといった特殊な過程を踏まずに強化形態やサブライダーも含む文字通り全ての平成ライダーの力を受け継ぎ、行使できる事である。
ダグバを一撃で消滅させた巨大な封印エネルギーを見る限り、その力はオリジナルすら超えている可能性がある。
(もっとも、本来のオーマジオウは漫画・舞台・小説などのライダーの力まで受け継いでいるので、オリジナルの派生にライジングアルティメットやスーパーライジングアルティメットも含まれ、それらに由来する封印パワーを上乗せした結果、相乗的に威力が倍加した可能性はある。)
しかし、ここまで記した力ですらオーマジオウの力の本質ではない。 平成ライダーの力をすべて結集し、それらを超えた権能はもはや人智を超えた。
その結果、オーマジオウは複数の並行世界を含む時空を破壊し、創造をも可能とするまでに至った。
すでに一個人が持つ力の範疇を遥かに超えているが、それこそ覇王の証と表現すべきなのだろうか。
2068年のオーマジオウが時間停止やライダー召喚等を行使していた事を考えると、これらの能力も使用可能であると思われる。
全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。
忠臣の祝辞は、この瞬間を以てようやく真の実現と相成ったのである。
能力からの考察
- スーツはドライバーから発生する無尽蔵かつ莫大なエネルギーを生体エネルギーに変換し、全身に供給する機能があり、最高レベルの自己修復機能により身体にダメージがほとんど蓄積しないため、変身者の身体能力を遥かに上回る戦闘でも半永久的に続行可能。
- その為68歳という高齢にもかかわらず激しく戦闘を行っていたり、ほとんど変身を解かずにいたのはこのためだと考えられる。
- たすき掛けした「メリディアンサッシュ」は半径4kmの物質を異次元へ転移することが可能。
- なのでEP01でのレジスタンスの蹂躙も命までは奪っていない可能性がある。 (しかし、超全集によるとオーマジオウは物体を塵に帰す能力も有しており、レジスタンスを黒い塵に変えて、一瞬で消し去ったともあるので、実は本当に命を奪っている可能性も否定できない。)
- 頭部の「パラレルラトラパンテ」は並行世界や別の時間に存在する変身者の意識と感覚を共有できる。
- おそらくこの機能によって未来のオーマジオウは現代のソウゴの動向の感知や精神世界での対話をしていたと思われる。また、この機能により現代のソウゴもウォズの正体や2068年のオーマジオウの真実などを変身直後に知った可能性がある。
使用アイテム
ジクウドライバーがソウゴの意志に呼応する形で変化した特殊形態。
時空を無に帰すほどの破壊力と無から時空を生み出すほどの創造力を変身者に与え、時空の王たらしめるまさに王権の象徴。
平成仮面ライダーの歴史から、この世の森羅万象を実体化させる事が可能。
ジクウドライバーと違ってユニット自体ではなく内部機構だけが回る構造になっており、これを「時計が回らない」と捉えると以降の歴史が存在しない「歴史の終着点」を表しているとも捉えられる。
(このベルトだけで完結するという意味では、ベルト単体では新たなウォッチを読み込めない、過去の記録を再生することしかできない、とも解釈できる。)
普段は「メリディアンサッシュ」がドライバー右側に重なっているが、最終回の戦闘でのみドライバーの操作に干渉しないように「メリディアンサッシュ」がスーツとドライバーの間に挟む形で配置がズレている。
平成ライダーのベルトの中では、アギト以来となるスイッチ式であり、龍騎以降、特に平成2期に入って定番となっていた『ベルトにアイテムを読み込ませる』方式からの原点回帰と言える。
必殺技
- 逢魔時王必殺撃
終焉の刻!
逢魔時王必殺撃!
全身に黒と金のオーラを纏い、マント状に展開されている針「アポカリプス・オブ・キングダム」を上げてエネルギーを増幅し、「キック」の文字を大量に出して敵を包囲して動きを封じ敵に飛び蹴りを放つ。要はオーマジオウ版タイムブレーク。
絶妙にシンプルなネーミングはやはりソウゴゆえだろうか。
「終焉の刻」は「フィニッシュタイム!」の直訳と思われる。
ベルトを操作して放った必殺技はこの一つのみだが、DXオーマジオウドライバーではクウガ~ジオウの必殺技を発動する音声も発動可能。
- 名称不明の技
ベルト操作を用いない必殺技。
1.腕にエネルギーを纏い、火炎放射のようなパンチを放つ。劇中ではユートピア・ドーパント、仮面ライダーエボル、ドラグブラッカー、サジタリウス・ゾディアーツを一撃で粉砕していた。
特にドラグブラッカーに放った際はドラグクローファイヤーを撃つ時の様な構えをしていた。
また、サジタリウス・ゾディアーツを打ち上げ花火の如く爆散させたその姿からファンに「プレゼンターに会わせてやる」などとあだ名される事も…プレゼンターに会う前にあの世行きである。
ゲーム作品シティウォーズでは『オーマハンマーパンチ』
、ガンバライジングで『逢魔ノ一撃』とそれぞれ異なるオリジナル技名を付けられており、攻撃動作にも違いがある。
2.手から赤黒いコウモリの群れを発する。恐らくは仮面ライダーキバか仮面ライダーダークキバの能力。ハイドラグーンの群れを爆散させた。
3.マイティキックと似たキックで、右足に封印エネルギーを集めてン・ダグバ・ゼバを一撃で爆殺させる。
命中するとクウガのマイティキックと同じ古代文字が刻印されるが、オリジナルの倍以上の大きさになっている。
オーマジオウドライバーの音声にある必殺技だが、劇中ではドライバーを操作せずに発動させた。
ダグバが戦いを楽しむ間もなく訳もわからないまま瞬殺された為、ファンからは「笑えよダグバ」と言われる事も。
4.背中のアパラージタを回転させて熱球を作り出し、敵を閉じ込めて焼き尽くす技。
活躍
LAST「2019:アポカリプス」
順一郎の尽力で復活したライドウォッチによりグランドジオウに変身し、アナザーディケイドとの最後の戦いに挑むソウゴだったが、解き放たれた歴代平成ライダーのラスボス達との強烈なコンビネーションで変身解除に追い込まれる。
倒れたソウゴにアナザーディケイドは最後の一撃を放つが、ゲイツリバイブ疾風がそれを庇い、致命傷を負ってしまう。
「オーマジオウになれ……!“時の王者”に……!お前ならなれる……最高最善の魔王に……」
「幸せだったぞ、この時代に来て……ソウゴ……お前の仲間に……友になれて……」
最期までソウゴが最高最善の魔王になれると信じながら息絶えたゲイツ。
ソウゴは深い悲しみと怒りと共に立ち上がる。
その思いを受けて、ソウゴのジクウドライバーはオーマジオウドライバーへと変化する。
「ウオァァァァァァァッ!!!」
雄叫びを上げる背後で、地面に目を開くかのような形で大時計が現れ、ひび割れと共に炎が吹き上がる。
「変身……!!」
そして灼熱の中、ソウゴはついにオーマジオウへと変身。
ソウゴがオーマジオウになる機会を虎視眈々と狙っていたアナザーディケイドは、その力を奪おうとするが……
「お前ごときが……俺の力を受け止めきれると思うか……?
俺の力は…全てのライダーの力だ…!」
ソウゴが変身したオーマジオウに宿るのは、全ての平成ライダーの力。そのあまりに強大な力は、スウォルツ程度の者が受け止めきれるものでは到底なかった。
怒るアナザーディケイドはラスボス達や怪物の群れをけしかけるが、圧倒的な力を誇るオーマジオウはかつて平成ライダー達を苦しめた彼らを一体ずつ的確に、たった一撃で爆殺していく。
スウォルツ「なんという力だァ……ッ!」
ソウゴ「侮ったな…ライダーの歴史を…!」
アナザーディケイドは焦燥するが、一部とはいえオーマジオウの力を手に入れていたため、その力を使って王座を手中に収めると嘯き、元の世界に撤退しようとする。
だが、その一瞬を突いて変身したツクヨミが乱入し、かつてオーラがウールにしたように、光の刃でアナザーディケイドを背後から刺し貫いた。
しかし致命傷には至らず、アナザーディケイドはツクヨミを振り払うとそのまま強烈な拳を浴びせ、彼女を爆殺してしまった。
それを見たソウゴは更に怒りを爆発させ、慟哭にも似た叫びを上げながらベルトを操作し、アナザーディケイドに必殺キック「逢魔時王必殺撃」を叩き込んだ。
アナザーディケイドは跡形もなく葬られ、あふれ返っていた怪物達も消滅。
ツクヨミの世界をも取り込んだ世界は「オーマジオウの世界」として安定し、世界崩壊の危機は去った。
しかしソウゴはそれを良しとしなかった。改めて忠誠を誓うウォズの前で、ソウゴは王として君臨するのではなく、時空を破壊することを選ぶ。
そんな彼の精神世界に、未来のソウゴが「お前には王となる資格がある」と語りかけたが…
「世界を救ったのは、ゲイツや、ツクヨミや、ライダー達みんなの力だ。
みんなのいない世界で、俺一人王様になったって仕方ない」
ソウゴは世界を救った絶対王者となったものの、自分一人の力ではなく、仲間やライダーたちの力で王となったことを思い、孤独なまま王となる事を拒否。
「覇道より、王道を取るか……」
呟く未来の自分に、ソウゴは問う。
「オーマジオウの力って、破壊するだけ?」
オーマジオウの力は、本人曰く「時空を破壊する力」。だが、それは一面に過ぎない。
かつて紅渡が士に告げたように、創造は破壊からしか生まれない。
「創造の前には、破壊が必要だからな」
無理やり一つにまとめられた世界という「今あるもの」を破壊し、それぞれの時間、それぞれの歴史という「新たなもの」を作り出す。
それこそ、オーマジオウの力の本質だった。
確かにオーマジオウの力は強大無比、その前に抗いうる存在はない。
だが、その力は大切なものを失って初めて手に入るもの。喪失の痛みが、仮面ライダージオウをオーマジオウに変貌させる。
だから、オーマジオウは「仮面ライダー」とは呼ばれない。
人類の自由と尊厳を守るのが仮面ライダーであるならば、戦うべき敵も、守るべき大義も、保つべき平和もなく、ただ人を脅かすしかできないあの「最低最悪の魔王」は、その名を決して名乗ることはない。
ならば「仮面ライダーオーマジオウ」として、ソウゴが為すべきことは一つしかない。
ソウゴ「じゃあ、創造させてもらう。歴史を……作り直す」
無理やり一つにまとめられ、仮面ライダーというそれぞれの歴史の象徴を失った世界をもう一度分離し、それぞれの歴史を再び始めること。
世界を破壊し、世界を創造することだった。
未来のソウゴ「二度と、王にはなれんぞ……?」
「なれるよ。“なんか、行ける気がする”」
「時計の針はさ、未来にしか進まない。ぐるっと一周して、元に戻ったように見えても、未来に進んでるんだ」
ここに来ていつものポジティブシンキングを発揮するソウゴ。
彼の言う通り、今ある歴史は「オーマジオウが辿った道の焼き直し」ではなかった。
少なくとも、今ここにいるソウゴは「オーマジオウとは違う未来」を選択した。
「ハハハハハ……面白かったぞ、お前に会えて。若き日の、私よ……」
若き日の自分の新たな選択を見届け、「最低最悪の魔王」は楽しげに笑いながら消えていく。
そして時空は破壊され、融合していた世界は新たな世界を加えた21個に分離し、新たな歴史が創られたのだった。
2018年9月、常磐ソウゴはいつものようにおじさんと朝ごはんを食べ、いつものように高校へと向かう。
そこには生真面目な親友や男勝りな同級生、彼に憧れる後輩やちょっとダウナーな少女がいる。
そして彼らを見守る謎の人影も。
「普通の高校生、常磐ソウゴ。
彼には大魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っている…
…かどうかは、まだ分からない。
ここから先は、この本とは違う歴史が記される必要があるようです…」
歴史は書き換えられ、世界はリセットされたように見えても、確かに未来へと進んでいる。
普通の高校生「常磐ソウゴ」はまた、一から王への道を歩み始めたのだった。今度は最初から、仲間たちと共に、ぐるりと一周した時計のように過去に戻ったように見える、未来に向けて。
補足
最終的に全てを創り直すという結末に至った『ジオウ』だが、ソウゴから見れば「共に戦った仲間がいなくなった」「世界の融合に伴い平成ライダー達もいなくなった」「今までの戦いと託されたものを背負えば、2068年のオーマジオウと同じことになる=今まで受け取って来たものを背負い続けることで、結果的にそれが無駄になる」ため、背負ったものを再び返してでも世界を元に戻さなければならなかった。
仮にソウゴが時の王者として君臨したとしても、状況を鑑みれば2068年のオーマジオウと同じ道を辿るのは想像に難くないだろう。
しかし、改変の影響を受けず逢魔降臨暦を携えたウォズ、創り直された世界においてスウォルツやそれ以外の敵と再び戦う可能性や、その力で世界を作り変えた事が逆説的にオーマジオウの存在を確立するのではないかという可能性等、火種は未だ存在しており、それにソウゴがどう立ち向かうのかはまた別の物語かもしれない。
また、この姿そのものがある種の挫折の象徴であるとも捉えられる(事実、『孤独』こそが大事な力であるとウォズがキカイ編で呟いている)。守るべき仲間や民など、ソウゴの求めたものが失われた先に到達するのがオーマジオウであり、「ゲイツとツクヨミがオーマジオウ誕生を決定付けた」というミハルの証言も彼らとの絆の深さの裏返しだったと思われる。
変身した時点では確かにソウゴ自身の人間性と合わせて「最高・最善・最大・最強の王」だが、全平成ライダーの力を持つオーマジオウとは極論すれば「平成という、既に終わった時代の遺物」とも解釈できる。
そういう意味では、オーマジオウの力を受け継ぎながらもその力を世界を救うために行使し「最終王者」と評されたオーマフォームこそが、ジオウという仮面ライダーの極致なのかもしれない。
だが、それすらも「歴史の最終章」であるオーマジオウとなった時代のソウゴあっての存在であり、彼も歴史の修正をなし得なかったこと、ゼロワンがいなかったらいずれにせよオーマジオウの未来へ到達していた可能性が高いことを踏まえると、仲間を尊び救世を目指す王になろうとした時点でソウゴの運命は決定しており、それでも足掻いたギリギリの結末にして勲章こそが再び訪れた2018年だったのではないだろうか。
世界観に関する考察
後日談を描いた二作品では、ソウゴがグランドジオウの力を保持していることが判明している。つまり、ソウゴはやり直された歴史においてはすでに平成ライダー達の力を継承した状態であり、世界観構造に関するループ説はここで否定できる(ループであればいずれにせよオーマジオウになることが確定するはず)。
では何なのかと言うと、『OQ』の「真の最終回」という触れ込みや本編との差異、『ビルド』の面々の扱いからして、「仮面ライダーの登場の有無」を条件として時間軸が分かれる分岐構造ではないかと考えられる。
つまり平成ライダーたちが現れるか否かで時間軸が分岐し続け、2017年まで何も起きなかったのがジオウの世界であり、他の世界はそれぞれの「ライダーが現れた世界」となる。
そしてさらにアナザーライダーが現れたか否かで分岐し(現れればジオウ世界に、違えば本編になる)、『FOREVER』に現れたビルド組は「現れなかった」方の時間軸=ビルド本編側となる、と考えることで説明できる。
また、それら「時間軸」の統合を巡る戦いが本編であるが、その結末がOQに至らなかった要因としては門矢士の存在が影響した可能性がある。
ディケイドが「世界の破壊者」たる所以として、現れた段階で本来の結末から外れてしまうというものがある。本来ジオウにとっては「ディケイド編」に当たる事件をクリアし、力を継承するレジェンドの一人だったはずが、「ジオウのサブライダーのネオディケイド」として存在し続けていたためにその力だけ最後まで継承できず、結果「全ライダーの力を持つ」オーマジオウになることで事態を収拾せねばならなくなり、本来想定された結末=「真の最終回」たるOQに至らず終わった、という説である。
同時にオーマジオウが歴史から消えなかったのは、ゲイツ達の存在により「ソウゴがオーマジオウになって君臨した時間軸」の存在が確定していたこと、そしてソウゴがオーマジオウになる可能性が消えていなかったことの二つの理由からだろう。
余談
- 劇中のオーマジオウに無数のライドウォッチが融合していく場面では、劇中に登場した主役ライダーの他、ゼロノスやエターナルなど本編に登場したライダーだけでなく、王蛇やネクロム、ダークキバなどの本編に登場しなかったライダー、更にはタジャドル コンボやクローズマグマなどの強化フォーム系までもが含まれていた。まさしくソウゴの言う通り、その力はまさに全てのライダーの力の結晶である。
- グランドジオウを倒した2068年のオーマジオウが、自分に及ばない理由を「全てのライダーの力を集めたわけではないからだ」と述べていたが、まさに文字通りの意味だったことになる。グランドジオウは「平成の主役全てのライダーの力の集合体」だが、オーマジオウはその仲間や敵まで含めた「平成時代に現れた、敵味方問わず全てのライダーの歴史の総決算」である以上、グランドジオウで勝てなかったのも道理である。事実、最後に戦ったラスボス達はどれもライダーか否かを問わず仲間無しの主役ライダーだけの力では敵わなかった強敵である。
- 『令和_ザ・ファースト・ジェネレーション』にてフィーニスが、ソウゴから力を奪い、とあるアナザーライダーを生み出した様子から、以前から言われていた通りオーマジオウの力は昭和・平成を含めた全ライダーの力である可能性がある。しかし、そのアナザーライダーはソウゴの持つ平成ライダーの力のうち、1号に通じる要素をツギハギして誕生した存在のため、この説にも不自然なところはある。また、仮にオーマジオウが昭和ライダーの力を含んでいた場合、何故1号とは無関係のはずの平成主役ライダーのみの力を持つグランドジオウを最終盤まで使わなかったのか(これに関してはゼロワンがアナザー新1号にロッキングカバンストラッシュを当ててジオウに力が戻っているような描写がある事から、本当に奪われて取り戻すまで使うことができなかった可能性はある)、そもそも(特殊なケースとは言え)アナザーが現れてもウォッチが出てこなかった事や、アナザーディケイドですらその力のごく一部しか押収できなかった事から、例え部分的であろうとオーマジオウの力をウォッチに入れることが可能なのかも疑問である。加えて、あの時点でソウゴはオーマジオウの力を放棄しており、オーマジオウのウォッチもないソウゴの手元になぜオーマジオウの力が残っているのか、という疑問点もある。(オーマジオウの力の有無に関わらず単に「未来に君臨する魔王」としてソウゴをオーマジオウと呼ぶ人もいる。)
- 奇しくも、平成最初のライダーの最終形態であるアルティメットフォームとは、「変身しないよう警告されていた危険な姿だったが、最終決戦で見守られながら変身し、その力を正しく使った」という類似点がある。漆黒のボディに真っ赤な目も同じ。
- 他にも、「相棒との死別」「敵がその力を吸収しきれない」など、歴代平成ライダーの最終決戦のオマージュが散りばめられている。
- オーマジオウの変身時に出現した巨大な時計だが、その時計の針はよく見ると12:00、11:05、10:10を順番に指しており、これらの時刻は劇場版に登場した仮面ライダー達のOシグナルに該当する部分と同じ時刻を指している(勿論10:10はジオウの時刻でもある) 。
- 『真マジンガーZERO』に登場するマジンガーZEROはマジンガーZにおける最強形態で、性能や機能がよく似ている(体内にそれまでの全てのマジンガーZと兜甲児を内包しているなど設定が類似する点も多い)。
- ただしこちらは「マジンガーZこそ最強」と言う自らの在り方を肯定しており、自らより未来の歴史上に現れたスーパーロボット達に打倒されたとしても「自らの系譜を繋いだ者達が“勝った”」と言う結果を導ける。対して「なった瞬間から自らを否定する」こととなる仮面ライダーオーマジオウはこの結末を回避するために過去改変を繰り返し、より深みに嵌った者とも言える。
- 同じく世界を守ろうとしたが完全には叶わなかったと思われる2068年のオーマジオウが歴史改変を行っていないことや、彼が本気ではなかったとはいえジオウトリニティに不覚を取っていること、ゲイツの死という強烈なトリガーによる変身であることなどから、一部では2019年のオーマジオウの方が強いのではないかという意見も見られる。しかし前者がどのような過程を辿ってその未来に行き着いたのか明確には語られておらず、2019年以降の歴史に登場したライダーの力も使える可能性を考慮すれば結論は出すことは不可能であろう。
- 仮面ライダー図鑑ではオーマジオウドライバーのリンク先が"ビヨンドライバー"になっている箇所がある。確かに「ビヨンド(超越した)ドライバー」ではあるが…
仮面ライダー表記に関して
「仮面ライダーオーマジオウ」の名は最終回放送及び公式サイトに明記される以前にも、トレーディングカードゲーム『バトルスピリッツ』が仮面ライダーシリーズとコラボした際に収録されたオーマジオウのカード名として既に登場していた。
また、バンダイから発売されている各種グッズではオーマジオウの他に「仮面ライダーオーマジオウ」と記載してある商品もある(統一されていない理由は不明)。放送開始時からジオウの強化形態とされていたので、正式名称としてはこちらの方が自然でもあった。
ちなみにDXオーマジオウドライバー以外の商品で描かれている、もしくは立体化しているのは未来のオーマジオウである。
TCGバトルスピリッツ
コラボブースター『仮面ライダー 欲望と切札と王の誕生』に収録されたXXレア(CB08-XX01)。
イラストは松野トンジ先生が担当されている。なお、イラストの元ネタは子記事のオーマジオウだが、表記が「仮面ライダーオーマジオウ」 であるため、こちらに記述させていただく。
シンボルは赤と紫の2属性だが、本体の属性自体は6色全て。
召喚コストおよびレベル3の維持コストは平成ライダー20thを意識してか「20」となっている(なお、2023年現在バトルスピリッツで使用可能なカードのうち最高のコストを持つカードであり、「ゼットン[シン・ウルトラマン]」が登場するまでは唯一の数値だった)。
そして自分のコスト以下のスピリットを召喚時に破壊してしまう効果まである。
コストをブレイヴでかさ増ししようにもコスト21以上という条件はそうそう満たせない上、全色のスピリットとして扱うため、事実上の死刑宣告に等しい。ただし、白属性の専用効果である装甲/重装甲/超装甲で防げる他、「フィールドに残る」効果や「召喚時効果を発揮させない」効果などでも対策できる。
このようにコストが高すぎるため、互いのフィールドにあるカード一枚に付き、コストが-3ずつされていく特性を持つ。
このカードには軽減シンボルがないものの、この効果により自分と相手の場のカードが合計7枚以上あればノーコスト召喚できるのだから、構築次第では早い段階で召喚し制圧することも可能。
最大の特徴は手札にある系統:「仮面」を持つスピリットの「チェンジ」をたった1コスト支払う事で発動し、1ドローする効果を持っている事。原典で仮面ライダーの力の行使や召喚を行なっていた事に由来する効果である。
系統が「仮面」で「チェンジ」持ちであれば平成は勿論、昭和だろうが、令和だろうが各時代のライダーを召喚してしまえるのである(厳密にはスピリットを入れ替えられると表現するのが正解)。
BPはレベル1から順に20000、30000、50000となっているが、オーマジオウのコンセプトが「最強」である事から察するにバトスピの最高BP更新の歴史をなぞっているものと推測される。
(※あくまでも考察です。なお、本項での"最高BP"はスピリット/アルティメットの効果でかさ増ししたものではなく、スピリット/アルティメットが自前で持っているものを最高BPとします。)
- レベル1のBPの元ネタは「激神皇カタストロフドラゴン」(BS06-X21)。
- レベル2のBPの元ネタは「幻羅星龍ガイ・アスラ」(BS10-X01)。
- レベル3のBPの元ネタは「アルティメット・ガイ・アスラ」(BS25-X03)
- スピリットではなく、「アルティメットバトル」シリーズから登場した「アルティメット」というカテゴリーであり、先述したガイ・アスラのアルティメット版。
- 最高BPはなんと50000。加えてレベル6の概念まで初めて持ってきたカードでもあった(初収録の「アルティメットバトル02」が発売された2014年時点)。
- 余談だが、初登場したアニメのタイトルは「最強銀河究極ゼロ_バトルスピリッツ」とズバリそのもの。何気に金と黒がメインのカラーリングという点で共通する他、アルティメット・ガイ・アスラのイラストでは直前の剣刃編で登場した「闇のソードブレイヴ」に酷似した剣を持つことから、(イラスト上では)アルティメット編以外の力も併せ持つ点もオーマジオウの設定が似てしまった。
- アレ?ガイ・アスラの次にBPを更新したのは「絶対なる幻龍神アマテラス・ドラゴン」じゃないの?と思った勘のいい諸氏もいるだろうが、この時点でのアマテラスは公式大会「バトスピ覇王チャンピオンシップ」の優勝トロフィーに埋め込まれて使用が出来ず、まともに活躍を拝めるのが「バトルスピリッツ覇王」(2011年放送開始)ぐらいという事実上のアニオリカードであった(プレイヤー間に流通したのは『転醒編 第4章 天地万象』から)。そもそも、コアを乗せた数×10000でBPが計算される=際限なく伸びていくので"最高"BPの更新もへったくれもない。よってノーカン扱いで良いだろう。
- また、このカードの登場以前からバトルスピリッツ上ではBP99999を持つ「戦極マキシマムドラゴン」が存在する。絶対なる幻龍神アマテラス・ドラゴンと異なりこちらはBPこそ固定されているがフレーバーテキストでBPはバトスピ界最強と明言されているため、これを上回るのはまずいと判断された可能性もある。もっともオーマジオウの召喚時効果で倒せる他、お互いにLv1であればBP勝負でこちらが勝つため、あちらが全ての面でオーマジオウよりも最強という訳では無い。
余談だが、レベル3の維持コストと最高BPは仮面ライダージオウオーマフォーム(CB10)と全く同じである。
また、アナザーディケイド(CB10-039)の召喚/アタック時効果は手札やトラッシュにある系統:「仮面」持ちの紫属性のスピリットをノーコスト召喚するというものだが、オーマジオウは紫属性の「仮面」持ちに該当するのでノーコスト召喚できてしまう(そんなところまで原作再現せんでも…)。まあ、こちらはコストが8と重めなのでジオウデッキに採用するかどうかは微妙なところだが。
他にもセルメダル(CB08-077)や仮面ライダーエデン(CB17-032)の召喚時効果で能動的にフィールドのカードを集めていくのも良いだろう。
関連タグ
中間フォーム:本来の意味の中間フォームではないが、この形態はグランドジオウとオーマフォームの中間に位置する。
極アームズ 仮面ライダーオーディン:『バトルスピリッツ』ではオーマジオウと同じくXXレアのスピリットとして登場した。
トライアルフォーム(ラビットドラゴン) → オーマジオウ
関連リンク
考察についてはこちらも参照。