「俺が平成という道を、きれいに舗装し直してやろうってこと」
バールクス!
「変身!」
ライダータイム!
仮面ライダーバールクース!
CV:ISSA
スーツアクター:中田裕士
変身者
概要
『映画 仮面ライダージオウ Over Quartzer』に登場する劇場版限定ライダー。
「歴史の管理者」を名乗る集団「クォーツァー」のリーダーである常磐SOUGOがジクウドライバーとバールクスライドウォッチで変身する仮面ライダー。
モチーフは仮面ライダーBLACK RXで、名前の由来も仮面ライダーBLACK RXのアナグラムから来ている(BLACK RX→BARLCKX→バールクス)。
変身ポーズは天高く掲げた右掌を回転させ、手の甲を外に向けた状態でゆっくりと顔の近くまで腕を持っていくもの。RXのポーズを意識したものと思われる。
背後に現れる時計はバッタの翅や脚があしらわれた、ゴルゴムの紋章にも見える豪華なもの。ドライバーを回転させた後、RX同様の「光のオーロラ」を身に纏い、姿が変わる。
その際に何故か周囲に置いてあった土器が火を噴き出す演出がある。
『ジオウ ファイナルステージ』では加古川飛流、『ガッチャードVSレジェンド』では「ハンドレッド」のボスが変身する。
スペック
身長 | 200.0cm |
---|---|
体重 | 112.5kg |
パンチ力 | 60.0t |
キック力 | 126.0t |
ジャンプ力 | 一跳び81.0m |
走力 | 100mを0.7秒 |
意外にもそのスペックはそこまで高くはなく、パンチ力を除きグランドジオウより下。ジャンプ力に関してはゲイツリバイブにすら劣っている。
しかしその戦闘力は極めて高く、剣技でグランドジオウや彼が召喚した歴代平成ライダーをまとめて圧倒している。
容姿
メインカラーは黒。頭部は金色の懐中時計型で複眼はカタカナの「ライダー」を模しており、サイズが非常に大きい。
深緑の胸部アーマーには革バンドを模したパーツが2つ巻かれ、全身に金色の歯車のような意匠があり、どことなくオーマジオウに似ている。
両肘にある昆虫の脚のようなトゲはRXのライバルであるシャドームーンの要素と思われる。両者とも創世王候補であり、“魔王”と相対する存在としてのチョイスだろう(なお、漫画版のブラックには魔王と呼ばれる存在が登場している)。
その他、黒を基調に目は赤色、胸部は緑色とカラーリングはモチーフに準じていると言える。
能力
未だに詳しくは分かっていないことが多い。
雑誌では「平成仮面ライダーの能力を全て無効化する」と紹介されていたが、劇中でその根拠となっているのはソウゴの「平成ライダーの力が通じない!?」との台詞のみで具体的に説明がされたわけではなく、捉え方によっては『全平成ライダーを凌駕する程の実力の持ち主』という解釈も出来る。
Webの仮面ライダー図鑑でも「平成仮面ライダーの力では太刀打ちできない程の強さを誇る」と説明されており、単純に「今まで登場した平成仮面ライダーの能力が通用しない程強い」と捉えられるような書き方がなされていた。
後のファイナルステージにおける描写から、「『仮面ライダービルド』までに登場する平成ライダーとジオウにのみ能力が適用され、かつ変身者本人の実力も申し分なく高い」とする説が有力(劇場版でもゲイツの攻撃は通用している)。
実際、この説でなければ平成ライダーにはカブトのような「スペックが意味を成さないほどに特殊能力に特化したタイプ」やエグゼイドのように「能力を封じないとそもそも勝負にすらならないタイプ」、果ては全知全能の力を持った敵すら退け、倒してしまうライダー等多数の強豪が存在しており、ジオウに彼らを呼ばれたら即詰みとなるため(少なくとも映画に登場したバールクスは)描写的にはこれが正しいのかもしれない。
なお、映画内では「平成ライダー自体に意味はないからな」と暗に平成ライダーの力を無効化、通用しないような台詞も語っている。
また、同ファイナルステージに登場した新たなバールクスウォッチの継承者は謎のウォッチ起動音と共に本当に平成ライダーの能力を封じているが、栄光の七人ライダーのウォッチが全て手元に揃った状態であったことからこれがバールクスウォッチか七人ライダーのウォッチのどちらかの効力であるかは不明。
使用アイテム
バールクスライドウォッチ
その姿はブラック!? RX!? 悪のライダーは…バールクスだ!
仮面ライダーバールクスの力を宿したライドウォッチ。
ライダーズクレストは「カメン」、西暦表示はゲイツリバイブらと同様に「0000」。
ちなみに変身時に流れる文字は「SINGULAR」と表示される(ゾンジスやザモナスも同様)。
レジェンドライダーのライドウォッチ
起動することで原作のライダーの能力を使用する事が可能。
南光太郎から力を奪った可能性が高いが、アナザー1号のアナザー1号ライドウォッチの誕生経緯などを考えると、平成ライダーが持つRXの要素から作り出すのも可能かと思われる(実際、RXは『クウガ』以降のフォームチェンジなど、メタ的にRXの影響を受けた作品は多い)。
RXに進化する前の姿であるBLACKのライドウォッチは所持していないが、
- 「純粋な昭和ライダーであるBLACKはクォーツァーの目的の対象外」
- 「RXはBLACKの上位の力であるため」
- 「BLACKとRXはそもそも別ライダーとしてカウントされ、BLACKの力までは奪わなかった」
- 「歴史改変の影響を受けないという設定があるため、BLACKの力は奪えなかった」
などの説がある。
また、RXはBLACK完結後に始まった続編であるため「改変後の歴史では南光太郎がRXに進化せず、BLACKのまま現代に至っているのでは?」と見る考察も。
バールクスウォッチの音声にBLACKの名前が出ているため、「ホルダーには装填していないがBLACKの力も奪っている」とも「音声では区切っているが、BLACKRX単体を表現している」との解釈も出来、判断が難しい。
リボルケイン(自称)
鍔に風車の意匠がある専用武器。
本家リボルケインやサタンサーベル、バイオブレードを思わせる形状で「リボルケイン!」の掛け声とともにジクウドライバーから召喚する形で取り出す。
ちなみに鍔の風車部分をよく見ると、周囲の装飾は変形したカタカナで「リボルケイン」と書かれている。
セリフの上では「リボルケイン」となっているが、実は公式の資料には一切「リボルケイン」と記載されていない。
超全集では「『リボルケイン』という掛け声とともにベルトから取り出す剣」、食玩『装動』では「長剣」と呼ばれている。
威力は高く、グランドジオウの召喚したクウガ、響鬼、フォーゼ、ウィザード、ゴーストをもまとめて圧倒している。
ファイナルステージでは剣から電撃のような光線を放っている。ウォッチの起動音までは無かったものの、光線を放った時の効果音から恐らくストロンガーライドウォッチの力を発動したものと思われる。
必殺技
バールクスタイムブレーク
「平成ライダー自体に意味がないからな!」
足に紅いエネルギーを纏い回し蹴りを放つ技。
グランドジオウが召喚する複数人の平成ライダーをまとめて撃破した。
『超全集』によれば、直前に放った飛び蹴りもこの技に該当する模様。
この時はRXのような両足蹴りではなく、BLACKのライダーキックと同じ片足蹴り。
リボルクラッシュ(仮称)
「さらばだ、ジオウ! 替え玉の王よ!!」
リボルケイン(自称)の鍔に付いている風車を回転させながら刀身を発光させ、敵を切り裂く。
本家RXのリボルクラッシュのような構えで飛び掛かって敵を突き刺す芸当も可能だが、グランドジオウに使用しても火花が迸るエフェクトは出ず、大きく吹っ飛ぶ程度に終わった(本家RXもガンバライドの初期では規制の都合でリボルクラッシュを放つと敵が大きく吹っ飛ぶ演出になっていた)。
ただし突き刺すシーン自体はきちんと存在し、仮面ライダーウォズに投げつけて貫き、一度は殺害に追い込んでいる。投擲自体は本家RXもやっているので、使い方としては問題ない。
液状化
バイオライダー!
「お前ら・・・。おかげで平成ライダーの歴史はムチャクチャだ!」
バイオライダーライドウォッチを起動させて発動。体を液化して敵の攻撃を回避したり、長方形型のバリアを形成する。
劇中ではキングフォームの攻撃を液化で回避し、Jライドウォッチと併用して巨大化した。
また、上記の長方形バリアを展開する能力は創世王の能力が元ネタであるとも考えられている。
敵の能力が使える辺り、ある意味では「アナザーRX」としての側面もあるのかもしれない。
他媒体
仮面ライダージオウ ファイナルステージ
加古川飛流が変身し、ジオウたちと共に共闘するが・・・?
詳しくは当該記事にて。
仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ
ディアブロによって生まれた悪魔、デビルライダー軍団の1人として登場。クローンライダー達と交戦、モチーフとなったRXとの対決が実現する。
平成ライダーの歴史を「美しくない」と評し、平成ライダーを否定していた彼が、令和では平成(のダーク)ライダーとしてカウントされ、平成ライダーでの再生怪人のような扱いを受けたのは痛烈な皮肉であろう。
上述のRXとの対決では、変身していたバイスがRXの能力を充分に使いこなせていなかったのもあるが、最終的には変身解除に追い込むとアレンジ先が元ネタに勝利する展開となった。
仮面ライダーガッチャードVS仮面ライダーレジェンド
本作に登場する敵組織「ハンドレッド」のボスが、オーロラカーテンで呼び出したジクウドライバーとバールクスウォッチで変身する。
大量のカッシーンを引き連れて戦うが、令和ライダーには分が悪かったのか終始圧倒され、仮面ライダーガッチャード フルフルロケットと仮面ライダーレジェンドのダブルライダーキックを受けて撃破された。
この際、リボルケインをドライバーから召喚せず、変身した瞬間に持っている。
また、令和ライダーであるガッチャードとレジェンドは平成ライダーを再現した力を使っており、ボスにSOUGO程の実力が無かったからなのかは不明だが、能力の無効化が出来ずにフルフルロケットやゴージャスディケイドに押され、撃破された。
バトルスピリッツ
コラボブースター「仮面ライダー〜開戦!ライダーウォーズ〜」で登場。
作中の「平成ライダーの力を無効化する」設定から、コスト9以下の系統「仮面」を持つスピリット・アルティメットの効果をアタックステップ時に無効化する能力を持っている上に最大BPが21000であるため、劇中通りグランドジオウへのメタになる。
しかし、これらの効果はオーマジオウ、キングフォーム、ムテキゲーマー、オーマフォーム、オーディンには全くの無意味で、BP勝負にも負けてしまう。仮に、効果を無効化できる対象だったとしてもアルティメットフォーム(アルティメット版)などの純粋なBP勝負で強いユニットも存在している。
しかし、先ほど挙げた5体はレベル2までの維持コストがコア3つ以内なので、召喚時効果でコアシュートして倒してしまうのは可能。流石は平成ライダーの天敵か。
さらには紫の系統「仮面」を持つスピリットがアタックした時、相手のスピリットのコア1つをリザーブにコアシュートできる能力を持つが、紫の系統「仮面」を持つスピリットはほぼ全て平成ライダーであるため、皮肉にも平成ライダーが居ないとこのカードは全力を発揮できない。
「平成」を否定している彼自身も「平成ライダー」である証明が、ここでも果たされてしまうとは奇妙なものである。
余談
「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」のネタの通り、仲間を率いて戦うジオウの対極である「誰の力も必要としない究極の個人」のイメージもコンセプトにあると思われる(しかし、実際のRXにはアクロバッターや霞のジョー、そして10人の先輩などの沢山の仲間がいた)。
変身前の演者であるISSA氏は、2度のテレビ主題歌と2度の映画主題歌担当と、『仮面ライダーTHEFirst』での出演だけでなく、バラエティ番組でショッカー戦闘員を相手に仮面ライダーのマスクを被ってアクションを披露した経験があるほどの仮面ライダー好きとして有名である。
『DXライドウォッチ クォーツァーセット01』の予約画面ではBLACKのバイタルチャージを模したポーズをしていたが、むしろ『P.A.R.T.Y.』におけるバイーンダンスに似ている。
萬画版魔王との関係
『仮面ライダージオウ』自体にも該当するのだが、萬画版『仮面ライダーBlack』に登場する魔王との共通性を指摘する声がある。
この作品において、この魔王の正体の候補とされるのは秋月信彦と南光太郎。両者ともテレビシリーズにおいてバールクスのモデルとなったシャドームーンとBLACKRXに変身したキャラクターである。
この魔王がいる未来とされるのが、2018年か2019年。
更に幻の形ではあるが、南光太郎の前で巨大化してみせるなど、バールクスとの共通点の指摘がある。
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