演:倉田てつを
概要
BLACK時代
東星大学人文学部の2年生。
親友の秋月信彦と共にサッカー部に所属し、何不自由ない青春を謳歌していたが、19歳の誕生日に、人類の歴史の裏で暗躍する暗黒結社ゴルゴムによって、その首魁である創世王の後継者候補として改造されてしまう。以後改造された悲しみを背負いながら怪人や宿敵 シャドームーンとの戦いに身を投じる。
しかし、秋月杏子と紀田克美はゴルゴムの脅威から逃れるために海外に渡り、親友だったシャドームーンは決戦の末に死亡する等、守りたいものを全て失った彼は悲しみに暮れ、何処ともなく去っていくのだった(それらしき経緯がRX第2話でわずかに触れられている)。
萬画版と比べると杏子が生きているだけまだ救いがある方であるのだが、2022年現在も彼女と再会した様子は見られない。
服装は上半身がグレーかホワイトのジャケット、下半身がジーンズというパターンが多い(客演作品では文字通りブラック中心のコーディネートとなっている)。また、本作とRXの共通の要素として指抜きグローブを着用しているのが特徴。
変身前の愛車はスズキ・GSX-R400。ヘルメットは黒いものを着用。
RX時代
ゴルゴム壊滅の半年後、ゴルゴムとの戦いによって心身がボロボロなまでに疲弊していた光太郎は、親戚のつてを辿って、佐原家に居候の身となる。佐原航空を経営する叔父・佐原俊吉の「光太郎に生きがいを持たせたい」との思いに応えてヘリコプターパイロットの職を得て、失われていた平穏な日常を取り戻していた。
ちなみに第2話で「お前が私の前に現れた時、お前は見るも無残なくらいに疲れておった」と俊吉が光太郎を居候させた経緯を口にしている。
地球侵略のため現れた強敵クライシス帝国に命を狙われ始める。
BLACKの力を脅威に思ったクライシスによって宇宙空間に放り出されるが、そこで大量の太陽光を浴びたことで新しい仮面ライダーとして生まれ変わり、RXへの変身能力を獲得。明確に意思表示をするようになったキングストーンからアドバイスを受けるシーンも見られた。
BLACK時代に比べ性格が明るくなったようにも見える。(後述)これはゴルゴムとの戦いを終えて自暴自棄になっていた所を佐原家に救われた為である。この辺は孤独に戦ってきた前作と比べて共に戦う仲間が増えたという点も影響しているのだろう。その仲間は(仮面ライダーでない)改造人間、超能力者少女、カメラマンとこれまでにない布陣となった。
口癖は「冗談じゃないぜ!」となっている。
本作では性格が明るくなった影響か、普段着のホワイト率が高いのが特徴。客演作品でもホワイト中心のコーディネートになっている為、ホワイトは「RXの光太郎」を象徴するカラーとして扱われている様子。
変身前の愛車はスズキ・RGV250Γ。ヘルメットはシルバーの物を着用。
クライシス壊滅後は新たな悪の出現に備えて、精神を鍛えるべく旅に出た。テレビマガジンで明かされた設定によれば、東京に本部を立ち上げ、1号からシンまでの昭和ライダーのサポートをしているとの事。(併せて他のライダーの動向についても記載しておく。)
- 1号:イギリスで謎の連続殺人を追っている。
- 2号:インドの山奥で悪の超能力者と戦闘中。ストロンガーの時期でもインドで戦っていた。
- V3:エジプトに現れた謎の怪人と戦闘中
- ライダーマン:ギリシャで改造人間を研究中。
- X:スペインで開催されたオリンピックを怪人から防衛。漫画作品仮面ライダーspiritsにおいてもスペインで戦闘経験がある。
- アマゾン:大アマゾンを防衛中。
- ストロンガー:オーストラリアでUFOと戦闘中。
- スカイライダー:フランスで爆弾魔を追っている。
- スーパー1:アメリカでスペースシャトルの開発に携わっている。
- ZX:ドイツにおいて原子力発電所を謎の集団から防衛中。
- シン:財団の手がかりを追って各地を転々としている。
なお、当時はまだZOやJが誕生していなかったので彼らの動向は不明となっている。また、この設定の出典が児童誌であり、公式設定とは限らないので注意されたし。一方で『MOVIE大戦MEGAMAX』では1号〜ストロンガーら7人ライダーが様々な地域で財団Xと戦っている描写があるなど、この設定を彷彿とさせる。
仮面ライダーディケイドでの登場
まさかの上記二時代ダブル光太郎の同時変身が実現。ファンを歓喜させた。
なお、これは「仮面ライダーディケイド」の劇中にて「BLACKの世界」と「BLACK RXの世界」が別の世界として扱われていることによる(オリキャスが演じていて、原典とも名前が同じだが、全くの別人という扱いである)。
「RXの世界」の光太郎は主人公である門矢士を霞のジョーと勘違い、彼が世界の破壊者と知ると敵と見なすものの、和解して共闘の道を選んだ。「BLACKの世界」の光太郎は本物の霞のジョーと共闘しているらしく、彼もまた士との敵対を経て仲間となった。なお、「RXの世界」において、「BLACKの世界」の光太郎はカメンライドで召喚されたという扱いになっている(それにしては「BLACKの世界」の本人を召喚したとしか思えない演出であったが)。
なお、こちらの光太郎は変身前でもアクロバッターに乗るようであり、士の事は「士くん」と呼ぶ。
劇場版「オールライダー対大ショッカー」でも南光太郎=RXが登場するが、アギトが津上翔一であるなど登場ライダーが全員が(士がこれまで巡ってきた世界の)リマジライダーかどうか判断に困る部分があり、どの世界線の光太郎かは不明。
スーパーヒーロー大戦GPでの登場
「子供達の夢を守り、希望の光を照らす。それが仮面ライダーだ!!」
仮面ライダーサイドの1人として登場。もちろん演じるのは倉田てつを本人である。
当初はBLACKの変身者として登場。ショッカーの洗脳を免れていた数少ないライダーの1人で、特状課のホワイトボードを見る限りでは、以前からショッカーの関係先を度々襲撃する等、レジスタンスとして活動していた模様。改造人間候補となった子供達を助けようと登場し、シュバリアン、ザンジオー、カメバズーカ、ショッカーライダーとなっていたドライブを相手に奮戦するも徐々に追い詰められていき、最後は攻撃から子供たちを庇って重傷を負ってしまう。しかし、正義の心を貫こうとする光太郎のその姿勢はドライブ=泊進ノ介の心を動かし、彼がショッカーを離反するきっかけとなった。その後、ドライブピットに匿われていたが、ショッカーに居場所を突き止められてしまい、襲撃を受ける。既に変身できないボロボロの状態でありながらも、怪人たちに戦いを挑み、自分が囮となることで進ノ介と霧子をドライブピットから脱出させることに成功するが、本人は怪人たちの一斉攻撃を浴びて遂に倒されてしまう。
その後、終盤のライダーグランプリで、ドライブに加勢すべくBLACK RXとなって復活・再登場(復活できた原因は不明。本人曰く「この世に太陽がある限り、俺は何度でも蘇る!!」とのこと。まぁ、不思議なことが起こったのだと解釈しておこう)。ライドロンに搭乗して魔進チェイサーから妨害を受けていたドライブを救出し、彼の勝利に貢献。最終決戦では、原典でクライシスの幹部であったジャーク将軍と一騎打ちを繰り広げ、リボルクラッシュを決めてジャーク将軍を撃破した。クライマックスで、ライダーロボが破壊されて歴史の改変が修正された際には、他のライダーたちと共に3号=黒井響一郎が消えていくのを見守った。
ちなみに、RXが登場するのは本編公開まで伏せられており、「南光太郎 / 仮面ライダーBLACK」とクレジットされていた。まぁ、車を運転するライダーが主人公の映画なのだから、彼も登場するのはある意味必然であったと思われるが。
その他
ヒーロー戦記では主役格の一人でウルトラマンの光太郎との共演(?)を果たした。
二次創作では光太郎=アホ、といった設定がついて回ることが多いが、大概は本作と仮面ライダーSDが原因。原作ではむしろ機械工学に強く、賢い方である。
ディケイドおよびスーパーヒーロー大戦GPでは、BLACK変身時は黒っぽい服装を、RXとして復活した際は白い服装をしていた。
長い歴史を持つ「仮面ライダー」シリーズの中で、TVシリーズにおいて複数の作品で主役を勤めたのは現在でも「南光太郎(=倉田てつを)」唯一人である。
物語開始以前
改造される以前の過去について多くの情報は語られていないが、BLACK4、36話とRX8話においてオートレーサーの速水にバイクテクニックを教わったこと、高校が共学校であったらしいこと、小学生時代は頭髪をスポーツ刈りにしていたことなどが断片的に判明している。
また、坂田龍三郎とは幼少時から面識があったことも語られている。
家族
父・正人(演:土師孝也)、母・友子は光太郎が三歳の時に亡くなるが・・・(BLACK1話。)
萬画版では父の名前は南光雲となっている(息子の名前が光太郎である事から、芸術家の高村光雲が由来と思われる)。
RXでは叔母の家族・佐原家がレギュラーで登場。家族構成は叔母である唄子(36)、婿養子である夫・俊吉(40)、宇宙飛行士を夢見る小学5年生の長男・茂、小学1年生の長女・ひとみの4人家族でいわゆるかかあ天下。家族の中でRXの正体を知っているのは子供たちだけであり、茂は口外していないものの、ひとみがうっかり喋ってしまった事があるが、両親には信じては貰えず。その後、俊吉と唄子はジャークミドラの手に掛かって死亡。最後までRX=光太郎だと確信することは無かった。身寄りを失った子供達は戦友の響子が引き取る事になった。
また、佐原航空の社員食堂ではシェフとして吾郎や給仕の七七子が働いている。
性格/能力
改造後は暗くなっているが、本来は明るく社交的な性格でミーハー的な部分もある。
RXの頃には幾分かその性格に戻っているが、これは演じている倉田てつを自身が「明るい性格にして欲しい」と要望した関係もあるという。
何でもゴルゴムの仕業で片付けてしまうところからは想像できないが、人に物を教えるのも割合得意である模様。一方で話術に長けた老人に翻弄されるなど、弁舌には長けていない。
また、年下の人物を先輩と立てたりすることにも抵抗はない様子。
どの作品でも共通して強い正義感を持っており、子供にも優しく義侠心にも厚い。
人々の平穏を守るためならば、ジャーク将軍のスカウトや力を倍にしてやるというマリバロンの提案も跳ね除け(『RX』第1話)、人々にリンチされようが(『BLACK』第36話/第49話)、指名手配されようが(『RX』第35話)、作戦を練る間すらも惜しんで、自己犠牲すらも厭わずに出撃するほど(『RX』第44話)。
それだけではなく、一度はゴルゴムに魂を売った人間や組織を裏切った怪人でさえも助ける事がある。
ロボライダーやバイオライダーへの変身能力の獲得も、単にキングストーンの不思議な力によるものではなく、こうした彼の人々への友愛があって初めてなし得た事なのである。
『スーパーヒーロー大戦GP』における彼の放ったヒーロー論は彼の優しさや強さを端的に表していると言えよう。
改造の影響で回復力、五感、腕力のどれもが発達しており、赤外線を見ることができるほか、「RX」では自分をマークしている速水刑事と握手した際にはうっかり強く握ってしまい、余計に怪しまれている。
おまけに常人よりも遥かに頑丈であり、三神官によって繁華街の電光看板や倉庫の屋根や壁に叩きつけられた際にはダメージを負った程度で命に別状はなかった。
とはいえ、体内は比較的脆弱な方であり、ウィル鬼に寄生された際には(変身前後を問わず)痛みを訴えていた。バイオライダーになればある程度の対策はできるようであるが。
『RX』時点ではバイオライダーやロボライダーといった強力な戦力を得た事で、これらの形態を活かした巧妙な作戦を実行するなど駆け引きや判断力もより洗練された模様(特にバイオライダーの能力は要所要所で活用していた)。
バイクは勿論のこと、ヘリコプターや異界の技術が使われているライドロンなど様々な乗り物の運転を一通りこなせる辺り、運転技術は昭和ライダーでも屈指だと考えられる。
メカニックとしての技術もあるらしく、怪魔界で知り合ったワールド博士から齎された設計図を元にライドロンを制作して見せた事も(「BLACK」時点でコンピューターや機械工学に強いという設定がある)。
『正義の系譜』でも発電所の性質を孤立した変異空間と見抜くなど頭脳面は健在である。
大学時代にはサッカー部に所属しており、OBである滝竜介の「リュウシュート」を習得した事から、運動神経も高め。
基本的に周囲からは名前で呼ばれる事が殆どで、叔母の唄子からは「光ちゃん」、霞のジョーからは「兄貴」、茂からは「光太郎兄ちゃん」と呼び慕われている。なお、仮面ライダー1号からは「光太郎くん」と呼ばれており、先輩ライダーに対しては敬語を使っている場面が多く、初対面から良好な関係を築いている。
漫画版
惑星直列の日に生まれ、「K・K・アキヅキ」を経営する秋月家に引き取られて育った(本作の秋月家は京都の一乗寺にある)。空手大会の日にゴルゴムに誘拐されて改造人間と化し、研究所を脱出するが、過去の一切の記憶を失ってしまう。ニューヨークの地下水道を彷徨っていた所を、現地の番組「裏の世界」のTVクルーであるサム・スピード、ケイト・クリスティと知り合い、やがて記憶を取り戻していく。彼らと共に世界各地を回りながらゴルゴムの野望を叩き潰していくが、兄妹同然に育った信彦と殺しあい、どちらかが魔王になるという宿命を知って苦悩する。
信彦とトランシルバニアを攻略するうちに未来世界で生き残ったアボリジニの希望である"黒い神"として召喚され、魔王と対決するが、1995年の世界に飛ばされ、ゴルゴムが引き起こした戦争や伝染病で人類が滅亡寸前になっている事を知り、信彦と対決、今度は1999年の世界に飛ばされる。
そこで光太郎は信彦を撃破するが、結局、魔王が何者かを知る事は出来ず、光太郎の絶望の叫びが東京湾に木霊する所で物語は終了する。
本作では光太郎の先輩はサッカー部OBでスキューバダイビング用品店兼バー「CAPITOLA」を営む東堂勝ではなく、柴又でモーターショップを営む空手部OB・大門五郎となっており(TV版におけるロードセクターの開発者の苗字も大門だが、関係は不明)、バトルホッパーもゴルゴムの作った生体マシンではなく、彼が仮面ライダーに憧れて作ったバイクという扱いである。
関連イラスト
関連タグ
南光太郎(BLACKSUN):リブート版における光太郎。人物像が色々異なっている。
桐山漣:子供の時の憧れのヒーローは南光太郎だったと語っている。その縁があってか自身もフルネームが一文字苗字で太郎の名前を持つ主役を演じる事になった。