財団X
ざいだんえっくす
表向きは科学研究財団の看板を掲げており、世間からも認知されている。しかし、裏では強力な兵士をその手に持ち、様々な組織・個人に援助を行う闇の組織として活動しており、その実態は死の商人と推測される。
援助の見返りに協力者からその研究成果を吸い上げており、彼らのメンバー自身の戦力もかなりのもの。なお、Xという名の財団そのものはこの世に存在せず、巨大企業や団体を人知れず母体として利用してきたため、カイ・オペレーションズの出紋大騎など各企業の人間は自らがそれに加担していることを知ることはない(『風都探偵』より)。
ただの死の商人かと思いきや、組織が持つ無尽蔵の資金と世界に張り巡らされた巨大なネットワークを使ってのウォービジネスを駆使して最終的に壮大な計画を成し遂げることを目的に暗躍していると思われる。
『風都探偵』では、既にその前身は少なくとも100年以上前に存在していて生物学の権威であるハルバー・ヘルスタイン博士に迷路棟を与え、不死の研究を進めさせていたことが判明し、クォークスやNEVERなど、人間の生体機能強化に投資を集中させていたその生物学的発端がヘルスタイン博士の研究にあったと判明した。
そして、その実態は古来より強力な兵器を製造して、各国に売り捌き戦争を激化させ利益を得る者たち、いわゆる死の商人の末裔が時代に合わせて進化しながら存続してきた存在であることも判明した。
『MOVIE大戦MEGAMAX』における、レム・カンナギの反乱によって有力な幹部メンバー数名が殺害されるという痛手を負ったため、活動を縮小し、しばらく表舞台に姿を見せなかった。
その後、『仮面ライダーエグゼイド』のスピンオフ作品『ビーストライダー・スクワッド』では、眼鏡を着用した白服の男が登場。ナイトオブサファリガシャットでライダーガシャットの戦闘データを入手した後、どこかへ去っていった。
『仮面ライダービルド』の関連作品『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL』では、意外な形で登場した。
いくら欠員が出ようと平気で再び現れてくる底知れない連中であり、「"一地域を護る仮面ライダー"レベルでは絶対に壊滅させられない」という言葉にも納得である。
その規模と戦力は歴代ライダーシリーズの悪の組織の中でも群を抜いて強大であり、人を超えた力を持つとはいえあくまで個人〜十数名の集団でしかないライダーでは壊滅させることは不可能と言われている。
とはいえ、照井竜が『風都探偵』で、既に財団Xは半壊していると言っていいと述べているため、ライダー達の活躍による損失が全くないという訳ではない模様。
しかし、照井の家庭事情からさらに未来の出来事である仮面ライダードライブ以降の作品でも登場しており、半壊後も完全壊滅はせず立て直された(あるいは残党が一定の勢力を保っている)ことがほぼ確定している。実際、「半壊した」と語っている照井自身が「だがその悪意は今もこの世から消えてはいない」とも発言しており、その有様を「まるで肉体を持たぬ黒い幽霊」と例えている。
『仮面ライダーアウトサイダーズ』では、事実上の主役として継続的に登場。
これまでの投資や技術の獲得、あるいは一部メンバーの暴走などではなく、組織内でのプロジェクトとして、「プロジェクト・アウトサイダーズ」を進行している。
善意によって世界を滅ぼすとされる人工知能「ゼイン」に対抗しているため、一見すると財団Xが世界を守るために暗躍しているように見えるが、物語が進むにつれてゼインに協力する人物も登場していることに加えて、依然財団Xの本当の目的は謎に包まれている。
ep.4『狂った時の運行とゼインの正体』で、ゼインの目的が「人間の中にある全ての悪意を駆逐する=人類を滅亡させる」ことが判明し、財団Xは人類を守るべく奔走することになる。
メンバーは全員白い衣装を身につけている。初期に出たメンバーは人間味が薄かったが、最近は個性が強い構成員が登場した。
なお、『フォーゼ』第33話で、財団のトップと思わしき“会長”の存在がほのめかされているが、詳細は不明。
仮面ライダーW
ミュージアム担当エージェント。
加頭の部下。T2ガイアメモリの運搬を担当する。
ネクロオーバー計画の担当者だったエージェント。大道克己の反乱で死亡した。
財団の風都支局長。白いストップウォッチを所持しており、会話の時間を常に計測している。
MOVIE大戦MEGAMAX
アンノウンエネルギーの開発を担当している幹部。
野望を現し、他数名の幹部を殺害して財団を裏切った。
カンナギの直属の部下の黒人男性。超進化生命体・ミュータミットで、ドラゴンのような姿をした怪人・サドンダスに変身する。
カンナギの直属の部下の女性。蹴り技主体の格闘技に秀でる。
カタルと同じくミュータミットである上、ユニコーン・ゾディアーツに変身する。
財団X幹部でカンナギの上司。反乱を起こしたカンナギに殺害された。
一部を除き、組織or個人名(作品名)・技術の順に記載している。
なお、『アウトサイダーズ』において他の仮面ライダーの技術を利用(代用)していることから、ロイミュードやメギドの技術を取得していない可能性がある。
明確に出資していたことが明らかになっている組織。その見返りとしてガイアメモリを多数受け取り、本来は破棄された計画であったT2ガイアメモリやミュージアムから設計図ごと行方不明になったはずのロストドライバーも独自に完成させた。
組織壊滅後も関与し続けている(新たな出資先を見つけた可能性もある)。
- 大道美樹(仮面ライダーエターナル)・ネクロオーバー技術
ネクロオーバーの研究者。出資先として検討されていたが、競合相手だったミュージアムのガイアメモリが能力の幅広さで勝り、出資先に選ばれなかった。しかし技術資料は財団Xにもあり、実際にNEVERになったメンバーがいる。
- ビレッジ(仮面ライダーエターナル)・超能力
明確に出資していたことが明らかになっている組織。エージェントの加頭もこの組織の開発を受け、多重超能力者になった。
- 我望光明(仮面ライダーフォーゼ)・ゾディアーツスイッチ
明確に出資していたことが明らかになっている個人。見返りとしてホロスコープスのコピー体を生み出すゾディアーツスイッチを受け取っているが、このスイッチはインガ・ブリンクに奪われている。
メンバーの中では、レム・カンナギや最上魁星がスイッチの研究開発や製造を行っている。
- Cage of Memory(バトライド・ウォー)・ムネモシュネ
明確に出資していたことが明らかになっている組織……というかほぼ個人。
- 「ビルドの世界」の最上魁星(平成ジェネレーションズFINAL)・カイザー
「ビルドの世界」に財団Xが存在するかは不明だが、「エグゼイドの世界」の最上魁星と同様の技術を使っていたことから、両者間で技術提供を行っていた可能性がある。
難波重工が製造・販売している機械兵ガーディアンのコピー品であるXガーディアンが最上魁星の手駒として用いられていた。
- ヒューマギア(アウトサイダーズ)
開発元の飛電インテリジェンスと取引が行われているとは考えにくいが、ヒューマギアを運用する技術を保持しているらしく、劇中ではブロンズドライブとブレンの復元に使用された。また、復元する様子は描かれなかったが、滅の復元にも使用されており、研究室にはヒューマギアが梱包されていた箱が置かれていた。
なお、正攻法による復活を試みている詩島剛とは違い、複数の技術を利用して復元を行っている。それにより、彼が復活させようとしているうちの一人であるブレンを完璧に復元したあたりは、技術力の高さが覗える。
オーメダル技術について
『W』最終盤で、オーメダルの研究への出資を検討していたのは明確になっている。しかし、オーメダル技術といえば鴻上ファウンデーションだが、『オーズ』劇中で明確に関わった描写は皆無で、出資対象だったのかどうかは不明瞭。
ファウンデーション(財団)であるため、外部に出資を求めた可能性は低く、仮に鴻上会長がオーメダルのデータを提供していた場合、見返りとして欲しがりそうなのはガイアメモリやアストロスイッチといった別組織由来の技術と思われる(映画で登場したホムンクルスなども、オーメダルと先のネクロオーバー技術の応用だったと仮定もできる)。
カンナギの存在を考えると身内の研究の査定だった可能性すらある。
グリードのコピー体を作成したりセルメダルでヤミーを生成したり(本来グリードしかできないのにかかわらず、生成に成功している)と、夢見町近郊での戦いのデータを収集していたことが判明した。
ライダーガシャット関連の技術について
ライダーガシャットは財団Xにより度々利用されているため、何処からかの技術提供があったことは明確であるが、それが幻夢コーポレーションからかどうかは明確に描かれていない。仮に財団と取引していた場合、衛生省(日本政府)とも取引のある株式会社であり、出資がなくても一定の資金源はある可能性があるため、鴻上と同様に金銭以外を要求していると思われる(ガンバライジングガシャット開発のための、歴代仮面ライダーのデータなど)。
幻夢コーポレーションから盗み出されたものとされており、真っ当な取引先ではなかった模様(ただし、まだ本性や本来の目的を隠していた可能性はある)。
- 仮面ライダークロニクルガシャット・ガシャコンバグヴァイザー
幻夢コーポレーションから入手したと思われるが、入手方法や幻夢コーポレーションとの関係性は不明。なお、使用されたガシャコンバグヴァイザーは類似品である。
仮面ライダークロニクルガシャットを挿入したガシャコンバグヴァイザーの類似品をヒューマギアに接続し、ブロンズドライブとブレンを復元した。
ミラーワールド関連技術について
ミラーワールドやカードデッキの技術に関しては、『アウトサイダーズ』にて、仮面ライダーディエンドから何らかの取引の上で仮面ライダーオーディンのカードデッキの回収を依頼(その後のエピソードで、ディエンド本人は登場しないため、詳細は不明)していたり、清明院大学の江島教授が残したミラーワールドのデータを買い取る形で取得していることから、神崎に直接支援していたなどは無い模様。
仮面ライダー王蛇を復活させたほか、オーディンのカードデッキを使用してアルターライドブックを復元し、デザストを復活させた。
なお、ゲームや『エグゼイド』スピンオフの描写から、技術取得以前から王蛇たちミラーライダーについては認識していた模様。
W以前の作品に登場した悪との関係
「ビルドの世界」の最上魁星が別世界の存在を認知していたことから考えると、スマートブレインやZECTなど過去のシリーズの組織にも干渉してその技術を得ている可能性はある。
ビーストライダー・スクワッドでは浅倉が蘇っているがこれも可能性は高いだろう。事実、王蛇のカードデッキを彼に渡している他『バトライド・ウォー』ではムネモシュネによりそれらの技術が再現されている。
ただしムネモシュネの特性により出資していなくても情報を得ることはできるため、出資自体していたのかどうかは不明。
さらにはディケイドなどの一部のライダーが存在せず、ムネモシュネによる再現だったとしても話が成立してしまう。
『アウトサイダーズ』では、オルフェノクの技術を保持していることがアークの口から語られたほか、アークオルフェノクを甦らせたことが示唆されている。
その他、悪の組織ではないものの、清明院大学の江島研究室からデータを買い取りミラーワールドを復活させたことも語られている。
『仮面ライダーZX』に登場した敵で、『仮面ライダー』から『仮面ライダースーパー1』までに登場した全ての悪を影から操っていた。悪の組織を裏で支援する黒幕という共通点がある。
『仮面ライダー大戦』では超銀河王やサドンダスといった財団製怪人の再生個体が新生バダンの構成員として登場している。
『真・仮面ライダー』に登場した敵組織で、財団Xの元ネタ。
一部の書籍では財団Xと何らかの繋がりがあることが示唆されている。実際、ライダーの世界は、合併による新組織にしろ、残党による新組織にしろ、分家による新組織にしろ、その名を受け継いだ例があり、『真』の財団なども、書籍などでは改造人間技術となる改造兵士のほか、超能力なども研究していたとされ、シン(もしくはネオライダー全員)の戦いで滅んで財団Xが誕生した場合、平成仮面ライダーの誕生にも仮面ライダースカルの誕生にも間に合うことなり時系列的な違和感もない。
よく「クロスオーバーをやりやすくするためのギミック」と思われる事もあるが、そもそもはあくまで「仮面ライダーWの敵組織」であり、クロスオーバーに使われたのはあくまでプロデューサーの塚田英明氏による後付けである。
W作中における「財団Xがオーメダルに出資している」と言うシーンは、その時点ではただのお遊びであった事が語られている。
『仮面ライダーW』及び『フォーゼ』のプロデューサーは塚田Pであり、当初は財団Xが劇中に登場するのは塚田氏がプロデューサーを務めるライダー作品に限定されているという噂があったが、前述の『仮面ライダーエグゼイド』(プロデューサーは大森敬仁氏)のスピンオフ作品『ブレイブ』での登場により、その説は否定された。
どちらかと言えば技術的制約があまりないゲーム作品やヒーローショーで拾われることが多い。
Wは基本的に風都のみを舞台としているため「狭い舞台での小さな作品」と思われない為に、「Wは風都の外の巨大な敵とも戦える」「巨大過ぎて滅ぼせないので、風都を出て倒しにいくより風都を守る事が優先」と言う事を示すための設定だったのだろう。
また、平成後期ライダーはその後の作品も、メダルが飛び散った範囲、学校、サバトの儀式地の範囲……と基本的には狭いエリアの中で事件が集中するスタイルを採用している。
結果として、そうした普段はバラバラに専門の敵と戦っている仮面ライダーが垣根を超える状況として、複数の勢力に加担し戦力を運用できる組織は最適となっている。
風都探偵においてクロスオーバー作品での事件にも言及されている通り、クロスオーバー作品もW世界の正史であり、風都以外で戦う仮面ライダーは存在する扱いとなっている。
このため、実質的に財団Xの存在(平成ジェネレーションズ)によりW~エグゼイドは同一世界と考えることもできるが、作品によっては映画と本編が矛盾しており、「Wや財団Xが関わった映画の出来事」は存在しても、イコールでテレビ本編まで同一世界であると考えると矛盾が生じてくる。(ただ、似たような出来事は本編でも起きている模様。)
基本的にはテレビ本編には登場してこないことも踏まえ、緻密な設定というよりはあくまでお祭り騒ぎをW本編にも組み込むサービス程度に割り切った方が良いだろう。
仮面ライダージオウでは歴史の改変がテーマとなり、遡って仮面ライダー電王や仮面ライダーアクアも時間を超えて活躍しており、財団X絡みの事件で集合している世界線についても、集合する歴史と集合しない歴史に分岐している可能性は充分に考えられ、分岐であればいくつかの矛盾は解消される。こうした事情も踏まえ、財団XとW世界正史の関係は極めて複雑になっている。
時代が進み令和ライダーになっても財団Xは登場しており、『仮面ライダーアウトサイダーズ』では構成員であるジョゼフ乱堂とエコルが登場した。今後も暗躍を続け、仮面ライダーとの闘いは果てしなく続くのだろう……。
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