概要
『仮面ライダーゼロワン』に登場する企業で、正式な表記は「株式会社飛電インテリジェンス」。 人工知能搭載人型ロボット「ヒューマギア」を開発・派遣するサービスを展開している大企業。劇中世界に普及している飛電ライズフォンの製造企業でもある。
創業者である飛電是之助の死後、その孫である飛電或人が2代目社長に任命された。
緊急取締役会に集まった面々を見る限り、人間が運営の主体となり、ヒューマギアを秘書などのアシスタントとして運用している模様。
第1話で映った名刺によれば、住所は「東京都東品川エリア来図3-22-1」、
郵便番号は「110-1601」。
社長室には通信衛星ゼアの指令を受けて、ゼロワン用の装備の製造が出来る「多次元プリンター」を備えた秘密ラボがあり、社長室を通らなくても行ける秘密の通路もある。飛電ゼロワンドライバーや各種プログライズキーもここで製造された他、ヒューマギアの修理も可能。
ただしZAIAエンタープライズによる買収後はゼアとの通信が途絶え使用不能となっている。
ZAIA買収後はザイアスペックの取り扱いも行っており事実上ZAIAの下請けとなってしまったが、とある事情で本心に気付いた天津が辞表を提示、或人に社長の座を返却した。
従業員
- 社長
- 飛電是之助(創業者・初代社長)
- 飛電或人(2代目・4代目社長)
- 天津垓(3代目社長 兼 ZAIAエンタープライズジャパン社長)
- 副社長
- 専務取締役
- 所属ヒューマギア
企業としての主な実績
作中世界においては、社会の根幹を支えるヒューマギアとAIを一手に製造・流通させており、既に社会インフラの一部を形成していることから、現実でいうところの「GAFA」に匹敵する大企業といえる。
また、12年前には飛電インテリジェンスを含む十二の企業と提携して、「ヒューマギア運用実験都市計画」によって1つの巨大な街を作っていた事から、12年以上前には既に行政に深い影響を与える程の、実力と実績を持っていた巨大企業となっている事が分かる。
企業としての元々の理念は、「AIを医療分野に応用して人を助ける。」と言うものであったらしく、ヒューマギアが最初に適用され、また最多の運用をされているのは病院である。
その後、ヒューマギアが社会に応用されていくにつれ、「AIによって情熱を持った全ての人々を助ける。」と言う、企業理念へと昇華されていったらしい。
一方で、下記の通りに、デイブレイクと呼ばれる巨大な事件を『単なる爆発事故』として処理し、その事を隠蔽する等、決してクリーンなだけの企業ではなく、大企業特有の強権も見受けられる(とは言え、デイブレイクタウンに纏わる計画は飛電インテリジェンスのみならず、政府や他企業を巻き込んだ巨大プロジェクトである以上、事件隠蔽は政府側の意向・要請もあると思われる)。
物語上の役割
平成ライダーでも、巨大企業が仮面ライダーの戦いに関与すると言う設定は珍しくなかった。「怪人を裏から支援する」「ライダーと怪人の戦いを裏でコントロールする」等して悪役を担う場合もあれば、「自社が起こした不始末の解決をライダーに任せる形でサポートする」と一癖ある味方になる場合もあったが、どちらにせよ主人公と利害が一致する事はあまり多くなかった。
だが、飛電インテリジェンスの場合、物語の開始において主人公が社長に就任する事で、ライダー史上初の仮面ライダーに守られる企業と言うポジションに落ち着くことになった。
しかし、平成ライダーに登場した様々な企業と全く違うわけでもなく、飛電インテリジェンスも「ヒューマギアを開発して社会に送り出す」と言う、見方を変えれば「怪人(の素)を生み出して人類社会に送り出す」一種の怪人製造を担当する形になっている(実際に怪人化させるのは、敵対する犯罪テロ組織の滅亡迅雷.netではあるが)。
また、第2話の時点では、本編から十数年前に起こったデイブレイクと言う街1つが消える爆発事故が起こり、その際にヒューマギアが関与した可能性を、もみ消したかのような示唆がされている。
現状、飛電インテリジェンスは「ヒューマギアは人類の夢」と言う理想を持つ主人公からすれば、正しく「人類の夢を実現した理想の企業」とも言えるが、「ヒューマギアは人類の敵」とする不破諫やA.I.M.S.のメンバーからすれば、「かつて事件の真相を隠し、人類の脅威をまき散らす怪しげな企業」とも言え、非常にグレーな組織となっている。
組織としても一枚岩ではなく、或人が社長になった経緯により、副社長の福添は何かにつけて或人を社長の座から引きずり降ろそうとしている。また第1話で或人の社長就任に反対した、福添以外の上役達も多数居たので、今後福添以外の社員が社長の座を奪おうとする事もありえなくはない。
主人公の基地ポジションではあるが、味方と思ってた社員がいつ敵になるか分からない要素があって、暫しの休息として完全に休める場所ではない。
そんな中でも、或人はヒューマギアのイメージアップの為に奮戦していくが、それも空しく度重なる影響で世間からの信用を失いつつあり、遂には第11話で警察の強制捜査を受ける事となり、ZAIAエンタープライズジャパンから買収を持ち掛けられる危機的な状況に陥り、第29話にて遂にZAIAに買収・子会社化された。同時に或人を会社から追放し(実際は或人が自らの意志で退社)、垓が新たに社長の座に就いた。
終盤では
通信衛星アークが仮面ライダーアークゼロとして地上に出現、仮面ライダー達は対応に追われる。
そして或人の手により仮面ライダーゼロツーがロールアウト、アークゼロを倒す方法を手に入れたのだが、アークは人類のインフラを攻撃。怪我人が多発し、どこも人手不足となってしまう。
イズは垓に上記の理由からヒューマギア事業の再開を求めるが「私にはできない」と断られてしまう。だがそれはヒューマギアを使いたくないというわけではなく、ヒューマギア事業を潰した自分ではできないという意味であり、代替案として「社長の座を或人に託してからヒューマギア事業の再開をする」ことを提案。或人はそれを受け入れ、飛電インテリジェンス代表取締役社長 飛電或人が再び誕生した(これにより飛電製作所は事実上吸収された)。
そしてヒューマギア事業を再展開、困窮する世界を救った。この後アークに乗っ取られた衛星を破壊した為、ゼロツープログライズキーという形で残ってこそいるが衛星としてのゼアは失われた。
本編終了から1年3ヶ月後「ゼロワンOthers」ではゼアの後継機となる「通信衛星ウィア」の打ち上げミッションを実行、ヒューマギア事業の更なる展開を図っていた。社長の或人自らそのミッションに向かうのだが、或人が地球に不在の間に最悪の事態が起きていた…。
余談
「怪人を生み出す組織(飛電インテリジェンス)によって生み出された怪人(仮面ライダー)が怪人(マギア)を倒す」構図は、言う間でもなく初代仮面ライダーとショッカーとの関係性のオマージュであり、仮面ライダーが怪人側の組織のトップに立つと言うのは、初代仮面ライダーのIFの世界とも言えるかもしれない。
関連タグ
スマートブレイン:数字表記の作品の仮面ライダーの変身ベルトを開発し怪人と深い関わりがある大企業、社長を務めた人物が3人いる、2号ライダーから敵視されている、仮面ライダーの変身に必要な人工衛星を所有している等の共通点が存在するが、こちらは怪人が社長で敵側。
ユグドラシル・コーポレーション:仮面ライダーの変身ベルトを開発し怪人と深い関わりがある大企業、協力者の中には人外もいる、重大な計画に関わっている、2号ライダーから敵視されている等の点が共通するが、こちらは敵側。
幻夢コーポレーション:プロデューサーと脚本家が同じ作品の大企業で社長を務める人物が仮面ライダーに変身する。
クジゴジ堂(平成ライダー) → 飛電インテリジェンス/飛電製作所 → ファンタジック本屋かみやま/ノーザンベース