檀正宗
だんまさむね
『仮面ライダーエグゼイド』の登場人物。
幻夢コーポレーションの創設者。2代目社長である「檀黎斗」の父親でもある。年齢は55歳と、歴代仮面ライダーシリーズで要職に就いている人物の中でも高齢の部類に入るが、外見は16年前からほとんど変わっておらず、かなり若々しい。バグスターウイルス発生事件「ゼロデイ」の責任を問われ、物語開始以前の時点で逮捕され服役している。
妻の櫻子がいたが既に他界している。
本編第12話で初登場。黎斗の謎を追う九条貴利矢と拘置所で面会、彼が息子を止めてくれる事を期待して情報を提供した。
第21話では遂に宝生永夢や仮野明日那と対面。貴利矢の死を聞き、永夢にバグスターウイルスの本当の出自と、本当のゼロデイ実行犯が黎斗であり、自分は罪を着せられた事を教えた。
なお同話にて、ゼロデイの謎を追い求める刑事に情報を提供しなかったり、初対面のはずの永夢の事を知っている様な素振りを見せたりと、色々と不可解な言動も見られた。
第32話にて公にゼロデイの真犯人は黎斗だと判明したため釈放され、約5年ぶりに社長室へと帰還。
社員からは歓迎されるも、社長室の現在の主である天ヶ崎恋から「ここは私の席です」と非難を受けた。
社員を下がらせ、「これ以上この会社を思い通りにはさせないよ…バグスター」と社長室の引き出しから入手したガシャコンバグヴァイザーⅡの銃口を恋に向けるも、人間がそのデバイスを使うことの危険性を恋に指摘され、未遂に終わった。しかし……?
「ご苦労だったな黎斗。……いや、『デンジャラスゾンビ』。それに『パーフェクトノックアウト』。私の服役中に見事に君たちは完成させた…私の『仮面ライダークロニクル』をね」
「黎斗の才能も…バグスターの力も…幻夢コーポレーションの商品の一部に過ぎない」
「幻夢コーポレーションを作ったのは私だ。黎斗でも、ましてや君(天ヶ崎恋)でもない。私こそが社長…」
第32話でのライダーとバグスターとの最終決戦が佳境に向かった時に突如現れ、仮面ライダークロノスへと変身。
実は16年前にバグスターウイルスが発見された際、永夢と同様の「世界で初めてのバグスターウイルス」に自ら感染、あらゆるバグスターウイルスへの完全な抗体を手に入れており、クロノスへの変身適正を獲得していた事が判明した。
「『仮面ライダークロニクル』は世界に誇るべき、長く愛されるコンテンツでなければならない」とし、ゲームを終結させようと最終決戦に臨む面々を阻止すべく襲いかかった。
時間を止めるという圧倒的な力でライダー全員を変身解除に追い込み、バグスターたちにも変身解除級の強烈な一撃を加え、天ヶ崎恋の正体であるラヴリカバグスターには「君にはもはや商品価値はない」と絶版宣言の後、完全に消滅させた。
審判には厳粛さを重んじるらしく、この際怒声を上げ自分に向かってきた者から優先して攻撃している。彼自身の攻撃も(時が止まって反撃の心配が無いからではあるが)中々スタイリッシュな動きである。
ラヴリカを復活させようとするグラファイトに対し「止まった時の中で死を迎えた者に、コンティニューの道はない」と言い放ち、「何度でもコンティニューできる」というバグスターの優位性を真っ向から否定、パラドを激しく動揺させた。
「今後は私が『仮面ライダークロニクル』を運営し、君たち全員の運命をジャッジする」と宣言し「私が世界のルールだ」と言い残して去っていった。
幻夢コーポレーションの社長としては、実質的にワンマン経営者タイプであった黎斗や恋とは違い、他者と交渉する際には必ず報酬・見返りを用意し、相手の心を確実にものにする人心掌握術に長けている。高いカリスマ性を持ち、社員への対応や待遇はいいらしく人望も厚い。
「幻夢コーポレーションはホワイト企業だ」と常々口にしており、「労働には報酬を与え、人心を掴むことでカンパニーを形成する。それこそが会社経営と言うものだ」と語るように、「労働者には相応の報酬・見返りがあってこその経営」を旨とする経営方針を掲げるなど、会社経営者としては至極真っ当な考え方を持つ。
その他、息子の黎斗の場合ならプライドを傷つけられて嫉妬したり、「不正なゲーム」と断じて削除しそうなガシャットでも、一律幻夢コーポレーションの商品として扱う姿勢である様子(クリエイターというよりは完全に運営サイドの人間と言える)。息子の黎斗とは違い、感情を表に出す事はほとんど無く、意表を突かれてもさして動揺を見せないなど「大人」としての面が強調されている。
……というのが表向きの顔。
その本性は、仮面ライダーとバグスターの全てを幻夢コーポレーションのコンテンツの一部としてしか見ていない冷酷な企業人。基本的に誰であっても名前を呼ばずに変身中のガシャット・元となったゲームの名前で呼ぶという、あらゆる物(息子の黎斗すらも)を商品価値のみで測る合理主義の権化とも言える人間味の無い性格の持ち主である(但し黎斗だけは一度「いや、デンジャラスゾンビ」と言い直したにも拘らずその直後の会話で2回も「黎斗」と呼んでいる)。その為、息子への愛情は殆ど抱いておらず、その才能を彼が小さい時から利用し続けていた為、親子関係は殆ど無いに等しい模様(第33話の描写より)。それを裏付けるように実の息子である彼を27回もゲームオーバーにしている(第33話で1回、第38話で24回、第40話で1回、最終話で1回)。
前述の「労働には報酬を」のポリシーも、鏡飛彩への一連の仕打ちを見てもわかるように、恋人の復活を餌にして強引に買収・引き抜き、約束通り彼女を再生させたように見せて実は意識が戻っていない状態であるため、それをさらに餌にして彼をこき使うという有様で、手口は極めて悪辣。「功績に報いる」というよりも「他人を利用する為には相手が望む餌を用意する必要がある」という考え方をしているだけであって、計算尽くで表面上ホワイト企業の仮面をかぶっているだけに、より性質の悪いブラック経営者である。
当然、人間の命に対しても手段・思想の是非はあれど自分なりの命への敬意を持っていた黎斗と違い、「今現在の商品価値」以上のものは一切感じておらず、価値がないと判断した者(ラヴリカ)、見せしめに切り捨てても構わない程度の価値しか見えていない者(ソルティ)等は将来性の考慮もなく簡単に切り捨て、抹殺してしまう。
これは社員はおろか顧客に対しても同様で、「ユーザーの命を【管理】する」という言葉通り、一定のプレイヤー人口が維持できていればそれ以上の人間がゲームオーバーで消滅しようがゲーム病で苦しもうが一切関知していない。ユーザーの人命を「軽視」どころか歯牙にもかけていないとも言える最悪の企業倫理の持ち主である。商品価値を高めるために必要とあらば人殺しも平気で行う程であり、生命そのものがかけがえのない存在であるとは毛ほども思っていない。
「仮面ライダークロニクル」に対する姿勢も、制作過程や方法に大いに問題はあっても根本的にはひたすら純粋に「面白いゲームを提供し、それを皆に遊んでもらいたい」と考えていた黎斗に対し、正宗にとっては自社、引いては自身の利益の為の道具でしかなく、場合によってはラスボスを倒せばエンディングを迎えるという原則的なルールすら捻じ曲げる身勝手さを見せている。
また、上記の行動から「仮面ライダークロニクル」の完成すらも見越して暗躍していたフシもあり、息子の黎斗やパラドすらも彼の手の上で踊らされていた可能性が高い。実際に自身は警察に捕まったのも黎斗が「仮面ライダークロニクル」の完成に漕ぎ着けるまでの時間稼ぎであったと第33話で語っている。
「仮面ライダークロニクル」の完成を服役中にどうやって導いたか等現段階では不明な点も多いが(一応原則として受刑者との手紙のやり取りは誰でも可能だが、施設の秩序や受刑者の更生に悪影響を及ぼす可能性があると判断された場合発受が禁止されてしまう。そのためこの方法を使う場合、怪しまれないよう文面に十分注意する必要がある)、16年前から黎斗を利用していた事やクロノスの最大の武器であるポーズ機能の弱点の対策も考慮していた事から、経営者らしく長期的なプランで用意周到に動いていたと窺える。
現状の彼は、「仮面ライダークロニクル」をクリアさせないことを目的に行動する第三勢力で、電脳救命センター(CR)にとっては人命を救助するために仮面ライダークロニクルの早期解決を図るうえで最大の障害、バグスターにとっては自分たちに完全な死をもたらす最大の脅威となっている。
しかし、第36話では九条貴利矢の芝居を見抜くことが出来ずハイパームテキガシャットどころかプロトガシャットまで奪い返されたことで、付け入る隙が露わになったと言える。さらにクロノスがムテキゲーマーに敗北し、退却して焦りを見せたことで心身共にもう絶対攻略不可能な超越者ではないということを視聴者に印象付けた。
その第36話の最後では、クロノスが敗北した事や貴利矢に騙されていた屈辱からか、普段の紳士的な態度はなく、飛彩を非情な手段で脅迫するという冷酷さが前面に出た性格と化した。そして、クロノスが敗北する事と反比例して、CR・バグスターの両陣営を精神的にも苦しめる更に非情な手段を実行していくようになる。
話が進むに連れて露わになっていくその本性を一言で言い表すならば支配欲の権化というのが最も相応しく、世界征服を目論む悪の親玉以外の何者でもない。
なお実の息子である黎斗との親子関係は最悪だが、注視してみると追い詰められた際に取る行動(バグヴァイザーからビームを乱射し目くらましして逃走等)や細かな仕草の端々(バグルドライバーのボタンの推し方等)はどことなく似通っているのが分かる。2人とも想定外のトラブルに巻き込まれるも、それを覆す機転が利く面や悪運を持つという点を見るとやはり腐っても親子ということか。
ゲーマドライバーを自主製作では無く永夢達ライダーからの強奪という手段で入手している事と、タドルレガシーを作成する為にガシャットギアデュアルβを一時回収していた事から、作る側としては黎斗には劣るようだ。
その目的は企業の一経営者として、「仮面ライダークロニクル」を世界に売り込み世界展開を実現、 永遠に利益を得続ける為に、「仮面ライダークロニクル」の管理者として商品であるライダーたちやバクスターは勿論、プレイヤーであるライドプレイヤーたちの命や行動を文字通り“管理”し続ける事で、「仮面ライダークロニクル」を永遠に人々に愛され続けるコンテンツとして世に広めるという、まさに典型的な行き過ぎた利益優先の行動理念にしたがってのものである。第35話ではそれに飽きたらず、更にプレイヤー人口を増やして最終的には全ての命を管理下に置き、自らが「世界のルール」となって支配するという野心も露わにした。
まとめれば、世界の支配者になる事が真の目標で、そのための「方法」として「仮面ライダークロニクル」を使った管理を試みた、と言えよう。それが証拠に、エナジーアイテムを管理下に置いたり、ゲムデウスのプログラムを書き換えたりといったゲームとしての面白さを顧みない運営を行っており、「永遠に人々に愛され続けるコンテンツ」などの文句は建前に過ぎないと考えられる。
尚、いつから正宗がこの野望を抱くようになったのか、それは描写されていない。遅くとも黎斗がバグスターウイルスを発見した頃であろうが…
しかし自身の人生をかけて起業した幻夢コーポレーションという会社への思い入れは本物で、野望の大本には必ず「会社を世界的企業にする」ことがあった。世界のルールになろうとしたのも「世界を手中に収めれば、幻夢コーポレーションが利益を得る方向に世界を操作することも自在」と考えたからであろう。
目的の為には、「報酬」という口実で、消された恋人のデータを人質に、相手の心につけ込んで自分の指示通りに動かせるという卑劣な行為も平然と行う。
また彼女に限らず、消滅した人間がいる以上は彼らが復活する可能性を持つ「仮面ライダークロニクル」を中断させるわけにはいかないため、衛生省の動きを封じる人質としての一面も持っていたが、貴利矢の策略によって消された人間のデータが内包された10本のプロトガシャットはすべてCRに回収された。しかし彼の持つ仮面ライダークロニクルのマスターガシャットの効果で内部のデータにはロックがかかっているため、依然彼を撃破しなければならないことに変わりはない。
このように入念で一見完璧なような計画だったのだが、技術面では息子の黎斗を超えることができず(事実、クロニクル完成の為に敢えてゼロデイの罪を被ったのも黎斗にクロニクルを完成させる為と発言しており逆に言えば自分では完成させられないということである)実のところほぼ全ての技術は息子に依存していたモノであり、更にデンジャラスゾンビなど敗北を考慮した計画や保険は一切入ってないので、次々と策略を立てるのも目の前の障害を潰す為にだけしか過ぎず黎斗がハイパームテキやセーブといった過去の自分を越える技術を開発していくことにより次第に破綻していく事になる。
こうした結果、正宗の人間性も重なり「クロニクルを永遠に愛されるコンテンツにし、人命を管理しつつ自社を発展させる」という当初の目的から「クロニクルを絶対にクリアさせない」という手段の目的化に陥りゲムデウスを取り込むなど行き当たりばったりと言えるぐらい暴走するに至った。
最早「人命を管理する」気などさらさら無く、クロニクルを終わらせようとする者を止めるため手当たり次第に人質に取るまでになっている。
酷い言い方をすると、『運営の皮を被った悪質なプレイヤー』と言えるものである。
尚、このような人格や目的をもった理由は一切不明。その点では息子やこの人物と似ているともいえる。
- 第33話
バグスターの目の前に現れ、自分が倒したラヴリカバグスターへのお悔やみという悪趣味な皮肉を贈った挙句に天ヶ崎恋が所持していた薔薇を踏みつけ、「彼のように殺されたくなければ、自分達に商品価値がある事を証明しなさい」と脅迫、不気味な笑みを浮かべて去って行った。この行動でバグスターにも「死」がある事を知り意気消沈していたパラドを更に恐怖へと陥れた。
その後、ソルティバグスターとエグゼイド達の戦いに乱入し、鏡飛彩を拉致。衛生省から盗んだ飛彩の恋人である百瀬小姫の命のデータが入っているプロトガシャット(プロトドラゴナイトハンターZガシャット)を人質に協力を要請する。
もちろん飛彩は断るのだが……。
直接話を聞く為に幻夢コーポレーションを訪れた宝生永夢と仮野明日那に上述の「仮面ライダークロニクル」の世界展開を話し、永夢を激怒させる。この時にライダークロニクルのマスターガシャットを見せ、「適宜バグスターを操作することでライドプレイヤーが消滅しないように調節する」という方針を語りつつ、別の場所にいたソルティを一瞬で消滅させ(これに伴い感染者も完治)、ゲーム内の全ての存在を自在に操れることを見せつけた。「君達の運命は私がジャッジする」と2人を脅した。
その後、黎斗に呼び出され対峙。「我が子の方から会いにきてくれるとは嬉しい」「お前への愛情があったからこそゼロデイの時に罪を被ってやった」と白々しい嘘を吐くが、既に本性を見透かされていた事を知るや、前述の黎斗を利用していた真実を暴露した。そして、ゲンムに変身して挑んできた黎斗に応じるようにクロノスに変身して交戦。圧倒的な性能差を見せつけて撃破すると、今度はエグゼイドが現れる。これをポーズで倒そうとすると、何とわざとやられることでガシャコンバグヴァイザーⅡに潜伏していた黎斗が現れ、羽交い締めにされた上ポーズを解除されてしまう。マキシマムゲーマーレベル99のリプログラミング攻撃を受けて万事休すかと思われたが、エグゼイドに同行していた飛彩=ブレイブがエグゼイドを攻撃して阻止、敗北を免れた。実は飛彩は小姫を救うため、先述の条件を呑む決意をしていたのだった。
作戦が失敗し動揺する黎斗を振り払って甚振り、エグゼイドをクリティカルサクリファイスで撃破すると、飛彩を右腕として「仮面ライダークロニクル」を管理していく事を宣言し、立ち去った。
- 第34話
「百瀬小姫を助ける」という報酬と引き換えに永夢から貴利矢のゲーマドライバーを強奪する仕事を飛彩に与え、見事それを果たした彼に報酬として、クロノスの力で小姫をプロトガシャットの中から蘇生させる。しかし復活したのは小姫の肉体のみで、彼女の人格まで戻したいのであれば更なる労働をこなすよう飛彩に言い渡し、根拠が無いと疑われた際は彼の前である人物を復活させる事で彼の信用を獲得してみせた。
その後、ガットンバグスターを切除しようとしていた永夢に前に飛彩と共に現れる。永夢と飛彩が対峙する中、そこへ現れたパラドとグラファイトを相手取る為にクロノスに変身する(この時、彼があめふりの歌を歌うと共にゲームエリア内に雨が降り始めた)。
戦闘ではパラドクスとグラファイトを難なく圧倒し、グラファイトがガシャコンバグヴァイザーで自身のバグヴァイザーⅡにバグスターウイルスを撃ち込んで来た際も「無駄だ」と言いながらポーズを発動しようとする。しかしグラファイトが撃ち込んだのはゲムデウスのウイルスであり、その効果によってポーズの機能を封じられてしまう。ポーズを封じた事で力比べに持ち込もうとしたパラドクスとグラファイトだったが、そこに割って入って来た仮面ライダーレーザーターボが2人を薙ぎ倒し、バグヴァイザーⅡに撃ち込まれたゲムデウスのウイルスもレーザーターボの力で抑制され、またしても敗北を免れた。
その後はクリティカルジャッジメントでパラドクス・グラファイト・エグゼイドの3人をまとめて変身解除に追い込み、彼等に仮面ライダーレーザーターボの事を「バグスターを管理する為に雇った自身の左腕」として紹介した。
- 第35話
「仮面ライダークロニクル」を全世界で発売するための企画会議を行い、本格的に野望の成就のために活動を開始。その際消滅したプレイヤーたちの復活に関しては社員一丸となって当たろうと意気込んだ(しかしクリアさせる気はないので恐らく本心からの言葉ではない)。またアランブラを倒そうとするエグゼイドの妨害をした貴利矢に報酬としてプロトジェットコンバットガシャットを与える。
そして再びアランブラと交戦しながら貴利矢のリプログラミングを試みるエグゼイドの前に現れ、時間稼ぎのためクロノスの相手を買って出たスナイプをいつものようにポーズで仕留めようとするが、ライドプレイヤーニコの「ポーズを見越して事前に『回復』のエナジーアイテムを投げておく」作戦でスナイプが復活、普通の戦闘を余儀なくされる(もう一度ポーズして攻撃したり、それ以前にニコが投げたエナジーアイテムを破壊したりしておけば良かったように思えるが、クロノスの強さ故の余裕かそれは行わなかった)。
その後、リプログラミング攻撃を受け変身解除した貴利矢が永夢を蹴り飛ばすと、貴利矢が自らの意志で自分に従っていることを告げ、しばらく永夢と貴利矢のやりとりを見届けた後、ポーズを用いて貴利矢を連れその場を立ち去った。
幻夢コーポレーションに帰還後、人格の無い小姫の前で立ちつくす飛彩の前に姿を現し、更なる労働を要求。その為の新たな戦力としてタドルレガシーガシャットを提示する(これまでの労働への対価ではなく仕事道具として)。
- 第36話
自分自身を攻略させる「クロノス攻略クエスト」を開催し、友人や家族をゲームで失った人たちの気持ちを利用してプレイヤーを増やそうと企む。当然、永夢たちが阻止しようとするが、飛彩と貴利矢と共に現れて戦う中、ハイパームテキガシャットでポーズを無効化したゲンムに当初は驚いていたものの、ゲンムがハイパームテキガシャットのゲーム内容を律儀に説明している内に無敵でいられる制限時間の10秒が経過し、その直後に再度ポーズを発動、ゲンムからハイパームテキガシャットを奪う事に成功。
その後、クロノス攻略クエストの続きを行うが、実は部下になったフリをしていただけだった貴利矢の裏切りによりハイパームテキガシャットを奪い返され、パラドを体内に取り込んでゲーマー「M」の力を取り戻した永夢がハイパームテキガシャットを使いムテキゲーマーに変身。無制限の無敵時間を得たムテキゲーマーの圧倒的な戦闘力によって初の敗北となった(そして後からわかったことだが、いつの間にか残りのプロトガシャットを貴利矢に全て盗まれていた)。
その後、何とか幻夢コーポレーションまで逃走した後、クロノスの敗北と貴利矢の裏切りから今までにない激しい怒りを見せて、飛彩を脅迫。その脅迫とは、「百瀬小姫のデータを完全に抹消されたくなければ、エグゼイドを絶版にしろ(=永夢を殺せ)」という非情なものだった。
※因みにこのとき初めて自分以外をコンテンツとしての呼び方(例:永夢はマキシマムマイティXなど)で呼ばなかった
- 第37話
前回の最後に行ったエグゼイド=永夢を絶版にする脅迫を飛彩は「医者が人の命を奪う事は出来ない」と断固拒否。その答えになると予想していた正宗は、代わりにパラドを消すよう代案を出す。
前回貴利矢に奪われたプロトガシャットにはマスター版の効果で消滅者のデータが復活できないようロックをかけていることが判明した。それを永夢・ポッピー・貴利矢が元々の開発者が黎斗なのでガシャットを返却するよう正宗に要求するが、「著作権はこちらにある」と当然拒否し戦闘となる。
戦闘中、永夢を二度と仮面ライダーに変身できないようにする為パラドを狙った事を明かす。そして、ブレイブ・スナイプvsパラド・グラファイトの戦いに向かった3人が見た光景は・・・。
- 第38話
前回の戦いで命の瀬戸際に立たされた大我を救うため、灰馬は院長命令で飛彩をCRに呼び戻す。しかし彼はこの時商品価値のなくなった大我を見限り「わざと失敗するよう医療事故に見せかけ、大我を始末しろ。もし彼を救ったら小姫のデータを完全に削除する」と飛彩を脅迫していた。その後パラドとグラファイトの元に赴きパラドを絶版にするべく襲い掛かる。途中ゲムデウスウイルスを撃ち込まれポーズを封じられるものの、管理していたエナジーアイテムの力で二人を返り討ちにし変身解除に追い込みパラドを消そうとするが、すんでのところで現れた黎斗と貴利矢に阻止される。戦いの中で上記の脅迫を二人に明かし、コンティニュー覚悟で時間稼ぎを買って出た息子である黎斗を24回もゲームオーバーさせた。
正宗の陰謀を知った永夢は彼を止めに現れるが、正宗は変身したら小姫のデータをこの場で削除するという非道な脅しを永夢に対しても行う。永夢は為す術もなく正宗の暴行を受けるが、その際に温厚な永夢からもとうとう「お前、それでも人間かよ」という罵倒を受けることになった。
永夢への暴行は夜明け前まで続き、満身創痍の永夢をいよいよ消そうとしたところで手術を終えた飛彩が現れる。正宗は当然、手術は失敗したものと考えていたが、飛彩は自分の恋人を失う覚悟で大我を救った、ということが判明。
皮肉にも、小姫に何度も言わせていた、「世界で一番の、ドクターになって。」という言葉で、飛彩が大我を助けたため、世界で一番のドクターになれた訳で、正宗は飛彩を苦しめるつもりが、小姫との約束を叶えてしまった訳である。脅迫通り小姫のデータを抹消したが、ムテキゲーマーに変身した永夢とレガシーゲーマーレベル100に変身した飛彩の逆襲に遭い、とうとう変身解除まで追い込まれる。しかし土壇場でガシャコンバグヴァイザーⅡのビームを炸裂させ、姿を消し逃げおおせることに成功した。
- 第39話
西馬ニコをゲムデウスのゲーム病に感染させた後、永夢の変身能力を奪うべくパラドとグラファイトを再度襲撃。体内で培養していたゲムデウスウイルスの力でポーズが通じなかったグラファイトを遠くまで殴り飛ばした後、残ったパラドクスをゲームオーバー寸前まで追い詰めるも、駆けつけたムテキゲーマーに妨害された事で失敗。それでも余裕の様子を見せ、ニコのゲーム病を治すにはパラドを倒す必要があると告げた挙句「パラドを倒せばパラドを倒した証であるガシャットロフィーを渡そう」と条件まで突きつけ、前金としてときめきクライシスのガシャットロフィーを永夢に渡してからその場は立ち去った。
会社に戻った後、部下から「仮面ライダークロニクル」の海外展開の件について電話で報告が入る。その報告内容とは「交渉先のマキナビジョンが、プロジェクトに協力する条件としてゲーマドライバーを1つ譲って欲しい」という物だった。
これについて、正宗はパソコンに映っている画像を見ながら「あなたも強欲な方ですねぇ、ジョニー・マキシマ社長」と告げており…。
- 第40話
「仮面ライダークロニクル」の海外進出にあたり、レアキャラである仮面ライダーに別の人間を選出することを考えていたところ、「仮面ライダークロニクル」のマスターガシャットを破壊しに黎斗、飛彩、大我、貴利矢の4人が現れる。好都合とばかりに交戦、無敵モードもエナジーアイテムを駆使して対処し、ハイパームテキガシャットを奪われないよう撤退した黎斗を除く3人のゲーマドライバーを奪取。必要なゲーマドライバーを確保した為、電話にてジョニー・マキシマに贈るゲーマドライバーの手配を済ませた旨を告げ、会食に誘う。
その後、外出した(マキシマとの会食に向かったのだろうか)際に協力関係になった永夢とパラドに遭遇。2人を力ずくで絶版にしようとし交戦(この際、管理していたエナジーアイテムをパズルゲーマーの力で全て奪い返されてしまった)の末、マスターガシャットを破壊される。しかし、世界のルールである自分の敗北を認められない正宗の執念と、自身の計画を台無しにしたムテキゲーマーへの憎しみに応えるかのように体内のバグスターウイルスが活性化(この時の遺伝子の色はダブルアクションゲーマーと同色)、リセットの力が覚醒。
なんとハイパームテキを消滅させ、マスターガシャットを復元させた(この事態は正宗自身にとっても予想だにしていなかったようで、リセット直後には復元されたマスターガシャットを手に困惑していた)。
- 第41話
ジョニー・マキシマとの会食を行うも、上述のリセットが原因で奪ったはずのゲーマドライバーがCRのライダー達の手元に戻ってしまった事、「仮面ライダークロニクル」の海外展開さえ出来ればいい正宗の姿勢がクロニクルにVR技術で改良を加えたいジョニー・マキシマと食い違った事で海外展開の話は白紙となってしまう。
その後、上述の一件で機嫌が悪くなった彼は、現状で唯一ポーズへの対抗手段を持つグラファイトに接触を図っていた永夢・パラド・ポッピーを襲撃、前回倒された恨みを晴らすため、ポーズ無しで甚振って死の恐怖を味わわせようとする(上述の一件の八つ当たりにも見えなくもない)。永夢を変身解除に追い込むも、正宗自身が38話でやったような方法でパラドが永夢を連れ撤退。
その後、グラファイトが攻略されかけたため、「仮面ライダークロニクル」のゲームクリアはさせまいとポーズでCRのライダー全員を絶版にしようとする。しかし「神聖な戦いに泥を塗った」と激怒したグラファイトと一騎打ちとなり、必殺技のぶつかり合いの末に押し退けられた後、グラファイトがライドプレイヤーニコにトドメを刺され攻略されてしまう。
グラファイト攻略後、「仮面ライダークロニクル」を終わらせないためにも再びリセットを発動しようとするが、復活したムテキゲーマーが新たに搭載されたセーブ機能でリセットを無効化され失敗。遂にゲムデウスが誕生してしまう。
- 第42話
ゲムデウス誕生と同時にウイルスが大量にばら撒かれ、多くの一般市民がゲーム病となる。
ゲムデウスを生み出した黎斗は、こんなプログラムはしていないと困惑するが、貴利矢は黎斗の言った事が嘘でなければ檀正宗の仕業だと判断する。そして貴利矢の予想通り、正宗は自分が『世界のルール』になる為に、ゲムデウスの思考ルーチン(ルーティーン=プログラム)を書き変えていた。
ゲムデウスとエグゼイド・パラドクスコンビの対決を高見の見物していたが、黎斗と貴利矢のぶつかり合いの中で生み出されたドクターマイティXXガシャットによって、ゲムデウスのステータスが弱り始めた瞬間にこれまでにない程狼狽し、仮面ライダークロノスとしてエグゼイドとパラドの前に現れ、キメワザの「クリティカルクルセイド」を発動。
しかし、技を浴びせた相手は、攻略させない存在である筈のゲムデウスだった。
仮面ライダークロニクルを終わらせない為にも、散ったゲムデウスウイルスをバグヴァイザーⅡに吸収させて、かつて黎斗がデンジャラスゾンビガシャットを完成させた際と同じように(ただしあちらはガンモードで自分からデータを採取したのに対し、こちらはパッドモードで自分にゲムデウスウイルスを吸収している)バグヴァイザーⅡを自分に突き刺してゲムデウスと融合、自らをバグスター化させる。
元から人間とは思えない思考の持ち主だった彼は完全に人間を捨て、彼が去り際に述べた通り、仮面ライダークロニクルと物語の真のラスボスになったのだ。
それを表すかの如く、ゲムデウス撃破直後に表示されたGAMECLEAR(フィナーレらしく紙吹雪や花火が飛ぶ豪華仕様)が掻き消えている。
- 第43話
大規模なパンデミックを再発させ、それを止めようとしたライダー達と対峙。ムテキゲーマーすらも寄せ付けないほどに圧倒し、「仮面ライダークロニクル」を振り出しに戻すために、全てのガシャットロフィーを集めたライドプレイヤーであるニコを抹殺しようとゲームエリアへ拉致。
しかしクロノスに変身できるようになった大我に阻まれ、更には神の手助けで永夢と飛彩も現れた事でチーム医療の前に敗れる。
しかし、敗れたはずのゲムデウスクロノスの力が強化された事でパンデミックは更に拡大し、自身は巨大な超ゲムデウスへと変貌。『エンディングが存在しない永遠なるゲーム』を人類に楽しませるべく、ライダー達に襲い掛かる。
- 第44話
「世界よ、これがゲームだ!」
上述の強化された力でパンデミックを拡大させ、「自身を倒せば感染者達は消滅する」と告げてバグスターウイルス化した患者達と共にライダー達を追い詰めようとするが、ポッピーが自らを犠牲にドクターマイティXXガシャットのゲムデウスワクチンを町中に広めた事で防がれる。
その後、挑んで来たライダー達を超ゲムデウスの姿で迎え撃つが、レベル1による総攻撃やドクターマイティXXガシャットの力で自身とゲムデウスを分離させられ、ゲムデウスがドクターマイティXXガシャットを使用したパラドの犠牲によって消滅してしまう。
しかしパラドが消滅した事で永夢がエグゼイドの変身能力を失った為、「運命は私に味方した」と自身の勝利を確信。ライダー達に対して「君達の運命はバッドエンドだ…!」と宣言し、再び仮面ライダークロニクルガシャットを構え……。
「仮面ライダークロニクル」のクリアを不正と判断した正宗は、全ライダーを削除しようとして再びクロノスに変身し、変身できないエグゼイド以外のライダーを圧倒、生身で挑んできた永夢をも一蹴する。決死の覚悟で消滅していったポッピーやパラドを「無意味に散った商品価値の無い命」と称し、ポーズで時間を停止したまま永夢を絶版にしようとしたが…
永夢「お前が命を……語るなぁ!!!」
光の粒子となって再び永夢に感染したパラドが干渉した事で、動けないはずの永夢がポーズ中でも動けるようになり、彼の繰り出したパンチでバグルドライバーⅡが破損してしまう。
そしてドライバーの破損が引き鉄となったのか、パラドが超ゲムデウスを食い止めていた際に正宗自身の抗体を抑制していた事もあってクロノスのスペックがダウン。全ライダーのレベル2とゲンムレベル0の猛攻撃を受け、最後はエグゼイドとのライダーキック対決で敗北・爆散した。
しかし完全敗北を喫してもなお、負けは認めつつも自身に審判を下すのは衛生省ではなく自分自身だと豪語。命の管理者である自身に楯突いたドクター達を「自分達こそ命の救世主だと自惚れ消滅者達の運命を壊した、命の冒涜者」と罵ったその後、破損する寸前のマスター版ガシャットを自身の胸へと突き刺し、マスター版ガシャットが砕け散ると共に自身もゲーム病で緑色の粒子となり自殺・消滅した。
「仮面ライダークロニクル」の終幕により、「幻夢コーポレーションを世界一の企業にする」という彼の夢はその名の通り幻となって消え去ったのだった。
「最後の審判は、下された……」
正宗を演じる貴水博之氏は、『仮面ライダーエグゼイド』の劇中歌である「Wish in the dark」(第17話~)と「Justice」(第33話~)を歌っている。
ちなみに、彼の計画と悪の本性が明らかになった2017年5月28日、同枠作品でも肉親を裏切った者の本性が明らかになった為、1時間通して血が同じである一族同士の裏切りを見せられた日となった。
第38話で飛彩から「お前はこの世界の癌だ!」となじられたことから、一部の視聴者から「癌正宗」と呼ばれてしまった。
ちなみにバグスターになってからの彼のことを貴水博之氏は42回の「私こそが仮面ライダークロニクルの運営にして、(物語の)真のラスボス(要約)」という台詞から取り「真ノォラスボス」(「真の」のみねっとりと言っていた)、檀黎斗役の岩永徹也氏は新檀黎斗から取り「新檀正宗」と呼んでいる。なお、よくわかるエグゼイドでは「元檀正宗」とも呼称されている。
正宗までバグスターになったことで、とうとう檀一家は全員がバグスターと化してしまった。
ちなみに、上述したような大仰な言い回しは、貴水氏が「あの黎斗の父親なのだから」と考え演じたもの。高橋悠也氏の脚本時点では、クールなキャラでも通るように書かれていたという。
代名詞と化した正宗の口癖たる「絶版」は本来は本や書籍を廃版することを指すが、正宗は仮面ライダーやバグスター=ゲームキャラを削除、消去するという意味合いで使っていると思われる。あまりにインパクトがでかすぎたからか、「メモリアルガシャットセット」でも主なガシャットを絶版扱いする台詞が収録されている。
「絶版だァァァッッッ!」の部分は共通音声であるが、それでも収録されるほど愛されていると言えよう。
※間違われやすいが「壇」や「政宗」ではなく“檀正宗”である。
仮面ライダーエグゼイド 幻夢コーポレーション 仮面ライダークロノス
access:次回作では貴水の相方である浅倉大介がOP曲を手がけたため、2017年の二作にまたがってaccessが平成ライダーに関わったことに。その後、2024年放送の特撮ウルトラマンアークにて主題歌arc_jump'n_to_the_skyを担当することになる
「アナザー・エンディング」・「マイティノベルX」では
「ブレイブ&スナイプ」のラストで、マスター版に近づいたライダークロニクルガシャットを用いて黎斗が再生させた。続く「パラドクスwithポッピー」でその目的が語られた。
正宗の体内の世界で初めてのバグスターウイルス=ブラックパラドの採取がその目的で、採取が終わったと同時にレベル0の力を利用したケーブルに縛られ、拘束されてしまった。
正宗に憎悪の念を抱いていた黎斗に罵詈雑言を浴びせられる中、彼は自分の唯一の罪として「黎斗をこの世に産んだこと」という憎悪と後悔と親としての憐れみが混ざり合った感情と共に口に出した。
「ゲンムvsレーザー」では世界を「ゾンビクロニクル」で混沌に陥れようとする黎斗を止めるために、脱出を図ろうとするが、黎斗に縛られたまま、放し飼いにされたゾンビゲーマーに襲われそうになる。
しかし、バグスター抗体の力を使ったのか、自力でケーブルを引き千切り脱出。クロノスに変身して黎斗のゴッドマキシマムゲーマーレベルビリオンと対峙、ポーズで動きを制止したところを倒そうとする。しかし「コズミッククロニクル」の力で時の概念を歪めたゲンムにポーズを破られ、大気圏外に飛ばされたところにゲンムが掴んだ月を叩きつけられ敗北。
最後は九条貴利矢にかつて刑務所で言った「ライダークロニクルのために利用する」目的ではなく、ただ純粋に黎斗を止めて欲しいと懇願し、バグヴァイザーⅡに切り札を遺してから記事冒頭3段目の台詞を遺言に二度目の消滅を迎えた。
このトリロジー三作の正宗は多少エキセントリックさは残っていたが、親として純粋に黎斗を止めたいという真っ当な考えで動いていた。既に本編での野心や会社への執着も無くなっているらしく、これについては「自身の夢が幻となり消えたから、社長という重荷がなくなり、息子の黎斗とただ1人の親として向き合った」からではないかという声が上がっている。また、「ブラックパラドが抜けた影響も少なからずあるのでは?」という意見もある。
さらに「パラドクスwithポッピー」では妻の檀櫻子との幸せな過去がポッピーの記憶で語られ、「ゲンムvsレーザー」では櫻子を蘇らせたい黎斗と対照的に、「妻の櫻子は心の中で生きている」と語ったことからバグスターウイルスさえ無ければ黎斗共々まともに過ごせたのかもしれない。
ただ、ある意味では櫻子の病気とバグスターウイルスの存在が、お互いに道を外れる原因になってしまったのかもしれない。
公式小説『マイティノベルX』では(以下微ネタバレ)
彼の過去がポッピーの記憶の中にある櫻子の記憶から明かされ、仕事で忙しかったことで黎斗の育児のほとんどを櫻子に任せていたこと、自身も驚く黎斗の才能から親としてではなく社長としてでしか黎斗を見ていなかったことが判明している(トリロジーでは「黎斗をこの世に産んだこと」を罪としていたが、マイティノベルXでの彼は「黎斗が生まれたことで、修正困難なレベルで異常な精神性を持つようになった」ともとれる)。
また劇中ゲームのマイティノベルXでの描写からは、原初のバグスターウイルスを発見したことで、とある人物を事実上脅迫していたことも判明している。
上記で「バグスターウイルスさえ無ければ黎斗共々まともに過ごせたのかもしれない」と述べたが、檀黎斗自身の思考回路が異常な物となっていることと、バグスターウイルス発生以前から歪な親子関係だったことを考えると厳しいものもあったかもしれない。
またこのことから、やはりトリロジーの正宗は社長という立場ではなく親子として(ある意味初めて)向き合ったこと、(マイティノベルXでのパラドと分離した際の永夢の描写を見るに)ブラックパラドが正宗の負の部分を多少なりとも持っていったために、性格や思考に変動があった様である。
なお、物語のラストで永夢達に向けた「命の冒涜者」という言葉は普通に解釈すればブーメラン発言なのだが、本編から小説を一通り見てみると、幼少期に自殺を図った永夢、医者として治すべきはずの患者の命と失われた恋人の復活を天秤に掛けた飛彩、ライダーとしての責任を一人で背追い込もうとする自分に酔った末に友人を失った大我、真実を伝えたばかりに友人の命を失った貴利矢、多くの罪を重ねて来た黎斗、自分の妻の身体を使って現界したポッピー、永夢の心の闇がそのまま悪意になっていたパラド…と仮面ライダーとして戦って来た者達に対する皮肉であったとも解釈できる。
第9話「ゲンムマスター2016」にて彼の存在が言及され、檀黎斗王がアナザーオーズとなった時代を調べるためにゲイツとツクヨミが彼の過去の経歴を閲覧した際、黎斗が父の死をきっかけに2016年に檀ファウンデーションを設立した事が判明。
ゲイツとツクヨミが2016年にやって来た際、アナザーオーズに変身した黎斗が会社を乗っ取ろうと正宗に襲いかかり、その後は机に隠れて下半身しか見えないが、無造作に身体が転がされている。
そして続く第10話「タカとトラとバッタ2010」でのツクヨミの発言から、彼が黎斗に殺害されたことが明確になった。この際、第9話では不明瞭だった正宗の名前と写真が登場している。
死亡した月日は2016年5月16日と、本編開始よりも早い(ドクターライダー誕生は10月)日に亡くなったこととなる。
こちらの歴史ではゲーム会社「檀コーポレーション」の社長であった。この歴史においてはバグスター誕生に伴うゼロデイ発生も起きていないため、本来であれば服役中だった2011年から2016年の間も問題なく社長職を続けている。
また、黎斗にストレスをかけ彼を精神的に追い詰めていた(これがアナザーオーズ誕生の遠因となった)ことが明らかになっている。
ちなみにエグゼイド本編よりも早い死となったが、作中の新聞の黎斗に(行方不明の段階で)「父はちょっとやそっとの事では決して折れない逞しい人だ」などとコメントされている。
結果的にアナザーオーズに襲撃される前に彼が撃破されたことでまたしても生き長らえる事となった為、視聴者からは「エグゼイド本編同様、しぶとい」という感想もある。
禁断のContinue(仮面ライダーゼロワン/ゲンムズ)
《PAUSE》
檀黎斗「何?」
「久しぶりだな、黎斗。
この私が絶版にする···
変、身···!」
「お前はもう、時代に必要とされていない···!」
そして、令和にこっちも帰ってきた。
『仮面ライダーゲンムズ』で突如として復活を果たす。
実は、天津垓に感染していたのは檀黎斗だけではなく、檀正宗もまた天津に感染していた為に分離して復活。分離後は同じく復活した黎斗を止めるべく、仮面ライダークロノスに変身する(なお、上記からわかるように生身でポーズを発動していた)。幻夢コーポレーションを再起させようとする黎斗の発言に「創業者」として、そして何より父親として止めるべく戦い、必殺技同士の対決で相打ちに終わる。
しかし、終わりは訪れる。新会社の社長としての不安と悩みを抱えていた天津が自信を持ち、ストレスを解消、最期は天津から「愛」という言葉を受け、黎斗とお互いのことを呼び合いながら、抱きしめ合う形で消滅した(少なくとも、ゲンムVSレーザーで黎斗を止める為に貴利矢に後を任せた辺り、彼なりの親心は存在していた事が窺える)。
アナザー・エンディングでは他者に任せるしか無くなった黎斗と、時を越えて和解できた形となった。
一見、狂った内容ではあるものの、黎斗も正宗も一人の女性への、そして会社への「愛」故に暴走したからこそ作品を「愛」で締めくくったたのは間違いではなかったのだ。この事件に巻き込まれた天津もまた、父親と確執や会社への愛故に暴走し、心を軽蔑していた時期があったからこそ、彼らを和解させる役割を担わされたのだと考えられる。
そして、ポーズの力は和解した息子により「親子の愛の結晶」として息子の新形態に搭載されることになる。
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コメント
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どうも…!お久しぶり…ですかね?凛です、前回の投稿から随分期間が空いてしまったのですが今回はちょっと暗め…ですかね… 人を選ぶ感じになっていると思うので閲覧する際はお気を付けてください 一応本編に沿わせてはいますが少しばかり自己解釈が入ってたりしますのでご了承くださいm(*_ _)m2,058文字pixiv小説作品分水嶺―運命の分岐点―
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