「私が…王だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「王だと? ぐははははは! 笑止笑止っ、笑止だァ! 戯れ言を! 王は私で十分だ!!」
「力が漲る…力が漲る!… 素晴らしい力だっ! 私は神をも越える王となるのだァ!!」
データ
概要
『仮面ライダージオウ』EP09「ゲンムマスター2016」から登場するアナザーライダーの1人。
2010年にタイムジャッカーのウールによってオーズの力を与えられた、「檀ファウンデーション」社長檀黎斗改め檀黎斗王が変身する。即ち、ジオウ初のレジェンドキャスト(それも「仮面ライダーOOO」とは別作品のライダー変身者)が変身したアナザーライダー。
正史と同じくとてつもない程の歪んだ欲望を持っており、更に「王」の力を手に入れた事でその欲望を肥大化させ、暴走に拍車を掛けていく。
オーズ本編のタトバコンボの描写から「タトバ同士なら使いこなせていない本家より使いこなしているアナザーの方が遥かに強い」と皮肉交じりで言われている。
変身者の欲望がこちらの方が遥かに強いため、ある意味理にかなった意見ではあるが欲望を抜きにしてもすぐにタカキリバやタカキリーター等に変えてしまうのを見るに映司はコンボを使わない限りトラクローとバッタレッグとの相性がすこぶる悪い為、能力との相性面でもアナザーの方が強いと思われる。
容姿
これまでのアナザーライダーの例に漏れず、オーズの姿を歪めたような姿を持つ。
モチーフが生物の為により生物感のある容姿を持っており、頭にはアンクの翼、肩と掌にはカザリ、脚がウヴァの特徴が現れており、その姿はさながらグリード化した仮面ライダーオーズと言っても差し支えない。
口にはオリジナルに存在しなかったクラッシャーが存在し、緑色の目の奥には瞳も存在する。その表情は憤怒の表情を浮かべてるようにも、(血に染まったかのようなクラッシャーの色から)獲物に襲い掛かろうとする獣の表情のようにも見える。
垂れた翼の意匠はタトバキックの際に現れる翼のエフェクトを意識した物だと思われる。
肩の部分は、彼が変身していたライダーの強化形態に酷似している。
オーラングサークルのデザインもオリジナルのタカ・トラ・バッタを踏襲しているものの、中心部分にコアメダルが並んだような意匠になっており、リアルな図柄になっているのも特徴。また、そのデザインはかつてオーズが歴史改変された世界で戦ったショッカーのロゴのようになっている(ショッカーオーズの胸部に見えなくもない)。鷹(ショッカー)がメダル(地球)を掴み、バッタ(仮面ライダー1号)が押し潰されているような構図になっているということは、ゆくゆくは世界征服をしようという黎斗王の野望を表しているのだろうか……?
腕にはトラクローが備わっているものの、身体の一部として一体化しており、腰部分にはオーズドライバーの意匠がある。コアメダル部分はメダルというよりも、信号機のランプを思わせる形状になっている(信号機ネタは公式でもネタにされている)。
また、手の甲を鋭いトラクローが覆ってしまった事で『誰の手も掴めず、掴もうとしても傷つけてしまう』というオーズへの皮肉になってしまっている。
アナザーライダー共通のライダー名と年号は胸と背中にあり、オーラングサークルのトラを囲むような形でOOOの文字が、背中の金属のヒビ割れた黒いプレートに2010の年号が書かれている。
また、最後の「0」はヒビ割れがあり、黎斗が仮面ライダーであった年の2016に見えるようにもなっている。
能力
カザリに似た巨大な爪で接近戦を行うほか、人間態ではセルメダルを人間に投げつけて屑ヤミーに似た怪人に変身させ使役する能力を披露している。
2016年では何もない場所にセルメダルをばら撒いて屑ヤミーに似た怪人を発生させた。
また、身体はセルメダルで構成されているようで、第10話でジオウと戦った際にダメージを受けてセルメダルが散らばる描写がある。
誕生による改変
活躍
- EP09『ゲンムマスター2016』
2018年、城にとある国会議員を拉致し、自身が社長を務める「檀ファウンデーション」の日本からの独立を宣言。
テレビを見て興味を持ったソウゴ達が城外で屑ヤミーと戦っていることに気付き、三人と対面して自慢げに名乗った流れでアナザーオーズに変身する。
ソウゴの「自分も王様になりたい」という夢を聞くとそれを足蹴にし襲いかかろうとするが、突如飛んできたタカウォッチロイドの炎に怯んでゲンムライドウォッチを落とし、「鳥如きがぁ!! 王を愚弄するつもりか!」と激怒しながら追いかけその場を去った。
2016年で父の檀正宗を殺害し、会社を乗っ取って高笑いしているところに背中の年号とゲンムライドウォッチを手掛かりに2016年にやって来たゲイツと交戦する。
力を与えられた際のウールの「君なら邪魔者も目じゃなさそうだ」との呟きを思い出し、ゲイツをその「邪魔者」として「私のモルモット」こと屑ヤミー達で葬ろうとするが、これに対してゲイツはゲンムアーマーを装着し蹴散らしていく。
その際、物陰に隠れていたツクヨミは改めてアナザーオーズの背中の年号を確認し、その誕生が2010年だと気付いた。
ゲイツ・ゲンムアーマーの発動した「クリティカルタイムバースト」を受けて爆散するも復活。ゲイツに再度襲いかかったが、2018年のソウゴから連絡を受けたツクヨミとゲイツがタイムマジーンに乗って帰還した為、取り逃がしてしまった。
- EP10『タカとトラとバッタ2010』
「良い魔王になるための勉強」の為にわざと軍門に入っていたソウゴに反旗を翻され、変身しようとしたソウゴのライドウォッチをはたき落とし始末しようとするが、咄嗟に映司がソウゴを救助。
今度は映司を執拗に痛めつけるが、比奈が掴んで振り回した映司の体が直撃し、城外まで吹き飛ばされた。
その後は駆けつけたソウゴが変身したジオウと交戦、キャッスルドランを模したオーラのタイムマジーンの援護もあり優位に立つもゲイツの乱入を受け、ジオウがアナザーオーズが誕生した2010年へ向かうのを許してしまう。
その後は2010年でジオウと交戦するが、タカウォッチロイドの電撃で怯んだ隙にジオウはオーズアーマーを装着。動きに翻弄され、最後は「スキャニングタイムブレーク」を受けて爆発した。
ボロキレのように地を転がり、それでもなお立ち上がろうとしたが……
「祝福しよう、檀黎斗。お前は偉大なる魔王が生まれる為の“偉大なる肥やし”となった」
ウォズの特大の皮肉を受け、それでトドメを刺されたかのように倒れ伏した。
自身の築き上げようとした王道は、未来で魔王にして時の王者となる者の手によって幻の夢のように脆くも崩れ去ったのだった。
アナザーオーズウォッチは機能を停止したものの、何故か他のアナザーウォッチと違って砕ける描写がなかった。
- EP25『アナザージオウ2019』
冒頭でアナザージオウが変身したアナザーオーズが登場。かつてアナザービルドの変身者であったバスケ選手を襲い、入手したアナザーウォッチでアナザービルドに変身した。
恐らく黎斗も既にアナザージオウに襲われ、アナザーオーズウォッチを生成されていると思われる(描写がカットされたこともあり、上述した砕ける描写のなかったアナザーオーズウォッチが最終的にどうなったかは不明)。
- EP28『オレたちのゴール2019』
たまたま通りかかった学生が、飛流にアナザーウォッチを埋め込まれた事で変貌。アナザージオウが率いるアナザーライダー軍団の一員として、他のアナザーライダー達と共にソウゴやゲイツに襲い掛かるも、ジオウ・オーズアーマーのスキャニングタイムブレークを喰らいまたしても敗北、変身者の学生は無事に元に戻った。
- EP41『2019:セカイ、リセット』
改変された2019年にて、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。背中のプレートの年号が2019に変わっており、アナザージオウⅡに召喚されたものと推測される。
劇中ではアナザーキバと共にレジスタンスのシェルターを襲撃するも、駆けつけたゲイツと対決し、ゲイツに足で壁に押さえつけられたままタイムバーストを発動されて倒された。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。
一斉にジオウ達に襲い掛かり、6体のアナザーライダー達(アナザークウガ、アナザーブレイド、アナザーキバ、アナザーフォーゼ、アナザーエグゼイド、アナザービルド)と共にゲイツリバイブ疾風やウォズギンガファイナリーと交戦するも、ウォズギンガファイナリーが繰り出した超ギンガエクスプロージョンで纏めて撃破された。
余談
- 放送開始前は「彼とオーズに共通点があるのか?」と議論が交わされたが、オリジナルの変身者である火野映司と檀黎斗王には意外にも共通点や対になる部分が多い。
- また、仮面ライダーOOOという作品と仮面ライダーエグゼイドという作品自体にも共通点は存在する。
- 2人の共通点
- 名字二文字、ファーストネーム三文字(だんくろと、ひのえいじ)
- 条件次第で神にも等しい力を発揮。
- お金持ちの息子(映司は政治家の息子、黎斗は社長令息)。
- 過去に大切な女性を失った。
- 家庭環境が歪。
- 改名した事がある(映司は苗字、黎斗は皆さん知っての通りである)。
- 怪人になってしまった経験あり。
- ガンバライジングでゲンムがオーズゲーマーレベル2に変身している。それどころか、オーズの模造品を使役した経験あり。
- 増殖能力を持つ。
- 停止した時間の中でも動けるフォームを持つ。
- ゾンビゲーマーレベルXのポーズとタトバコンボのポーズ
- 動機は真逆とはいえ、両者とも本編で仮面ライダーの力を得たことで救われた事が(映司はオーズ終盤での本人の言から、黎斗はジオウにおけるエグゼイド消滅後の境遇から逆説的に)示されている
- 最終決戦時、大切な者の自己犠牲を悲しみ、前を向いて進む意思を見せた。
- 2人の対になる点(メタ的視点も含めて)
- 無欲な映司と我欲まみれの黎斗。
- 他人の為なら自分の命を顧みない映司に対し、黎斗は自分の目的の為ならば他人を利用する上に自分のバックアップを用意している点。
- 「楽して助かる命がないのはどこも同じ。」とは映司のセリフだが、黎斗の度重なる復活はこれに真っ向から対立すると言える(黎斗の並外れた知能によって生まれた技術による復活なので「楽」しているかというと微妙ではあるが)。
- オーズは動物の力で戦うが、ゲンムはむしろそれに近い力で倒された側。
- 映司はオーズTV版本編最終回にて世界を無に帰す存在と戦うが、黎斗は外伝的な作品で世界ごと道連れに主人公を無に帰そうとした事がある。また、その外伝的作品で変身する限定フォームは「腕から伸びた爪」「頭周りに翼」と、アナザーオーズと近い意匠が見受けられる。
- 黎斗は意図して争いの元凶を作ったが、映司は意図しない形で争いを激化させてしまっている。
- 映司は相棒とまた会える明日を夢見て旅を続けているが、黎斗は大切な人を(数ヶ月だが)早く復活させている。
- 「ちょっとのお金とパンツさえあれば大丈夫」が信条の映司(1話ではパンツ一丁で出てきたこともある)だが、黎斗に関してはパンツすらはいてないこともあった。
- 10年後で最終的に命を落としてしまった映司だが、黎斗は何度も死んでは生き返り、後日談においても紆余屈折を経て転生を果たした。
- 作品の共通点
- 両方に医者ライダーが登場(エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザー/バース)。
- 事件の元凶が大企業の社長でその事を悪びれていない。かつライダーシステム製作者の関係者(一応対抗策は用意してある)。また、ラスボスの変身者は企業の重要人物。
- 人工生命体が物語に大きく関わってくる。
- サブライダーの演者の苗字が『岩永』で、その出身地も長崎県であること、さらにはそれぞれの演者が30代で変身したこと。
- 映画に先行定期登場したライダーがいずれもストーリーに宇宙が絡んでいる。
- エグゼイドの外伝作品に動物モチーフのライダーをテーマにした作品があり、1名を除いてコアメダルとモチーフが同じライダーが敵役として登場する。
- どちらも変身アイテムの音声に特撮・アニメの主題歌で有名な歌手を起用している。
- 『悪の仮面ライダーオーズ』という存在は過去に何度か例があり、HEROSAGAやスーパーヒーロー大戦GPにはショッカーオーズが登場している。
- なお、前者は悪の組織が作ったメダルで変身、後者は脳改造されたオリジナルのオーズという点で違うが。
- 変身者が別の仮面ライダーに適性のある存在で、時間改変後の世界において本来存在出来ないはずの原点世界の怪人を召喚したというイレギュラーづくめの存在である。
- なお、後者に関しては既にアナザーエグゼイドがやっているが。
- 檀黎斗が変身したことのある別作品のライダーは他にも存在し、そういう意味では他のアナザーライダーよりも適性があるのか、アナザーオーズの姿は他と比べれば怪人要素はそこそこ抑えめに見えるという意見もある。
- 演者の岩永氏が俳句勝負にて特待生として出演している『プレバト!!』では岩永氏の紹介の際にBGMとして「Anything_Goes!」が使用されている場合がある。
- 視聴者からはプレバトスタッフの選曲を評価する声もありつつ「その人オーズだけどオーズじゃない」「岩永違い」とツッコまれている。
なお、元々オーズは800年前の王が神を倒すことを目標に作られたシステムであり、それをいつかの時間軸で神を名乗った黎斗が変身するのはあまりにも皮肉が効いている。加えて、本来のオーズの変身者である映司は周囲から「都合のいい神様」にされており、それを比奈が「神様ではない」と否定するシーンがあったりする(ちなみに、メインライターの小林靖子氏は映司を神様にする路線を本気で考えていたらしいが、震災の影響で「人間」に戻したという)。だからこそ800年前の王のように神に近づいた黎斗がアナザーオーズに選ばれたのであろう。
関連タグ
仮面ライダージオウ 仮面ライダーオーズ アナザーライダー 檀黎斗王
関連・類似項目
アナザージオウ、アナザージオウⅡ:後に登場した、同じく一度撃破された際にウォッチが砕けなかったアナザーライダー。しかし、三度目の変身者が撃破された際にはちゃんと砕けた事から、檀黎斗王もまた選ばれなかった者と同レベルの執念を持っていたと思われる。
仮面ライダーゴーダ:足元が改造されリペイントされる。