ジオウ「あぎ……アギオメガ?」
ウォズ「『アギト』だ。恐らく、あれは仮面ライダーアギトのアナザーライダー・・・。」
スウォルツ「アギトは一人じゃない・・・」
データ
身長 | 195.0cm |
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体重 | 95.0kg |
特色・力 | 人間を自身と同じ姿に変えて増殖する(人間のアナザーアギト化)、アギトの武器に酷似した武器の生成(一部は劇中未使用) |
他のアナザーライダーの例に漏れず、身長と体重は津上翔一が変身する仮面ライダーアギト グランドフォームと同一である。
見た目は似ているが、原典に登場した木野薫が変身する仮面ライダーアナザーアギトは身長200cm・体重97kgである。
概要
『仮面ライダージオウ』EP31「2019:めざめろ、そのアギト!」から登場するアナザーライダーの1人。
モデルは『仮面ライダーアギト』の主役ライダーである仮面ライダーアギト グランドフォームになるはずだが、同作品に登場するアナザーアギトに酷似している。
増殖能力を持ち、本体以外にも不特定多数の一般人が変身する異質なアナザーライダーである。
本体は成人男性らしき人物だが、変身前の描写がないため、詳細は不明。
行動から推測するとジオウ達を全く相手にせずG3のみを執拗に狙っていることから、G3ユニット装着者になれなかった人物ではないか、という線が有力である。
唸り声のみで言葉を一切発さず、理性無き怪物のように暴れ回る。スウォルツが生み出した本体は彼の意志をある程度反映するようで、彼の指示でツクヨミを襲っている。
ただし、変身時は自我がほぼ失われている模様。
また、タイムジャッカーが生み出したアナザーライダーとしては初の「オーマジオウに変わる新たな王の候補」ではなく「自分たちの敵を邪魔するために用意した傀儡」を目的に生み出された。
容姿
その姿形は原典のアナザーアギトとほぼ同じであるが、あくまで「アナザーライダーとしてのアナザーアギト」であり、胸部には「2019」の年号と「ΑGITΩ」の名前が刻まれ、複眼には細長い瞳が見える。
原典のアナザーアギトと異なり、常にクラッシャーが開放され歯牙が剥き出しになっており、口角がやや上向きになっていることから醜悪な笑みを浮かべているように見える。
こめかみに仮面ライダー1号に似た菱形のモールドが生えている。オリジナルのアナザーアギトと比較すると色合いがやや明るくなっており、頭部のクロスホーンが若干大きく形状もやや異なる。
なお、オリジナルに近いのはG3装着用のインナースーツを着ているタイプで、後述するように状況に応じてマスクが変わるシーンもある。
アンクポイントに相当する部分の発光体部分が赤くなっており、さながらフレイムフォームを思わせる。
原典のアナザーアギトの色と合わせるとトリニティフォームになるという事を意識した一種のお遊びとも取れる。
スーツアクターの都合か、オリジナルのアナザーアギトに比べて幾分細身で、怪物染みた演出(詳細は後述)のためか姿勢もやや猫背気味になっている。
見た目こそ非常に似ているものの、誕生の経緯やその立ち位置などを鑑みると似ているのは見てくれだけである。
増殖個体も一体一体微妙に姿が異なり、アギト本編における「アギトにはそれぞれ個性がある」という裏設定や「資格が無い人間が変身する為に怪人のような姿になってしまう」アナザーライダーの性質を反映させた、力に対する適性の個人差に応じた姿の変化ともとれる。
なお、翔一は『アギト』本編でアナザーアギトと接触したことがあったが、今回のアナザーアギトと容姿が酷似している点については特に言及していない。同話ではアナザーアギトの力を察知して駆けつけるシーンもあり、見た目ではなくその力の異質さを感じていた可能性もある。
また、真魚からは「アンノウンみたいなの」と言われている。
後にアギトライドウォッチを埋め込まれてアギトの力を手にし、オリジナルのアギトの容姿に変化した。
能力
人間の生身の部分に噛みつくことで肉体を変化させ、アナザーアギトに変化させてしまう。
アギトウォッチを埋め込まれアギトの姿になった後は、ワイズマンモノリスを発光させることで人間をアナザーアギトに変化させており、その際のウォズのセリフから考えると「アギトの力を強制覚醒させ、アナザーライダーの特性を付与する」能力ともとれる。なお、アギトの覚醒を促す能力はオリジナルのアギトの能力ではなく、さらにそのオリジナルである光の力の力である。
これは「アギトの力」は人間誰もが持っていることを表しているとも考えられ、アナザーアギトとして覚醒してしまったとも受け取れる。
なお、増殖個体は撃破して変身解除に追い込めば元に戻っており、撃破にはアギトの力は不要と思われる(EP32終盤では演出の関係か爆散していた)。
原典でアナザーアギトの変身者だった木野薫の台詞「アギトは俺一人でいい… 」の真逆を行く存在になっており、『アギト』終盤で示唆された「人類のアギトへの進化」「アギトたちと人類の対立」の権化と化してしまっている。
それぞれの個体が仮面ライダーG3を軽々と振り回すほどの怪力とG3のデストロイヤーやスコーピオンを受けてもびくともしない頑強な皮膚を持ち、ゲイツリバイブやジオウⅡの通常攻撃にも耐えている。
フォームチェンジは使用していないが、フレイムセイバーやストームハルバード、シャイニングカリバーに近い性能の武器を召喚することができる。シャイニングカリバーに相当する武器のみ劇中未使用(外見はこちらの記事のスチール写真を参照)。
記事によればアナザーアギトの姿でも使用できた模様。
総括すると、「普通の人間が突如アナザーアギトへと変貌した」「大量に出現する」「人間が変貌した個体は衣服を身に着けている」という視聴者の予想を超えた要素がふんだんに盛り込まれており、アギトだけでなく、ある意味原典のアナザーアギトとも全く真逆の存在、ひいてはギルスやG3に対しても皮肉めいた存在とも言える。
造形の違いも相まって、やはり従来のアナザーアギトとは異なる「仮面ライダーアギト」のアナザーライダーであると言える。
誕生による改変
アナザーブレイドの時と同様、劇中では特に歴史の改変は発生しておらず、現代でオリジナルのアギトと共存している。
これは常磐ソウゴより先にアギトライドウォッチを手に入れようとするスウォルツの目論見が関係していると思われ、恐らくアナザーライダーを現代で誕生させることで歴史改変をあえて行わなかったと考えられる(クウガの力を手に入れるために先代クウガに棺から直接力を奪って歴史改変したティードとは対照的であるが、これは両者の目的や「変身者が他人か自分か」という違いがあるためだと思われる)。
それゆえ、本来のアナザーアギトの変身者である木野薫は既にこの世にいない可能性が高い。
ツクヨミが目撃したG3ユニットへのアナザーアギトの襲撃を記事にした現代の4月16日の新聞に、九郎ヶ岳遺跡らしき遺跡の調査隊が行方不明になったと報じられているが、関連性は不明。
動向
- EP31『2001:めざめろ、そのアギト!』
「これ以上ソウゴ達にライドウォッチを集めさせるわけには行かない」としてスウォルツが生み出した。
最初の個体は警視庁のG3ユニット演習場を片っ端から襲撃しており、「警察の演習場にやってくる」というパターンをツクヨミが見抜いたことで先回りしていたジオウ、ゲイツ、ウォズと交戦。その最中、迎撃していた量産型G3に襲いかかり2人をアナザーアギト化させた。
さらにツクヨミにも襲い掛かったが、突如として時間が止められたことにより失敗。ツクヨミは己の未知の力に戸惑う。
その後はジオウ達が増殖個体と交戦する中、ツクヨミが発動した力に目を付けたスウォルツが最初の個体をツクヨミにけしかけるも、そこに風谷真魚から連絡を受けた津上翔一/仮面ライダーアギトが現れ交戦する。
しかし、それはスウォルツの罠であった。初めからスウォルツの目的はライダーの力を先んじて手に入れるべくアギトをおびき寄せることであり、ジオウトリニティと戦っていた増殖個体が次々とアギトの前に集まり始め・・・。
- EP32『2001:アンノウンなキオク』
ストームフォームやフレイムフォームにフォームチェンジしながら、次々と襲い掛かってくる増殖個体を倒していくアギトだったが、オーラがツクヨミを人質に取り、その間にウールがアギトから力を奪うことでアギトライドウォッチを生成。そのままアナザーアギト本体に埋め込み、アナザーアギトがアギトの姿に変貌してしまう。
その後はウールに従う形で町中の人間達を次々とアナザーアギト化させていき、ジオウⅡとゲイツリバイブでも倒し切れないほどの群れでジオウⅡ・ゲイツリバイブ・ウォズとG3を装着した翔一に向かって襲い掛かる。3人の仮面ライダーに増殖個体が次々と倒されていき自身も参戦したが、ジオウⅡの攻撃を受けてアギトウォッチを奪い返され、力を取り戻した翔一が再びアギトに変身。
最後はジオウトリニティ、アギト トリニティフォームによるダブルライダーキックによって1体残らず殲滅された。
- EP41『2019:セカイ、リセット』
改変された2019年で、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。
劇中ではアナザー鎧武、アナザー電王と共に召喚され、ソウゴが変身したグランドジオウと対決。グランドジオウが召喚した鎧武・電王と共に繰り出した技で撃破されるも、アナザージオウⅡによる歴史改変の力で復活。その後も倒されるたびにアナザージオウⅡの力で復活したが、助太刀に入った門矢士の銃撃で怯んだ隙にグランドジオウに逃げられ、アナザージオウⅡの指示でソウゴの行方を追う。
その後、どこかの地下駐車場で発見したソウゴと再び対決。グランドジオウがアナザー鎧武とアナザー電王を撃破した後、自身もライダーキックを繰り出して応戦しようとしたが、召喚したアギトの幻影と一体化したグランドジオウのライダーキックを受けて倒された。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び登場。一斉にジオウ達に襲い掛かる。
アナザーWと共にディケイドを襲撃するも「ディケイドブラスト」で瞬殺、またしても撃破された。
余談
- 『アギト』本編に登場するアナザーアギトとは命名方式やデザイン(というかデザイナー)が共通しており、アギトのアナザーライダーについては番組放送初期から注目を集めていた(プロデューサーの白倉伸一郎曰く、関係者からも同様の指摘を受けていたとのこと)。
- 噛み付く演出は仮面ライダーギルスのオマージュであり、ギルスも『アマゾンズ』も元々仮面ライダーアマゾンの噛み付きを意識している。
- 「アギトの力を持つものが人間をアギトに変えようとする」という展開は仮面ライダーアギト本編における「あかつき号事件」のオマージュであると思われる。
- 予告映像やEP31の一部のシーンには、カマキリヤミーとバッタヤミー、イナゴ怪人、兵隊アリアマゾンのマスクを流用したアナザーアギトが映っている(出典)。
- EP32終盤の決戦では、ジオウトリニティとトリニティフォームの共闘シーンでなんと『アギト』本編の挿入歌『BELIEVE YOURSELF』が流れた。『BELIEVE YOURSELF』を歌唱した風雅なおとも、レッスン生からアギト編の情報を知ったことで『ジオウ』を視聴し、共闘シーンでは興奮のあまり立ち上がって踊ってしまっていたという。
- 因みに、ジオウとの同時攻撃ではあるが、現状唯一レジェンドライダーの強化フォームに撃破されたアナザーライダーである。
- 次回のEP33-34は元号跨ぎの回になったため、アナザーアギトが平成時代の最後に撃破されたライダー怪人となった。
関連タグ
仮面ライダージオウ アナザーライダー 仮面ライダーアギト(キャラクター)
悪のアギト・バーニングフォーム:ハイパーバトルビデオのゲストとして登場した原典の偽物。
仮面ライダークウガ(HEROES):この漫画ではラ・ドルド・グによって複数のアギトが生み出されている。
オルフェノク:『仮面ライダー555』の敵怪人。同じく人間が進化した存在であり、『HERO SAGA』においては『555』と『アギト』の世界観は繋がっている(という設定だった)。
ン・ガミオ・ゼダ:『仮面ライダーディケイド』の敵怪人。発生させた黒い霧により人間をグロンギへと変える。
アマゾン怪人:『仮面ライダーアマゾンズ』の敵怪人。シーズン2に登場するアマゾンは主に一般人が怪人へと変貌した存在となっており、一部個体の衣服を着たデザインも共通している。
仮面ライダーゲンム(ゾンビゲーマーレベルX):上記ゾンビの「襲った犠牲者を自分の同類にして倍々ゲームで増えていく」という特性を、『ストレートに仮面ライダーでやってみた』といえる存在。
『仮面ライダーエグゼイド』本編終了後の外伝『ゲンムVSレーザー』で、檀黎斗神が世界に繰り出したサバイバルゲーム『ゾンビクロニクル』内の敵キャラとして登場させた分身体たちがこの特性を遺憾なく発揮した。
「ゾンビには増殖能力がつきものだろう?」
ミドライダー:木野薫が変身した「アナザー」の名を持たない仮面ライダーであり正反対の存在と言える。
仮面ライダーアバドン:不特定多数の人間が変身する仮面ライダー。こちらは仮面ライダーの名を冠しているものの、本質的にアナザーライダーと大差ない存在と言える。
ドグマログマ:同じく元号(昭和)の最後に撃破されたライダー怪人。
トカゲ男アギト:昭和ライダー最終作に登場するアギト繋がりの怪人
ゾンビ:噛みついて増殖する事から視聴者に例えられた。実際、倍々ゲーム方式は第1作『仮面ライダー』第2話の蝙蝠男が使用したシンプルにして最も手っ取り早い制圧方法である。
アナザーライダー登場順