「俺は…不死身だ!!」
CV:友井雄亮
スーツアクター:押川善文
変身者
・葦原涼
概要
『仮面ライダーアギト』の主要人物の1人・葦原涼が変身できるようになってしまった仮面ライダー。戦闘時に吼えるなど、野生の猛獣のような戦闘スタイルが特徴。
全仮面ライダー大投票 | 56位(177票) |
---|
スペック
身長 | 200cm |
---|---|
体重 | 100kg |
パンチ力 | 10t |
キック力 | 20t |
ジャンプ力 | ひと跳び50m |
走力 | 100mを5秒 |
防御力 | 硬度5 |
仮面ライダーアギトよりパワーやスピードは上だが防御が低く、仮面ライダーG3のGM-01スコーピオン(アンノウンとの戦闘では専ら牽制に使用され、大したダメージは与えられない)でも大ダメージを受けてしまう程。その代わり、失った腕を生やすほどの再生能力を持つ。
変身ポーズ
当初はポーズらしいポーズは存在しなかったが、「自分も変身!と叫んでポーズを取りたい」という中の人のこだわりによって、物語の途中から、両腕をクロスさせながら「変身!」と叫んで変身するようになる。変身ポーズを取るようになる以前も以後も、「涼の横に、次第にギルスの姿が並び立つように出現し、入れ替わりに涼の姿が消える」といった演出がなされている。
能力
緑の体色で生物感溢れる風貌。複眼は赤で、Oシグナル「ワイズマン・オーヴ」は黄色。クラッシャー(顎)は開閉できる。腕と踵に爪がある。
頭部の角「ギルスアントラー」は、アギトとは逆にパワーの減少に応じて短くなるという特徴があり、短くなって戦闘力が低下した姿は、クウガのグローイングフォームを連想させる。この姿だと、パワーが1/10にまで落ち込む。涼が初めて自分の意志でギルスに変身し戦闘を行った際には、変身に慣れていなかったためか初めから短い状態だったが、戦闘中にパワーが全開、長く変化した。
また、全身を覆う装甲は涼に寄生している生体装甲という設定である。涼が老化するのも「彼ら」が栄養素を貪るからなのである。
視力は20km先の看板も視認できるとされる(エクシードに変身すると30kmにまで伸びる)他、額のワイズマンオーブで目くらましや対象に催眠術をかける能力が備わっているが、いずれも劇中では未使用。
ギルスクロウ
ギルスの腕から出現する金色の爪。敵の肉体や武器を切断するのに用いられる。
また、腕の同じ個所からは、ギルスフィーラーなる触手も出現。こちらはムチとして振り回したり、敵を拘束するのに使用される。
デモンズファングクラッシャー
開閉できるクラッシャー(顎)。切れ味は鋭く、敵に噛み付いてダメージを与える。設定では超音波を発する能力もあるらしい。
強化フォーム
真島浩二からアギトの力を与えられた涼が変身する姿。詳細は当該記事を参照。
必殺技
ギルスヒールクロウ
踵の爪を伸ばし、ジャンプからの踵落としで突き刺す技。敵に決めた直後に「ウォアァー!」とクラッシャーを展開して吼える。敵の爆散直前に後退して巻き込まれるのを防ぐ。
ギルスヘルスタッブ
敵を放り投げ、落下して来た敵を貫手で貫く。ハイパーバトルビデオのみで使用。ハイドロゾアロード ヒドロゾア・イグニオに喰らわせて回し蹴りでフィニッシュを決めた。
専用マシン
ギルスレイダー
涼の私物のバイクがギルスの変身に呼応して変化した姿。一種の機械生命体であり、自立行動も可能。
尚、撮影用の車両は『仮面ライダーアマゾンズ』のジャングレイダーに改造された。
ギルスの真実
作中ではどういった存在であるか詳細に語られることは無かった。第9話にて謎の青年(闇の力)により「アギト、いやギルスか。珍しいな」と語られている。
また、珍しいとも言われているように、作中でアギトと呼ばれる者が複数存在するのに対し、ギルスは涼ただ一人であった。
一方で、沢木哲也は「アギトの一種」「アギトと同じ」という言及をしている。
裏設定によると、太古の人間とアンノウンの戦いにおいて、人類を哀れんでテオス(闇の力)に反逆する道を選んだプロメス(光の力)が人類との間に成した子である「ネフェリム」が、「アギトの種」が人間に蒔かれるよりも前に誕生している。
イコンには人間の側に立つ緑色をした異形の存在が描かれており、これがネフェリムであると思われる。その姿は本編に登場するギルスと極めてよく似ており、「ギルス=ネフェリム」であると考察されている。
つまり、光の力と人類の混血児として生まれた者、あるいはその血を引いている者がギルスであり、それに変身する涼もまた光の力の血を引いていたという事になる。
先述の沢木の発言は「光の力に起因する変身能力という意味ではアギトと同種」という含みを持っていると思われる。
これらからも、ギルスはアギトの不完全体、もしくは別の進化を遂げた形態という似て非なる存在である事が窺われ、アナザーアギト以上にアギトから姿がかけ離れているのもその為と思われる。
一方、『仮面ライダーディケイド』の「アギトの世界」では、ギルスは「不完全なアギト」という設定になっている。
ちなみに、父親である和雄とは異なって、あかつき号事件に全く関与していない涼が何故ギルスに覚醒したのかは明かされてはいないが、物語の序盤で涼はバイク事故に遭った事で生命的な危機に晒されており、おそらくそれによって死の淵に立たされてしまった結果、体内に眠っていたギルスの力が、涼を生かす為に覚醒してしまったのだと思われる。
他の平成ライダーシリーズの作品の設定と比べると、ギルスの覚醒は『仮面ライダー555』に登場したオルフェノクに近いのかもしれない。
スネークロードの作り出したワームホールに飲み込まれ、地表に激突する寸前にギルスへと覚醒した為に命は助かるものの、涼はこの力が原因で劇中では不遇な人生を送る事になる。
更に「完全なアギトでは無い」故の副作用なのか、当初は変身後、身体に老化現象が起こる等の現象が見られた。遂には肉体の限界を迎えて命を失ってしまうのだが、(風谷真魚によって蘇生された後は、アギトの力の一端を受けたためなのか老化現象は無くなっている)。
そして後には、アギトの力を持った人物からその力を託された結果、「後天的なる完全なアギト」と言えるエクシードギルスに進化した。
なお、涼以外の人物は「ギルス」の名前を最終回になっても知る事はなかった。涼本人も、上述のシーンで謎の青年(闇の力)に一度「ギルス」と口にされたのみなので、自分の変身する姿が「ギルス」の名だと知っているかは怪しい。
演じた人物
映像作品
俳優
スーツアクター
ゲーム
声優
テーマ曲
イメージソング
- 「searching for myself」
劇中未使用。
劇伴(オリジナル曲)
第1回録音
ギルス用の楽曲はシタールを使用しており、妖しさを強調したものだったが、イメージに合わないと判断されたのかギルスのシーンでは全く使用されなかった。
- 「ギルス -魂の戦士- (M-15)」
劇中未使用。
- 「ギルス -魂の戦士- (M-16)」
ギルス以外のシーンで一度だけ使用された。
- 「恐ろしき変容 (M-17)」
劇中未使用。
追加録音
- 「ギルス -魂の戦士- (ギルス劇伴)」
「searching for myself」のアレンジ。劇中未使用。
第2回録音
第1回録音から一転、ギルス用の劇伴は悲壮感を感じさせるものが制作されている。
- 「アギト VS ギルス!! (M-7)」
初めてポーズをとった第16話の変身シーン、第32話の復活変身シーン、第39話のエクシードギルス覚醒シーンなどで使用。
- 「アギト VS ギルス!! (M-8)」
ギルス以外のシーンで一度だけ使用された。
- 「超能力 (M-9)」
ギルスのシーンよりもむしろドラマパートで多用された。
- 「アギト VS ギルス!! (M-12)」
本来はアンノウン用の楽曲だが、ギルスの変身・戦闘シーンで多用された。
劇伴(流用曲)
第1回録音のギルス用の楽曲は全く使用されなかったためか、3人の仮面ライダーの中では比較的、流用曲が多く使われている。流用曲であるため、いずれも『アギト』関連のCDには収録されていない。
- 「The Final Battle」
Atmosphereのライブラリー音源。第6話の変身シーンと第17話のG3に敗れるシーンで使用。
- 「Firestorm (30 second)」
615 Musicのライブラリー音源。第12話と第21話の変身シーンで使用。
- 「Rising Tide」
OneMusicのライブラリー音源。第22話~第26話の戦闘シーンで使用。
『ガンバライド』
未参戦。(スペシャルカードにエクシードギルスは存在した)残念ながら3人制の時代にもお呼びがかからなかった。
『ガンバライジング』
3人制に戻ったガンバライジングではTwitter上の参戦要望の声が非常に多かったらしく4弾にて遂に参戦を果たした。同作品の2人を組ませると相性ボーナスとして「アギトの会!」が発動。バトル開始時からAP+10されることに加え、G3-X(2弾R)のバーストアビリティを発動すればAP+30(G3-Xを除く)となりかなり強力なデッキとなる。
バッチリカイガン3弾ではアギトシャイニング参戦に合わせてSRに再昇格。1ラウンド毎にAPとチーム全体のひっさつの強化という中々強力なアビリティ持ちである。
ただしアビリティ封印スキル持ちの4弾LREXフィフティーン等に注意。
参戦こそ早かったがその後は新規演出などのテコ入れが無く終了してしまった。バースト演出こそ専用のクラッシャー展開が再現されていたがスキャン演出が全員につく前の段階でLR化したのは考えようによっては不幸である。
『ガンバレジェンズ』
こちらでもGL04弾(4弾)で参戦。 SRはアビリティが何から何まで防御に全振りされたカチカチ型で、劇中の何度も傷つき倒されても不幸な別離を経験しても這い上がってきた「俺は…不死身だ!」な能力値。
同じディフェンダータイプでリーダーアビリティにアギトライダー2人以上を必要とするLRアギトとはベストパートナー。令和レジェンズの時代に置いてもアギトの会は健在である。
なおガンバレジェンズ公式X(旧Twitter)での紹介順はアギトの次に紹介され、アギト勢最後の紹介はサプライズのニューカマーだった。
ライドウォッチ
本能のまま戦い、進化するライダーは…ギルスだ!
「GPライドウォッチ16」の一つとして発売。
必殺技は「ヒールクロウ」。
余談
劇中では吼える、あるいは叫ぶような声が印象的だが、演じた友井はアフレコ時に「もっと肉がえぐられるような声を出せ」と指示をされていたらしい。そのためアフレコ収録時には、噴射式の喉治療薬が手放せなかったとのこと。
ギルスのスーツは現在残っていないらしい。生物感を出すための塗料、もしくは何度も水に落ちた事によるスーツの腐敗が原因と思われるが、真相は不明。噂による印象と異なり劇中での水落ち回数は少ないため、後者の可能性は低いと思われる。スーツアクターは、撮影終了間際にはマスクのアゴが開閉機能の酷使でガタガタになっていたとインタビューで発言している。
そのためか『仮面ライダーディケイド』には登場しておらず、代わりに強化形態であるエクシードギルスのスーツが用いられた。
更に、『レッツゴー仮面ライダー』のサブライダー大集合シーンではギルスが登場しておらず、バイクが登場するシーンのみポピニカのギルスレイダーを使用して登場している。
また、同じようにヌメヌメした質感にしていたアナザーアギトも同様にスーツが腐食してしまったが、こちらは後にスーツが新造されている。
なお、(何時頃作られたものかは不明なので、アナザーアギトの場合と同様に新造された可能性もあるが)映像作品などの撮影用ではなくアトラクションショーなどのイベント用スーツは現存しているようで、『超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE & SHOW 2019』にはアギトおよびG3-Xと共にギルスも登場している。
モチーフは本作のテーマである神殺し=神切りに通じることから、カミキリムシとなっている。なお、よくカマキリと誤解される。
触角のデザイン上のモチーフは漫画版『イナズマン』となっている。『アギト』は超能力者が関わる物語のため、ぴったりな人選である。※『アギト』のストーリー自体はサイボーグ009の「神々との闘い編」を下敷きにしている。
名前の由来はgill(魚の鰓)。ちなみに関連種であるアギトの由来になった「顎門」にも魚の鰓という意味がある。葦原が水泳を得意としている点や上記の水落ちネタを含めてアギトが有さない水属性を補完していると言える。アギトが龍のポジションであるなら、さながら水神の側面を持った龍種蛟のポジションにあるといった所か(蛟は竜の未成熟な個体と伝承する説話がある)。
裏設定においてギルスと同義だと思われる「ネフェリム」の元ネタと思われる「ネフィリム」は旧約聖書における天使と人間との間に生まれた巨人族の事である(巨人もまたアギトのモチーフである「竜」同様に神の敵対者に据えられる存在である)。
関連イラスト
関連タグ
仮面ライダーアマゾン、仮面ライダーシン:戦闘スタイルが似ている緑のライダー。
仮面ライダーゼクロス:変身者が「りょう」でカミキリムシがモチーフのライダー。
仮面ライダーアマゾンオメガ:戦闘スタイルが似ており、ギルスレイダーの撮影用マシンが改造されてジャングレイダーとなっている。
美翔舞/キュアウィンディ・キュアイーグレット:シリーズ2作目にして踵落とし繋がり⇒キュアライダー
ギルス → ゾルダ
○号ライダー
G3/G3-X(2号) → ギルス(3号) → アナザーアギト(4号)