概要
本作に登場する仮面ライダーのうち、仮面ライダーギルスが使用するバイク。
如何にもヒーローマシン然とした出で立ちのマシントルネイダー、武器庫も兼ねた白バイのガードチェイサーに対し、ギルスレイダーはそれらと比べて異彩を放つ、生物的な特徴が前面に押し出されたマシンである。
また、これら3台の中で唯一のオフロードタイプのバイクでもあり、この点においても他の2台とは一線を画した存在であるとも言える。
機能・概観
全長 | 2,000m |
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全幅 | 1,020m |
全高 | 1,260m |
重量 | 130kg |
最高出力 | 345.0ps |
最高時速 | 360km/h |
(出典:Webサイト「仮面ライダー図鑑」の『ギルスレイダー』の項目より)
乗り手であるギルスと同様の濃緑色のカラーリング、それに生物的な質感を持つ各部のカウルが外見上の特徴である。これは葦原涼がギルスに変身する際、彼が常用しているバイクとギルスの細胞とが融合し、高性能バイオマシンへと変化したことに起因している。
単に見た目だけが生々しい訳ではなく、自らの意思を有し無人での走行も可能とする他、ボディ両側面に備わった「ゲノムストーン」の働きで、全壊に近いレベルの損傷さえも自己修復してみせるなど、マシンでありながら生物としての特性も兼ね備えた、「生きているマシン」とも言うべき存在がギルスレイダーなのである。
動力は通常のバイクのようなガソリン駆動ではなく、車体前方に埋め込まれた「ギルスストーン」によって賄われており、本来エンジンに相当する部位は、ギルスレイダー時にはストーンから発せられる力の循環器として機能するようになる。
また、前後輪の「フォースホイール」は、ギルスの意思に応じてその回転数がコントロールされる仕組みとなっており、これらの機能はマシントルネイダーとも近似したものがある。そもそも、ギルス自体が「不完全なアギト」という立ち位置であることを思えば、マシン同士においてもこれらの近似点が生じるのもまた、当然の帰結と解釈できなくもない。
ギルスの頭部を模した形状のフロントカウルには、「デモンズクロー」と呼ばれる鋭利な爪が左右に張り出す形で備わっており、こちらもギルスの意思によって秒間250万回もの振動を起こすことができる。
これによって生じた振動波は、クローから3m以内の物体を触れることなく寸断するだけの威力を発揮し、強力な武装として機能する。本作に登場するライダーマシンの中で、マシンそのものに備わっている武装はこのデモンズクローのみである。
フロントカウルにはこれ以外にも、空気抵抗を低減させる金色の「プロテクトフィールド発生レンズ」、それに捉えた視覚情報をギルスの脳へと伝達する赤い「ギルスアイ」(※)といった部位も搭載されている。
(※ フロントカウルが前述した通りの形状であるためか、メイン画像のように二つ目として解釈されることもあるギルスアイであるが、実際は内部で一繋がりになっている空洞の中央に一つだけ配された、旧ザクやジオングのようなスタイルとなっている)
備考
ベースとなった車両はホンダのXR250で、変身前に涼が常用しているバイクもやはり同様である。XR250は後述のジャングレイダーも含め、以降のシリーズ作品でも度々ライダーマシンのベースとして採用されるなど、平成ライダーではお馴染みの存在として定着していくこととなる。
放送当時発売されたポピニカ版には、パーツの付け替えにより車体後部の突起(デモンズテール)の伸縮を再現可能なギミックが盛り込まれている。後年S.H.Figuarts版として、塗装や一部仕様を変更の上で再販売された際にもそのまま残されたこのギミックであるが、一方で作中においてこのデモンズテールの伸縮は特に描写されておらず、設定上においてもどのような意味を持つのかまでは言及されていない。
撮影用の車両は、後に『仮面ライダーアマゾンズ』に登場するジャングレイダーに改造された。本作、そして同作にもプロデューサーとして携わった白倉伸一郎曰く、同作が制作された時点で既にギルスがいない(=スーツが現存していない)ため、「バイクだけ残しても・・・」との判断があったこと、またジャングレイダーという名称も密かにギルスレイダーの名跡を継いでいるということを、後にファンからの質問に応じる形で言及している(参考リンク)。
関連タグ
ギルスレイダー→ライドシューター