概要
ライダー各人に一台ずつ、同型の機体が用意されており(※1)、現実世界とミラーワールドとを繋ぐ役割を果たす他、ミラーワールド内での移動手段としても活用可能であるが、後者については作中でもごく一部の描写のみに留まった(※2)。
また、物語も後半になるにつれて搭乗シーンが省かれ、変身して鏡の中へ突入するとともに直接ミラーワールドに移動しているかの様な描写も散見されるなど、作中における存在感も徐々に希薄なものとなっていった。
所謂ライダーマシンとしては異質な概観、それに作中における扱いも含め、良くも悪くも『龍騎』という作品を象徴する要素の一つであるとも言える。
(※1 このうちオーディン、タイガ、インペラー、ベルデ、リュウガの5人については、作中でライドシューターを使用する描写が割愛されている)
(※2 TVシリーズ終盤にて、優衣がミラーワールド内にて行方不明になった際、龍騎がライドシューターを使ってこれを捜索する場面が存在する)
機能・概観
全長 | 3,250mm |
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全幅 | 1,120mm |
全高 | 1,400mm |
最高速度 | 930km/h |
広い括りではバイクに分類されるライドシューターであるが、搭乗者をすっぽりと覆うように上面を大きく覆うキャノピー(ゲイルプロテクト・スクリーン)や、タイヤを殆ど隠すほどに大型なリア周りなど、シルバーと黒を基調としたカラーリングと相まって、バイクというよりもSFメカ的な印象の強い出で立ちが大きな特徴である。
通常時は、現実世界とミラーワールドの狭間に存在する結ぶ異次元空間「ディメンションホール」にて待機状態にあるが、ライダーが現実世界にて変身し鏡の中へと飛び込んだ後、彼等は待機中のライドシューターへと搭乗し、これを利用してミラーワールドへと突入する。
操縦の際には、操作系統の集約された「マニュピレート・コンソール」に設けられたデッキに、「スターターカード」を挿入することで起動する・・・とされるのだが、作中においてこのプロセスについては描写されておらず、そもそもスターターカードもどういったものであるのか、設定上でも特に触れられていない。
走行時は車体後部に内蔵された「インフィニティ・パワーユニット」が、半径50m圏内に存在する次元エネルギーを取り込むことにより、爆発的なパワーを生み出し音速に近いレベルでの加速を可能とする。前部に1輪、後部に2輪備わっている「アダプテーション・ホイール」も、様々な路面状況に適応して安定した走行を実現し、垂直な壁面さえも登ることができる。
このように爆発的な加速が可能なマシンであるだけに、シートに相当する「ホールディングシェル」の内部には衝撃吸収性に優れた特殊ジェルが封入されているほか、ライダーの両腰のジペットスレッドに接続するためのシートベルトも備わっており、これらとキャノピーによる風圧・障害物の防護、そして前輪両サイドに備わった「コンタクトセンサー」との合わせ技により、走行中のライダー達の安全性が保たれている。
ミラーワールドに突入し目的地に到着した際には、キャノピーの開閉に連動してシートもジャッキアップするようになっている。当初このジャッキアップのスピードは緩やかなものとされていたが、後に若干ながらスピードアップした形に変更された。
ライドシューター自体には特に武装は備わっていないが、前述した爆発的な加速と頑強な車体構造を活かし、TVシリーズ初回でナイトが見せたような体当たり攻撃を繰り出すこともできる。
後年制作された映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』でも、龍騎の搭乗したライドシューターが他のライダーマシン共々岩石大首領に突撃し、ダメージを与えている。
立体物
2002年3月下旬に、アクションフィギュア「R&Mシリーズ」の一つとして、「DXポピニカ ライドシューター」が一般発売されている。
独特のフォルムは言うに及ばず、同シリーズのライダーフィギュアの搭乗や、キャノピーの開閉と連動したシートのジャッキアップといったギミックも一通り再現可能・・・なのだが、このうちシートのジャッキアップについては、作中の演出に比べてすごい勢いで行われるといった差異も見受けられる。
また、パッケージ裏の商品説明において「TOP VIEW」が「"SIDE" VIEW」と誤植されている箇所があったため、上から誤字を修正したシールを貼る形で対応された。
2013年10月25日には、「S.H.Figuarts ライドシューター」がプレミアムバンダイ限定で予約開始され、翌年3月に発送が実施された。
DXポピニカ版のようにダイキャストパーツは使用されていないものの、より緻密な造形や塗装、クリアパーツの使用で作中のイメージに近付ける形とされている他、キャノピーの開閉と連動したシートのジャッキアップもより自然な形で再現されている。また、コンソールへのカードの装填(参考リンク)や、シート両側のスタンドの伸縮など、DXポピニカ版ではオミットされていたギミックも複数盛り込まれているのが特徴である。
備考
- おそらくは仮面ライダーシリーズ初となる「実車ベースなし」「自走不可能な撮影用プロップのみ」のライダーマシンである。また、デザイン・造形ともに前輪が完全固定で、車体後部が大きすぎるため後輪を二つ並べて使用した三輪車という構造もあってか、どうがんばっても物理的に道を曲がれる造形をしていないため、作中でも方向転換の際には大胆にドリフトさせる形とされていた。
- こうしたデザインや構造については、企画の段階で既に公道での走行、もっと言えばプロップの自走すら前提とされていなかったことに因るもので、従来のライダーマシンのようなベース車両の指定に伴う制約を受けず、自由なデザインがなされている。
- 『龍騎』の北米向けローカライズ作品『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』にも、「アドベントサイクル」の名でライドシューターが登場する。同作ではこのアドベントサイクル以外にも、ドラゴンナイト(龍騎)に「ドラゴンサイクル」、ウイングナイト(ナイト)に「ウイングサイクル」と、初期段階でそれぞれ専用のバイクも与えられている。
関連タグ
- ジェットスライガー:『仮面ライダー555』に登場するマシンの一つ。自走可能な実車が製作されていない、異形のライダーマシンという点で共通項が見られるが、こちらの場合はそもそもコックピット周りしか造形されておらず、マシンの全体像もCGで描かれるという、ライドシューターのコンセプトをより先鋭化させた撮影方式とされている
- ライドベンダー:『仮面ライダーOOO』に登場するマシンの一つ。作中において同型のマシンが複数存在し、かつ主役ライダーもサブライダーも共通して使用するという点で共通項を有する
- トライドロン:『仮面ライダードライブ』に登場するマシンの一つ。こちらは撮影用の車両は製作されているものの、(理由こそ異なるが)「公道を走ることが出来ない」という点で共通している
- デンライナー タイムマジーン:いずれも仮面ライダーシリーズの他作品に登場する、異空間の移動を目的としたマシン達
マシントルネイダー←ライドシューター/ドラグランザー→オートバジン
ガードチェイサー←ライドシューター/ダークレイダー→サイドバッシャー