Incredibox_Sprunki
いんくれでぃぼっくすすぷらんきー
Hello!
Would you like to have some FUN with us right now?
Come on!
And sing along with us in this FUN time!
NyankoBfLol氏によって2024年8月に公開されたMODであり、同年9月にて単品のゲーム作品としてリリースされた。
現在、公式バージョンはIncredimake版とCocrea版で配信されている。
内容は音楽アプリ『Incredibox』のキャラクターを子供向けカートゥーン風のキャラに差し替え、UIを簡略化したもの。
よって基本的には元となったアプリと似たような操作感のゲームではあるが、音源・サウンドは独自のものとなっている。
大元のゲームであるIncrediboxは、あらかじめ用意された音源・フレーズを自由に組み合わせて、様々な音楽を手軽に楽しめる楽曲作成ツールのようなアプリである。
Incredibox Sprunkiも同様で、あらかじめ用意された20種類の音源から最大7種類を組み合わせて手軽に楽曲を作ることができる。
音源は『ビート』『エフェクト』『メロディ』『ボーカル』の4グループに大きく分類され、子供っぽい見かけとは裏腹になかなか本格的。
また、演奏すると各キャラクターの作り込まれたアニメーションを見ることができ、見ていて飽きない。
この手の海外オリキャラMODの傾向として、各キャラクターの設定が妙に凝っているということもあり、愛着の湧くキャラ造形から海外を中心にコアなファンを集めている。
お気に入りのサウンド、お気に入りキャラクターを見つけてあなただけの音楽隊を作ってみるのも一興。
全キャラクターに共通して、足のない指人形のような姿をしている。カートゥーン調にデフォルメされているというのもあるが、公式設定としてどうやら本当に足のない種族らしく、飛び跳ねたり滑ったりして移動するようだ。
Oren(オレン)
オレンジ色の少年のキャラクター。
ヘッドホンと2本の触角が特徴的。触角は装飾などではなく実際に身体の部位らしいが、特に役に立っているわけではないようだ。不敵な性格で、足はないがスケボーが得意。ピンキとは恋人関係で、唯一示唆されている公式カップリングである。他にもサイモンと特に仲がよく、クルーカーやガーノルドとも友達である。ゲーム好きでもあるらしく、このメンバーでよくフォートナイトをプレイしているという公式設定が存在する。
サウンドはキックドラム。やや低音の心地よいビートで楽曲を引き立てる。
Raddy(ラディ)
赤色の少年のキャラクター。
トゲトゲしい5本の角とムッとした表情が印象的なキャラ。身体を動かすことが大好きで、運動はもちろんスポーツ観戦なども好きなアウトドア派。サイモンと並んでトップクラスに足が速い。攻撃的でかなり荒っぽい性格らしく、過去にはオワックスをハンマーで殴ったことがあるという物騒な経歴の持ち主。
サウンドはスネアドラム。性格とは裏腹に控えめで軽快なリズムを刻んでくれる。
Clukr(クルーカー)
銀色の少年のキャラクター。
フックのついた長い触角とそこにのせたシンバルが特徴的なキャラ。このシンバルは外せるらしい。機械いじりが得意らしく、ガーノルドとともにファンボットやミスター・ファンコンピューターの制作に携わったキャラでもある。前述の通りフォートナイトプレイヤーのひとり。
サウンドは見た目通りのシンバル(姿からライドシンバルっぽいが、ハイハットシンバルの可能性もある)。軽やかなサウンドでビートを刻む。
Fun Bot(ファンボット)
ロボットのキャラクター。ロボットなので性別はないが一応男性ベースとのこと。
アンテナとバイザー、青い電光表示の顔がよく目立つ。このバイザーはガーノルドとおそろいのものらしい。前述の通り、クルーカーとガーノルドによって作られた。音楽と楽しいことが大好きで、心優しいキャラクターである。
サウンドはドラムソロで、『Amen Break(アーメンブレイク)』として知られる有名なフレーズを奏でる。名前だとピンと来ないかもしれないが、聴けば誰でも覚えがあるドラムパートのあのフレーズである。有名なドラムサウンドというだけあり、楽曲を盛り上がるものに仕立ててくれる。
Vineria(ヴィネリア)
緑色の少女のキャラクター。
花の咲いた蔦の伸びる頭と大きな緑の角が目を引く。頭の角は自前のものだが、蔦の髪はウイッグであるらしく、自由に付け替えたりするようだ。よって彼女自身が光合成をしたりするわけではないが、蔦のウイッグは光合成によって成長しているらしい。ガーデニングが趣味とのこと。
サウンドはマラカス。物憂げな雰囲気とは裏腹に軽やかで楽しげなビートで、どんな楽曲にも合う。
Gray(グレー)
灰色の少年のキャラクター。
そばかすに黒い瞼、ネコのような耳をしている。非常に目立たない性格らしく、笑顔を見せることもほとんどない。一方、ネコのようにフワフワした性格であるとも言われている。あくまでも「ネコっぽい姿をしている」というだけで、公式としては特に設定のない未知の種族らしい。ただ、プレイヤーに想像の余地を残しているということでもあるようで、ネコミミキャラとして想定することももちろんできるとのこと。地味キャラであるが作品タイトルのサムネイルを飾っているなど、わりと優遇枠。
サウンドはシンセベースともパッドエフェクトとも言われているが、音色の傾向からしてシンセベースの可能性が高い。ただでさえ「前に出てこない」と言われるベースサウンドをさらに弱々しく抑揚のないものにした音源。地味で無表情な彼の性格を反映したものだろうか。ベースサウンドは楽曲の土台を支えるものでもあるので、彼も縁の下の力持ちになれる……と思いたいが大勢で演奏すると他の音に埋もれがちになる。活かすには工夫が必要。
Brud(ブラッド)
茶色の少年のキャラクター。
ガチャ目で頭にバケツを被っている。頭には一本角があり、それをバケツで隠しているようだ。おバカキャラであるらしく、感情などの直感的なことを除いて複雑な内容は理解できないらしい。また、痛覚がないらしく、怪我をしてもケロッとしていたりするほか、苔を食べるのが楽しみであるなど、色々と不思議なキャラクターである。
サウンドはチップノイズで、カウベルのような音を奏でる。バケツを叩く音のイメージだろうか。ちなみに、演奏アニメーションではしきりに三角の口になる。かわいい。
Garnold(ガーノルド)
金色の少年のキャラクター。
全身に金属スーツを身にまとっているらしく、顔には青く輝く大きなバイザーをつけている。バイザーの下は他のメンバーと同様の顔をしているらしい。機械製造に長けており、前述の通りクルーカーとともにファンボットやミスター・ファンコンピューターの制作に関わっている。フォートナイトプレイヤーの1人。
サウンドはシンセリード。断続的な電子音階を奏でるもので、近未来チックなテイストをプラスできる。
OWAKCX(オワックス)
黄緑色の少年のキャラクター。
左右不揃いの瞳孔と逆立った髪、疲れたような目頭のシワが特徴的。何らかの心の病を患っているらしく、精神病院から退院あるいは脱走しているとされている。前述の通りラディから(ハンマーで)殴られたことがあるという。
サウンドはクラッシュシンバル。4小節ごとに大きな音を1回だけ奏で、その後また4小節まで何もしないという、激しさと不安定さを感じるサウンドとなっている。しかし、アクセントとしては色んな楽曲に組み込みやすい。
Sky(スカイ)
水色の少年のキャラクター。
眠たげな雰囲気を漂わせるクマのキャラ。他のメンバーが18歳以上であるとされているなか、彼のみ14歳であるという設定がある。気だるげなティーンエイジャーといった面持ちだが、テディベアを集めるのが趣味というかわいい一面も。
サウンドはオルゴール。メインメロディに近い旋律で美しいサウンドを奏でる。
Mr. Sun(ミスター・サン)
顔のある太陽のキャラクター。一応男性らしい。
文字通り絵に描いたような太陽の見た目をしており、幸せそうな顔で光を振り撒くみんなの友達。特に公式設定のないわりとそれだけのキャラだが、どこかで見覚えのある姿からなんだかんだ印象に残るキャラなのは確か。
サウンドはピアノの伴奏。陽気なイントロのような8分音符のトレモロで楽曲を賑やかせてくれる。……はずなのだが、他キャラが主に短調のサウンドなのに対してミスター・サンだけなぜか長調であり、絶妙に合わない。これはCocrea版では修正されているとのことだが、Incredimake版ではそのまま、およびCocrea版でも環境によっては発生する可能性があるらしい。いずれにせよやや主張の強いサウンドであり、合わせるなら彼を中心に組み立てることになるか。
Durple(ダープル)
紫色の少年のキャラクター。
2本の角とヒレ耳を持つ。悪魔っぽいが公式曰く種族はドラゴン。見かけによらず性格は穏やかで、トランペットの練習をしつつコレクション趣味を持つなど、わりとインドア派。サイモンとは友達らしい。
サウンドはトランペット。2小節ごとに合いの手のように鳴らす。練習しているだけあって、軽快なトランペットのなかなか心地よいメロディを奏でる。
Mr. Tree(ミスター・ツリー)
顔のある樹木のキャラクター。彼も一応男性らしい。
こちらも文字通り絵に描いたような樹木の見た目をしている。樹木だけあって50歳を優に超えるらしく、メンバー最年長候補(ミスター・サンが18歳以上であること以外わからないため実際に最年長かは不明。普通なら太陽の方が上の気はするが)。樹木らしく季節ごとに姿を変え、話し声は軋むドアのようだと言われる。ただの木ではなく、魂を持っている可能性が示唆されているが……
サウンドはオルガン。さすがに軋む音はしない。こちらもやや主張が強めだが、ちゃんと短調なのでしっかり楽曲に馴染んでくれる。どことなくゲーム音楽っぽい。
Simon(サイモン)
黄色の少年のキャラクター。
側頭部から2本のアンテナが伸びているのが特徴。タイトルのサムネイルでもセンターを張り、しばしばメイン級の扱いを受けている。運動が得意なラディと同等の足の速さの持ち主。フォートナイトプレイヤーのひとりでもある。
サウンドは8bit音源。ボーカルとほぼシンクロするメインメロディを奏でる。ミスター・ツリーと合わせるとだいぶRPGっぽい感じに。やはりゲーム好きだったりするのだろうか。
Tunner(タナー)
褐色の少年のキャラクター。
フェドーラ帽(中折れ帽)を被り、毛束を左右に垂らした姿をしている。この毛束は後ろ髪とかではなく2対のケモ耳であるらしい。加えてなんと鱗のある皮膚を持っているらしく、明確な動物モチーフが存在しないキャラであるとのこと。趣味で保安官として活動しており、リボルバーを装備して他メンバーを危険から遠ざけたり仲裁したりしている。帽子にはこだわりがあるらしく、他人に取られることを嫌がり、かつて持っていた他の帽子は全て捨てている。滅多にではないが喫煙することもあり、何らかの弦楽器を嗜んでいるともされる。
サウンドは口笛。保安官らしく荒涼とした空気感を演出してくれる。
Mr. Fun Computer(ミスター・ファンコンピューター)
デスクトップパソコンのようなキャラクター。コンピューターだが男性らしい。
机に乗せられてプロペラ帽を被っており、スクリーンに顔やイラスト、文字を表示させたりする。前述の通り、クルーカーとガーノルドによって作られた存在。18歳以上であるらしいが、性格は最も子供っぽいという(コンピューターの年齢とは)。
サウンドはなんと機械音声によるボーカル担当。記事冒頭の呼びかけも彼が歌い上げる曲の歌詞である。是非とも色々な楽曲で使ってあげたい。ちなみに、機械音声繋がりなのか亞北ネルに憧れているらしい……もうちょっと色々あると思うが。
Wenda(ウェンダ)
白色の少女のキャラクター。
白く大きなネコミミと睫毛が特徴的。グレーと異なりこちらは明確にネコモチーフのキャラとされている。気まぐれでマイペースらしく、時に生意気な態度をとることもあるらしい。しかしたまに喉をゴロゴロ鳴らしたりするなど、まさしくネコっぽいキャラ。
サウンドは公式曰く「boring hey sound(退屈なHeyサウンド)」というもの。「Hey!」と呼びかけるサウンドをサンプリングして加工したものと思われ、どことなく犬の鳴き声っぽい(ネコなのに)。「退屈な」と言われるだけあってボーカルとしては単調であり、やや独走気味でもある。彼女の性格を反映したものなのだろうか。楽曲に合わせるなら合いの手かアクセントとして加えるのがよい。
Pinki(ピンキ)
ピンク色の少女のキャラクター。
ウサミミとリボンの愛らしいマスコットであり、サムネイルを飾るメンバーの1人。オレンからの告白を受けて、2人は恋人関係となっている。料理上手で、非常に優しい性格の持ち主であるとのこと。
サウンドは女声コーラス。キュートなイメージと反して意外なほどに美しく艶っぽい歌声で、神々しさすら感じる響きを楽曲に与える。
Jevin(ジェヴィン)
青色の少年のキャラクター。
ローブを身にまとっており、無表情な様子はどことなく不気味にも思える。何らかのカルト宗教の敬虔な信者であるらしく、護身用に斧を所持しているようだ。何かと物騒なようにも感じるが、性格は至って温和で善良な人格者であるという。フードの下がどんな姿なのかは不明。
サウンドは男声コーラス。鈍く響く低音ボイスで、怪しさを醸しつつも荘厳な雰囲気を引き出す。
画面左上のメニューバーからダークモードのON/OFF、アクセントカラーの設定ができる。
メニューバーすぐ横の額縁マークはギャラリールーム。キャラクターの初期案や裏設定について記されている。ネタバレを含むので一通り遊んでから覗くといいだろう。
キャラクターは画面下側の各種アイコンをドラッグ&ドロップすることで配置できる。配置したキャラに再びカーソルを合わせると個別メニューを表示できる。
スピーカーマークで該当キャラを個別にミュートできる。ヘッドホンマークは逆に該当キャラ以外を一時的にミュートして個別にサウンドを聴くことができる。×マークまたはキャラクターを直接クリックして配置をキャンセルできる。
キャラが埋まっている場所に新たなアイコンは配置できないので、再配置する場合は個別にキャンセルしよう。
右上の矢印マークは全ての配置をリセットできる。
ちなみに、キャラが演奏を始めるとこの矢印マークにメーターが表示されるが、これは各ループごとの小節数を表している。
演奏中に配置されたキャラはこのループの繋ぎ目となる小節から参加するため、キャラを配置するタイミングの参考にするといいだろう。
以上を踏まえれば、誰でも手軽に魅力的な音楽とアニメーションを鑑賞することができる。
是非とも一度、多くの人々にSprunkiの世界を楽しんでもらいたい。
You can not hide.
You are not safe.
RUN away. RUN away.
RUN RUN RUN RUN
この項目にはネタバレおよびショッキングな要素が含まれています。
閲覧の際は十分ご注意ください。
SPRUNKI
██RUN██
このゲームの異変はボーカル担当の20番目のアイコン………「Black(ブラック)」を配置した瞬間に起こる。
突如画面が暗転し、背景には血のように赤い空と目玉が覗き込む雲が広がる、異界のような世界に様変わりしてしまう。
この状態でもキャラの配置は可能だが、選択されたキャラ達は一部を除いて皆異形化しているか、血塗れの惨殺体になっているという惨たらしい状態となる。それに伴い演奏されるサウンドもおどろおどろしい不気味なものへと変化している。
……もうおわかりだろう。
このゲーム『Incredibox Sprunki』の正体は子供向けアドオンの皮を被ったホラーゲームである。
そもそも冒頭の概要に書いた「8月に公開、9月に単品リリース」というのも、投稿されたMODが猟奇的描写を含むためプラットフォーム側が削除、その後独立したゲームとして再リリースされたという経緯によるもの。
もともとIncrediboxは海外ではそれなりの人気を得ている音楽アプリであり、有志により制作されたMODを共有する一定のコミュニティが形成されていた。このIncredibox Sprunkiもそうした流れの中で生まれたコンテンツの1つだったというわけである。
そんなわけで(色んな意味で)鮮烈なデビューを飾ったIncredibox Sprunkiのワケだが、キャラデザとアニメーション、サウンドのクオリティの高さは本物であり、それすなわちホラーとしてのキャラデザやアニメーション、サウンドや音楽も、不気味ながら非常に高い評価を得ていたということでもある。
凄惨でおぞましくも秀逸なデザインや、強烈なキャラクター個性を深める設定群、恐ろしさを含みながらも熱くカッコいいサウンド音源……そういった要素が徐々に注目を集め、昨今のマスコットホラー作品が知名度を増した傾向もあってか「怖いけれど凄いゲーム」として独自の地位を確立するのに至ったのである。
ホラーバージョンでのキャラクター変化の一覧
Something is wrong.
They are all DEAD.
They are NOT REAL.
Look around you.
見たとおり死屍累々の地獄絵図といったありさまだが、公式設定では一部のキャラはこの不条理を切り抜けて生存しているとのことである。
オレン
胸郭が切り開かれ、内臓が露出した状態になっている。目からは血を流している。
彼はサイモンあるいはウェンダの襲撃を受けた可能性が示唆されている。
サウンドのキックドラムはくぐもったエフェクトがかかり、急き立てるようなテンポとなっている。サウンドに合わせて心臓が拍動して見えるというアニメーションがあり、さながら早鐘を打つ心音のようである。
ラディ
顔面の半分が剥ぎ取られ、下半身がもぎ取られた状態の首吊り死体となっている。
殺されたメンバーの中でも特に損壊が激しい。運動好きだった彼が脚をもがれて吊るされるというかなりの尊厳破壊である。自殺か他殺かは不明。
サウンドのスネアドラムは激しく打ち鳴らすようなリバーブエフェクトがかかる。
ちなみに吊るされているからか、配置したあとでキャンセルすると上に引っ張り上げられてフェードアウトするという唯一の特徴がある。
クルーカー
頭部の上半分が切り取られたか叩き潰されたように欠損している。
サウンドはライドシンバルのカップ(中央)部分を打ち鳴らす短い金属音になる。
アニメーションも頭のシンバルを弱々しく跳ね上げるのみとなる。
ファンボット
暗い表情になっている他は変化なし。ロボットゆえに狙われなかったのか、あるいは異常な事態でも冷静さを失わなかったのか、生存者の1人となっている。
心優しいファンボットは狂気的な状況でも人を傷つけることができなかったため、被害者にも加害者にもならなかった。しかしそれは、暴走するメンバーに一切歯止めがかけられなかったわけでもあり……
サウンドはくぐもったエフェクトがかかっているものの、『アーメンブレイク』のドラムソロを虚しくも普段通りに響かせる。アニメーションもほとんど変化がないが、視線が動かなくなっている。
ヴィネリア
蔦のウィッグは枯れ、体内で成長した植物が眼窩を突き破って眼球が飛び出している。
その不気味なデザインは植物を食い荒らすナメクジから着想を得たものという説がある。
サウンドはやや低くハイテンポになっているが、変わらずマラカス。アニメーションではずっと痙攣し続けている。
グレー
姿自体には変化なし。生存者の1人である。
地味で目立たない性格だったためか、凶暴化したメンバーの襲撃から狙われず隠れ続けることができたという。
サウンドはさらに弱々しく目立たないものになっており、ノイズエフェクトあるいはビットクラッシュがかかっているのか少しザラついている。
アニメーションでは震えながら怯えるように周囲を見渡している。
ブラッド
頭部の半分が齧り取られている。あばらの脇の部分も欠損している。トレードマークのバケツもない。
凶暴化したサイモンに襲撃されてこうなったらしい。
酷い負傷のように見えるが、彼は痛覚がないのでこれでなんともないらしく、生存者の1人である。アニメーションも普段通りで変化がない。
サウンドはカウベルっぽい音色から明らかな電子音によるノイズに変化しており、ハイテンポで怪しげなリズムを刻む。
ガーノルド
バイザーが割れて目を覗かせ、首元からは流血している。口元には歯が見える。
どうやら金属スーツのロックが外れ、生きたまま押し潰されたらしく、アニメーションでは目を動かすだけで一切身動きを取らない。
サウンドのシンセリードも静かな電子音の音階が響き渡るものへと変化。
オワックス
下顎の肉が削げ落ち、下半身の皮膚も剥ぎ取られている。
酷いありさまだが意外にも普段と大きく変化はない。
サウンドもノイズエフェクトにより大きく歪められているが、相も変わらずクラッシュシンバルを一定の間隔で打ち鳴らす(BPMが倍近いので8小節ごとになってはいる)。もともと心を病んでいるためか、周囲がおかしくなっても気づいていないということだろうか。
ミスター・サン
顔面が巨大な眼球に変わる。
生存者には含まれていないが、死亡しているわけではないらしい。何らかの異常性を示す存在であるとされるが詳細は不明。
サウンドのピアノは陽気なトレモロから緊迫感のあるアルペジオに変化。こちらも不気味な見た目に反して美しくカッコいい。何気にちゃんと短調になっているので伴奏としても違和感なく引き立ててくれる。
ダープル
ジト目が真顔になっている他に姿の変化はない。
……が、アニメーションは顎が異様に大きく引き伸ばされるという不気味なものになっている。
彼自身は被害を受けたわけではなく、生存者の1人。ただ、アニメーションにおける異様な変化はミスター・サン同様に「何らかの異常性」を示唆する表現として存在しているらしい。『腐敗』あるいは『崩壊』とも表現されるが、やはり詳細は不明である。
(異形化を死亡判定とみなして生存者に含めないとする見解もある。)
サウンドはトランペットからホルンに変化。他のサウンドより一拍遅れて背景音のように奏でる。大きく開いた口から重低音を響かせる様はさながら地獄の唸り声のようであり、もはやドラゴンというより悪魔を思わせる。
ミスター・ツリー
モノクロの木の幹に行方不明ポスターが貼られた姿となる。アニメーションは存在しない。
ポスターの人物は女性のようだが一切の詳細は不明であり、ホラーバージョンにおいても一際異彩を放つ。
一部では「ツリーに宿っている魂の持ち主だったのでは?」とも考察されているが、あくまで想像の域を出ない。
サウンドはオルガンによるアンビエント風の背景音。目立ちにくいが雰囲気づくりに大きく寄与してくれる。
サイモン
貼り付けたような笑顔に大きく引き攣れた口から無数の歯を見せている。目ははっきり確認できない。
攻撃的な本性があらわになったサイモンの姿。ブラッドを襲撃した張本人であり、オレンの殺害に関わった可能性もある。自慢の走力で追いかけ、巨大な顎で噛みつくという。
ブラッドのバケツを(少なくとも一時的には)喉に詰まらせたらしく、ブラッド自身は命を奪われなかった(生存者にサイモンが挙げられていないため、サイモンはこれで命を落とした可能性がある。異形化を死亡判定とした場合は生存している可能性もあるが)。
サウンドはハイテンポな8bit音源に。アニメーションでも頭をめちゃくちゃに動かしながら噛みつきを見せる。
タナー
帽子ごと眉間を拳銃で撃ち抜かれている。表情もどこかぼんやりしている。
ウェンダの銃撃によって手にかけられたらしい。保安官として奔走したゆえの末路なのだろうか。
サウンドは変わらず口笛。ホラーバージョンに合わせて、もの悲しい雰囲気が強まっている。
ミスター・ファンコンピューター
プロペラ帽は失われている。配置直後の待機中にはリアルな人間の顔が表示されているが、基本的には文字やイラストを表示することに変わりはない。
表示する歌詞はプレイヤーに逃げるよう促し警告する内容となっており、赤文字や目玉のアイコンなどを表示させる。
やはり機械だからか襲撃されず、正気も失わなかったため生存者の1人とされている。
性格は最も幼いとされる彼だが、いち早く異変を察知してプレイヤーに警告してくれる甲斐甲斐しさは無垢な機械ゆえだろうか。
サウンドの機械音声も息を潜めて囁きかけるような声となっている。
ウェンダ
大きく見開かれた目と引き攣れた笑顔、身体に返り血がついた姿に。
表向きには生意気でマイペースな彼女だが、裏の本性は衝動的な殺戮を繰り返す猟奇的な性格であるらしく、明言されてはいないが多くのメンバーの殺害に関わっているらしい。少なくともタナーの銃殺には関与しており、ほかにもナイフを持って徘徊しているなどトップクラスの危険人物。これで生存者の1人なのだからタチが悪い。
サウンドは電子音や金属音にビットクラッシュがかかった狂気的な音源に様変わりしている。もはやボーカル担当とは言い難い、ノイズミュージックとも言うべき激しい音源である(ジャンルとしていえば『インダストリアル・テクノ』に近いだろうか)。
通常バージョンの馴染まない感じとは一転して、シリアスなホラーバージョンの楽曲を一気に高めるサウンドへと変貌している。「退屈な」と言われる平凡さはどこへやら。裏の顔が現れてからが本領発揮ということだろうか。
ピンキ
顔面の皮膚が剥ぎ取られ、眼球と潰れた顎が露出している。アニメーションもゆらゆら揺れながらたまに痙攣を見せるという痛々しいものに。
どう見ても瀕死だがなんとこれで生存者であるらしく、地獄絵図を生き延びた1人のようだ。しかし、可愛らしかった少女が顔面を傷つけられて生存するのも後味の悪いものがある…
サウンドの女声コーラスは変わらず美しく、ホラーバージョンの不穏さと切なさを大いに引き立てるものとなっている。
ジェヴィン
なんと一切変化なし。負傷するわけでも凶暴化するわけでも、怯える様子を見せるわけでもなく、色調補正だけがかかった姿でアニメーションすら変化がない。
どうやら何らかの手段で「この状況に陥ることをあらかじめ知っていた」らしく、被害を受けることも取り乱すこともなかったようだ。よって生存者の1人となっている。
サウンドの男声コーラスもほぼそのままで、若干ホラーバージョンに合わせて演出が変わっている程度。重々しい歌声を響かせる。
ブラック
ホラーバージョンのきっかけとなる謎の存在。
真っ黒な身体にリアルな人間の顔という特に異様な姿をしている。その性質上、通常バージョンの姿が存在しない唯一のキャラクター。
なぜ彼によってこのような地獄絵図が展開されるようになるのかは不明。彼自身についてもほとんど情報は明かされていない。
ただ、控えめで他者とあまり干渉しないとも言われているため、あくまでホラー化のトリガーになっているのはメタ的なゲーム演出上の都合であり、彼が地獄絵図の原因に直接関わっているわけではないとも考えられる。
サウンドはボーカル担当ではあるが、アンビエント調の背景音であり、およそ声らしいものではない。目立ちにくいが雰囲気はなかなか。
魅力的なキャラ造形とホラー要素のギャップからキャラクター人気は高く、ファンメイドのショートアニメやイラスト投稿も多くあり、一部ではミーム化するなどのムーブメントを見せている。
また、元がMODであったこともあってか、新たなオリキャラと音源を追加する三次創作MODも数多く投稿されている。
Pixivでは主にキャラアートが投稿されており、擬人化やオリキャラ創作のほか、カップリング創作も人気が根強い。公式ではオレンとピンキの2人が恋仲とされているが、他にもネコミミ繋がりでグレーとウェンダのコンビが人気である模様。
(性格を踏まえると凸凹コンビというレベルではないが。)
キャラの初期案
- ホラーバージョンで頭が齧り取られるブラッドだが、初期案では酸で溶けて頭蓋骨が露出した姿のデザインが想定されていたらしい。
- 精神病を持ち攻撃的なオワックスだが、ギャラリーのコンセプトアートではかつては真面目で正常な性格だった可能性が示唆されている。ただし、あくまでも制作過程の初期案のひとつであり、現在の正式な設定に組み込まれているわけではないようだ。
- ブラックのホラーバージョンの顔面画像はかつていくつか候補があったらしく、scratch版配信に伴って今のキャラデザになったようだ。
キャラのモチーフ
- オレンやラディは「Oddbods(オッドボッズ)」という番組から着想を得たらしく、それぞれスリック、フューズというキャラクターがモチーフになっているようだ。
- ヴィネリア、ピンキのホラーバージョンはかの有名なグロアニメ「HappyTreeFriends」の死亡シーンがデザインの元になっているらしい。それぞれナッティ、ギグルスのワンシーンが元ネタ。
- また、オワックスの初期案である正常バージョンもナッティをイメージしていることがギャラリーで明かされている。
NyankoBfLol氏によるキャラクター評価
- 制作者のNyankoBfLol氏によると、お気に入りキャラクターはヴィネリアとダープル。ダープルは「一番好きなキャラ」とのことで、ヴィネリアはホラーバージョンをデザインした最初のキャラクターということで思い入れがあるようだ。
- 対してガーノルドは開発終盤でネタ切れ気味に生み出したキャラであるらしく、キャラデザもサウンドも正直あまり納得していないとのこと。
通常バージョンにおけるブラックの存在について
- 前述の通りブラックは通常バージョンでの姿が存在しないが、デザイン自体は存在している様子で、真っ黒な全身に帽子と白ネクタイをした姿で描かれている。ゲーム本編には登場しないが、有志による再現MODが存在する。
- 制作者のNyankoBfLol氏曰く、もしもブラックを通常バージョンに登場させるなら、『monochrome』の「The Inhabitant」(他制作者によるIncrediboxのMODとそのキャラ)をもっと低音にしたようなボーカルになるだろうとコメントしている。
その他の小ネタ
- メニューバーから確認できるダークモード、アクセントカラーの設定は、ホラーバージョンになると選択不可能になる。設定画面を開くと、トグルボタンに目玉が表示されるという小ネタが。
- Incredibox Sprunkiのタイトル画面は、画面左上の赤マークを押すことで表示できる。通常バージョンではサムネイル画像と変わりないが、ホラーバージョンではキャラの顔が黒塗りされるほか、タイトルの『SPRUNKI』の"SP"と"KI"が塗りつぶされ『RUN』の文字が浮かび上がる。
- 制作者曰く、「通常バージョンのメイン級キャラはサイモン、ホラーバージョンのメイン級キャラはグレー」であるとのこと。MOD削除後の再リリースプロジェクトの際には、メインアートワークとしてグレーが(単独で)サムネイルを飾っていたこともあり、やはり地味キャラに反してなんだかんだ愛されているようである。
この項目にはゲーム内要素に関わるさらなるネタバレが含まれています。
閲覧の際はご注意ください。
隠しキャラクター
実は、Incredibox Sprunkiには通常プレイでは出現しない隠しキャラが存在する。
出現方法は隠しコマンドの入力。画面左上のメニューバーアイコンよりさらに左側の端に隠されたメッセージボックスがあり、そこへ『imsosprunki(半角小文字)』と入力することでアンロックされる。
端末の性質上、基本的にはPCプレイでのみ実行可能な小ネタである。また、当然ながら非公式転載版や三次創作MODではほとんどの場合で不可。
隠しキャラは以下の4体。いずれも元ネタは他制作者によるIncrediboxのMODキャラであり、リスペクトおよび界隈ネタといった内容のイースターエッグとなっている。
コマンドである文字列も「I'm so sprunki(自分はめっちゃスプランキーなやつだ)」という文章にとれ、熱烈なファンに向けたおまけ要素といったところだろうか。
Rebel(レベル)
青いスーツと片目隠れのヘルメットをつけたキャラクター。男性キャラ。
変化のない表情でニヤニヤと笑っているらしい。
サウンドはビットクラッシュエフェクトがかかったボーカル・パーカッション。軽快で心地よいメロディ。
ホラーバージョンでは赤ネクタイに赤いスーツを纏い、頭から黒い粘液を被った姿に変化。
サウンドはリバーブエフェクトがかかった物々しいドラムサウンドとなり、アニメーションでは白目を剥いて口を開き、口の中から目玉を覗かせるという不気味な演出を見せる。
元ネタは通常バージョンが『Sepbox V3: Return』というMODの「Effect 3」というキャラ、ホラーバージョンが『Solarbox Mars』というMODの「Beat 5」というキャラである。
Lario(ラリオ)
『LARIO』と書かれた「Pizza Tower」のステージ「Gnome Forest」のタイトルカード画像をそのまんま貼り付けたような姿をしている。もはや人型ですらない。当然アニメーションもない。
サウンドはYoung Thug の「Superstar」とKevin MacLeodの「Sneaky Snitch」を重ねて再生させたもの。合ってない以前に著作権ギリギリである。
こうなっているのは元ネタが2023年にTikTokから広まったショート動画であるため。すなわち海外ミームネタである。「LARIO meme」で検索すれば色々な関連画像や動画を調べることができるので気になった人は見てみよう。
ホラーバージョンでは赤く引き伸ばされたsprunkiの画像が表示される。一応人型にはなったが相変わらず画像一枚のみでありアニメーションはなし。
サウンドは8小節ごとに不協和音を掻き鳴らしていくつかのパターンのジャンプスケアを表示させるというちょっと珍しいもの。ここにきて王道ホラー演出である。アクセントとしてはなかなか悪くないかも。
こちらの元ネタは『Kaybox Alooistika Meli』というMODの「Voice 6」というキャラである。元ネタの元ネタとして『Spooky's Jump Scare Mansion』というゲームの「Specimen 9」という敵キャラも候補に挙がっているようだ。
ちなみに、その性質上唯一の性別不明キャラである。あってたまるか。
Qipqqtppsgskkskk(キップククットップスグスククスク)
名前が長すぎる。便宜上ではもっぱら『Qip(キップ)』という略称で呼ばれることが多い。
灰色のタンクトップとヘッドホンを身につけたモノクロの男性キャラクター。ロボットっぽい感じでカッコいい。
サウンドはビートボックス。アニメーションでは次第に画質が粗くなっていきループごとに元に戻るというやや特殊な挙動を見せる。
ホラーバージョンでは黒いマントを羽織ってベルハットを被り、顔面に無数の眼球が並ぶという蓮コラチックな姿へ変貌する。
サウンドは大勢の子供たちの笑い声や泣き声という類を見ないレベルで異質なもの。ホラーっぽさでいえばダントツである。アニメーションでも無数の目玉で左右を見渡す。
元ネタは通常バージョンが『Evadare: Void's』というMODの「Beat 4」というキャラ、ホラーバージョンが『Recursedbox: Singularity』というMODの「Voice 4」というキャラである。
El Cool P(エルクールP)
赤白のストライプが入った青のジャケットと赤いバケットハットを被ったキャラクター。不敵な笑みが印象的。
サウンドはなんとラップのリリックを歌い上げるというなかなかイカしたもの。アニメーションは存在しない。
元ネタは『Incredibox V9』というMODの「Voice 1 - Wekiddy」というキャラ。ラップパートも同MODの同キャラのサウンドから引用されたものである。
ホラーバージョンでは名前が『Fanon Wenda(ファノン・ウェンダ)』に変わり、姿も厚化粧をしたウェンダの落書きというカオスなものに(インパクトはラリオが出た手前アレだが)。性別が男性から女性に変化する唯一のキャラである。
サウンドはエフェクトがかかったメタル調のドラムという真っ当にカッコいい音源。リズム感からウェンダ同士で合わせても相性抜群である。相変わらずアニメーションはないが。
「Fanon」とは海外のオタク用語で「Fanmade Canon」の略称であり、「二次創作設定」「非公式設定」といった意味となる。その名の通り、二次創作界隈で描かれるウェンダの姿をNyankoBfLol氏が見つけてパロディしたものが元ネタである。
ちなみに、同じく二次創作界隈での『ファノン・グレー』と結婚しているというヤケクソ気味な設定も。海外創作界隈でもウェンダとグレーの絡みを描くのが人気であるためか… 海を跨いでも考えることは同じらしい。
Mard(マード)
マスタード色の少年のキャラクター。
ゲーム本編には実装されていないが、ギャラリールームや制作者のDiscord内でのコメントとして存在が確認されている設定上のキャラ。
サンバイザーと前掛けのようなスカーフを身につけ、なんとも脱力感のある笑顔を見せている。クマのようともウサギのようとも言われる耳がついているが、制作者はモチーフ動物については明かしていない。誰とでも友達になれるフレンドリーな性格であるとか。
好きなものはマスタード。胴体に「I love mustard!!!!!!!」と書かれているとおりマスタード以外認めないマスタードフリークであるらしい。
どのようなサウンドを奏でるのかについては制作者自身もわからないとしている。
元ネタは『Colorbox Mustard』というMOD。
上記の通りゲーム内ではギャラリーのみの存在だが、世界観設定上ではちゃんと存在するキャラクターらしく、ホラーバージョンの世界を生き延びた隠されたもう1人の生存者であるという。
Locke(ロック)
栗色の少年のキャラクター。
かつてギャラリールームで閲覧できた没キャラクターの1人。灰色のシャツと目隠しを身につけ、全身にベルト拘束具が巻かれた姿をしている。目隠しや襟元には血がついている。
何らかの理由で削除されたキャラクターらしく、現在のバージョンではギャラリールームからも削除されている。ギャラリールームでの該当箇所には「he's no longer here :( he is gon (彼はもうここにはいないよ(´・ω・`) いなくなっちゃったよ)」という立て札の画像が代わりに置かれている。
元ネタは『Incredibox Express』というMODの「Locke」というキャラ。
上記の通り没キャラなので、マードと異なり世界観設定上にも存在しない。