概要
ホラーゲームの中でも、遊園地などのマスコットキャラクターが登場し活躍するものを指す。普段は可愛いキャラが恐ろしい姿になって襲ってくるというギャップが受けたのか、海外では一定の人気があり、最近は日本でも広まりつつある。
マスコットホラーゲームの定義は曖昧だが、概ね以下のような特徴をもつ(あくまで傾向であり、全ての項目に該当するとは限らない)。
- 店舗や遊園地などの施設を舞台とする。
- それら施設のマスコットキャラが敵としてプレイヤーを襲う。
- マスコットキャラに性格などの個性が細かく設定されている。
- タイトルに代表的なマスコットキャラの名前を含む。
- ゲーム中でマスコットキャラや施設に関する裏設定がほのめかされる。
また、インディーゲームが多いのも特徴。そのためストーリーを分割して順に公開する、いわゆるチャプター制を採用している作品がよく見られる。
今のところ海外の作品が多い。特にマスコットキャラそのものがゲームの象徴になっている点は、日本のホラーゲームにはあまり見られない特徴である。
沿革
2014年の『Five Nights at Freddy's』の頃からこのジャンルの萌芽が見られ、以降いくつかの作品がリリースされるが、この時点では「マスコットホラーゲーム」という括りはあまり意識されていなかった。
しかし2021年の『POPPY PLAYTIME』が大人気を博して以降、次々に後続のゲームが出現。特に『Garten of Banban』はリリースの間隔が非常に短く、開発期間の長い『POPPY』とのシナジーが強かった。ここに、雰囲気の共通するそれらのゲーム群が「マスコットホラーゲーム」と呼称されるに至ったのである。
一覧
マスコットホラーゲームとして扱われることの多い作品を以下に挙げる。カッコ内の数字は初めてリリースされた年。追記の際は上述した各特徴も参照されたし。
- Five Nights at Freddy's(2014)
マスコットホラーゲームの中でも初期の作品。ピザ販売店のマスコットキャラであるアニマトロニクスたちがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはFreddy Fazbear。続編・派生作品が多く、最近は実写映画も公開されるなど、約10年の歴史をもちながら未だに人気の色褪せないシリーズである。
荒廃したアニメスタジオを舞台に、白黒アニメーションのキャラクターがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはBendy。2022年には続編『Bendy and the Dark Revival』がリリースされた。
- Happy's Humble Burger Barn(2020)
ハンバーガーの販売店を舞台に、店のマスコットキャラクターがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはHappy。2021年には続編『Happy's Humble Burger Farm』がリリースされており、こちらの方が知名度が高い。
- POPPY PLAYTIME(2021)
おもちゃの廃工場を舞台に、自ら動くおもちゃたちがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはHuggy WuggyまたはPoppy Playtime。マスコットホラーゲームというジャンルはこの作品をきっかけに確立されたと言っても過言ではない。
- Rainbow Friends(2021)
マスコットホラーゲームには珍しい、Robloxで公開されている作品。遊園地を舞台に、そのマスコットたちがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはBlue。
- Garten of Banban(2023)
幼稚園を舞台に、そのマスコットたちがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはBanban。マスコットホラーゲームの中でも特にリリースの間隔が短く、このジャンルの浸透に一役買っている。
- Amanda the Adventurer(2023)
屋根裏部屋を舞台に、プレイヤーが子ども向けテレビ番組の謎を明かす。代表的なキャラはAmandaとWooly。1つの部屋から移動せず謎解きを中心に行う点で、他のマスコットホラーゲームとはやや雰囲気が異なる。
- Indigo Park(2024)
廃遊園地を舞台に、そのマスコットたちがプレイヤーを襲う。代表的なキャラはRambley the Raccoon。