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概要編集

悪魔とは、以下の意味で使われる。

  1. さまざまな宗教において、人を惑わせたり、善事に災いをもたらしたりする、悪を象徴する超越的存在。本項で解説。
  2. 残虐非道で、人に災いをもたらし、悪に誘い込むもの。また、そのような人間を例えていう語。
  3. タロットカード大アルカナの1枚。 → 悪魔(タロット)
  4. ゲームなどに登場する、「悪魔」と呼ばれる超自然的な存在。→本頁に一覧あり

概要編集

仏教では「煩悩」や「邪心」など仏道修行を妨げ悪道に誘う魔物西洋宗教におけては、力を持ったの半ば擬人化した概念で、人格意志を持ち人間誘惑する。


宗教によっては「その宗教の神に敵対するもの」を指し、異教の神々への蔑称としても用いられ、深く関連付けられるのが地獄である。地獄は悪人が天主に棄てられて、悪魔と共に終なく苦しむ場所と定義され、その聖書箇所は 「彼等は外の暗に逐出されん、其処には痛哭と切歯とあらん」「詛われたる者よ、永遠の火に入れ」である。


「悪魔」という漢語は本来、漢訳仏典に由来する仏教語であるが、現代日本語では西洋デビルデーモンの訳語としても用いられている。仏教語としての悪魔はサンスクリット語マーラ(殺す者の意)」の音訳「魔羅」「」と同義である。


「魔」という漢字は、死者を指し超自然的なものを含意する意符「」と、マーラの音を表す音符「」とを組み合わせたものである。


仏教における悪魔については、「マーラ」を参照のこと。


数える際の助数詞は「人」「体」「匹」など。


西洋の悪魔は、人間に似た姿でありながら、紺色の肌、赤い目とがった耳、裂けたようなに尖った歯、尖った爪、カラスコウモリのような羽根を持つ存在として描かれることが多い。(一般に想像される山羊頭の悪魔の姿はバフォメットが元になっている。)


キリスト教における悪魔編集

ギリシャ語で書かれた新約聖書ではサタンの訳語である「ディアボロス」と呼称され、かつてはに仕える御使いであったとされる。教父たちは天使のについて論じた。


多くの宗教文化キリスト教は異なり、キリスト教神学の見解は、悪魔を悪の擬人化とはとらえず、文字通り、三位一体の神に逆らった人格を有する御使いたちであると認識する。


敬虔主義では神と人間とに敵対するサタン、悪魔の存在が強く意識され、この世界はサタンと神、サタンと神の民の間の戦いの、戦場ととらえられているが、自由主義神学(リベラル)では悪の擬人化ととらえることがある。


キリスト教の神学においては天使論の中で悪魔論が記述されてきたが、後にそれがわけられるようになった。天使に関する本よりも、悪魔、悪霊オカルトについての本が多く出版されていることについて、ビリー・グラハムは、世人が天使よりも堕落した天使である悪魔に注目しているのは奇妙な事であり、中には悪魔と神を等しい地位におく者がいると指摘している。


悪魔のまどわし編集

キリスト教においては信仰者の信仰心を試す存在として登場し、聖人の大アントニオスの誘惑の題材が知られる。悪魔は、一般にデーモンと呼ばれる悪しき天使たちの勢力を指揮している。


旧約聖書には、敵対者であるサタンが登場する。


堕落の教理編集

キリスト教神学では悪魔はサタン、時にはルシファーの名で呼ばれ、かれは神に対して謀反を起こした堕天使である。


神学では人間を誘惑して堕落させ、原罪イエス・キリストのあがないの必要性をもたらした、エデンの園と同一のものと認識される。


かれはまたヨブの告発者、福音書における誘惑者、黙示録におけるドラゴン)とも同一視される。


キリスト教と異教編集

悪魔とも悪霊とも和訳される西洋語の「デーモン」の語源は、ギリシア語ダイモーン(古希:δαίμων/ラテン翻字daimon)である。


ギリシア語の旧約および新約聖書では悪霊的存在がダイモーンと記されており、使徒パウロアウグスティヌスは異教の神と悪魔を同一のものとして記述している。ダイモーンのラテン語綴り「ダエモン(daemon)」はキリスト教的文脈においてほぼ悪霊・悪魔の意味で用いられている。


キリスト教の教父アウグスティヌスは『神の国』において新プラトン学派の哲学者ポルピュリオスを批判している。アウグスティヌスはキリスト教徒はイエス・キリストの再臨によってやがて来る神の国に入れられるが、悪魔の国に属する悪魔の子たちは地獄に落ちると教えている。


カトリック教会編集

悪魔に命じるアッシジのフランチェスコ


悪魔を踏みつけるミカエル天主に背いた悪い天使は、地獄の罰を受けたのであり、カトリック教会はこれら悪い天使を悪魔と呼んでいる。悪魔は、天主をうらみ、人を悪に誘惑するとされ、その根拠の聖書箇所は 「汝等節制して警戒せよ、そは汝等の仇たる悪魔は吼ゆる獅子のごとく食尽くすべきものを探しつつゆきめぐればなり」である。


また、人は自分の力では悪魔の誘惑をふせぐことができず、天主の助けにすがることによってこれに必ずこれに勝つことができるのであり、これは神にいさおしとして認められる。その聖書箇所は「汝等主に於て叉其の大能のちからに於て気力を得、悪魔の計略に勝つことを得んために、天主の武具を身に着けよ」である。


人祖は悪魔の誘惑に従い、天主のいましめに背いて聖寵を失ったとされ、その聖書箇所はである。


エクソシスム編集

カトリック教会の認めるイエス・キリストの奇蹟とは、イエス・キリストがただ一言葉で悪魔を追出し、癩病等を癒し、死人をも蘇らせたことを指して言われる。

その聖書箇所は悪魔を追出し、癩病唖、聾盲を癒し死人をも蘇らせた個所である。


カトリック教会における悪魔憑きは外から語りかけることによって始まり、体内に入り、体を乗っ取る「憑依」によって完成する。


  • 外から語りかける段階:電気製品から、「私を助けて」という子供の声などで話しかける。
  • 憑依する段階:呼吸音のきしむ音・をごろごろ鳴らせる音で語りかけてくる。
  • 憑依後:本人の意思とは関係なく、口から完璧な言葉を話し、人に望む行動をとらせるよう働く。

これらの症状は、現代医学の観点からは精神疾患とも考えられるので、医学的見地に従うのがよい。悪魔観が比較的強い宗教であるローマ・カトリック教会でも、現代ではエクソシストによる悪魔祓いの儀式に慎重であり、まずは医師の判断を実行する。


ファティマの聖母による地獄と悪魔編集

1917年聖母ポルトガルの子供達に出現し、数々の警告を人類に与えた聖母は「火の海の中で、男と女の人間の形をした霊魂達が、燃え、絶望の内に叫び、泣いている」情景を示し警告した。


「多くの霊魂が地獄に行きますから、祈りなさい、沢山祈りなさい。」

「貴方達は罪人達が、悔い改めない時に、行く地獄を見ました。」

「より多くの霊魂達を地獄に導く罪は肉の罪です。」

「彼等はこの総体的な堕落を完成する為に特に子供達に焦点を絞るでしょう。」


21世紀初頭、ヨハネ・パウロ2世は、「ファティマの聖母の言葉は、悪魔のに陥らないよう、改心を求めて私達の人間性に訴え掛けている」と述べ、戦争民族浄化・麻薬汚染・中絶など惨事が悪の犠牲者を多く生み出していること、善と悪の戦いは今日も続いていることから、社会は破壊を免れるために伝統的な価値観に立ち戻る必要がある、と述べている。


プロテスタント編集

改革派教会の『ウェストミンスター信仰基準』は、全人類が、サタン、悪魔の奴隷であると告白する。ジャン・カルヴァンは『キリスト教綱要』第一篇10章で「聖書は、いっさいの迷信矯正するために、真の神ひとりを、異教徒の神々に独占的に対立させている」と述べる。


聖書には「この父である神は、私たちを悪魔の支配する暗闇から救い出して、愛する御子キリストの支配下に移してくださった。」「私たちは神の子供であり、この世界は悪魔の支配下にあることを知っている。」と書いてある。


神はわがやぐら 『讃美歌』1903年福音派のローザンヌ誓約において霊の戦いが宣言されており、宣教の働きは悪魔にとらわれている人々を救い出すことであると定義され、悪霊追い出しがなされている。


日本に多い異教である仏教神道にも悪魔悪霊が働くと認識されている。日本の福音派の指導者である尾山令仁は、クリスチャンは悪魔の支配下にあった所から、神の側に移されたのであり、クリスチャンを攻撃してくる悪魔、悪霊こそがクリスチャンの共通の敵であると述べている。


比較宗教学によるアブラハムの宗教の悪魔編集

アブラハムの宗教のシンボルマーク比較宗教学の観点によれば、アブラハムの宗教における悪魔は元来、神とその使いを除く超越的な存在全てであった。アブラハムの諸教は、さまざまな名で呼ばれる悪魔を、人間をそそのかして罪を犯させたり悪行をはたらいたりするひとりの反逆的な堕天使ないしデーモンとみなしてきた。


それ以外の場合では、信仰の危機、個人主義、自由意志、智慧、啓蒙などを象徴する寓意とみなされることもある。悪魔(ギリシア語:διάβολος (ディアボロス)=中傷者、告発者)は、多くの宗教と文化において、悪の擬人化にして神および人間の敵であるところの、力ある超自然的存在であると信ぜられている。


悪魔は一般に異端者や異教徒などの不信心者に関連づけられる。


その他の多くの宗教にもキリスト教の悪魔に類似したトリックスターないし誘惑者があり、悪魔についての近代的な観念には、悪魔は人間の下等な本性や罪深さを象徴しているとする考え方もある。


唯一神教であるユダヤ教は、他宗教の神々を悪魔と称して否定した。その派生であるキリスト教イスラム教も同様であった。西方キリスト教世界における悪魔は、地中海世界で信仰されていた古代文明の神々が否定され悪魔とされたものが多く、バアル神やモレク神などは代表的なものである。


これらの神格はユダヤ教の時点で「魔神」シェディムであるとされていた。


ただし、唯一神以外の神々が全て悪魔とされたわけではなく、キリスト教に取り込まれた例もあり、その代表例は、かっては新バビロニア地域の神々、あるいは神の諸側面を表象する存在であったミカエルガブリエルである。ユダヤ民族のバビロン捕囚時代以降にペルシアの宗教に影響を受けて、ユダヤ教天使として取り入れられた。ミカエルガブリエルは旧約聖書にも登場し、キリスト教では大天使として継承された。ヨーロッパ土着の神々が矮小化され妖精伝承となったこともあるらしい。


故に人間に試練を与えるための神の道具であったサタンは旧約聖書において悪魔ではなく、人間の敵ではあっても神の僕であった。サタンは「大敵」と呼ばれ、異教の神とは区別された。


異教の神々がサタンと結び付けられるのはキリスト教アタナシウス派の影響である。「イザヤ書」の記述にある「天より落ちた者」ルキフェルはサタンと同一視されるようになり、サタンは神に敵対する者とされ異教の神々は神に対して反乱を起こした天使であるとされるようになった。


一方イスラム教においては悪魔は「シャイターン」と呼ばれる。これはサタンの転訛である。その頭目は堕天使イブリース(=ルキフェル)であるが、キリスト教とは違いそれ以外の悪魔は単なる人に悪さをするジン(精霊)にすぎない。


デヴィルとデーモンとフィーンド編集

デヴィル(デビル)とデーモンはいずれも、ラテン語で神を意味するデウス(deus)と同様に、サンスクリットで神を意味する語であるデーヴァ(ゾロアスター教では悪魔化されて「ダエーワ」になっている)と同じ印欧祖語の語根 div(輝く)の派生であるという説もあるが、デーモンはギリシャ語のダイモーンが、デヴィルはディアボロスが起源であることは明白なので、それはないだろう。ホモ・サピエンスの発音できる音やその組み合わせには限りがあり、別言語の無関係な言葉でも、一見すると意味深に見える相似が出てくるものである。


ヘブライ語の「アーメン」(「然り」等の意味)と、古代エジプトのアメン(「隠されたもの」)神はその良い例と言えるだろう。


シュメールとすめら(「皇」を意味する古代日本語)のように時代と地理がとてつもなく隔たっていようとこの現象は発生する。


デビルはサタンの訳語であるディアボロスに由来するため、とりわけサタンとの結びつきが強く、代名詞的ですらある。デビルがサタン以外にも使われるようになった後の時代でも、例えば現代英語でも頭に定冠詞Theをつけるとサタン本人を指す語となる。英訳聖書ではデーモンは複数形(demons)のほうが多いが、デビルは一貫して単数形であり複数形(devils)では出てこない。


中世悪魔学や魔術文書でソロモン72柱のようなサタン以外の悪魔が「デーモン」と表記されていたためか、創作作品でも『オウガバトル』などデーモンの上にデビルを置く作品が見られる。この逆もありパズドラでは、デビルよりもデーモンのほうが強い。MTGでもデビルはせいぜい人間サイズの小型悪魔、デーモンはドラゴン並みのサイズの者もいる大型悪魔を指すクリーチャー・タイプとなっている。


フレーバーテキストの日本語訳ではdemonは悪魔、devilは小悪魔と訳されている。


両者の間に上下や強弱の差が無いダンジョンズ&ドラゴンズのような作品もある。この作品ではデーモンは混沌状態に生きる悪魔(混沌にして悪)であり、デビルはその社会に過酷な階級制度があるという意味で秩序を持つ悪魔(秩序にして悪)である。両者はそれぞれ別陣営の存在であり、互いに対立関係にある。

また、ダンジョンズ&ドラドコンズにおいて、デビルは銀の武器に、デーモンは「冷たい鉄」と呼ばれる特殊な製錬方法で生み出された鉄で作られた武器に脆弱性を持つなど「属性相性」に関しても相違が有る。(デーモンの弱点である「冷たい鉄」は妖精系の種族の弱点でもある)

なお、ダンジョンズ&ドラドコンズのデーモン・デビルは、あくまでも「個体数・勢力範囲などでは3位以下に大差を付けた悪属性の2大勢力」であり、デーモン・デビル以外にも「外方世界(天界・地獄・奈落などの人間が住む世界から『離れた』『遠い』異世界)起源の悪属性の存在」は、いくつもの種族・勢力が存在し、これらの総称として後述する「フィーンド」という用語が使われる。


悪魔を指す他の言葉として「フィーンド(fiend)」がある。デビルやデーモン程には宗教色が無いため、規制でデビルやデーモンが使えない場合はこちらが使われることもある(遊戯王OCGの英訳版など)。


デビルという語を使っている作品でも使われる事があり、『真・女神転生Ⅲ』の人修羅は英訳版ではDemi-fiend(半フィーンド)である。


イディオム(慣用句)編集

先述のように悪魔は英語でdemon、devil、fiendと訳されるが、これらを使ったイディオムが存在する。下記はその一例。


You are the fiend of this videogame! → きさまこのゲームやり込んでいるな!


Pokemon demon → ポケモン廃人


Go to the devil! → 消え失せろ!


各言語での呼び名編集

言語カナ表記綴り
英語デビル / デヴィル / デヴル / デーモン / ディーモン / ディーマン / フィーンドDevil, Demon, Fiend
ドイツ語トイフェルTeufel
フランス語ディアブルDiable
イタリア語ディアボロ / ディアヴォロDiavolo
スペイン語ディアブロDiablo
バスク語デアブルアDeabrua
ポルトガル語ジアボDiabo
ラテン語ディアボルスDiabolus
ギリシャ語ディアボロスDiabolos
フィンランド語パホライネンPaholainen
チェコ語ジャーベルDabel, Ďábel
ポーランド語ディアベウDiabel, Diabeł
タイ語マーンMan
ベトナム語フン・タンHung Than, Hung Thần
インドネシア語スタンSetan
トク・ピシンテウェル / デウェルTewel, Dewel
ナワトル語トラカテコロトルTlacatecolotl, Tlācatecolōtl
マダガスカル語デヴリDevoly
韓国語アンマ / マグィAngma, Magwi
中国語魔鬼(モークェイ)Mogui

創作の悪魔編集

アニメ漫画ゲームなどのモチーフとしてもよく用いられ、オタク文化の中では極めてメジャーな存在でもある。悪魔をモチーフとしたキャラクターは主になどの色が基調となっている事が多い。


現代のファンタジー作品では当然悪役として登場する物も多いが、一方では人間を誘惑したり契約を結ばせたりする本来のイメージから転じて、「(時にはちょっとした口約束も含めた)約束を律儀に守る」「人間の情に寄り添う」「現代社会で契約を一つ取り付ける事の難しさを体現する存在」といった解釈で人間の味方や萌えキャラ、世知辛い苦労人として描かれたりする事も少なくない。


また格の悪い者や、言葉巧みに他者を堕落させる者のことを蔑んでいう言葉としても使われる。


悪魔を主題とする作品編集



「悪魔」そのまま編集


固有名詞の悪魔編集


「色 + 悪魔」な名前の事物に関しては色の悪魔一覧を参照。




関連イラスト編集

  • 男性
Happy Halloween 2024堕天

  • 女性
🦇Ragnarok

  • 人外
創作まとめサタン

関連タグ編集


pixivisionの特集編集

ダークな魅力。悪魔のイラスト特集 - pixivision(2019年2月25日)

堕ちてもいい。悪魔のイラスト特集 - pixivision(2020年6月14日)

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