The worst part about having a mental illness is people expect you to behave as if you don’t.
精神疾患の最も悪いことは、他人に何気ないふりをしなければならないということだ。
概要
脳や心の障害によって引き起こされる困難の総称。精神障害。精神病とも呼ばれる。
症状や傾向は多岐にわたり、また「精神医学」の及び範囲は非常に幅広いため、具体的な病名などは下記の「精神疾患に関するタグ」を参照のこと。
強度のストレス、遺伝、薬物、怪我などによる脳の損傷などとの関連があるが、発症に至るプロセスは未解明であり謎が多い。
古くはこれといった治療法がなかったが、今日では投薬による治療を基本に心理療法(サイコセラピー)を組み合わせて治療する。それでも、症状を和らげる薬剤がほとんど(対症療法)で、病気自体を完治させる薬(特効薬)は存在しないと言っていい状況であり、寛解には長い道のりを要する事が多い。
症状が軽度であれば自宅からの通院となり、治療と社会活動(仕事を含む)を両立できるが、通常の病気と同じく重症化するにつれて入院治療が必要となり、自傷・自殺企図、セルフ・ネグレクトなどで命に関わるような状態になったり、他者に被害が及んだりするほど重度であれば、隔離病棟に措置入院という形となり、外部との接触を遮断せざるを得なくなる。
一方、世間からの偏見や(家庭の事情など)治療後の支援体制が整っていないこと、精神疾患以外の要因による体調不良を理由に、精神疾患そのものはある程度回復したにもかかわらず、長年にわたって入院生活を送っている人も少なくない。国の方針の転換により、入院治療が必要ないほどに回復した患者を退院させるという病院も増えているが、患者や家族の不安・負担もあるため、一律にすべての患者と医療機関が適応できるとは限らないのも問題となっている。
精神科の治療において医療関係者の目線で一番重要視されるのは入院・再入院の防止である。
例えば精神障害者向けの障害者施設に何十年も通うと支出される公費も相当なので、一見すると「それなら支援しないで悪化するがまま入院させた方が安くね?」と思うかもしれないが、それは精神科病棟への長期入院に要する国や自治体の費用負担を舐めすぎた戯言である。つまりそれだけ入院・再入院防止は国・自治体の経済上のリスク管理において重要なのである。
重症患者を就労させる方向にもっていくなど無理に社会復帰させないのもそうしたところからである。
また、ひきこもりとも多少の関連が有り、ひきこもり状態に陥っている人のおおよそ55%に精神疾患があると内閣府から調査結果が報告されている(2006年)。
広義では人格の偏り、例えば人格・行動障害を含む。古くはてんかんも含んだが、今日ではてんかんはギラン・バレー症候群などとともに「神経疾患」として、精神疾患とは区別されるのが一般的である。
発達障害とも一部関連が見られ、症状が類似するケースもある他、社会適応におけるストレスなどから二次障害として精神疾患を発症する場合も多い。中には二次障害のほうの治療のため病院を受診したところ、検査を経て発達障害であることがわかった、という当事者もいる。
注意点
インターネット上では、人格・行動障害といっしょくたに「メンヘラ」の一言で済ませられやすいが、れっきとした疾病である。
専門の病院、あるいはこの病気を研究・治療する医師やカウンセラーなどの専門家もおり、症状の程度に応じて医療機関に通院、あるいは入院しなければならない。
当然ながら「精神疾患」(精神障害)は一つの病気ではなく、症状および診断により有効な措置が全く異なってくる。全ての精神障害を「メンヘラ」と括ったり、素人が安易に病名を決めつけたりすること、ましてや素人が自己流で治療を試みることは言語道断である。
これらの言葉は敵対する相手へのレッテル貼りに使用されることがある。他人への侮辱に「精神疾患」「メンヘラ」「ガイジ」などの言葉を用いることは、その言葉の対象となった人物は勿論のこと、実際に精神疾患を抱える人々への侮辱にもなり得る。冗談であっても行われるべきでない。
また「精神疾患では人は死なない」は大きな誤りである。
精神疾患は自殺のリスクが非常に高い上に、精神疾患に附随する不眠症や本態性高血圧で健康を損なって命を落とす例も少なくない。摂食障害の場合は栄養不良による死亡のリスクが高い。脳機能障害や内科的疾患に起因する精神症状も存在し、それによって亡くなる場合もある。
創作での扱い
身体面の疾患にも言えることだが、よく知らないまま創作の題材にされるなどして、その疾患への誤解や偏見が広がることが多い。
創作での扱いは罹患者やその家族らが病気への理解を訴える手段にもなるが、ちゃんと勉強して正しい知識を身に着けてから取り扱うべきである。精神疾患に取材した作品を投稿する予定があるなら、取り扱う疾患について一度学び、専門家や精神病院などに確認してから題材にしてみることをおすすめする。それなり以上に知識を持った上で真面目に取り扱ってさえ、後に封印作品化してしまったケースも数多い。細心の注意が必要な題材と言える。
精神疾患に関するタグ
統合失調症 : 統合失調症
気分障害 : うつ病 躁病 双極性障害 トラウマ PTSD 五月病
神経症性障害 : 恐怖症( 高所恐怖症 先端恐怖症 閉所恐怖症 嫌われ恐怖症 潔癖症 ) パニック障害 強迫性障害 適応障害 解離性障害 自律神経失調症 解離性同一性障害( 二重人格 多重人格 ) 身体醜形障害 ノイローゼ
生理的障害 : 摂食障害( 拒食症 過食症 ) 異食症 睡眠障害( 不眠症 過眠症 夢遊病 )
その他 :対人恐怖症 男性恐怖症 女性恐怖症 自傷行為( 自傷 ) 記憶喪失
広義の精神疾患に関するタグ
人格・行動障害(A群) : スキゾイドパーソナリティ障害 妄想性障害
人格・行動障害(B群) : 境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害) 自己愛性人格障害
人格・行動障害(C群) : 回避性パーソナリティ障害
その他 :性同一性障害 フェティシズム 露出症 小児性愛 人間不信
サディズム マゾヒズム 虚偽性障害 ミュンヒハウゼン症候群 精神病質( サイコパス サイコ ) 幼児退行 エナジーバンパイア カバートアグレッション
そのほか
ドゥルル病 シャロスキー病 シスマ化 ごくまれに見られる精神疾患