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概要編集

その人の人格や知性が、普段の年齢相応の状態に比べて、幼い未発達状態に変わることで、主に精神疾患の症状としてのものが知られている。言動が子供のようになって周囲との意思疎通に支障が出たり、本来できるはずのことができなくなる。また、本人が現状を理解できなくなったり、記憶障害が併発するケースもある。


症状の期間は人によって違い、治る可能性も定まっておらず、原因は過去の精神的トラウマに起因することが多い。


過去の忌まわしい状況を再体験したり、現状打開ができず耐え難い状況に陥った場合、現実逃避という防衛機能」として子供に戻ろうとして起こるとされている。


一方で、催眠術による精神療法の一つとして、意図的に幼児退行を用ることもある。催眠で患者を子供の人格状態に一時的に戻し、過去に遡って何が起こったかを探り、現在の問題解決の糸口にする方法として行われる。


また、性的倒錯の一つである赤ちゃんプレイ幼児プレイとも)のために幼児の言動を演じる際にも、この語を流用していることがある。


別名・表記ゆれ編集

「子供返り」「赤ちゃん返り」とも。

精神学的には防衛機能の一種としており、退行と表現している。


幼児化との違い編集

pixivのタグの場合、「幼児退行」と「幼児化」では違うものを示すことが多い。


前者は精神のみが子供になることを指し、後者の場合は肉体のみ、または心身とも子供になるシチュエーションを指して用いられることが多い。


また、幼児化には年齢操作子供化幼女化若返りなどの類似タグも用いられている。


一例や近い例編集

漫画編集


アニメ編集

  • カウボーイビバップ
    • 第20話に登場する伝説の殺し屋「東風(トンプー)」。その正体は、劇中の警察組織ISSPが極秘裏に行った過酷な暗殺能力向上実験の代償として、著しい精神の退行現象を起こした被験体であり、その過去からかISSPの関係者を主に殺して回っていた。現在進行形で幼児退行は進んでおり、まともな台詞は数えるほどしか存在しない。また当該エピソードの予告も、この東風が行っている。
  • キャッツ・アイ
    • TVアニメ版第1期第28話「うしなわれた記憶」で記憶喪失になった来生愛来生泪をママと、内海俊夫をパパと思い込んでしまう程にまで幼児退行した。
  • Gのレコンギスタ
    • ラライヤ・マンディが高高度からの落下で幼児退行と記憶障害を患っている。物語の後半で完全に回復。
  • 喰霊-零-
    • 二階堂桐。秘書としての任務でもあるが室長である神宮寺菖蒲への献身度も高く、怨霊となった黄泉から身を挺して彼女を庇った。その折り、大量の出血が原因により低酸素脳症となり、脳に障害が残り幼児退行化。その後は病院に収容されている。
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
    • 20世紀博主催者であるケンチャコが作り出した「懐かしい匂い」によって、(高校生を含む)大人達が幼児退行でもしたかのように洗脳され、その影響で子供相手に子供じみた態度を取ったりと柄が悪くなっていた。
  • メタリックルージュ
    • ルジュのデータを基にして作られたクローンであるシアン・ブルースターは初登場時は製作者にルジュを殺すよう暗示を掛けられていたため、ルジュに「私が殺してあげるね、お姉様。」と語り掛けるヤンデレだったが、しばらく後にルジュと決闘して敗れると暗示が解けて精神年齢が幼児レベルになり、無邪気な言動と表情で純粋にルジュを慕い、からかうナオミ戦闘形態になって叩きのめそうとする若干危ないシスコンになった。
  • ルパン三世 sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜
    • 銭形警部が序盤でルパンを執念深く追跡した末にスマトラ島のジャングルで遭難事故に遭い頭を強く打ったショックで記憶喪失になると同時に人格障害を患った事で心が一人称が「ボク」の穏やかな少年になってしまう(ルパンや五ェ門も記憶喪失になった銭形警部のあまりの変貌ぶりに驚きを隠せなかった)。南の島のジャングルで記憶障害・人格障害となった状態で発見されたという状況から世界各地で多発していた神隠し事件に巻き込まれたと思い込まれていたが、担当医からは「事故による記憶喪失で、事件とは無関係」とあっさり否定された。ラストで再び頭を打った事で完治した。
  • 笑ゥせぇるすまん
    • TVアニメ版(89~93年版)の第1話『たのもしい顔』の頼母雄介は、「たのもしい顔」であるが故に周囲から頼りにされる事を苦痛に思っていた所を喪黒に「ドーン!!!!」されて、観音様のような顔をした中年女性を母親と思い人格崩壊し、赤ん坊のように幼児退行してしまった(第SP話「湯けむり哀歌」でその話のお客様である落窪礼(46)の同級生としてゲスト出演した際には完治していたが、二人の会話の内容から赤ん坊のように幼児退行して妻子に醜態を晒した事が原因で妻子に逃げられて一家離散の憂き目を見た後、その観音様の様な顔をした中年女性と再婚して幸せな家庭を築いた事が語られている)。また、TVアニメ版(89~93年版)の第82話『点滴症患者』の甘絵泰治も、美人看護婦への一目惚れが原因で身を滅ぼし、喪黒に「ドーン!!!!」されて赤ん坊のように幼児退行させられてしまった。

小説・ライトノベル編集

  • 俺だけ入れる隠しダンジョン
    • ルナ・ヒーラーは魔法銃による攻撃および相手の回復をして大量に魔力を消費した直後、一旦気絶してから目を覚まし((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしながら「死にたきゅないよぉ…」等のネガティブな言葉を呟き、介抱しているローラに「ママァ…」と呟く弱気癖という名の幼児退行を起こす。なお、この現象はアニメ及び漫画版限定で、原作小説では単に失神するだけである。
  • 「人生」
    • ツンデレ遠藤梨乃がオカルト研究会部長の催眠術に掛かった際、普段は見せない満面の笑みで甘えん坊且つ大胆な性格になり、声のトーンも高くなる。
  • ブギーポップは笑わない
    • 2000年に放送されたオリジナルストーリーのTVアニメ「Boogiepop Phantom」に登場する吉沢早紀が、如月真名花によって実体化された及川鎮の過去の幻影が、小島茜の生み出したハーメルンの笛吹き男をモチーフにしたキャラクターの姿を借りて実体化したプームプームによって幼少時の自分を引き出された事が原因で幼児退行をした末に自殺した。

ゲーム編集

  • うたわれるもの
    • クーヤが眼前で受け入れ難い悲劇を目の当たりにし、記憶を失って幼児退行した。
  • パワプロクンポケット7
  • プリンセスコネクト!Re:Dive
    • 本作の主人公は当初から記憶喪失で面倒を見られる事も多いのだが、とある事情で主人公が本当の赤ちゃんレベルにまで退化してしまう展開がある。
  • Fate/Grand_Order
    • 魔神柱ゼパル取り憑いた相手の奇跡的に封じられていた魔性を理解せぬまま解放した結果、逆に徹底的に依存させられ支配されて使い潰され最終的に小指程度の意識しか残されていない状態になるが、それすらも生殺与奪を握られていたことを知り発狂。尊厳すらかなぐり捨てて隷属しようとするも吐き気を催す慈愛と共に解放され、自我が消える恐怖と捨てられることへの絶望から「やだ……いやだよぅ……」と幼子の様に泣きじゃくりながら消滅した。
  • ましろ色シンフォニー
    • 母親の影響でメイドであることに誇りを持っているアンジェリーナ・菜夏・シーウェルはヘッドドレスを無くすと「返して!アンジェのヘッドドレス返してよぉぉ!!」と泣き叫びながら相手をポカポカ叩いたり走り回ったりする。なお、本人曰く「ヘッドドレスを取ってしまったらアンジェはメイドでなくなってしまいます」とのこと。

特撮・ドラマ編集


メディアミックス編集


関連タグ編集

病気 幼児化 精神疾患 防衛機制

精神遅滞 発達障害 エンジェル・ハイロゥ 精神崩壊

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