「おとぎ話ってのは子供を眠らせるためにある。良い夢は見れたかい?」
「ジェラミー・ブラシエリ。時代遅れの語り部さ」 (第11話)
「人、バグナラク、全てを統べて、世界の運命を定める者。狭間の王様! その有様を、永久に語り継ぐと良い」 (第12話)
概要
『王様戦隊キングオージャー』の登場人物で、スパイダークモノスの変身者である謎めいた青年。第11話から登場する王様戦隊・バグナラク・ラクレスに次ぐ第四勢力。
そして、本作の語り部でもある。
当初は黒い鉄仮面「蜘蛛仮面」で顔を拘束されていたが、後に解錠されると素顔を露にした。顔には謎のペイントが施されている。
黒髪の端正な顔立ちの若者で、金の装飾を蜘蛛の巣のように巡らせた白いコートを纏っている。その姿は王よりはどこかの貴族を思わせる。第二部以降は、マントを羽織っている。
5大王国に伝わるキングオージャー伝説が描かれた絵本の作者を自称しており、
バグナラク復活の予言も自らが行ったとしている。そのためか戦いを仕組んだようにも思える。
ジェラミーが言うには、実は2000年前に戦った英雄には、6人目が存在したのだが、父がバグナラクの女性・ネフィラと禁断の恋に落ちてしまったがゆえに、6人目の戦士の存在は当時の王によって意図的に抹消されたとの事。
ジェラミーは6人目の英雄の息子であり、血筋を証明する証が6人目の戦士の遺伝子が無ければ起動しないクモノスレイヤーであり、クモノスレイヤー再起動の為に暗躍していたのが冒頭の不可解な行動の真意である。
ジェラミーは人間とバグナラクのハイブリッド、いわば混血児である。(当時は詳細が分からなかったが、後に、人間とバグナラク人は生物分類上は同種の生命体であり、繁殖可能である事が明らかになった為、混血やハイブリッド表記はやや微妙)
しかし、生まれながらに何らかの強い力を持ち、親から「バグナラクの呪われた力」を封じるためと、彼自身の「王の証であった愛剣クモノスレイヤーを変形させた仮面「蜘蛛仮面」を装着させられると共に、その中に封印されていた力「永遠の命」を胸部に移植されたことで擬似的な不老不死となり、バグナラクが復活するまでの2000年を生きてきた。(身体の成長についてはゆっくりと進んでいる)
着ている服の後ろ側にバグナラクの意匠が付いており、手袋で隠した右手がバグナラク要素(デザイン画では、左胸から右手にかけてが異形となっており、胸部には「永遠の命」たる紫の結晶が仕込まれている)である。
なおジェラミーの出身は両親が落ち延びた先のゴッカンであり、単独行動の際は何度か理由をつけては訪れている。
また1000年以上前から数十年か100年に1度「怪奇蜘蛛男(あるいは蜘蛛仮面)」として目撃されていた事態が判明している。
デズナラク8世が「あの半端者はこの手でくびり殺す」と憎悪を露にしている姿から、この“半端者”が彼であると分かる。
彼の目的は「5王国とバグナラクの共存」である。
ハイブリッドゆえに偏見や差別の醜さを知っており、自身が「5王国とバグナラク全てを統べる王になり、それを解決する」のが真意であった。
人物像(回りくどさ)
常に笑顔を絶やさず、飄々とした性格。朗々とした語り口で、やたらと掛詞を混ぜたりあえて話の本題を行間に潜ませるなどと、良くてキザでウィットに富んだ、悪し様には非常に回りくどい口調が特徴。
この口調は「語り部」「作家」を意識しているがゆえだが端的には、本題をとことん引っ張り他者に行間の連想を強要する行き過ぎた一面や、大事を言わないゆえに重要性を他者に伝えられず、事態を悪化させた場面もある。
口癖は要所で多用する「BANG」と、不測の事態における「おっと」の2つ。
後述の生い立ちと過去から「ストレートに伝えても信じてもらえなかったことがある」と零しており、まわりくどいのはそのような過去ゆえかと思われる。
実際、後述の彼の正体を探ろうとする各国の王達は取り調べるも、ジェラミーは自分の素性を探っている前提で悟らせようとするあまり重大なヒントを与えておらず、そのせいで誰も話の内容を理解できず、ついに自らカミングアウトした際にはあまりの情報不足と回りくどさゆえに、一同がツッコむほどだった(実際5人ともお世辞にも察しのいいタイプじゃないとはいえ、それを抜きにしたってただでさえ極端な縦社会で情報が少なすぎるこの世界観の中、「趣旨すら用意せずわずかな伏線だけで理解しろ」と要求する方が殊更無理難題である)。
事実「神の怒り首謀者疑惑」の裁判の際にリタからは「『実は寝てました』なんて行間読めるわけないだろ」とツッコまれていた。
ただし、度が過ぎてヒメノから殺意を向けられた際は流石に反省しており、相応の情報と引き換えに和解を求める場面もある。
また、自信家な一方で意外と精神的に打たれ弱く、自分の行動が原因で失敗すれば少なくとも数日は引き摺るタイプ(事実、苦労の甲斐あってようやくシュゴッダムとバグナラクの和平交渉まで漕ぎ着けたと思いきや、それがラクレスの罠で自分は利用されただけだったと知った時には「全てを統べるどころか全てスベってる……」などとぼやきながら、3話に渡って凹んでいた)。
そもそも言動が勿体付けの七面倒な点に目を瞑れば、彼の本質はチキューのラブ&ピースの為に人類とバグナラクの狭間を2000年奔走し続けた本作屈指の苦労人であり、『大切な誰かとの思い出』や『身を切るような苦労話』などの『心打たれる物語』には滅法弱い人情家としての側面が随所で見て取れる。
能力
バグナラクの能力から体内で強靭な糸の生成ができ、蜘蛛(の能力を持つ者)らしく糸を自在に操って相手を拘束するのは勿論、高層建築物を縦横無尽に飛び回ったり出来る。糸の強度も極めて高く、デズナラク8世すら拘束できる(戦闘以外ではこの糸をハンモック代わりにしている場面も見られる)。
また「永遠の命」によって、食事すら必要としない(本人曰く、「読書のようなもの」)ことから兵糧作戦にもめっぽう強い。そしてその長命ゆえに博識であり、ヤンマ・ガストにコンピュータ技術を教えたギンの師匠をしていた等、エンジニアとしての技術も高い(ヤンマ由来でないスパイダークモノスの装備も、両親の形見として託された物を改良・調整した品と推測される)。
半面、王として最も必要な政治力は先述の通りお世辞にも高くはなく(特に報連相の欠如が酷い)、結果的に作中屈指のトラブルメーカーと化している。
立ち位置
いわゆる追加戦士として登場したものの、語り部でありながらギラの物語ではなく自分の物語を語っていたり、バグナラクとキングオージャーをぶつけて自分が欲する物を手に入れたりする等、野心家のラクレス・二枚舌のカグラギ・チキュー侵略を企むデズナラク8世とは違った形で信頼できない男である。
また、今まで単なる侵略者として描かれたバグナラクに一石を投じたり、バグナラクと人間のハイブリッドとして王になろうとする等、これまでの登場人物とは異なる価値観で動いている。
とはいえ、ギラを含めた4カ国の王達からすれば『敵組織との混血故に、下手をすると国は疎かチキューのどこにも居場所が無い人物』など当然放っておけるはずもなく(中でもリタは似たような立場上かなり感情移入している)、回りくどい立ち振舞いにこそ憤ってはいたが、何とかしてあげたいとは思っている様子。
ジェラミー本人としても、ハーフである事実を知って尚、何の屈託もなく接してくる5人に対してはどこか救われたような微笑みを浮かべていた。
「まったく……これが今の王様か」
一方、バグナラクの侵攻に乗じて他の4王国を平定し、チキュー統一を目論むラクレスにとっては現状「想定外の脅威」として様子を注視する存在であるのが窺える。
以前国民の総意を自分に有利な方向へ誘導する為に、ギラを『バグナラクに与する人類の裏切り者』と誤認させた上で自分が討ち倒す工作を仕込んだが、ジェラミーの目的はこれを嘘から出た実に変える可能性がある。
つまりはギラとジェラミーが手を取り合って、『人類の裏切り者』の汚名を着せた筈の弟が『実はバグナラクと人類が解かり合える事実を知っていた先見性のある人物』となって表舞台に帰ってくる可能性が出て来ている。また逆にそれが実現すればバグナラクと言う“敵”=ラクレス及びシュゴッダムが他の4大国に干渉する大義名分が無くなり、強引なやり方でチキューを平定する野望が頓挫する結末とも成りかねない。
現状ではラクレスがジェラミーの出生と目的を把握しているかは不明だが、シュゴッダムの成り立ちにも詳しいと思われるジェラミーはラクレスとの謁見で「5大国が成立する以前のチキューの歴史を知っているか」と問い掛けている。
ジェラミー自身が抹消された歴史の忘れ形見その物である実態から、どうやらラクレスの生家であるハスティー家にとって不都合な真実を握っているとも考えられるが……?
活躍
第11話にて登場。最初はバグナラクの本拠地にて、蜘蛛の鉄仮面を被った姿で現れると、レジェンドキングオージャーの出現を利用するデズナラク8世を丸め込んで自ら出陣する。
一方で、シュゴッダムと各国の王たちは、死んだ筈のギラが実は生きており、ラクレスと対峙する為にギラの葬式を演出する計画を練っていた。
その後、ギラ復活の舞台として葬式に参列する中、突如としてバグナラク側の人間としてギラの葬式に参列すると、ギラ復活の茶番を邪魔した上で、ギラの隠れている棺を奪い逃走する。
そして、人の群れから離れたところでギラを棺から出すと、「バグナラクが必ずしも人間の敵ではないのではないか?」との問いをギラに投げかける。
そんな時、ナガバジームの襲撃とデズナラクの出現が重なり、ギラはレジェンドキングオージャーで出陣。ナガバジームは撃退するものの、前回の戦いでナガバジームによって仕込まれていた爆弾によってレジェンドキングオージャーは倒れてしまう。
そうして、予言の成就を確信したデズナラクは、自らの勝利と伝説の秘宝の獲得を確信するが、そんなデズナラクを出し抜く形でゴッドカブト、ゴッドスコーピオン、ゴッドホッパーのシュゴッドソウルを強奪。
伝説の秘宝を手に入れたジェラミーはシュゴッドソウルのエネルギーをヴェノミックスシューターに入れ、チェンジクモノスキーを精製して手に入れる。クモノスキーで鉄仮面を解錠して脱ぐと、その鉄仮面を本来の姿たるクモノスレイヤーに戻しつつスパイダークモノスへ変身、ヴェノミックスシューターでデズナラクを撃ち抜くと改めて語り部として語り出す。
これは、チキュー平和を守る王たちの物語……そして、
これから王になる、“俺の物語”さ。
そして第12話にて各国王から取り調べられたのだが、先の戦いでデズナラクを殺さなかったのをカグラギが目撃しており、バグナラク側なのかと疑いをかけられるが…
「敵か……そんな単純なものじゃない……!」
「なぜだ!? お前さん方ってのはどうして! 見えないものを見ようとしないんだ!?」
「英雄は六人いた。六人目は罪を犯し、歴史から消されてしまった」
「その罪とは、許されない相手と恋に落ちた事」
「憎み合う種族同士が結ばれる事を歓迎する者はいなかった」
「二人は誰もいない場所に逃げ、そして…呪われた子供が生まれた」
「二人は我が子の幸せを願い、呪われた力を封印した……とさ」
「世界には、お前さん方の目には映らない狭間に生きる者が大勢いる」
「だから俺は全てを統べて手を取り合う!」
「チキューの常識! 掟! 偏見! 差別! 思い込み! 全てを俺が書き換える!」
「そのために俺は、自らの封印を解いた!!」
(本人は色々ヒントを与えたつもりなのだが)全然行間を想像してもらえずついに半ギレ状態で自身でカミングアウト。
そして報復のために現れたデズナラクを撃退し、自身の真意に嘘がない旨を証明するのであった。
第13話では、冒頭にてバグナラク側へゴッドホッパーのシュゴッドソウルを(後に本人曰く「仲直りの為」に)、カメジムに手渡す。
その後は、推測される限りヤンマからの招集を受けてンコソパに姿を現し、育ての親だったギンの教えを受けて、15年前の『神の怒り』事件からンコソパを立て直したヤンマの半生に感動して、ヤンマに協力することを約束。
その見返りとしてヴェノミックスシューターを貸与したが、ヤンマに母親の形見であるヴェノミックスシューターをラクレスに対するくだらない悪戯(ブーブークッション)に利用されようとしていた事実を知って激怒、更には尚も敵対し交戦し合う王様戦隊とバグナラクにも呆れ果て、仲裁を目的に両者へ攻撃を加え、王様戦隊の面々からは全てのオージャカリバーを、現場に現れたカメジムからは和解のためにバグナラク側に渡した筈のゴッドホッパーのシュゴッドソウルを強奪する。
そして、無理にでもバグナラクへの忠誠心を見せようと巨大化したゲロウジームを倒したと見せかけて回収し、“半端者”である彼を仲間として受け入れた。
その後はゲロウジームは疎か、自ら呼び出した三大守護神の面々や強奪したオージャカリバーと共に現場から逃走してしまう。
しかし、続く第14話にてヒメノの駆るゴッドカマキリに捉えられて撃墜され、外に放り出される。
そして、セミのシュゴッド・ガーディアンシケイダーを操っていた様子から、ヒメノから「同型のシュゴッドが大量に襲来した『神の怒り』の首謀者ではないか?」と疑われ、ジェラミーはいつもの如く「行間を読め」と軽くあしらおうとするが、彼女の怒りは想像を絶するもので、鬼気迫る猛攻により変身解除させられるほどのダメージを負わされる。
危うく息の根を止められそうになるが、ヒメノの説得に現れたセバスチャンと、そのセバスチャンに変装して彼と同時に現れたゲロウジームの機転により窮地を脱する。
その後、ゴッカンにて力尽きて行き倒れていたところをモルフォーニャとリタに発見され、『神の怒り』の容疑者として裁判にかけられる。
しかし、『神の怒り』が起こった15年前当時、ジェラミーは寝ていた上に「腐らない死体」として村おこしの名物にされていた事実が発覚。
そのため『神の怒り』は一切知らず無罪が認められたが、セミのシュゴッド=ガーディアンシケイダーを従えていただけで犯罪者扱いされた事態に納得がいかない様子。しかし、リタから『神の怒り』の経緯を説明されると……
「行間を読めなかったのは、俺の方か……」
人の事情も知らないで、まわりくどい説明で逆上させてしまった自分に非を認め反省。
リタからも「無知を盾にヒメノの傷を弄んだ」と自身の行いを非難された。
ジェラミーはリタにヒメノとの和解の仲裁を頼み、一度は「ごめんなさいで済む話じゃない」と拒否されるも、引き換わりに「『もっふんといっしょ』が制作された経緯を語る」と提案して承諾・釈放してもらい、ヒメノに謝罪しに向かうことに。
イシャバーナへと赴き、ヒメノからもう一度『神の怒り』の首謀者ではないのかと訊かれると、今度ははっきりと素直に違うと答え、『神の怒り』について語り継いでいくのを誓う。
そんな中、ヒメノに斬られたアメンジームが巨大化。先程の誓いにヒメノから「語り継ぐだけじゃ足りない。態度で示しなさい」と返答されると、ジェラミーも「言われるまでもない」と返してゴッドタランチュラを召喚、タランチュラナイトへと変形させて参戦。クワガタオージャー、トンボオージャー、カマキリオージャーの操縦する三大守護神と共にアメンジームを撃破したのだった。
狭間の王の罪と決意(第24~26話)
この先、第24話のネタバレ注意!
「……『その昔、“五人の英雄と守護神キングオージャーが、バグナラクを打ち倒し”、人類を救った』……そうだな、この書き方じゃあ……バグナラクは"悪者"だ……」
「なんてこった……常識……偏見……差別……思い込み……それを作ったのは……」
「……俺だったってわけだ……!」
シュゴッダムにて、ラクレスを決闘裁判で倒し、一撃将軍ダイゴーグをキングコーカサスカブトにて葬り去った王様戦隊。
しかし、それにより追い詰められたデズナラク8世は遂に、チキューのマントルにまで突撃し、チキューごと王様戦隊を葬り去ることを決意する。
それは当然、人類のみならずバグナラクをも葬りさる暴挙であり、カメジムも大慌てで止める様に縋られる「作戦」とも呼べぬ自爆特攻であった。
それをゲロウジームから知ったジェラミーは、狭間の王として奈落の王を止めんとデズナラクと戦い、そして彼の本心を聞き出す。
それは、2000年にも渡り『悪』として地底に閉じ込められ続けた過去から現代に対する、やり場のない憤りと地上の人類から向けられる差別への反抗心だった。
バグナラクは何故悪として憎まれるのか?
その謗りを、なぜ当人達だけではなく、子孫である自分達も受け続けねばならないのか?
その長い年月に渡って積もり続けた憎しみを晴らさんと、デズナラク8世は遂に自爆特攻に踏み切るまでに追い詰められたのだった。
デズナラク8世の憎しみを重く受け止めたジェラミーは、シュゴッダムに赴き夏祭りを開催していたギラと孤児のブーンに「バグナラクが悪いのか?」と質問する。
当然ブーンは「悪」だと答え、その理由を聞いたジェラミーに「ギラが教えてくれたからだ」と答えた。
ジェラミーがバグナラクと人類に向けて残した2000年前の王様戦隊の伝説。それは、人類とバグナラクが共に伝えて行く内に、やがてはバグナラクに対する差別と偏見の根源に豹変してしまい、遂にはデズナラクを追い詰めるほどの毒と化してしまっていた。
ハーフであるジェラミーにとっては、人間もバグナラクも大差のない存在だった。
しかし、それゆえに彼は「人間にとってのバグナラク」「バグナラクにとっての人間」と、それぞれの立場に由来する価値観を理解できていなかった。
実は絵本には「その昔、5人の英雄と、守護神キングオージャーが、バグナラクを打ち倒し、人類を救った。」とは書いてあるが、「バグナラクが侵略者である」とは一行も書かれていない。
だが、後世の人々がそこから「行間を読んだ」結果、ありもしない事実が頭の中で追加され、結果的にそれが真実として広まってしまったのである(実際、劇場版でもライニオールは「災厄」については語ったが、バグナラクについては何も言及していない)。
すなわち「狭間の王」としてバグナラクと人類の架け橋となろうとした自分こそが、皮肉にもその「狭間」を生み出し、バグナラクと人類を分断する元凶となったわけである。
その事実を知ったジェラミーは、自身の犯した間違いに深く苦悩する。
そんな中、バグナラクはチキュー爆破作戦の最終段階に入り、キングオージャーはエクストリームキングオージャーにてその作戦を進めていたザリガジームを倒す。
そして、マントルに迫るほどの大きさを持った穴を前に集合し、これからどうするか思案していたところ、そこにデズナラク8世が現れ、大量のシュゴッドソウルを食べて作戦を進めようとする。
そんなデズナラクを止めようと、王様戦隊のメンバーがデズナラクと戦っていたその時、ジェラミーは他のメンバーを糸で拘束し、その真意を語った。
彼の本名はジェラミー・イドモナラク・ネ・ブラシエリ……デズナラク8世とは同じ『ナラク』の名前を分かち合った親類であり、血縁者であった(つまり母であるネフィラもまた、バグナラクではそれなりに高貴な身分であったと思われる)。
「血を分け合い、自分の過ちのせいで道を踏み外したデズナラクを見殺しにできない」と、王様戦隊を止め、デズナラクに最後の説得を試みるジェラミーだったが時すでに遅し、そんな彼の制止も虚しく目の前でデズナラク8世はマントルへと身を投げてしまった。
その後、体を張ったゲロウジームの荒療治により、これまでの自分が「綺麗ごとだけで手を汚す覚悟がなかった」ことを教えられたジェラミーは、「チキューを滅ぼそうとするデズナラクを倒し、バグナラクの王になることでその名を繋ぐ」ことを決意。
これを以て真に「狭間の王」としてゴッドタランチュラに認められることになった。
そして第26話で、デズナラクとの最後の決闘を経てデズナラクの真意と本心を知り、彼の遺志を継いで新たなバグナラクの王となった。
王への即位宣言で全国民への挨拶を見てた市井の人々からはバグナラクが今までしてきた事もあってか不満の声があったが本人は今はそれでいいとこれから人間とバグナラクは手を取り合える事を次の世代に伝え今までの負の遺産は今の世代で断ち切る事を誓った。
- 今作のオープニングナレーションについて
作品のオープニングナレーションでは
「宇宙の片隅の惑星・チキュー。5つの王国が治めるこの星に、巨大な危機が迫っている!これは、平和を守る王たちの物語・・・そして、王になる男の物語である!」と述べられている(ちなみにこの「王になる男」のくだりは「これから『邪悪の王』となるギラ」を指すと思わせるが、ジェラミーの立ち位置と第26話の展開も踏まえると「これから『狭間の王』となるジェラミー自身」とも読み解く事が可能である)だけで、実はバグナラクの単語は出てきていない。これは敵側も要素として出てくるナレーションとしては非常に珍しい例である。
過去の戦隊においては、
《獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、獣拳。
獣拳に、相対する二つの流派あり。
一つ、正義の獣拳、激獣拳ビーストアーツ。
一つ、邪悪な獣拳、臨獣拳アクガタ。
戦う宿命の拳士たちは日々、高みを目指して、学び、変わる!》
《冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を行く若者達がいた。宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、海賊の汚名を誇りとして名乗る豪快なヤツら。その名は!
「海賊戦隊、ゴーカイジャー!」》
など、物語上敵に当てはまるものがナレーションで語られる際は、必ず組織名など固有名詞が登場する。そのため、キングオージャーのナレーションはある意味異質である。
これにライニオールの発言も併せると、王様戦隊の本来の敵はバグナラクではない伏線だと考えられている。
新たなる敵と「邪悪の王」
人間とバグナラクの長きに渡る戦いを終えてから2年後。
ゲロウジームや国民と共に平和の日々を謳歌していると、かつて倒したはずのカメジムや、彼が所属する宇蟲五道化により襲撃され、バグナラクが滅亡してしまう。
そんな中、ゲロウジームは他国に助けを求めるが…そしてジェラミーはシュゴッダムに連れていかれ、カメジムの本来の主である、宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダンと邂逅。ダグデドの目的を聞いたギラが、再び邪悪の王の仮面を纏いダグデドを一蹴する場面を見て自身も立ち上がる。
ギラと共にダグデドに挑むも、ダグデドは宇蟲五道化と共に撤退してしまった。
- 第28話
五道化達によってバグナラクが滅びた後はゲロウジーム共々シュゴッダムのお世話になっているようである。
それからしばらくした後ゴーマ・ローザリアによって王達の体が入れ替わる中自身はギラと身体が入れ替わっていた。
そのためゴーマがシュゴッダムを襲ってきた際にはオージャカリバーをいつもと同じ逆手持ちで構えており変身の際にはキングクワガタオージャーに変身するという事態になっていた。オージャクラウンもいつもの癖で頭ではなく顔面に置いている(これに関しては、「本来はオージャクラウンを使う資格がある者では無いので被らなかった」とも見れる)。
戦いが終わり体が入れ替わったギラと自身以外の4国の王が自分の国に戻っていくのを見て
「お互いを知る良い機会じゃないか」
と微笑むが、ギラには
「流石におめでたいぞジェラミー…。こういう時王様達は自分の国のことしか考えない」
と反論される。
その後ギラと共に城下町を回っていると、とある国民が先日のダグデド襲来に関して尋ねようとした際に「ダグデドはバグナラクの一派ではないのか?」尋ねられると考え、ギラと一緒に「あいつらはバグナラクとは関係ない」と笑い合って肩を組むことで「今は人間とバグナラクは手を取り合って仲良くしているよ」とアピールする。
ところが、その国民は「そんなことわかってますよ!」とにこやかにジェラミー(身体はギラ)を叩き、さらに「ジェラミー王が率いるバグナラクが人を襲うなんてありえない、ただ心配しただけ」と続けた。
ジェラミーがバグナラクの王となってからの2年間、いや約2000年と2年間のジェラミーの努力が報われ、「人とバグナラクが手を取り合って暮らせるようにしたい」という積年の夢が叶ったと実感したジェラミーは泣きそうな顔でただ「ありがとう」と返している。
その後ゴーマと戦闘していたヒメノ・カグラギの元にギラと共に駆けつけ、再びキングクワガタオージャーに王鎧武装し戦闘に参加。
オージャクラウンランスをちくわに入れ替えられてしまうが、ランス攻撃の失敗と見せかけたパンチ攻撃(通称ちくわパンチ)でゴーマの入れ替わりの印を破壊し、元の身体に戻ることに成功する。
そしてゴーマにトドメの一撃を放とうとした瞬間、ゴーマの能力で各国の側近達が呼び寄せられ……
- 第29話
他の五王が各国の側近に斬られ倒れ伏す中、一人ドゥーガの剣を防ぐ事に成功し、ドゥーガやゲロウジームを含めた側近達の、王を斬る前後の態度の急変を目の当たりにする。
一度狭間の国に戻った二人の前にヒルビル・リッチが姿を現し、戦闘。戦いの中「ヒルビルに攻撃できない」という洗脳を受けてしまうが、彼女の言動から、ヒルビルが「各国の民の不安や怒りを増幅することが出来る」事を知る。
ヒルビルはこの力で各国の主要人物1名と、市民数名を洗脳し「自分の敵を倒せ」とあいまいな目標を与えることで、各国の分断を誘っていた。
結果、国交が断絶され、ンコソパからの電力供給がなくなり混乱するシュゴッダムを見下ろしながら、ジェラミーはゲロウジームに問いかける。
「ゲロウジーム…チキューは好きか?」
ゲロウジーム「えっ…? 大好きです」
「じゃあ、決まりだな。力を貸してくれるかい?」
ゲロウジーム「私はいつもいつでもジェラミーのおそばにいます」
「母様…ごめんね」
自国に唯一残った側近の返答でジェラミーは覚悟を決める。
その後ジェラミー不在のまま開始された六王国平和会議で、ギラ達が「王達は身勝手なワガママでチキューの全てを手中に収めようとし、それに気付いた側近に斬られた」という筋書きを各国の民に説明しようとする中に現れると……
「全ての黒幕は…俺だよ」
「お前さん方はまんまと騙されたってわけさ」
「俺の筋書きどおり、王も民もバラバラのガッタガタ!」
「ハハッ…傑作だね!」
「全ては俺がチキューを支配するためさ!」
「俺はジェラミー・ブラシエリ!」
「糸に繋がれ舞い踊れ! 巣に捕まったらもうおしまい」
「俺が全てを統べる王だ!」
「さぁ…来るがいい」
「玉座を、渡してもらおうか!!」
ギラ達五人の口をクモ糸の弾丸で塞ぎ、「ゲロウジームの擬態能力で側近達に化けて王達を斬った」「自分達が反旗を翻した」と発言。
そう、ジェラミーとゲロウジームは2年間の成果を捨てて、チキューの人々を救うため、王達に反旗を翻した憎まれ役……「邪悪の王」になることにしたのだ。
そして王たちに敗れた反逆者を演じることで、各国の人々に仕込まれた「自身の敵を倒せ」という洗脳を自分だけが「敵」となることで解除し、目を覚まさせる事に成功する。
その決死の覚悟を見た五人の王は、バグナラクへの信頼の言葉やジェラミーの即位宣言の演説の光景を思い出す。ヒルビルが現れ「下手くそな芝居」「狭間の国なんて潰す価値のないしょぼい国」とジェラミーを貶す中、あの時送られなかった拍手を送ると、拍手を自身へのものと勘違いして軽口を叩き続けるヒルビルに対し静かな怒りを爆発させ王鎧武装。
そして王達は傷付いた身体で苦戦しながらもヒルビルの撃退に成功。
ゲロウジーム「後悔…していませんか?」
「するもんか。安らかな寝顔を守れた。それより大切なものはない」
「2000年待ったんだ。気長にやるさ」
その後、ジェラミーは疲れ果て側近達と肩を寄せ合って眠る王達の様子を満足げに眺めた後、ゲロウジームだけを連れ、どこかへ去っていった………。
「いい夢を」
- 第30話
前話の終わり方的に、王様戦隊の前から行方をくらました…
わけでもなく、ジェラミーを案じてゴッカン地下を訪れたギラの前に普通に姿を現し言葉を交わしたばかりか、そこでサナギム達が保護していた寒さで行き倒れていた謎の黒服の男をギラと共にイシャバーナへ連れていった。
そして物語終盤、思いもよらぬ人物との再会を果たす…
突如現れて王様戦隊を薙ぎ払った思いもよらぬ人物とは、2000年前に死んだはずの母ネフィラだった。
その衝撃とダグデドからギラへのシュゴッダム襲撃予告、「いざという時、誰もお前(ギラ)を助けに来ない」という不吉な予言を胸に、イシャバーナ宮殿へ退却する。
まさかの再会に形見のヴェノミックスシューターを眺めながら「母様とは戦えない」と腑抜けるジェラミー、それを見て「手下にでもした方がマシだ」と決闘裁判を仕掛けようとするヤンマ、あくまでも敵はグローディであるとして捜索に赴こうとするヒメノ、それを止めたは良いもののもっふんに釣られて逆に牢に閉じ込められるリタ、ダグデドに降伏するため呼び出そうとして変な機械を背負い「べんとらあ!」と叫んで回るカグラギ……といつにもましてバラバラになってしまった王様戦隊に、ギラは頭を抱える。
予告された襲撃当日。やっぱり誰も現れず一人ででも戦おうと決心するギラの前に、異常成体で巨大化したネフィラを伴ったダグデドが出現。
予言通り一人になったギラを嘲笑しながら「お前たちを遊びで滅ぼす者だ!」と名乗りを上げる。
しかし。
ダグデドが名乗り上げたその瞬間、巨大ネフィラはクモ糸に拘束され、ダグデドの元にはシュゴッダムの通信装置が飛来する。そして……
「「「「「ドッキリ大成功~~!!」」」」」
なんと、ケンカしたりなんだりと好き勝手し始めバラバラになってしまったはずの王様戦隊が仲良くプラカードを掲げて現れたのだ。
そのまさかの光景に、ダグデドだけならずギラも困惑する。
ギラ「ど、どういうこと?」
「「「「「行間!!」」」」」
彼らは、「ネフィラは既に死んでおり、グローディの能力で蘇生され操られ利用されている」と即座に気づいたジェラミーの「これ(ヴェノミックスシューター)は形見だ」等の発言の行間を読み、どこで見ているかわからないダグデドを欺くため、チームワークを喪失して好き放題しているという演技をしていたのだ。それも全くの打ち合わせ無しに。
そして、ダグデドの裏をかいて鼻を明かすと同時に世界中の民に真の敵を明らかにすることで、ジェラミーの汚名返上をも成し遂げた。
罠に嵌ったダグデドは「つまらん」と吐き捨て退却。
王様戦隊は残された巨大ネフィラを倒すため、ゴッドキングオージャーを繰り出す。
「ずっと、伝えたかった事があるんだ」
「愛してる」
かつて「陳腐で直接的で行間が無い」と嫌がった、しかし一番伝えたかった言葉を伝え、母ネフィラに引導を渡した。
こうしてケジメをつけ汚名返上を果たしたのも束の間、怒り狂ったダグデドによりギラ達と共に別の世界に飛ばされてしまう……
- 第32話
別の世界に飛ばされ、ヒメノとリタと共に山の中を進んでいくと遺跡のような場所に着く。そこには、5人の戦士の絵が書かれた石版があった。今いる世界の情報を掴む為石版をよく見ていると、黒いスーツを着た男、イアン・ヨークランドに出会い、彼の案内で彼の仲間に会っていたギラ達とも合流。
この世界では、かつてイアン達キョウリュウジャーが倒したデーボス軍が、2年前突如として現れたダグデドによって復活し、変身する力の源であるブレイブと、相棒である獣電竜を奪われてしまった。だがイアン達は人々を守る為、レジスタンスを結成。今尚戦い続けている事と、この世界が自分達の住むチキューとは別のチキューである事を知る。
その後、イアンがキョウリュウジャーの歴史が描かれた石板の解読をしている遺跡に再び訪れ、彼がブラシで壁画の塵を落としている所を見ると、ゴッドコーカサスカブトによく似た絵が現れる。そこでジェラミーはイアンに「この星の名前」を尋ねる。イアンは当然の事を聞かれ困惑するが、名を「地球」と答える。
そこでジェラミーは確信した。
イアン達がいるこの星は地球。そして、2000年前にジェラミー達の先祖は、地球からキングオージャーがいる星である「チキュー」に来た事を知る。
- 第33話
前回判明した真実を、自分の仮説も交えた上でギラ達に話す。また、壁画の描き方や文字などから、この壁画を描いたのはかつて歴史から消されてしまった王、つまり自分の父だと確信した(本人はあくまで仮説だと言っているが)。
その後、再びデーボス軍の襲撃を受け、キャンデリラ達と共にゾーリ魔達からレジスタンス基地を守る為戦っていたが、ゴッドタランチュラがいない為王鎧武装が出来ず変身が出来ないのと、次々と湧き出て来るゾーリマを中々撃破出来ず苦戦を強いられていた。そんな中、有働ノブハルとキャンデリラが息のあった連携を見せ、2人がデーボス軍や創造主デビウス等10年間の間に起きた苦しい戦いを経た中で生まれた親愛を繋ぎ、遂に結婚間近になっている事を知ると、自分も人間とバグナラクというかつて激しく争った異種族同士のハーフの生まれの為か、親近感と祝福を贈った。
そして、ヒメノの演奏によって人々が奏でた地球のメロディーが聞こえてくるのと同時に、ギラとチキューでオージャクラウンランスを用いたスズメによって宇宙船に変形したゴッドコーカサスカブトがゴッドクワガタ等他のシュゴット達を連れて地球にやって来る。
ゴッドタランチュラが地球に来た事で王鎧武装が可能となり、スパイダークモノスに変身。デーボスとの最終決戦では、大切な人から武器を受けとった繋がりで立風館ソウジ、キョウリュウグリーンと共闘。
そして、デーボスをキョウリュウジャー達との連携攻撃で撃破し、巨大化した後は守護神キングオージャーに搭乗し、キョウリュウジンとの連携で遂に打倒する(なお通常のキングオージャーにタランチュラは合体しないためギラの後ろというなかなかなシュールな絵面になっている)。
地球の平和を取り戻し、共に戦った同胞達との別れを済ませ、ゴットコーカサスカブトに乗って王達と共にチキューに戻った。
- 第34話
チキュー圏に帰還して早々ダグデドの襲撃を受ける。デミシュゴッド軍団の攻撃をかいくぐり何とかシュゴッダムに帰り着いたが、そこに待っていたのは歓迎ではなく半年間の不在(ウラシマ効果によりキョウリュウジャーの地球からチキューへ戻るまでの一週間が半年に伸びていた)を詰る声であった。
不在の半年間でシュゴッダム国民はダグデドに掌握されており、ダグデドによって「鬼ごっこ」と称して民をけしかけられ、王様戦隊はばらばらに逃げ回る羽目になってしまう。
ゴローゲらのグループがジェラミー・リタに迫った時、背後からキンバエジームがサナギムを引き連れ出現。他の王様戦隊メンバーも合流し、交戦することに。
ヤンマから2本目のキングガブリカリバーを渡されたキングクワガタオージャーのオージャブレイブフィニッシュでキンバエジームを吹き飛ばした後、キンバエジームに率いられていたサナギム達を拘束し、「お仕置きする」として一時離脱した。
異常成虫で巨大化したキンバエジームをギラ達がキングキョウリュウジンで撃破した後再度合流。
シュゴッダムの民達の態度や各国の国宝・技術を持っていることに疑問を覚えたカグラギの提案でシュゴッダム城へ向かう事に。
玉座の間で彼らが見たものは、玉座でふんぞり返るスズメと彼女に足置きに使われるドゥーガ。
そして、ダグデドの新たな配下としてシュゴッダム王…どころかチキューの王として君臨する謎の仮面の男「シュゴ仮面」こと、決闘裁判でギラに破れ死んだと思われていたラクレス・ハスティーその人であった。
- 第35話
シュゴ仮面として復活しダグデドの配下と化したラクレスにギラと共に対面。その場で戦闘になるのは不利と判断すると、いまにも斬りかからんとしていたギラを拘束しゴッドタランチュラで狭間の国まで撤退する。
その後ゴッドタランチュラにしがみついていたドゥーガや国に戻ったが各々の事情により脱出したヤンマ・カグラギと合流。ヒメノ・リタ・シオカラの現状を確認しながら各々の持つ情報の整理をした後、ヤンマの提案でンコソパ解放を目指すことになり、ンコソパへ向け出撃した。
- 第36話
イシャバーナを奪還したとされるヒメノがチキュー全土に自分の結婚相手を決めるお見合いをすると御触れを出す。
ジェラミーも見合い候補に指名されるが、「子供の色恋に興味はない。俺は降りる。お前さんの邪魔はしないよ」とヤンマをからかった。
しかし、このお見合い騒動はカメジムの罠。
謎の婚約者候補ロマーネ・ディアーボーンがその正体を表し、本物のヒメノが怒りの一撃をカメジムに叩き込む。
その姿を見てヤンマに「美しいね。惚れたかい?」と言うが、ヤンマは「んなわけ。やっぱモノホンは無理だわ」と答えたのだった。
「王の証の力」を開放する回。ヒメノの力が『命を刈り取る力』だったのに対し、自分の父親(6人目の王様)は追放されたから存在しないし受け取っていない、とラクレスに話すがその正体は胸にある『永遠の命』でジェラミーが2000年以上見た目が変わらず生きていたのは永遠の命によるものだった。ヒメノは医療に使えば人間もバグナラクも不老不死になれる、死者だって蘇生できると夢を見て、ジェラミーは見送ってばかりはさみしい、それを失えば普通に年を取ってみんなと同じように過ごせるかと二人とも葛藤していたが最終的に「限りある命を輝かせるために医療がある。限りある命を一生懸命生きるから美しい。結末のない物語は未完成である」としてヒメノによって生きた屍であるグローディを倒すために取り出し、移植した。
- 第47話
命を得たグローディが生き生きし始めて神の怒りが再来。王様達は協力し、「対『神の怒り』用避難計画」として死者を一人も出さない事を目指し、地上の全国民を避難させた。移動した先は狭間の国バグナラク。そこは地下にあり、地上の脅威から守られ、さらに以前の各国に出現した地下通路を滑り台にしてサナギムや囚人達が率先して避難誘導した。
避難先のバグナラクは大勢の他国民を受け入れ、何もない地下だった場所は焼きそばや射的といった個性あふれる出店のような状態でお祭り騒ぎ。お礼を言うコガネに対して「喧嘩して家出したい時はいつでもおいで」と寛容な国になっている。これら全てジェラミーとバグナラク国民がコツコツ作ったらしい。サナギム達にも協力や人助けの概念が浸透してきた結果である。
- 第49話
キングオージャー最終章の真ん中。
準備もままならないままダグデドとの最終決戦に挑み、国民を逃がそうと必死に戦うも圧倒的な力の前に傷つき倒れてしまう。気を失い、希望のコーカサスカブト城の出発を見届けないまま倒れていると・・・
傷ついた体を支えてくれたのは最愛の母だった。一時的に死の国から現世に復活し、通常ならばありえない再会で幼い話し方に。まだ生きていると諭され、母にいいところを見せなきゃと張り切るものの、息子を守ろうとする母の強さの前にはなすすべなく立ち尽くした。
その後は他の王様たちとつかの間の休息をとり、再び最終決戦に挑む。
ギラ達がダグデドとやりあっている中、当代バグナラク王として先祖代々いいように母やデズナラクを弄んできたお礼参りをするためにカメジムを相手取る。しかしトドメを刺す美味しいところは因縁が浅い自分よりもっと深い因縁のあるラクレスとデズナラク(と彼の小さな友)に譲った。
余談
- 第1話から一貫してノンクレジットだったナレーションの正体であり(この時点では「池田氏とも比較的声質が似ており、本作のアイテム音声担当でもある谷山紀章氏が担当している」と推理していた視聴者も多かった)、第9話放送後に演者含む情報が解禁された際にその事実が明かされた。即ち「ジェラミーの存在自体が盛大なネタバレ」であったがために早々に明かせなかったともいえる。もっとも、この事実が明かされた後に一部の視聴者からはリタよろしく「『実は語り部が6人目の戦士でした』なんて行間読めるわけないだろ」とツッコまれていたりもするが…
- 前述の経緯から「初回から登場していた追加戦士」と捉える視聴者も少なくない。ジェラミーの場合は変則的な経緯(序盤は声出しのみ)ではあるが、似た様な事例としては
- 「星獣戦隊ギンガマン」のヒュウガ(初回序盤で退場後、物語中盤で黒騎士ブルブラックの力を受け継ぎ「6人目の戦士」となる)
- 「爆竜戦隊アバレンジャー」のアスカ(初回から登場しアバレブラックに変身していたが同回で変身能力を失い、後に取り戻したため最初の戦士でありながら追加戦士としても扱われる)
- 「特捜戦隊デカレンジャー」のドギー・クルーガー(初回から登場していたほか、作劇上「6番目に登場した追加戦士」であり、これとは別に正規の「6人目の戦士」としては「7番目に登場した追加戦士」であるデカブレイク/姶良鉄幹が該当する。また、番外戦士であるデカスワン/白鳥スワンも初回から登場している)
- 「魔法戦隊マジレンジャー」の小津深雪(初回から登場・変身するも敵の攻撃によって退場し、終盤に復活を遂げる。更にその敵も後に追加戦士となる。また、「デカレンジャー」と同様に正規の「6人目の戦士」としてマジシャイン/ヒカルが存在している)
- 「獣電戦隊キョウリュウジャー」のドクター・ウルシェード(アイテムのシステムボイスとして登場前から作中に出ているともとれるほか、本人の声がベースになっていると劇中で明言されている)。
- など数は少ないが存在はしている。ただし「当初から明確に『ナレーション』も兼ねた登場キャラクター」であればジェラミーが初である(過去にも「正規のナレーターが存在しない作品」において輪番で作中の登場キャラクターがナレーションを行う例は少なくなかったが、あくまでも「ナレーター」としてはカウントされなかったため)。
- 名前の由来はおそらく姓名共にクモと同じクモガタ類に属する絶滅した節足動物から来ていて、名はワレイタムシの一種であるPalaeotarbus jerami(仮名転写:パラエオタルブス・ジェラミ)から、姓は四肺類に分類されるIdmonarachne brasieri(仮名転写:イドモナラクネ・ブラシエリ)からだと思われる。
- 最初に鉄仮面を被っていたのは、フランスの伝説である「バスティーユ監獄には鉄仮面を被らされて囚われた王族がいる」とされる鉄仮面の男を元ネタとしていると思われる。
- 実は彼は一度も「嘘は言っていない」。バグナラク側に流した三大守護神の伝説も「世界はひっくり返る」と伝わっているが「世界をひっくり返そうとする者の復活」との意味であれば嘘にはなっておらず、また意図的に隠していた文もあるがそれでも彼は誤った情報自体は流していないのである。
- 上述のように饒舌に語るにもかかわらず肝心の主題を伝えず「行間を読む」のを強要し、そうしてくれないと憤激する振る舞いからネット上では「察してちゃん」「めんどくさい男」などとしばしば評されるようになっている。加えて、「行間を読む」の箇所の内容から「『行間を読め=恥ずかしいので自分の口から言いたくない』との意味なのでは?」と推察されている。
- 衣装デザインはバグナラク側のアートワークを手掛ける余湖裕輝氏が担当。インナーはMALICE MIZER/Moi dix Moisのギタリスト・Manaが手掛けるゴシックブランド・Moi-même-Moitiéのストライプジャボつきブラウス(既製品)を使用。
- 第33話のキョウリュウジャーとのコラボで有働ノブハルとキャンデリラがいい関係だと気づくと、戦闘中にもかかわらず「お熱い関係かな?」と笑顔でかなりの関心を示す、ノブハルの妹が「もうすぐ二人は結婚するの」と教えてもらうと、「違う種族が結ばれるなんてこの地球も素晴らしい星だねぇ」と異種族同士の愛の結晶たる自身と重ね合わせてか自分のことのように大喜びし、満面の笑みを浮かべて祝福していた。
- 「ギーツVSキング」ではジェラミー役の池田氏が浮世英寿役の簡氏に「2000歳?同い歳だね!」と話しかけている(英寿は輪廻転生を繰り返して2000年間生きていたため。奇しくも長い長い時を経て亡くなった母親に再会できた点も同じ。更に言えば同じ白い戦士繋がりでもある。)。
- Pixivではニチアサの語り部キャラの先輩であるウォズと共に描かれたイラストも投稿されている。
- 五王国人(人間)とバグナラク人の組み合わせで子供が出来る事、終盤で失われた王の証の代用品として五王国人・バグナラク人の魂を使用できた事、そしてヒメノ・ランによって五王国人とバグナラク人の遺伝子情報が96.4%一致したと結果が出た事から、五王国人とバグナラク人は生物分類上、同じ惑星に発生起源を持つ同族である事が判明した。故にジェラミーは広い視点で見れば、いろいろハイスペックなギラと同様、ただのチキュー人という括りになり、ジェラミーが王として即位した目的とは、バグナラク国民が五王国人から不自然や迫害が無く、ただのチキュー人として受け入られる事であるのが解る。
- 6人目の戦士が父親だと言ったが、それにしては6人目の戦士の武器が【クモノ】スレイヤーで、戦闘スタイルにクモ型バグナラク人で無ければ不可能な攻撃手段があったり、クモノスレイヤーに登録しているシュゴッドがクモ型シュゴッドのタランティーノだわ、ンコソパで最初に解析に成功したシュゴッドがゴッドクモだとヤンマ・ガストが語り、幼いジェラミーの視点だとクモノスレイヤーを仮面形態にして装備させたのは母親で、その母親はクモノスレイヤーと対を成す武器・ヴェノミックスシューターを片手にタイマンバトルを繰り広げ、後にバグナラク国の王の証がクモノスレイヤー→ヴェノミックスシューターであると扱われ、コーカサスカブト城の天井画を拡大すると三大守護神に挟まれた壁画にクモらしき紋章が隠されているなど、6人目の戦士=先代のスパイダークモノスは、父親よりも母親である方が技術的にも筋が通る。
- そしてシュゴッドの製造概念的都合上、ゴッドタランチュラはレジェンドシュゴッドを従える物=王のシュゴッド+レジェンドシュゴッドの上位個体である為、クモノスレイヤーにはオージャカリバーZEROに無い三大守護神&ゴッドタランチュラの登録データがあるなど、何らかの形でハスティー家と深く関わる深い立ち位置にいる。
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半妖 虫人 トリックスター トラブルメーカー 残念なイケメン
高丘映士:17年前に登場した、一般的なホモサピエンスの父と、進化の過程で枝分かれしたホモサピエンスの母の間に誕生したハーフ。
二次創作:ジェラミーの最終回での最後の語りはスーパー戦隊シリーズの二次創作作品を良識の範囲で許可するという東映からのメッセージにも思える。