「優しさは…人を救えない…!」
演:中村獅童
概要
映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』の登場人物。
初代シュゴッダム国王であり、フルネームはライニオール・ハスティー。同時に2000年前にバグナラクと戦いそれ等を封じ込めた6人の勇者の一人。
なおジェラミー・ブラシエリ曰く、ギラ同様に「シュゴッドに選ばれた存在」だったらしいが、同じくシュゴッドと対話ができたかは不明。
戦争終結後は誰が始祖の王となるかで5人の間で争いが起き (この時点でジェラミーの父である6人目の勇者は離脱している) 、それぞれの得意分野で勝負を挑んだ結果ライニオールが圧勝。やむなく彼をシュゴッダム始祖と認めた4人はシュゴッドを連れて各地へ散らばり、そこからンコソパ、イシャバーナ、トウフ、ゴッカンが建国されるに至った。
崩御後は死の国・ハーカバーカを統治している。
ファイナル予告では、オージャカリバーに酷似した剣を所持しており、ギラと交戦し、「王骸武装」の掛け声とともに変身しようとする描写があったが果たして…。
余談
- 自らと対峙したキングオージャーの姿を目にした際に「懐かしき姿よ」と、かつてキングオージャーとして戦っていたことを示唆するかのような言葉を呟いていた。しかし、キングオージャーが変身に使用するオージャカリバーは現代でヤンマ・ガストが開発したものであり、当然ライニオールが生きていた時代には存在しておらず、真相は不明。
- だがこれはゴッカン先代国王のカーラス・デハーンが所持していた描写があり、既に本編で矛盾が生じていた。壁画から察するに2000年前から既にオージャカリバーは存在し、王鎧武装していた、もしくは別の方法で王鎧武装していた可能性が高い。 →カーラスがオージャカリバーを所持している回想の時系列は神の怒りより後であり、30話のリタの子供時代の回想では所持していなかった為、ヤンマがオージャカリバーを開発した時期がカーラスが城を去る時期よりも前だった可能性がある。また、ライニオールがオージャカリバーZEROを得物としていたこと、壁画を描いたジェラミーは幼い頃隠れて暮らしていたため、実際に英雄達が戦っている場面を目撃した可能性は低いことを考えると、壁画は父や母から聞いた話を元にジェラミーの想像を織り交ぜて描いた物である可能性が高い。
- ファイナル予告での「王骸武装」の字幕は、シリーズ構成担当の高野水登氏曰く、「これ、脚本にしれっと盛り込んで「公開後ソフト化してから字幕で観た猛者だけが気づいてくれるやつですね」と話してたら、なんと公開前に明らかに!」とのことで、本人が本来意図していたものとは違う結果になった模様。
- 演じた中村獅童氏は、本作の公開初日舞台挨拶にゲスト出演した際の自己紹介にて、別の作品にゲスト出演した長田庄平(チョコレートプラネット)氏の持ちネタである和泉元彌氏のモノマネで笑わせた。
- また、ギラ・ハスティー役の酒井大成氏は2年前の2021年に撮影が行われ、中村氏が出演したある映画でエキストラをしていた事を明かした。またカグラギ・ディボウスキ役の佳久創氏とも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で共演している。
- 後に中村氏は本編においてシュゴッダム先々代王でハスティー兄弟の父親・コーサス・ハスティーを演じる事となる。
- 中村氏は、自身の息子二人には映画への出演をサプライズで知らせようと計画していたものの、本編中の宣伝CMのせいで一発でバレた模様。
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ここから先はネタバレです。未見の方は注意!
ライニオールの真の目的は「現世に甦ること」。彼はこれから先の未来において「大災害」が起こることを予期し、新国王となったギラに対して「戦乱の世に優しさは不要だ」と一蹴し、デボニカを依り代にして現世に甦りチキューを統治して大災害から救おうとしていた。
しかし、その過程でデボニカの生命と彼女自身の幸せが奪われることを良しとしないギラと対立することとなり、クワガタオージャーに王鎧武装したことでそれに相対するかのようにオージャカリバーZEROで怪人態に王骸武装し、交戦。
その後、キングオージャー達を相手に自身の能力をフル活用して互角に立ち回るものの、彼らの連携プレーとそれぞれが持つ信念によって徐々に圧倒されていき、最終的に敗北。
彼らに対して「必ず人類を救え!」と言葉を残して、元の世界へ帰還させた。
なお大災厄については、王様戦隊組は大災厄が起きるとは聞いたが具体的に何が起きるかは聞かされていない。
ライニオールが甦ろうとした根本的な理由はこれからチキューに大災厄が起きるから、当代の王となったギラが頼りなさそうに見えたからであり、ライニオールはギラを見聞したが”優しすぎる”ためこれから起きる大災厄に太刀打ちできないからだろうという判断である。
負けてしまえば、大災厄に吞み込まれてしまえばチキューやそこに住む者たちが大変なことになってしまうため、蘇ろうとしていた。
そしてシュゴッダムは王が代替わりをすればライニオールからチキューの真実の歴史を聴くことになっている。つまりは、先代王であるラクレスも、先々代王もチキューの真実の歴史を聴いていたことになる。
初代シュゴッダム国王はシステムとして自分が残り万が一の時を考え大災厄が来れば自分が指揮を執り大災厄をはねのけようとしていた。黄泉がえりシステムを作り、二千年間、ハーカバーカで待ち続け、子々孫々にチキューの真実を伝えてきた。
子々孫々を巻き込み自身も二千年の時間をかけ待機するぐらいのこれから起きるであろう大災厄。それはギラが新たな王に即位しバグナラクとの長きに渡る戦いが終戦してから二年後、遂にチキューに降り立つのであった。
更に余談
なお、もしライニオールが復活して大災厄への対処に取り掛かったとしても、彼の存在と能力を考えると成功していたかには疑問が残る(一度死んで蘇った者も操れるのかは不明だが)。
以下『完全版』ネタバレ注意!!
自らを打ち倒し未来を引き受けた若き王達と試練から解放された少女を見送り、一人玉座の前に佇むライニオールであったが、その直後、招かれざる者がハーカバーカにが現れたことに感づく。
「死の国にまでも、やってくるか…!」
そこに現れた、チキューに訪れる災厄の元凶との2000年の因縁に決着をつけんと迎え撃つライニオールであったが、その強大な力の前には最強の王である彼と言えど打ち勝てず、遂に敗北、消滅させられてしまう。
「あーあ、つまんねぇ……」
王の消えた玉座を前にして、災厄の元凶、宇蟲王ダグデド・ドゥジャルダンがあざ笑うように呟くのだった。
だがこれで消滅したわけではなく間一髪で命拾い(?)していたのか上手く一撃から逃げおおせていたのか、第49話にてまさかの再登場。
演者の都合か怪人態での登場となった理由の一つとしては、中村氏は第43話でコーサスを演じていた際に髭を剃っていたため、ライニオールまで髭がないと不自然であるからと思われる)。
「聳える壁を打ち砕き、敗れを知らず敵はなし。創世の剣にして、救世の英傑。
我が名は……初代シュゴッダム国王、ライニオール・ハスティー!」
王骸武装した状態でハーカバーカへの扉から現れ直前に弾き飛ばされていた地面に突き刺さっていたラクレスのオージャカリバーZEROを引き抜くと、かつてハーカバーカの亡者からギラ達を救ったときと同じようにダグデドが呼び出したコピー怪ジーム軍団をオージャカリバーZEROから繰り出した一薙ぎの斬撃で一掃し、ダグデドに斬りかかる。
ダグデド 「ちゃんと殺しときゃよかったな……使い古しのおツブが!」
「古き呪縛を過去に葬り、新たな時代に受け継ぐ……果てなき連なりの先で、命は永遠につながってゆく!」
死者の自分に出来ることはもうない。
だが、その意志は後代へと受け継がれ、確かに生き続けている。他でもないギラが、王様戦隊が教えてくれた、それがライニオールにとっての真実だった。
ヤンマ 「果てなき、連なりの先で……」
ギラ 「命は永遠につながっていく……」
その言葉を聞いた王様戦隊もまた、「今なすべきこと」を真の意味で悟る。
そこでハーカバーカと現世を繋ぐ扉が限界を迎え閉じ始めるが、ライニオールは渾身の一撃でダグデドを押しのけると、そのまま自身のオージャカリバーZEROをラクレスに投げ渡す形で返却。
受け取った再度ラクレスはオージャカリバーZEROを振るい、王鎧武装した先王達と共にコピー五道化を一掃。
「これは……始まりの戦いだ」
今の王たちにそう告げて、初代シュゴッダム王は再び死の国へと去って行った。
そして彼の遺した言葉は、民を束ね王様戦隊へ元凶を打ち倒し忌まわしき災厄を断ち切り終止符を打つための、文字通り強大な力を与えるヒントになったのであった。
余談
前述の通り演者の都合で素面での再登場はできなかったが、視聴者からは「ダグデドに対して決着をつける気マンマンだから最初から変身して出てきたんじゃないか?」と好意的に受け止められている。
また、何故自身の特殊なオージャカリバーZEROを使わずラクレスの物を借用したのかは不明(ダグデドに強襲された際に失った可能性がある···と思われたがその場合どうやって王骸武装したかの説明がつかなくなってしまうため、現存はしているもののメタ的な都合で出せていないのか、喪失して自らの力で変身したのかもしくはハーカバーカから持ち出せない仕様のどれかが考えられる)。
関連タグ
コウガネ:11年前の仮面ライダーシリーズの映画で登場した上でTV本編に再登場した、演者が歌舞伎役者かつ素面での再登場がなかった敵繋がり。但しこちらは最後まで主人公側と対立しており、キャストも変更されている。