《蠢埼「ィ謌ヲ髫》
「いい!いい!これがリアリティーだ!後はラスボスとの最後の戦いだ…!トテツモナク……強イ“ラスボス”ゥゥゥッ!!」
「サア、俺ガ“ラスボス”ダ!俺を倒せば映画は完成する!! カカッテコイ!!カメラ、スタァートォォッ!!」
データ
身長/197cm
体重/236kg
スキン/映画フィルムのハリケーン
概要
映画版『新初恋ヒーロー』の監督・黒岩一蹴の「リアリティーのある映画を作りたい」という欲望を叶える為に誕生した、忍風モデルのヒトツ鬼。
シソツ鬼が、轟々と渦を巻く青い旋風が忍者の様な出立ちを形作ったスキン・“映画フィルムのハリケーン”を身に纏った姿。よく見ると旋風の所々が燃えているバラバラの映画のフィルムになっていて、映画や作品の常識・概念をぶち壊してでも最高の映画を作りたい宿主の心情を体現した様な全身は、まるで無数のフィルムを介して具現化した忍者の妖魔にも巨大な百足が巻き付いているようにも見える。また背中にはスカーフの様に細長い一枚の布が垂れている。
変貌時には「蠢埼「ィ謌ヲ髫」(忍風戦隊)の文字化けと、忍風戦隊ハリケンジャーのクレストが浮かび上がる。
その姿や元ネタに違わず、人間の目で捉えられないほどの豪雷の如き電光石火の超スピードで「合格!」と気に入った人間を「超忍法・電影の舞」で次々と体内に吸収して強引にスカウト、更には役割を与える形で洗脳しエキストラ(尖兵)として召喚・使役する事が可能。ただしエキストラ化した人は強化したり細かい指示を与える事が不可能らしく、精々戦闘での肉の盾程度にしか使えない為、護衛や撮影といった雑用は黒子姿のアノーニ達に一任している。
また、自身の思い通りに相手をどんどん演技指導できる尾びれの様な青色のメガホンを始め、鷹の顔に見えるカメラや獣の牙の様な装飾がある黄色主体のカチンコと言った撮影道具兼武装を複数備え、みっつの道具をあわせたら完成するバズーカ型必殺武器「三重苦トリプルバジェット」から放つ螺旋状のフィルム弾で、自身の映画にそぐわない役者や敵をド派手にシュシュっと一掃する。
ちなみにトリプルバジェットには「HARI」と書かれてある。
本編に登場するヒトツ鬼と比較しても多彩な能力を持ち、それを自在に操り、それでいて暴走しながらも宿主の(強烈な)自我を失わずにいられる強靭な精神力など、かなり厄介な個体と言えるが、その宿主の自我の大部分を形成するのが『監督としての職業意識や拘りの強さ』である為、戦闘さえも映画撮影の一環のつもりで行動し、本来敵対する立場であるドンブラザーズに対して名乗りや戦法にも口を出さずにいられない等、コミカルな部分もある。
その為、基本的に相手の攻撃へ対して無防備かつ対応能力も皆無なので、相手側にペースを握られてしまえばアッサリ巻き返されてしまう。
活躍
既に黒岩に憑依している状態であり、人を超えた映画の鬼となって撮影の合間に(ソノイ、ソノニによる『パーフェクト過ぎてリアリティがない』演技が気に入らず撮影を中断させていた)映画のエキストラを強引に集めるべく、街にいた人々を一方的に「超忍法・電影の舞」で吸収していた所で駆けつけたドンブラザーズと交戦を開始。
増援のアノーニを呼び出し、タロウ/ドンモモタロウとの一騎打ちになるが脳人レイヤーから様子を見ていたソノザが自身を消去しようと乱入、ドンモモが彼と戦っている隙に「ドロン!」と足速に逃亡した。
ドンブラザーズはソノザを追い払い、忍風鬼を追跡しようとするも突如現れた三枝玲子にスカウトされ、映画に出演する事に。
しかし、主役のタロウはクセが強すぎて演技が変、ヒロイン役のはるかは大根、真一ら他のドンブラザーズやソノイ、何故か撮影現場に乱入して来た介人/ゼンカイザーブラック達がタロウがいないのをいい事に主役の座を奪い合うなどやりたい放題だったが、元の姿に戻った黒岩は彼らの演技を「下手なのがリアルで良い」、無茶苦茶な行動も「自己を開放し、自由にやれ」と容認して序盤・中盤のシーンを着々と撮影。
その夜、撮り終えた映像を編集する為に編集室に1人こもっていると、もっとリアリティーのあるシーンを求める欲望が暴走し、自ら演者となって映画のクライマックスを彩るラスボスにならんとする。
翌日、強い欲望から忍風鬼に再変貌を遂げ、独断で終盤のシーンを撮影すべく出現。
前座と言わんばかりにジロウ/ドンドラゴクウと交戦するも「香港風アクションカ。ダガ、好ミジャナイ!」と気に入らず、メガホンを取り出して「グルグル回レ!」とドラゴクウがチェンジしたドントラボルトを空中で回転させ強制オールアップ。
そして、遅れて駆けつけたドンブラザーズもこれまで拐ってきたエキストラをゾンビメイクを施して洗脳した尖兵として差し向け、手をこまいている所を追撃のトリプルバジェットをぶっ放して追い詰める。
そんな中、いつもの如く天女と共に神輿に乗ったドンモモタロウが登場する……がそんな彼らにダメ出し、名乗りを要求する。
だが、彼らが名乗りをすると知った天女らが怯え逃げ出し…
「カット、カット!ソコ、勝手ニ花撒カナイ!揃ッタラ、マズ名乗リダ!名乗リ!基本ノ『キ』ダァァ〜!!」
ドンモモタロウ「……いいんだな?名乗っていいんだな?行くぞ、みんな!」
ドンモモタロウ「桃から生まれたァ!ドンモモタロウ!」
サルブラザー「浮世におさらば!サルブラザー!」
オニシスター「漫画のマスター!オニシスター!」
イヌブラザー「逃げ足No.1!イヌブラザー!」
キジブラザー「トリは堅実!キジブラザー!」
「ココデグ〜ッテ引イテ……オ?オォッ!?ドコ行ッタ!?イナイジャナイカ〜!!揃ッテ“決メポーズ”シロォ〜!!」
ドンモモタロウ「ハッハッハッハッハ!あ、あ、暴太郎戦隊〜!」
全員「「「「「ドンブラザーズ!!」」」」」
と、お前がやれと言ったからやってやったぜと言わんばかりの盛大な名乗りをキメたドンブラザーズの演出で起きた爆発の巻き添えに。
なんとか立て直すも撮影班のアノーニ達をあっという間に蹴散らされ、自身が指示した『ジャンプしてキック』に応える形で派手な格闘攻撃をバンバン繰り出し、最終的に必殺技を出すよう指示をした彼に対し、またもやお前がやれと言ったんだからと言わんばかりに容赦なくロボタロウの「前人未桃・打ち上げロボタロウ」を食らい敗北・爆散。
映画は撮了となった事で欲望も消え、元の黒岩へと戻ると「爆発した…」と満足げにクランクアップを告げた(ゾンビにされたエキストラ達も元に戻った)。
後日、ドンブラザーズ一同や脳人の面々やドロップしたハリケンジャーギアを手にした介人、さらには映画に出れず悔しがるジロウや着ぐるみ姿で現れた椎名ナオキを加えて和気藹々と試写会が開かれた…
が!
本物ヒーローと怪人を加えたやり過ぎアクションと監督の暴走の数々の結果、プロデューサーである三枝玲子も絶句するほどの代物となってしまい、さらにあまりにもやり過ぎた原作改変で観客が物を投げつけまくってブチギレる事態に発展、映画『新初恋ヒーロー』は公開中止に追い込まれるのであった。
そしてその七割方原因を担う事となった黒岩本人はというと、最後までやりきった達成感からかそんなブーイングなど意にも介さず、満面の笑みを浮かべながら満足気に「ありがとう!」と応え、怒り心頭の観客達を逆撫でしていた。
余談
劇場版に登場する怪人は昨年の劇場版から非公認鬼、もしくはアナザー1号よろしく秘密鬼ではないかと予想されていたが、まさかの忍風モデルで驚いた人もいた模様。一方で武器のメガホンやキャストで忍風鬼だと予想できた人もいる。
モデルとして使われた戦隊は忍風戦隊ハリケンジャー。頭部と左肩に赤い炎のような意匠があり、シュリケンジャーのファイヤーモードと主題歌の歌詞の一部若しくは首領タウ・ザントをイメージしていると思われる。なお、ハリケンジャーは2022年で放送20周年を迎える為敢えて劇場版の敵として選ばれた可能性がある。さらに10周年の時にはVシネマ『忍風戦隊ハリケンジャー 10YEARS AFTRER』を上映していた。
そして2022年12月にはTTFCにて忍風戦隊ハリケンジャーwithドンブラザーズが配信され、2023年には20周年を記念してVシネマ『忍風戦隊ハリケンジャーでござる!シュシュッと20th anniversary』が上映されることが発表された。
なんとも劇場版とドンブラザーズに縁のある戦隊である。
また、武器の「トリプルバジェット」の元ネタはハリケンジャーの合体武器「三重連トリプルガジェット」。原作では各々の武器の順番によって異なる形態に変化させる事ができるが、トリプルバジェットにあたる形態は存在しない。また、クエイクハンマーモチーフのカチンコは逆さまに配置されてある。
デザインとしては忍者鬼よりも先にデザインされており、白土三平の忍者漫画『ワタリ』の主人公・ワタリの髪型に旋風の要素を組み合わせている。また、フィルムは燃えやすい事から炎の要素を加えられた。
ハリケンジャーは「人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討つ」という口上があるが、忍風鬼は「人の世に姿を晒し、映画のラスボスというスポットライトを浴びながら悪として討たれる」と対比となっている。
黒岩監督役の姜暢雄氏はハリケンジャーにて霞一鍬/クワガライジャー役を演じていた。即ち「元ネタとなった戦隊を演じた俳優がその戦隊をモチーフとしたヒトツ鬼になるという初の事例」である(ちなみに鬼頭ゆり子役の三輪ひとみ氏は『ハリケンジャー』本編にて御前様、『10 YEARS AFTER』では御前様にそっくりな顔立ちの宇宙統一忍者流の重鎮たる査問官を演じている)。
なお、ハリケンイエロー/尾藤吼太役の山本康平氏を含む一部のファンの間では「お前は忍風じゃないだろ?」「変身するなら轟雷鬼では」などとツッコまれていたりする。
リアリティを求めるために暴挙(?)に走るキャラクターは自分が倒される相手であったドンブラザーズにもいる(こっちは漫画家)。なお、なんの因縁か突き詰めると新初恋ヒーローの原作である初恋ヒーローの作者である。
また、映画の原作者とされる椎名ナオキは、ハリケンレッドの変身者椎名鷹介と名字が同じである。
名前ネタになるが、劇中でタロウが転校生として登場した際、黒板の日直欄にはナナミと書かれてあった。さらに校内の壁には校訓らしいものが貼ってありそこには「風になれ」なる文面も見られた。
激走鬼同様元ネタのスーパー戦隊の力を使える珍しいヒトツ鬼である。
スーツは後にドン47話に登場する世界鬼のものに改造・リペイントされた。
pixivでは忍風鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。
関連タグ
激走鬼:同じくモチーフの戦隊の(ロボの)技を使えるヒトツ鬼。
ハリケンダーク:原典における悪のハリケンジャー。
忍虫戦隊ジャカンジャー:悪のゴウライジャーと呼べる存在。
ジョウガミ、タクミガミ、ネンドガミ:ハリケンジャーに登場した巨大ロボがモチーフの怪人の先輩。なおデザイナーは同じ人。
ヒャクヤッパ:デザインの方向性が類似。こっちもデザイナーが同じ人。
忍者スズメバチ:3代目忍者スーパー戦隊における恋に纏わる怪人。
フィルムラー、魂の活動屋グロカン、デメバクト、フィルムロイド、デーボ・カントック、フィルムシャドー、ピッチ・コック、カントクマイナソー、ムービー邪面:歴代映画系モチーフの戦隊怪人。特に魂の活動屋グロカン、デーボ・カントック、ピッチ・コック、カントクマイナソーは映画監督がモチーフとなっている。
ギンジフ星人カザック:後年のコラボ回でハリケンレッドになりすました事がある戦隊怪人。
レインディアサンタ、流感のウチュセルゾー、アントンゼロ、リサイクルワルド:同じく取り込んだ人間を戦闘員する能力を持つ戦隊怪人。
闇生物ギンガー:『超光戦士シャンゼリオン』に登場する闇生物の一体で頭部のデザインが似ている。
マンドリル・デッドマン:同期の仮面ライダーの劇場版限定の怪人。
アヅマ/仮面ライダーダイモン:上記の作品のラスボスで、演じたコスギ氏とは忍者系戦隊のOBという共通点がある。
アナザーリュウガ:ハリケンジャーと同期のライダー『仮面ライダー龍騎』の劇場版に登場した仮面ライダーリュウガを歪めたアナザーライダー。変身者の演者が原典に登場した演者である点が共通。
アナザー龍騎:上記と同様にこちらの場合は本物の主人公を歪めたデザインとしたアナザーライダーで、本編ではなく外伝作品に出た点が共通する。
アナザーシノビ:こちらは忍者のヒーローをモチーフとしたアナザーライダーで更に変身者は次の忍者スーパー戦隊追加メンバーの演者だった共通点を持つ。
セーラーディレクター:27年前の東映アニメによって変貌された怪人で変身者が映像制作者(女性)で怪人チンコとメガホンを武器にする疑似ヒロインと性別を除けばほぼ一緒。
フレイザード:顔とカラーリングが酷似してる。
風鬼(忍たま):名前のせい(忍風鬼)で画像検索すると彼の画像も出てきてしまう。しかもこっちも忍者。