演出を行う人。特に、テレビドラマや映画、舞台作品などを制作する際に、その演出を行う人を指す事が多い。アニメーション制作の「演出」家はやや意味合いが異なるので、後半で述べる。
概要
職業としての演出家は、俳優の演技や照明、美術、音楽、装置などに関して指揮をとり、作品の世界観を創り上げていく。そのため、演出家は自らが演技や舞台芸術についての知識を持っていることはもちろん、高い指導力、表現力、センスなども求められる。一般に現場での作品制作における総責任者である。テレビドラマや映画では同じ立場を監督と称する事もある。
演出家になるのに決まった道はないが、すぐに第一線で演出の仕事をするのは難しい。専門学校や大学で演出について学び、テレビドラマや映画ならテレビ局制作部や制作会社のアシスタントディレクターとして経験を積み、舞台作品であれば劇団の演出助手として経験を積むといった長い下積み生活を要する。また「演出される」側である役者や俳優として活動しながら演出家を目指すケースも多い。基本的にフリーランスで働く人が多いため、不安定な生活になりがちな職業である。駆け出しの演出家の中には月に数万円程度しか稼げず、アルバイトをしながら生計を立てている人もいる。それに耐えて実力が認められれば徐々に大きな仕事を任されるようになる。
舞台演出家の一覧
アニメーション制作の演出家
アニメーション演出家は他のメディアによる制作とはかなり異なる立場になる。以下で詳述しよう。
アニメ制作の流れにおいて、絵コンテが実際に撮影された動画になるまでの工程を管理し、アニメーターや音響に指示を出して動画を作成しその編集も行うのがアニメーション演出家である。大変な激務となる為、アニメーション制作では一般に演出家を複数人置いて分担する。それら演出家のまとめ役が、アニメーション制作の最終的な総責任者ともなり、これをアニメーション監督と呼ぶ。