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概要編集

1950年3月6日生まれ、魚座のA型愛知県名古屋市出身。東京経済大学卒業。

生前は、劇団薔薇座⇒俳協(~1998年)⇒賢プロダクション(1998年~死去)所属だった。本名も同じ。


男らしさと艶のある低音ボイスが特徴で、特に1970年代~1980年代に「聖闘士星矢」の紫龍、「キャプテン翼」の日向小次郎、「るろうに剣心」の斎藤一、「ドラゴンボール」の天津飯といった、骨太で男性的な性格の二枚目キャラを多数演じ人気を博した。


機動戦士ガンダム」のブライト・ノア役も、生涯を通じて演じ続けた当たり役として有名。吹き替えでは特にトム・クルーズ自身が、実際にデモテープを聴き、指名したという程に公認(フィクサー)として名高い。

その他の代表作は初代スタースクリーム、「らんま1/2」の九能帯刀など。


経歴編集

1977年より声優として活動を始め、1978年に「無敵鋼人ダイターン3」の破嵐万丈で初めて主人公を演じた。その前までは『超電磁マシーンボルテスV』などでガヤで参加するなどしていた。


しかし声優デビューした当初は声優の仕事だけでは食べていけずにアルバイトに明け暮れ、アフレコの日だけ東京に戻る生活を続けていた。特に自身の代表作である「ダイターン3」の万丈役で出演していた頃も、アフレコが終わるとキャバレーの呼び込みのアルバイトをしていたが、そっちの方が収入が良かったという。また、「ダイターン3」に出演したギャラも、収録が終わった後の飲み会で飲み屋を2、3件はしご酒したら消えてしまったという悲しい思い出もあったという。だがそこで先輩の役者たちから聞かされた話はとても勉強になったという。


特に第10話「最後のスポットライト」に登場したコマンダー・ウォン・ローを演じた曽我部和恭氏がゲスト主役として来た時に、曽我部氏から「君が主役なんだから、君が僕たちを圧倒しなきゃ」「声はでかいし、張る声は良い。声量じゃ負けないんだけれど、君の台詞じゃ、ゲスト出演の悪者の方が勝っちゃう」とはっきりと自身の万丈の演技について酷評された事を、20年以上経過した90年代末頃に行われた山寺宏一氏との対談の中で「今でもはっきりと覚えている」と語っている。


声優業だけで食べていけるようになったのは「機動戦士ガンダム」を経て、30歳を過ぎてから(1980年頃)だという。しかし、すぐに裕福な生活になったわけでもなく、テレビアニメの『機動戦士ガンダム』のアフレコ収録が終わって、みんなで飲みに行く時にギャラの高いナレーター永井一郎氏や、シャア・アズナブル役の池田秀一氏などがタクシーに乗って移動する中、鈴置氏だけは自転車を漕いで必死でみんなを追いかけたという切ないエピソードもあった。


声優活動のみならず舞台活動も盛んに行っていた。1984年からは声優バンド「スラップスティック」に、三ツ矢雄二の後釜として加入。解散するまで音楽活動も行っていた。

1997年には「鈴置洋孝プロデュース」を旗揚げし、自身でも演劇のプロデュースを開始。実父の思い出を切っ掛けに翻案した舞台作品『煙が目にしみる』ほか、幾つかの作品を発表した。


まるでナンパ男を絵に描いたような私生活を送っていたことは、声優ファンに有名なエピソードである。

特に遅刻した際の言い訳「ごめんごめん、彼女がしつこくてさ」というキザな台詞は、スラップスティックのメンバーが揃って「一度でいいから言ってみたい」と羨んだ程だった。

その軽い性格から師匠の野沢那智も呆れており、絶対役者として大成しないと思っていたそうであるが、気づけば座長になっていたことに苦笑いしていた。野沢とは所属事務所が同じこともあり親交は深かった。


私生活では酒豪・ヘビースモーカーとして知られており、健康面を懸念する声もあった。一番親交があった古谷徹のエッセイ本「ヒーローの声」(角川書店)によると「鈴置はいくつか持病があって通院は欠かせなかった」と書かれてある。古谷は鈴置のことを『鈴置ちゃん』と呼んでいた。

事実、1990年頃(当時40歳位で、ドラゴンボールをやっている時だという)に新幹線の中で急病に倒れ、古谷と堀川りょうが見舞いに行ったという。突然のことに同業者は深く心配したが、行ってみると鈴置は個室を充てがわれてなかなかに贅沢な生活を送っており(古谷曰く「ヘラヘラしてた」)、見舞いに来た人間に開口一番「ここの看護婦、結構可愛いんだぜ?」と言ってみせたため、皆を呆れさせた。


2006年8月6日、肺ガンにより死去。満56歳没。当時はかなり油の乗った時期で、かつ劇団を軌道に乗せるなど活躍している最中の逝去だった。この事から、声優ファンの喪失感は非常に大きく、後に同じ病で世を去ることになる野沢那智もその早い逝去を嘆いていた。

後任は成田剣三宅健太緑川光等の同業者に託された。ゲーム作品(特にスーパーロボット大戦)では鈴置のライブラリが使用されることも多いが、ブライト・ノアに関しては成田剣にほぼ移行しつつある。


後に堀川りょうは自身のYoutubeチャンネルで、鈴置洋孝について思い出を語る回を公開している。堀川曰く「気づいたら居なくなっていた」という程、突然の別れだったという。


共演する事が多く、互いに二枚目キャラを数多く担当した塩沢兼人氏とはお互いに酒好きであるため、よく一緒に飲みに行くほどプライベートでも仲が良かった。また、奇しくも二人ともクールかつニヒルに「フッ」と鼻で笑うような役柄が多かったが、両者の違いについて鈴置氏は「俺の『フッ』は正統派な二枚目だけど、あいつは怪しい変態チックな『フッ』」と語っている。


また、飲んでる最中に互いにジョークではあるが、鈴置氏は「お前は酒の飲み過ぎで死ぬな」と塩沢氏に言い、それを聞いた塩沢氏も負けじと「じゃあ、アンタはタバコの吸い過ぎで死ぬな」と鈴置氏に言い放ったという。しかし、皮肉にも両者共にその通りになってしまったという笑えない冗談のようなエピソードがあった。(2000年に塩沢氏は酒の飲み過ぎからか、自宅の階段から転げ落ちて脳挫傷で亡くなり、2006年に鈴置氏もタバコの吸い過ぎが原因で肺癌で逝去した)


小話編集

機動戦士ガンダム」がヒット作となり劇場版の製作が決定した時、永井一郎達と共に声優陣の出演料の値上げ交渉やを断固としてトップクレジットで掲載しろ』と交渉し成功させている。

この件に関しては、本人曰く『それだけの仕事をしたと感じているし、(劇場版ガンダムが)それに値する作品であると自負している』とのこと。


※当時の映画は一番の大物俳優をトップクレジットに持ってくることが通例であり、主人公の母親(カマリア・レイ)役の倍賞千恵子がトップに来る予定だった。


過去には深見東州監修のアニメ神頼みシリーズでは主治医を担当し、この時高島雅羅と共演してたがまるで名探偵コナン電磁戦隊メガレンジャーの研究員や研究医に出てくるような雰囲気でもある。


主な出演作品編集

アニメ編集


*1 没後にリリースされたOVA『機動戦士ガンダムUC』では成田剣が担当。ただし、スーパーロボット大戦などのゲーム作品では、亡くなった、あるいは引退した他の声優と同じく、基本的に生前の鈴置の声がサンプリングで使われている(ただし、一部のゲーム作品において成田が新規に吹き込んだセリフが使用されることも増えている)。

*2 冥王ハーデス十二宮編まで担当。これ以降のOVAでは櫻井孝宏、『聖闘士星矢Ω』では成田剣が担当。

*3 Z第82・84話では山寺宏一が代役を担当(入院時による)。2008年に発売された格闘ゲームでは真殿光昭が代役を担当。以降のメディアでは緑川光が担当。

*4 没後に発売されたゲーム作品『真・北斗無双』では、神谷浩史が担当。

*5 没後に発売されたゲーム作品『魁!!男塾 〜日本よ、これが男である!〜』では、平田広明が担当。

*6 熱闘編第65話~第68話、『高橋留美子展』でのオリジナルアニメでは、辻谷耕史が担当。(前者は入院時、後者は死去後による代役。)

*7 没後にリリースされたOVAは成田剣、2023年のアニメは日野聡が担当。

*8 後任は三宅健太(『ダイヤモンド&パール』以降の担当)。

*9 後任は、山寺宏一(映画作品『ブラックノーズと魔法の歌』での担当) -> 堀内賢雄(テレビアニメ版での担当)。

*10 没後に発売された格闘ゲーム『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』では大友龍三郎レイジングブラストブラストシリーズでは内海賢二が担当(あの世編に登場する司会者のCVは中尾良平が担当。一部は鈴置の生前の収録音声を流用している)。『ドラゴンボール改』以降のメディアでは西脇保が一貫して全登場エピソードで担当。


OVA編集


※もとは続編のパイロットフィルムとして製作されたもの。


イラスト不明

アロン=ルーク=ウォーレンサー@ときめきトゥナイト

雷帝インドラ@天空戦記ガンダムシュラト

ハインリッヒ・フォン・フリーマン@宇宙の騎士テッカマンブレード

黒の武将@キャッ党忍伝てやんでぇ

ペーキング@NG騎士ラムネ&40

バハラタ@ドラゴンクエスト・アベル伝説

座剣邪寧蔵@まじかる☆タルるートくん

主治医@アニメ神頼みシリーズ


ゲーム編集


※11 没後にリリースされたリメイク版ゲーム作品では、速水奨が担当。


特撮編集


海外アニメ・吹き替え編集


※12 没後に制作された『ミッション・インポッシブル』の続編『Ⅲ』の吹き替え版以降は、主に『ラストサムライ』でトムの役を演じた森川智之がほぼ全ての出演作で担当。


関連動画編集

関連タグ編集

水木一郎水谷優子 - 同じくで亡くなった中日ドラゴンズファン


外部リンク編集

鈴置洋孝プロデュース公式サイト

Wikipedia

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