なんて、情けない子だろう!
CV:沢田敏子(TVアニメ版) /倍賞千恵子(劇場版)/池田昌子(特別版)/行成とあ(G40版)
概要
アニメ『機動戦士ガンダム』第13話「再会、母よ…」に登場。
本作の主人公・アムロ・レイの実の母親だが、夫のテム・レイとはアムロが幼い頃に別居。
しかし離婚はせず、技術士官であるテムの『地球居住特権』を行使して地球で暮らしていた。
容姿はアムロと良く似ており、アムロの容姿が母親似である事がすぐに分かる。
住んでいる場所が空襲に遭った為に、一年戦争時には避難民キャンプでボランティア活動をしている。それによってアムロの実家が長期に渡って空き家となってしまい、心無い連邦軍兵士によって好き勝手に荒らされてしまっていた。
そんな中でホワイトベースの乗組員となったアムロと避難民キャンプで再会し、母子共に無事を喜び合う。その後は、アムロと空襲について話している最中、二人のジオン兵が偵察にやってくる。
アムロをベッドに隠して必死で庇うカマリアだが、その甲斐もなく身元がバレてしまった為にアムロが拳銃を発砲、ジオン兵の一人に重傷を負わせた。
恐れをなして逃げ出したもう一人のジオン兵にも容赦なく発砲するアムロを見て、「お前は他人様に銃を向けるような子じゃないだろ? 昔のような優しい子に戻っておくれ」と言うのだが、『母さんは、僕を・・・愛していないんだね・・・』とアムロを腹立たせてしまった。
走り去るアムロの後ろに向かって「情けない子」と嘆いた後、どうしてああなってしまったのかと泣き崩れていた。
アムロの戦闘後はブライトと対面する。ブライトはアムロにここに残るかと聞くが、アムロは『これからも・・・お達者で、お母さん!』と断絶を決意、あくまでホワイトベースのクルーとして敬礼し別れを告げた。
その後の動向は長らく不明だったが、『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』において宇宙世紀0094年でも存命である事が確認された。この時はフィフス・ルナの落着により壊滅的被害を受けたチベット地区の難民を支援するNGOの一員として活動している。
キッカ・コバヤシがアムロの伝記を書くためカマリアに取材をしに行ったが彼女はこれを拒絶している。アムロと袂を別った彼女だがアムロは気にかけていたらしくたまに手紙を送っていたらしい。
余談
アニメ放送時は名前が明かされておらず、小説版から逆輸入され劇場版で付けられた。
子離れできない母親を皮肉ったようなエピソードに見えるが、「子を想う母」の対応としては不自然な部分が散見される。最後の別れるシーンでは彼女の背後でバイクを止めている男性がいたのだが、彼についてはカマリアの「愛人」である事が富野由悠季監督によって明言されており、小説版に至ってはアムロの幼少期の頃から関係を持っているような描写がある。
宇宙に上がる父子を尻目に一人地上に残った理由が、「夫ではない男のため」だとするならば、非常に身勝手な女性だと言えるだろう。
- ただし、アニメ版では愛人を作った時期は不明なので、父子が宇宙に上がった後にできたのかもしれない、それでも身勝手な事に変わりはないが。
- 彼女の真意は不明だが、上述の「技術士官であるテムと法律上の夫婦であれば『地球居住特権』を行使できる」という事実も鑑みれば、経済的な事情から離婚に踏み切れなかった可能性も大きい。
小説「ベルトーチカ・チルドレン」でも、「母カマリアがそういう意味で安心できる女性ではない、ということは(アムロは)ハイティーンの頃にはわかっていた」という記述があり、アムロも「まさか間男との子供じゃないんだろうにさ・・」と述懐するシーンがある為、男女関係については本能のままに行動する奔放な女性であったことが窺える。
ガンダム40周年を記念して『機動戦士ガンダム』の物語を再解釈する形で製作された短編アニメ『機動戦士ガンダムG40』では、テム・レイに代わってガンダムG40の開発者と見て取れる形で登場する。
容姿も「妖艶な貴婦人」と言えるものにリファインされており、ガンダムG40の姿に怯えて立ち去ったアムロの元に自動操縦でG40を向かわせる、自ら通信で呼び掛けてアムロをコックピットへと誘うなど、姿・行動ともに原作のカマリアの面影は乏しく、その改変ぶりが話題を呼んだ。
関連タグ
ヒルダ・ビダン…次回作の主人公の母親。こちらでは不倫をしていたのは彼女の夫=父親の方である。
ミューラ・ミゲル…後年の作品の主人公の母親。息子に独自の価値観に即した些かずれてる英才教育を施すなど、カマリアやヒルダとは別ベクトルによろしくない母親。
モニカ・アノー…後年の作品の主人公の母親。仕事熱心で家はあけがちという点ではテム・レイに近いが(小説版ではそれどころか、はっきり別居しており子供達には休暇に会いに来るという関係)、アノー家の場合はレズリーが妻のそういった性分を理解しつつ子育てを引き受けてくれるガンダムシリーズ屈指の人格者な親だったため(危うい部分は多少あったものの)家庭崩壊は起こらなかった。のちに息子や娘と戦地で再会した時「自分も些か父さんに甘えて面白い仕事に精を出しすぎていた、ごめんなさい」と謝罪して和解し、更には仕事で培った知識を活かして息子の思い人の捜索を手助けし、諦めそうになる息子を叱咤激励するというシーンが見られた。
プロスペラ…令和になってから登場した主人公の母親…を称する人物。娘を復讐の道具として利用して惨劇を引き起こした挙げ句、用済みともなれば「学園に戻りなさい」の一言だけでポイ捨てする。とはいえ親として娘への愛情を持ち合わせていないわけではないらしく要所要所で子供を気遣う意図が見え隠れする。カマリアはおろかヒルダやミューラすらドン引きさせるであろうヤバい母親ムーブを行うが果たしてその真意は…。なお、ガンダム恒例のやべーやつ揃いの母親枠でありながら、こちらもガンダム恒例の仮面枠という恐ろしい組み合わせを実現している初の人物。
アストライア・トア・ダイクン…アムロのライバルであるシャア・アズナブルの母親。こちらは幼少期のシャアと妹のセイラ・マスを愛情と心血を注いで育てており生き別れた理由も夫ジオン・ズム・ダイクンの死により引き起こされた政争の影響で当人には全く非がなく、更には周囲の思惑で幽閉されたまま兄妹と再会できずに病死してしまった悲劇の女性。そのため、機動戦士ガンダムTHEORIGINではシャアのザビ家への復讐の動機が「美しく心優しい母親を奪ったから」であり、逆襲のシャアでもクライマックスで「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!!」とライバルに絶叫するなど、カマリアに幻滅して母離れしたアムロとの対比となるほどの影響を与えてしまった。