概要
月刊ガンダムエース(KADOKAWA発刊)において、2001年6月から2011年6月まで連載された漫画作品。
アニメ『機動戦士ガンダム(以下、1stガンダム)』のキャラクターデザイン・作画監督を務めた安彦良和が、(当時のアニメ製作現場は時間も人手も不足しており、さらに商品の売上不振によるおもちゃ会社などからの圧力もあって、思うように作品が作りづらい時期もあったため)1stガンダム放映当時の富野由悠季がストーリーを再編することになればどのような話にしていたかを考え、再編した、機動戦士ガンダムベースのコミカライズ作品であり、10年もの期間ガンダムエースの表紙を飾り続けた、文字通り同誌の看板作品でもある。
作品内容
基本的な物語の流れは「1stガンダム」のTVシリーズを踏襲しているが、登場人物の年齢・モビルスーツの解釈といった設定の見直し、キャラクターの心理描写の変更、新規キャラクターやエピソードの追加等によって1stガンダムとは違う印象を与えている。
また、安彦作品共通の作風として削用筆を使用した独特のタッチが特徴だが、アニメーション化に際してはモニターなど一部にCG処理が行われている。
やはり作家性の強さが極端に出たアクの強い部分も多く、原作アニメ版とは解釈と差異の多さから、完全な同一歴史の別解釈には扱えないパラレルな部分が多い。
とはいえ一年戦争以前の、如何にしてキャスバル・レム・ダイクンがシャア・アズナブルとなって行くのかを描いたシャア・セイラ編、初のモビルスーツザク、そしてガンダムがどのように開発されていったのか、また原作アニメ版の現在からみればおかしな点(何故ホワイトベースが地球を一周するような形でジャブローに向かったのかなど)などを上手くまとめ直して描いている。
アニメーション化
総監督は執筆者でもある安彦が担当し、シャア・アズナブルとセイラ・マスの過去を描いた人気パート「シャア・セイラ編」が映像となった。
本作は安彦にとっては25年ぶりのアニメ制作であり、ガンダムシリーズに於いて漫画作品からのアニメ化はショートアニメである『ガンダムさん』を別にするとこれが初のケースとなる。
2019年4月からOVAを全13話に再編集したテレビ版がNHK総合にて放送された。また本作は初代ガンダムの前日譚として楽しめることも出来る。
余談だが、ガンダムエース掲載時には本作の後に「トニーたけざきのガンダム漫画」が掲載されており、あまりにも似通った画風と真逆の作風が読者に混乱を与えた。
関連動画
第一話 青い瞳のキャスバル 予告編 第二弾