概要
漫画『機動戦士ガンダムTHEORIGIN』において、地球連邦軍の兵器開発体系を整理(リライト)した事で生まれた、本作オリジナルのモビルスーツ。
一年戦争が始まる前、アナハイム・エレクトロニクス社が初めて完成させた人型機動兵器。
いくつか量産がされていてホワイトベース隊以外の部隊にも配備されている。
ただし、専ら相手がMSではなく歩兵や軍用車両を想定した設計であるため(これはガンタンクがそうであったように、アナハイム・エレクトロニクス社の開発スタッフ達と地球連邦上層部がモビルスーツを【大型戦闘車両の延長線上の機体】と間違った解釈をしてしまったから)、開発を指導したテム・レイは「これはMSと呼べるものではない」と辛辣なコメントをしている。
“初期型”が映像作品『第四章 運命の前夜』で登場した。※戦績は後述にて
バリエーション
・初期型(01)
格闘戦は想定していないため、マニピュレーターが三本指になっている。固定装備として、頭部にバルカン砲を装備。
装備は肩部ハードポイントにより低反動砲、ミサイルランチャーユニット、ガトリング砲の三つの武器を状況に応じて変更可能にし 腕部はライフル、シールドが採用されている。
・後期型(02)
一年戦争が開戦してからは、低反動砲を両肩に装備された仕様に変更されて製造されるが 連邦・ジオン双方から【旧式】と呼ばれてしまう。
特にジオン側からのコメントが強く、ランバ・ラル曰く『MSとも呼べぬ出来損ない』と評価し、ジャブロー攻略戦ではガルシア少将は『旧式の赤いやつ』と侮っていた。
しかし、シャア・アズナブルから『旧式といえど、火力は侮れない』と評価されているため欠点だらけではない模様。
マニピュレーターはオデッサ作戦後に変更がなされ、三本指から五本指になっている。
戦績
初期型
初陣を飾った「スミス海の戦い」でジオンのザクと交戦、数では勝っていたが大惨敗に終わる。
その為、ガンキャノンの生みの親であるテム・レイは、『違う・・・【動きが速い戦車(これ)】ではないんだ!』と嘆き、あるものの開発を促した。
量産化されており連邦軍の主力兵器としてガンタンクと共に第一線で活躍する。
後に装備はマシンガンからビームライフルに変更され、低反動砲も両肩に装備されたことで火力が向上しているが、機動力はザクに劣るため、集団での陣形を組んで欠点を補うように戦術を取ることが基本となる。
後期型
ベルファウスト攻略戦ではアップグレード(三本指から五本指に変更)が施され、『動きの速い戦車』から機動歩兵に強化された。
カイ・シデンがスプレーミサイルランチャーに換装された本機に搭乗しゴッグを撃破している。
テキサスコロニー内部ではブラウ・ブロと交戦。無警戒な先行でシン機、応戦時にカイ機が負傷し行動不能。ダニエル機は撃破され、ジョブ機は脱出したシンとカイを救出した。
ソロモン攻略戦では、キャノン砲の間に推進器を2基追加され宙空間戦闘に対応できるようにしたが、高性能機のリック・ドムと渡り合う事は難しいため【艦船に搭載されている対空砲火の銃座の役割】を担う。
ジャブローでジムが量産された為、第一線を退く事になってしまったが、本機に深い愛着を持っているパイロットもいるため完全に消え去った訳ではない。
ア・バオア・クー攻略戦では、ジョブ・ジョンが搭乗していた本機をハヤト・コバヤシが継承(装備はスプレーミサイルランチャーに換装されている)。コクピット内で操作系の動作確認を行っていた時は『シミュレーターのとおりに動いてくれます! これで、僕もカイさんと戦えます!』と意気込んでいた(この評価を聴いたカイは『キャノンは人を選ぶんだ、繊細なメカだからなぁ!』と嬉しそうな顔だった)。
また、カイ・シデン機と共に撃墜されずに生き残り、ホワイトベースクルーが乗ったランチを護衛して、ア・バオア・クーを脱出するという大活躍をしている。
ただし、劇場版ククルス・ドアンの島では、カイ機・ハヤト機ともに、サザンクロス隊の高機動型ザクに翻弄され、パイロットこそ無事だったものの、両機とも大破という散々な扱いだった。
搭乗者
立体物
ガシャポンシリーズ『SDガンダムフルカラー』にて初期型が立体化されている。(カラーリングはコミック版に沿って赤)※現在は販売されていないため入手困難
HGではORIGINシリーズから「ガンキャノン最初期型(鉄騎兵中隊機)」、「ガンキャノン機動試験型/火力試験型」がラインナップされている。
後者は成形色が黄色になっただけではなく装備が大きく変更されている。
・機動試験型にはガトリング砲、専用の庇パーツ(V字アンテナ付)、マシンガン、シールド
・火力試験型には腕部換装タイプの四連機関砲、専用の頭部パーツ、大口径砲、シールド
コンパチキットの為、どちらか片方しか組むことができないが 前者と武装の共有が可能。
プレミアムバンダイにて、ガンキャノン最初期型(ロールアウト一号機)も販売されている。
※後期型への改造は、販売されている「次元ビルドナックル」が対応しているため複雑な改造をせず容易に行え装備の切り替えも容易に行える。 ただし、頭部パーツはプラ材を使用して一部を改造し装備も低反動砲が二つのため部品発注などの少々手間がかかってしまう。
後期型はORIGINシリーズからは発売されていないものの、映画公開に合わせて「ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)」として発売。最初期型から関節パーツを流用している以外はほぼ新規造形となっている。武装は低反動砲とスプレーミサイルランチャーの選択式で、最初期型とも互換性がある。