ジャブロー(Jaburo)とは、
概要
一年戦争以前からグリプス戦役初期まで地球連邦軍の総司令部として機能した地下基地。
南米アマゾン川流域(機動戦士ガンダムTHEORIGINではギアナ高地ロライマ山)にあるとされている。
地下の広大な鍾乳洞を利用して建築された地下施設であり、軍関係の施設の他、関係者家族の住居などを内包した一種の地底都市の様相を呈している。
地表部分に存在する各種出入口はジャングルの植物などでカモフラージュされており位置を特定する事は容易ではなく、また地下施設も核の直撃にも耐えると言われている強固な岩盤に守られ、また各種対空兵装も充実していた事もあり、その守りは強固。
内部施設も宇宙戦艦やモビルスーツを建造可能な大規模工廠、及びそれらを収容出来るドックや格納庫を備え、保険庁、参謀本部までも備えている。
その設備の充実さから、一部の連邦軍高官(主に守旧派や官僚主義者など保守的な考えを持つ者が大半)はジャブローに引きこもっており、敵対するジオン公国軍のみならず前線で戦う士官の一部から「モグラ」と揶揄されていた。
メタ的にも「美しい地球に引きこもり独占するアースノイド」の象徴として設定されたものと思われる。現実ではアメリカ軍の「シャイアン・マウンテン空軍基地」が核シェルターの機能を持ち、核戦争や電磁パルス兵器に対抗できる地下基地として、様々なフィクションの舞台ともなっている。
一年戦争開戦当初、ジオン軍は短期決戦を見越してジャブローへの直接攻撃を狙いスペース・コロニー「アイランド・イフィッシュ」を地表にぶつけるブリティッシュ作戦を敢行し、連邦軍は地球環境に甚大な被害を受けながらもこれを死守。
その後、ジオン側は侵入口を発見できなかった為、めぼしい場所に定期的に空爆を行う事で位置を絞り出す作戦に出ている他、試作モビルアーマー「アプサラス」「ビグ・ザム」や、アッグシリーズを用いた直接攻撃プランを複数立案していた。結局ホワイトベース追跡の任に就いていたシャア・アズナブルによって位置を特定され、モビルスーツの空挺を中心とした大規模な襲撃を許すことになるが、ホワイトベース隊を含む保有戦力を以って迎撃。それと前後して行われたオデッサ作戦によってジオンは戦力を失い、宇宙への戦力集結を余儀なくされた(なお、この際攻撃にさらされたのは宇宙船ドックが集中するジャブローの一部である)。
一年戦争後、場所を隠匿する価値がなくなったと判断され、地上に航空機用の滑走路が増設され、秘密基地的な運用はされなくなり、新たに作られた地表施設も含めて地球連邦軍の一大拠点として運用される。
やがてティターンズが地球連邦軍の実権を握り始めるとジャブローも当然ティターンズの大型拠点とされ、ティターンズと敵対する立場を取るエゥーゴによる制圧作戦の対象となる。
しかし、この時点でティターンズはエゥーゴの主力をジャブローごと消滅させる作戦を立てており、かつて多くの連邦兵が死力を尽くして守り抜いたジャブローは、地下に仕掛けられた核爆弾によって消滅した。
しかし、消滅したのは中枢部とその周辺のみであり、外縁部施設はほぼそのまま残されており、核汚染を口実に連邦政府・連邦軍高官達によって度々「不都合な物」を隠す隠れ蓑として扱われている。また、コスモ・バビロニア戦争後、地球連邦軍の影響力が低下した後であってもその広大さから様々な裏取引に用いられ、宇宙戦国時代にはその結果再度の核汚染を受けた。
なお、その施設は宇宙世紀が終焉を迎えたリギルド・センチュリーの時代に於いても遺跡として遺され、宇宙戦争の最終決戦の場とされている。ジオンが潜入する際に使ってそのまま残ったズゴックと思われる水陸用MSもいまだに残っている。