「よーし!!発光信号上げぃ!ビグ・ザムは私が預かる!」
機体データ
型式番号 | MA-08 |
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所属 | |
建造 | ソロモン |
生産形態 | 少数生産機 |
頭頂高 | 59.6m |
本体重量 | 1,021.2t |
全備重量 | 1,936.0t |
出力 | 35,000kwを4基 |
推力 | 580,000kg |
センサー有効半径 | 134,000m |
装甲材質 | 超硬スチール合金 |
武装 | 大型メガ粒子砲,メガ粒子砲×28,105mmバルカン砲×2,クロー×6 |
特殊装備 | Iフィールドジェネレーター |
機体説明
ジオン公国軍が、地球連邦軍の本拠地であるジャブロー基地を攻略するために開発した対要塞攻略用モビルアーマー。
圧倒的な攻撃力と防御力を兼ね備えた機体を製作するに当たって機体は大型化し、全高60mにも及ぶ巨大モビルアーマーとして試作機が完成した。
機体色は緑で巨大な楕円状・円盤型の胴体と、切り離しも可能な2本の脚部を持ち、外見のデザインはジオン公国章をモデルにしているという説がある。
乗員は3名であるが、操縦系の切り替えにより1名でも操作が可能である。
複数のメガ粒子砲やIフィールドジェネレーターを有し攻守ともに圧倒的な性能を誇り、それらを稼動させるには膨大な電力を消費するため、4基の超大型熱核反応炉を搭載しジェネレーター出力は140,000kWにも及ぶ。
何気に巨体ながら速度もビグロタイプに並ぶ高速型である(演出上は重々しく描かれている)。
しかし、宇宙空間では冷却に課題が残り、大型の放熱板(気休め程度かも分からない効果のもの)を一対装備しても本機の稼動時間は僅か20分程度であった(しかし、劇中ではそれよりも長く動いている)。
当初の計画では量産化及び地上での運用を検討されており、宇宙空間からジャブローへ向け降下させ、迎撃部隊の撃破及びジャブローを覆う森林を薙ぎ払い隠された侵入口を発見するだけの能力と稼働時間を求められたが、試作段階でジオン公国が敗北してしまい、一年戦争時での完成・量産化までには至らなかった。
後年の作品では度々量産されている。
デザインラフは富野監督直々で、それを大河原邦男氏がクリンナップしたものとなっている。
Iフィールドジェネレーター
防御用にIフィールドジェネレーターを搭載しており※、遠~中距離からのビーム兵器を完全に無効化する。ゼロレンジでのビーム攻撃や実体弾兵器の攻撃には無力であるが、本体の装甲も堅牢であり、ボールによる至近距離からの一斉砲撃にもビクともしなかった。
※対ビーム用の防御装備をIフィールドとする設定はTV版初代ガンダム放送後の後付けであり、劇中では磁界(電磁フィールド)と呼ばれる。敵の攻撃に対し、実弾であれば着弾後に爆炎が発生、ビームを防いだ際は磁界で拡散される描写がなされ、本編内でもそれが確認された際にティアンム中将がビーム砲撃からミサイル攻撃への切り替えを指示しているが、間に合わずにビグ・ザムの攻撃を受けて撃沈されている。
武装
大型メガ粒子砲(前部ビーム・フロントビーム)
機体中央部に搭載された主兵装。出力13.9MW。
MSはもちろんのことサラミス級・マゼラン級と言った大型艦艇すらも一撃で撃沈せしめる威力を持つ。
メガ粒子砲
大型メガ粒子砲の左右から胴体を一周する形で搭載されたビーム砲。接近したMS等を迎撃するために搭載される。出力は2.1MWとMA用の武装にしては低出力だが、当時の連邦軍MSには耐ビーム・コーティングが施されていない(※)ため劇中でも特に問題になってるような描写は無かった。
※そもそも耐ビーム・コーティング技術自体がジオン側のものであり、もっと正確に言えば本機の量産型開発の過程で生み出された技術であったりする。主な採用実績もゲルググの盾など。
105mmバルカン砲
劇中未使用の実体弾型機関砲。モノアイ直下に2門装備されており、口径もMS用のマシンガン並みであるため当時のMSには十分すぎる程の脅威となる。
クロー
脚部の爪部分は対空防御を目的として射出可能なクローとして機能しており、劇場版ではスレッガー・ロウのコア・ブースター)相手に射出しこれを損傷させている(TV版では射出に加えてクローでGファイターを捕縛。その際にスレッガーはコックピットから宇宙空間に放り出される形で戦死した)。ゲームによってはミサイル扱いされる。
作中における活躍
一年戦争
連邦軍のソロモン侵攻が迫る中でギレンから唯一の増援としてドズルの下に送られた高性能機。ドズルは当初「ビグ・ザム一機よりドムを十機寄越せ」「戦いは数だよ兄貴!」と本機を軽視していた。
その後、本国からろくな支援も無いまま、ソーラ・システムによってソロモンに多大な被害を被り、指揮官のドズルはソロモンの水際でせん滅する作戦に切り替え、自らもビグザムに搭乗し戦線に参加する。いざ搭乗すれば火力は圧倒的であり、ソロモン内に侵入した多数のジムやボールを大型メガ粒子砲数発で飴の様に溶かすほどに圧倒する。しかし、2度目のソーラ・システムの照射によって被害が拡大。ドズルは戦力をズタズタにされすぎたとソロモンを放棄し自軍に撤退を指示、味方を逃がすための盾となり、主力艦隊に最後の特攻をかけた。
「わはははは!舐めるなよ!このビグ・ザムは長距離ビームなど、どうと言うことは無い!」
「私の道連れに一人でも多く地獄に引きずりこんでやるわ!」
アムロ・レイをして「圧倒的だ」と言わしめた攻撃力で、次々に連邦軍の艦艇群を撃破し、「ビグ・ザムが量産の暁は、連邦なぞあっと言う間に叩いてみせるわ!!」と豪語。さらにはティアンムの座する旗艦『タイタン』をも撃沈し、ソロモン戦に投入された第2連合艦隊は壊滅寸前にまで陥った。
だが、近距離からの攻撃に弱いと見抜いたスレッガー・ロウとアムロが肉薄。スレッガー機の迎撃には成功したが、アムロのガンダムがそのまま近接攻撃を行ったため戦闘不能となった。その後、ドズル中将も戦死した。
(なお、TV版および劇場版を見る限り、近年云われることがある「最期に機体はサラミスの砲撃によって完全に爆散された」と言う描写は全く確認できず、本編中ではサラミスは単なる「モブ背景として近くにいるだけ」であり、後年のゲーム・漫画などの再現による完全な後付けである)
グリプス戦役
一年戦争終結後、ドズルの元副官・ラコック大佐率いるジオン残党軍が、少なくとも8機のビグ・ザムを保有していたとされており、カラバと共にキリマンジャロ基地攻略に参加した。地形や天候の関係もあって、かんじきを装着して運用されたと言われている。
関連動画
バリエーション
ドズル搭乗機と同一の機体として設定されているバリエーション機が多い。
- 改修機・改良機
ビグ・ザム Ver.Ka
型式番号MA-08。
雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』に登場。
カトキハジメによってデザインをリファインされたビグ・ザム。設定的にはドズル搭乗機と同一の機体とされる。
後年の『新機動戦記ガンダムW EndlessWaltz』のガンダムたち同様、作品による解釈違いとされているが、スタイリッシュなデザインからマニア人気が高く、アマチュアディーラーによる作品がガレージキット化されて造形イベントで売られることがあるほか、B-CLUBからもキットが発売されている。
ビグ・ザム(ザビ家仕様)
型式番号MA-08S。
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズに登場。
ドズル専用ザクⅡと同じくダークグリーンに塗られ、かつ随所にエングレービングが施されている。
性能面でも強化改造が施されており、ミノフスキー・クラフトによって重量を支えることで陸上での行動範囲を拡大させている他、ミサイルランチャーも増設されている。
ビグ・ザム(アクシズ仕様)
型式番号MA-08A。
ゲーム『ガンダムトライエイジ』に登場。
「ジオン軍の試作MA『ビグ・ザム』がアクシズで強化改造されていたら……?」というif設定の機体。
ハマーン・カーンの専用機として設定されており、キュベレイを思わせる白+紫+桃のカラーリングとなっている。選定の理由は「足が女性っぽい」らしい。
ゲーム上は、宇宙にしか適性の無いビグ・ザムと違い、宇宙・地上の両方に適性を持つという差がある。その事からか、ミノフスキー・クラフトによって重量を支える改造がされていることが示唆されている。
ジービッグ・ザッム
型式番号RMA-081。
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場。
ドズル・ザビが搭乗したビグ・ザムを戦後連邦軍が修復した機体。ジオン残党に対する嫌がらせで作ったものらしい。
詳細はジービッグ・ザッムを参照。
ビグ・ザム(南洋同盟仕様)
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の第三部にて登場。
パイロットはレヴァン・フウ僧正。(カーラ・ミッチャムも同乗)
ドロス級の機動要塞と称される超弩級MAで、艦隊を率いる指揮官機としての役割を初め、歩兵輸送、MS整備ドックなどを単機で行うことが可能な母艦も兼ねている。
南洋同盟が保有しており、アナハイム・エレクトロニクスを抹殺する為に必要なソーラ・レイ奪取に欠かせない存在となっている。サイコミュで敵のレーダーをハッキングし、幻覚を見せる機能を持つ。
ビグ・ザム(タイタンズ仕様)
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の第三部にて登場。正式名称は不明。
アナハイム・エレクトロニクスが密かに製造した機体。機体中央部の主兵装を大型メガ粒子砲から大型レールガンに換装している。レールガンが採用されているのはIフィールド対策である。また、明言はされていないが射線の狭さを数で補っている。その他、南洋同盟のビグ・ザムと同様にMSの母艦も兼ねている。
アナハイムを中心として月の都市が月面国家タイタンズとして地球連邦から独立、「月社会の自衛」と称して編隊で発進している。
ビグザム改
型式番号MA-08-2。
漫画『機動戦士対伝説巨神 逆襲のギガンティス』に登場。
シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンが運用する機体。サメの口を思わせる塗装がされている。
性能は向上しているのだろうが、作中で登場した2機は伝説巨神にあっさり倒された。
RFビグザム
ゲーム『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』に登場。
ラストダンジョンのヘリオス要塞に出現する。外見はビグザムと変わらないが、強さは増している。
ビグ・ザム(ミノフスキー・クラフト装備)
書籍『一年戦争全史 下』に登場。
ジャブロー攻撃のシミュレーション映像での仕様。
アンテナ類や装甲が実在の試作機よりも翼のような形状となっている。
同時期に同一の作戦のために並行して開発されていたアプサラス(ガンダム)が武装を減じて飛行を試験していたのに対し、
本機の試作機はミノフスキー・クラフトによる飛行をオミットして武装を試験していたとも推測されている。
- 発展機・後継機
量産型ビグ・ザム
型式番号MA-09。
ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズに登場。
ジオン公国軍の拠点攻撃用試作MA。ビグザムの量産型であり、ジャブロー基地攻略作戦のために開発された。
詳細は量産型ビグ・ザムを参照。
コウモリガサ(正式名称不明)
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』に登場。
ニュータイプ専用として開発されていたニュータイプ専用モビルアーマー。上半身はビグ・ザムに似ており、同機がベースにされていると見られる。また、「コウモリガサ」は連邦軍兵士による呼称であり、正式名称は不明(漫画の作者にも「特に名前は無し」とのこと)。
全周囲メガ粒子砲はビットのコンテナに換装されており、格納したままのメガ粒子砲とオールレンジ攻撃のビットを切り替えられる。さらに、脚部の代わりでこうもり傘の「中棒」に相当する棒状のユニットが取り付けられており、後にアクシズで開発されるノイエ・ジールやゼロ・ジ・アールなどの大型モビルアーマーと類似している。
マレーネ・カーンが搭乗し、アクシズへ逃亡するジオン軍残党と彼らを追撃する連邦軍艦隊の戦闘中に乱入する。
ドグザム
雑誌企画『MSV90』に登場。
ビグ・ザムの発展型として構想された機体。汎用性の向上を目指しており、上部に1対のアームを持つMSの上半身が追加されている。終戦により、設計段階で開発は中止された。
マタ・ビリ
型式番号NRX-033。
雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場。
一年戦争後、ア・バオア・クーで発見されたビグ・ザムの仕様書を基に、ティターンズの地上拠点のひとつであるニューギニア基地(バーザムの開発拠点としても知られる)で独自開発された拠点防衛用モビルフォートレス(MF)。
大型メガ粒子砲1門、マルチプルランチャー12門、多数のハイド・ポンプで武装しており、同時にガンダリウム合金製の装甲で全身を覆い、更にIフィールド・ジェネレーターを搭載するなど攻防共に隙が無く、ミノフスキー・クラフトで大気圏内を飛行する様はまさに空中移動要塞である。
ビグ・ザムをベースとしているが脚部に相当する部位は無く、シルエット的にはアプサラスにも近い。
カラバ側からはそのシルエットから「パンケーキ」のコードネームを与えられている。
ジャムル・フィン
型式番号AMA-01X。
アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。
ネオ・ジオンがビグ・ザムの系統に連なる大型MAとして開発を進めていた機体だが、第一次ネオ・ジオン抗争の戦局悪化に伴い胴体部のみを流用した小型可変MAとして完成している。
詳細はジャムル・フィンを参照。
ビグ・ザムール
型式番号AMA-01S。
Web企画・漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。
火星のジオン軍残党「火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)」がビグ・ザムの系統に連なる大型MAの完成形を実現するべく、可変MAのジャムル・フィンをコアブロックとして開発したMA。
詳細はビグ・ザムールを参照。
ギガッザム
型式番号AMA-X9。
漫画『機動戦士MOONガンダム』に登場。
第一次ネオ・ジオン抗争末期にネオ・ジオンが開発を進めていた、ニュータイプなどをパイロットとする拠点制圧用の大型MA。3つの頭部を持つのが特徴。
クロウの運用方式が異なる3つのモードを取ることが可能で、前方に向けてビグロに近い姿を取った高速巡航形態Aモード、ビグ・ザムと同様に脚として下方に延ばした砲撃形態であるBモード、有線式誘導によってオールレンジ攻撃兵器として用いるジオングの流れを組んだCモードがある。
武装は、ビグ・ザムと同様の配置でハイ・メガ粒子砲とビーム砲24門を備える他、頭部にメガ粒子砲を各1門づつ、クロウ1つにつきビーム・クロウ3基とビーム砲1門を持つ。また、ミサイルポッドやオールレンジ攻撃用のゴースト・ビットも装備している。
完成した機体は、第一次ネオ・ジオン抗争後にリュース・クランゲル少佐率いるザビ派ネオ・ジオン(過激派)部隊で運用されており、強化人間となったジャムルの3Dをパイロットとしてムーン・ムーン一帯での戦闘に参加している。
ビグ・ザウーラ
漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に設定のみ登場。
少数派になった旧ザビ家勢力のジオン軍残党が、ネオ・ジオンの新型機への対抗手段として開発していたモビル・クルーザー(MC)。
ビグ・ザムを元に、ムサイに似た形状のクルーズ・モードへの変形機構を盛り込んでおり、装備する超大型メガ砲用のジェネレーターもムサイのものを転用している。
「MAを超える」存在と見なされ艦艇として扱われており、1番艦には「ソロモン」の名が与えられている。
グラン・ザム
型式番号OMAX-01。
ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に設定のみ登場。
火星のジオン軍残党「オールズモビル(火星独立ジオン軍)」が、ビグ・ザムを参考に地上用として再設計を行ったMA。
詳細はグラン・ザムを参照。
メガモビルタンク ビグ・ザム
アニメ『SDガンダムフォース』に登場。
ダークアクシズが運用する大火力・重装甲の大型侵略兵器。脚部と股部に履帯を備えており、脚部を前方へ伸ばして履帯を接地させたモビルタンクモードを取ることが可能。また、コックピットは3座の回転式となっている。
武装として機体各部にメガ粒子砲、バルカン砲、ミサイル、ブーメラン・カッターを備える他、機内に超大型のスーパースペシャルウルトラジャンボミサイルを格納している。
ザッパーザク、グラップラーグフ、デストロイヤードムが操縦してネオトピア上空のS.D.G.基地「ブランベース」攻撃に投入されるが、最終的にはガンダムフォースの必殺技「ガンダムフォース・トリプル・アタック」を受けてブランベースから墜落した後、自ら落下してきたブランベースの直撃を受けて破壊されている。
また、天宮では騎馬王丸が供与された本機29機を用いて天地城を攻略している。
グルンドゥール
ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ vol.3 エニグマ始動』に登場。
元々はビグ・ザム的な大火力を持った宇宙での対艦用機体として設計されたが、小型高効率のビームシステムの登場で廃棄された。
主兵装は出力9メガのビームランチャーで、腰部に4基のビームターレットと低出力のビームなら防御可能な磁界発生器を装備。白兵戦用の装備はない。
他のモビルスーツの1.5倍近くの巨体を持ち、胸は前へ張り出し頭部は小さい。
作中ではペイロードの大きさを活かしてU.C.0089年アイスランドのレイキャビク基地のティターンズ残党によりエニグマを搭載し復活した。
サイコミュの改良が続けられ、特に地上での運用が求められた。無重力の宇宙では高い運動性を発揮するビットも、地上では威力が低下するため、脚をつけて地上での運用を可能にする案が生まれた。
これがアクシズで開発中のシュペールサイコミュシステムで、連邦でもエニグマと呼ばれて研究されていた。
また書籍『マスターピース・ダブルゼータガンダム』では、サイコガンダムの誕生にもビグ・ザムの影響があるとされる。
一年戦争後、連邦政府や軍高官の間近にいた工兵科の要塞建設の専門家や砲兵科の長距離大口径砲信奉者を中心とした「拠点防衛」推進派は、敵の侵攻目標地点に強力な反撃力を配備する防衛思想を持っていた。アッザムやビグ・ザムは、要塞や長距離大口径砲が自ら動くことができないという常識を覆し、
巨大な箱型の機体に大型拡散メガ粒子砲3基と近接防御用のビーム砲が約10基、防御兵装にIフィールドバリアがそれぞれ装備された「モビルフォートレス」という新たな兵器体系を構想した。
この「地球を守る無敵の巨大移動要塞」は、ジャミトフ・ハイマンの地球至上主義と合致し、U.C.0084年頃にティターンズの支持を獲得。研究開発体制は一気に拡大した。
そこで予算を巡って対抗派閥から高速の敵機の攻撃に対応できないという問題が指摘され、近接戦闘への対応のためにU.C.0085年に登場した可変MAアッシマーが可能としたMS形態への可変機構の適用が検討され、これがサイコガンダムの誕生へつながる。
「ガンダム戦記」におけるビグ・ザム
ビグ・ザムが量産の暁には云々と劇中で発言があったが、PS3ガンダム戦記ではホントに量産されていたりする。
一年戦争後のジオン残党軍がどこかに隠し持って月面で運用していた模様。
ストーリーやフリーミッションで合計3機を破壊するミッションがあるのだが、他にもザクやゲルググまで大量に出てくる始末であり、もはや残党の戦力ではない。
足で歩行も行い、メガ粒子砲も爪ミサイルもしっかり再現されており、衝撃波まで放ってくる。
そして射撃ビーム兵器を跳ね返すのも再現されているため、ビグザム用の実弾と周辺のMS掃討用のビーム兵器の配分に苦心するプレイヤーが多かった。
たまに放ってくる大型メガ粒子砲は多段ヒット仕様で、モロに当たればほぼ即死、並大抵なシールドで防いでもボロ布を被せた程度にしかならないが、サイサリスシールド(DLCリビア「強奪部隊追跡」難易度HELLで入手)などの防御性能がA~Sクラスのシールドで防げば緩和可能。
更に今作の大型目標は部位破壊が可能であり、砲門やバーニアを破壊して性能ダウンさせることが可能。
オフラインではCPUを載せたガンタンク2機を補給拠点に置いて自動砲台にすれば雑魚敵狩り後に放置してても楽に攻略出来たが、ノーマルより上の難易度への挑戦はオンライン(CPU味方無し)のみであった。
仕様上はソロプレイが可能だが、難易度HARD以上を一人でクリアすることは(補給拠点の破壊や弾切れで持たない等の要因で)余程の腕前と装備が無ければ困難であった。
そのため、HARD以上のドロップ品などを目指し、ビグザム狩りと称した募集がオンライン全盛期では積極的に行われた。
そこにはガンキャノンのスプレーミサイルタイプとマシンガン・バズーカ二丁などの実弾火器の集中砲火で爆煙の中フルボッコにされるビグザムの姿が見られた。
立体物
また、食玩であるガンダムコレクションのプラモデル版にて1/400スケールのものが発売されている。
版権ガレージキットではB-CLUBから1/220スケールで発売。
SDガンダム系統からはGジェネレーションから発売されていて、小柄ながらもメガ粒子砲の角度が変更できたり、膝が可動する。
ROBOT魂ではプレミアムバンダイ限定で販売。1/144スケールに近いサイズでの立体化となり、その価格は税込55,000円。価格が高騰しつつあるROBOT魂でも破格の値段設定だが、サイズを考えると納得である。
このほか、SDガンダムフルカラーシリーズにラインナップ。※現在、入手困難
関連項目
ガルマ・ザビ……「エゥーゴVSティターンズDX」をエゥーゴ側Fルートでプレイし、EXステージ出現条件を満たすと、当該ステージに出現するビグ・ザムのパイロットがガルマになる(前述のギレンの野望が元ネタと思われる)。
アプサラス(ガンダム)……コンセプトが本機と同様となっている。
デストロイガンダム……MA形態の姿や武器が本機に似ている。