機体データ
※諸元はGファイター形態時のもの。
概要
ガンダムの行動半径・火力の拡大を目的に開発された重戦闘機。Gファイターはあくまで形態のひとつであり、システム全体の総称としてGメカ(G-Multiple Expansion of CHangeable Armaments:「ガンダム用多目的拡張可変武装群」の略という説もある)とも呼ばれる。
前部Aメカと後部Bメカで構成されており、このモジュール部分はGパーツ(G-Practical Advanced Research for Tactical System:「ガンダムを中核とする戦術システムのための実用的先端研究」の略という説もある)とも呼ばれる。ガンダム本体のAパーツ(上半身)・Bパーツ(下半身)・コアブロックとの分離合体フォーメーションGによって様々な戦闘メカに組み替えることができる。
単体の戦闘機としてもコア・ファイターを大きく上回る性能を持つため、ガンダムと一部パーツをドッキングさせての運用よりは、純粋に戦闘機として使用される事が多かった。
武装は、前部Aパーツの機体上部にビーム・キャノン(メガ粒子砲)2門、機首にミサイル発射口2門、後部下に4連装ミサイル発射口2基を装備する。
操縦系統はコア・ファイターと同様の規格になっている他、キャノピーは被弾の瞬間に自動で装甲シャッターに覆われる仕組みになっており、コックピットの耐久性は意外と高い。
また、Gファイター上部にガンダムを乗せ、ドダイYSのようにモビルスーツ(MS)を搭載するサブフライトシステム(SFS)として使用する事も可能。
ランバ・ラル隊を撃破した後に1機が、ジャブロー寄港時にさらに1機がホワイトベースに配備された。後者はソロモン戦、前者はア・バオア・クー戦時に失われている。
主なパイロットはハヤト・コバヤシ(第23話、第25話のみ)、セイラ・マス、スレッガー・ロウ。
既存のMSを強化パーツやサポートメカを用いて運用の幅を広げるというコンセプトは、Gディフェンサーやアームドベース・オーキス、Gパーツ・フルドドのような各種機体に受け継がれている。ZZガンダムとSガンダムはガンダム+Gファイターのコンセプトを単機で実現する事を目標に開発されたものである。
アナザーガンダムでもGファルコンやGNアームズなど類似の機体が登場している。
ガンダムとの合体形態
Gアーマー
ガンダム本体をGパーツが包み込むように合体している、最も基本的な形態。
『ガンダム本体と装備をそのままの状態で運搬する』という、ある意味Gファイターの基本コンセプトを最大限に活かしていると言える。
武装を持たせたガンダムを仰向けに格納しているため、分離(ボルトアウト)後ガンダムはすぐさま戦闘を開始できる状態となっており、運搬だけでなく対地強襲作戦にも対応可能である。
OVA『GUNDAM EVOLVE../11』ではG-3ガンダムを、漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』ではガンダム・ピクシーを搭載した機体がそれぞれ登場する。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では原作漫画、OVA共に登場。原作では顔見せ程度だったが、OVAではガンダムに代わりジムを搭載した機体が活躍している。いずれもデザインが変更されており、特にGアーマーはガンダムを収容しているかが外見からは判別できないようになっている。
Gスカイ
ガンダムのBパーツとコア・ファイター、後部Bメカが合体した形態。
コントロールはコア・ファイターのコクピットから行う。
性能自体はコア・ファイターの機動性と航続距離を高めたものでしかなく、武装はコア・ファイター本体以外に無いため基本装備での火力は低く、MS相手には牽制しかできない。ただしオプションでミサイルなどを翼下に搭載できるため、火力を補うことは可能。
速力と航続距離を活かした偵察任務や対空戦闘などに真価を発揮する。
また、残ったパーツがGブルイージーとなるため、ガンダム+Gファイターとは異なる形で空と陸からの連携作戦を行うことも可能。
一説には、これを基とし火力を増強した航空機がコア・ブースターと言われている。
Gスカイイージー
Gスカイを構成するパーツの内、ガンダムのBパーツを省いた簡易バージョン。その際にはコア・ファイター接続ジョイントを挟む必要がある。
基本的な性能や運用方法はGスカイと変わらないが、ガンダムが使用可能となる点が異なる。劇中でもこの形態でガンダムのSFSとして使用された。
Gブル
ガンダムのAパーツとコアファイター、前部Aメカが合体した形態。
平たく言えばビーム・キャノンを主兵装とする戦車であり、機動性は各形態の中でも最も低い。
しかし、バーニアを用いた滞空性能が高くある程度の空中戦も可能なため、61式戦車やマゼラ・アタックに比べれば、よほど軽快な機動性を有している。
また、ビームキャノンを最も最大限に活かせるため攻撃能力は高く、Aパーツにシールドやビーム・ライフルを持たせることで更なる火力や防御力の強化も可能となっている(ただしビーム・ライフルは本来「ドライブにBパーツの熱核反応炉が必要なため使用できない」という設定だった)。
OVA『GUNDAM EVOLVE../11』では、上述したG-3ガンダムを搭載したGアーマーが分離してGブルとなる。
Gブルイージー
Gブルを構成するパーツの内、コア・ファイターを省いた簡易バージョン。
Gブルではメイン制御をコア・ファイターのコクピットで行っていたのに対し、こちらはGファイターのコクピットで行うようになっているのが特徴。
それ以外の基本的な性能や運用方法はGブルと変わらないが、コア・ファイター接続部がむき出しになっているため、そこを狙われると合体不能となる欠点が生じている。
ガンダムMAモード
ガンダムの下半身に後部Bメカがドッキングした形態。ガンダム高機動型、ガンダム・スカイとも。
ビグロやザクレロなどの高速戦闘を得意とするモビルアーマー(MA)の速力に対抗すべく考案された。
Gファイターの大推力を得て更にそれを一方向に指向することで高速戦闘が可能となっているが、一方で機体バランスが悪化、AMBAC機動が阻害され運動性能は大幅に低下している。
そのため、対ザクレロ戦で一度だけ使用された後は使われることはなかった。
後にOVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、ジムを使用した「ジムMAモード」とも言うべきバージョンが登場。サイコミュ高機動試験用ザクと対峙し、Gアーマー形態でAメカと左腕を破壊されるも生存。相手の右腕サイコミュを撃墜し本体にも一撃見舞うなど善戦するも、頭を鷲掴みされメガ粒子砲の接射を受け撃墜された。
また、漫画『機動戦士ガンダム ヴァルプルギス』では、宇宙世紀0089年になってPMCウェルキャストが運用するジム・グラムが同様のMAモードを取っており、こちらは「ジム・グラム・スカイ」と呼ばれている。
Gバスター
ガンプラ「SDガンダム BB戦士」に登場するオリジナル形態。
履帯以外の上下が逆転したGパーツと、ガンダムのビーム・ライフルおよびシールド2枚が組み合わされている。
武装を集中配置した戦闘攻撃モードとされるほか、上面へのガンダムの搭乗が前提とされているようで、SFSとしての性格も強まっている。
バリエーション
プロトGファイター
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』に登場。
V作戦の一環で開発されたGファイターの試作機。
「Gシュライク」「Gイグニス」「Gアトラス」と言う3機のメカで構成され、合体して「Vファイターモード」と呼ばれる重戦闘機形態となることによりパワーアップする。
MS用のジェネレーターと兵装を流用した強力な宇宙戦闘機として、MSよりそのような兵器でこと足りると考えている連邦軍上層部への「ポーズ」として開発されたとも言われるが、合体機構をもつことからのちのGメカに繋がるコンセプトの技術検証機としての側面も持つ。
セキ技術大佐が開発に携わり、のちにモスク・ハン博士により各部アクチュエーターにマグネット・コーティングが施される。
宇宙世紀0079年9月、連邦軍のアンタレス作戦の一環として数度に渡り宇宙要塞ソロモンへの襲撃を繰り返して多くの戦果を挙げ、アナベル・ガトー大尉(当時)の高機動型ザクⅡの右腕を破壊し、ドズル専用ザクⅡを撃墜(ドズルは生還)すると言った活躍をした。
Gファイター爆撃型
雑誌企画『MSV-R』に登場。
機体内部にMS1機を収納できるペイロードを活かして、Gファイターを純然たる戦闘爆撃機として改良した機体。「武装変更型」とも呼ばれる。
宇宙用同様にキャタピラを排除し、ガンダムの収納スペースを燃料タンクや弾薬等の積載スペースに転用。インテーク上面にバルカン砲を装備し、コクピット後方のビーム砲をオプション装備用のハードポイントに変更している(装備として2連装ミサイルランチャー等数種の兵装が開発)。
開発開始が一年戦争末期だったため、実戦投入は8機のみのにとどまっている。
Gファイター宇宙用
『MSV-R』に登場。
宇宙用Gファイター。
宇宙での運用で必要のないキャタピラを排除し、エンジンを大推力のロケットエンジンに換装。主翼にメガ粒子砲を装備し、ガンダムの収納スペース部分には脱着式のウェポンベイを装備する。
Aメカ部のコックピットの他にウェポンベイにも砲撃手用にコクピットを有しており、攻撃と機体操作を分担するタンデム式としている。
Gファイター強襲揚陸型
『MSV-R』に登場。
一年戦争後にGファイター宇宙用をベースとし、ジオン残党の制圧・殲滅等といった局地戦を目的に、特務部隊の専用機として開発された機体。
機体中央に約30人の兵員を収容可能な「強襲揚陸用戦術兵装ユニット」を接続、カーゴの両サイドにはバンカーバスター用のパイロンが設置されている。爆撃型や宇宙型とは違いキャタピラは排除されていない。
その有用性から第一次ネオ・ジオン抗争後の宇宙世紀0090年にも運用されたケースが報告されている。
ガンキャリー
雑誌企画『MS-X』に登場。
重装化によって低下したヘビーガンダムの機動性と航続性能を補う支援機として、Gファイターを元に開発された輸送爆撃機。こちらも第一次ネオ・ジオン抗争後まで運用されていた機体が存在する。
Gパーツのような分離合体機能はなく、胴体下部にヘビーガンダムを格納する形式を取る。
胴体上面のビーム・キャノンや機首ミサイルといった武装も有しており、単独でも中型戦闘爆撃機として運用できる。
また、漫画『プラモ狂四郎』には本機を元にしたガンプラ「ガンキャリアー」が登場しており、新たに人型の「キャリアースーツ」への変形機構が加えられている。
GファイターⅡ
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場。
ガンダム試作1号機のサポート機体。ガンダム試作1号機と合体する事でGアーマーⅡとなる。
オリジナルのGファイターと違い機首操縦席は複座式で、AメカとBメカは伸縮式のアームで一体化している(ガンダム試作1号機自体コア・ファイターのドッキング方式が異なる事もあり、GスカイやGブルにはなれない)。
武装は破損したビームキャノンの代わりにガンダム試作1号機の試作ビームライフルを装着している。ガンダム試作1号機では出力の問題で使用できないロングレンジビームライフルも、数秒間隔という制限はあるが使用可能。
スーパーGアーマー
※イラスト中央の機体。
型式番号RX-G132。
ムック『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』に登場
Gアーマーの改良発展型として一年戦争後に試作された重戦闘機。
ガンダムの輸送と支援戦闘機としての能力に主眼が置かれており、AパートとBパートはアームによって接続されているため完全な分離はできず、ガンダム射出時にはAパートが上にスライドする形をとる。
武装は胴体上面に2門のビームキャノンを有するほか、胴体や主翼の下面にロケットランチャーポッドを装備できる。
また、機首にキャノピーは存在せず、パイロットの視界はカメラアイから得る形となる。
Gマリナー
漫画『シークレットフォーミュラ 水中型ガンダム』に登場。
Gファイターと同様の発想で開発されたと見られる、水中型ガンダム(アクア・ガンダム)用の支援兵器。
単体でも魚雷発射管6門を有する小型の潜水艦として運用できるほか、艦内のコンテナに水中型ガンダムを格納でき、さらに水中型ガンダムの腕部のみを露出させ、携行武装を用いたMA的な戦い方もできる。
一年戦争中に3隻が建造され、大西洋上でのテスト航海中に実戦に参加している。
Gボンバー
型式番号G-P.A.R.T.S DELTA。
アニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場。
Gファイターをベースにしてスガ・アキラが作成したガンプラで、宇宙世紀には存在しない。戦闘機でありながらMS並みの戦闘力を発揮する。
劇中ではカミキ・セカイの駆るビルドバーニングガンダムと熾烈な戦いを展開した。
詳細はGボンバーを参照。
余談
元来がおもちゃメーカーの要望による登場だったため、よりリアリティ志向となった劇場版ではコア・ブースターに差し替えられた(但し『めぐりあい宇宙』では作画ミスで一瞬だけだが2回だけ登場している)。
ただし、模型企画『MSV』あたりから、(どちらがホワイトベースに配備されていたかはともかく)両者は平行して開発・運用されていた、という設定が定着している。
一方で、玩具・プラモデル的には(当然といえば当然なのだが)コア・ブースターよりもこちらのほうが人気である。
そのため、クローバー亡き後の現在でもガンダムFIXやガンプラHG/MG/BB戦士などで発売されている。
ゲームではガンダムの別仕様として登場する事がある。
テレビマガジンでの扱い
さすがに現物確認はできないが、実は本機の登場をもって、
『4月スタートで半年余り』。 まぁ、覚えるくらいはイイ情報である。