概要
元々はバンダイのアニメモデル・マスコミモデル系統のプラモデルシリーズ「ベストメカコレクション」における「(機動戦士)ガンダムのプラモデル」のこと。→そこから略して「ガンプラ」と呼ばれるようになったもので、現在はバンダイのプラモデルの代名詞と呼べるまでになっている。また、近年ではバンダイ自身が使用するなど公式の略称となるほど浸透している呼称である。いつ「ガンプラ」と呼び始めたのかは不明だが、少なくとも80年代後半ではその略称で呼ばれている(後述のHGガンダムの取説にも『ガンプラ(ガンダムのプラモデルのことだよ)』と記されている)。
当然ガンダムの他ザクなどのMSやMA、さらには作中登場した架空の航空機や車両のプラモデルもこの範疇に含まれる。
かつては同業他社同様にスケールモデルも手掛けていたバンダイが、今までのアニメモデルでは顧みられなかったスケールモデル同様のスケール表記を採用・徹底した所からスケールモデルファン(というより潜在的に存在した高年齢アニメモデルファン)にも評価されて現在に至っている。
膨大な数の製品があるが、その総数に比べて完全に絶版と発表されている製品の数は非常に少ない。
またガンプラの歴史を顧みるに当たって、以降ガンプラ以外のプラモデルシリーズについても一部触れていく。
超ロングセラープラモデル
2020年で40周年を迎える、息の長いシリーズ。
最初に発売された「1/144 ガンダム」は1980年7月の発売。ちなみにアニメ『機動戦士ガンダム』の最終回が放映されたのは1980年1月26日。そう、ガンプラはアニメの放映終了後に展開が始まったのだ。バンダイはアニメのスポンサーではなかったので放映当時は玩具を出さなかったのである。
しかしガンダムという作品の人気が最終回後に青年・成人層に再評価され、『宇宙戦艦ヤマト』の艦船プラモデルの実績のあったバンダイに「ガンダムのプラモを出して欲しい」という要望が次々に届くようになり、ついに腰を上げたのである。
放映が終わった後のアニメのプラモを展開することに本当に需要があるのかは懐疑的な声もあったが、プラモデル商品としては異例の低価格と組み立てやすさで、顧客として想定していた青年・成人層だけでなくもっと小さな子供達にまで大ヒット(第一次ガンプラブーム)。そしてこのガンプラがヒットしたおかげで、ガンダムは続編やスピンオフが今に至るまで作られるようになったのである。
「ガンダムのアニメは見てないがプラモは持っている」というのは当時の小学生の間では当たり前の現象であったが、このこと自体は今の小学生でもあまり変わらないだろう。なぜなら、ガンプラは安定供給が自慢であり、30年以上も前の子供向けの低価格なキットでも普通に市場に流通させ続けているからである。とっくに放映が終了したアニメのプラモが普通のおもちゃ屋に置いていて子供のお小遣いで買えるなんて状況が確立したキャラクター玩具はガンプラくらいだろう。そしてそれは、それだけ人気と需要が衰えていない証拠ともいえる(ただ、後述のBB戦士シリーズの一部は、現在では生産できない部品が含まれているため、最近になって再生産が行われた際には、泣く泣く仕様変更がされるに至った事もある(武神輝羅鋼)。因みにこの話は少々分かりづらい形で『ガンダムビルドファイターズA』でも登場している)。
もちろん、古い商品をずっと使いまわしているだけではなく、新商品やハイターゲット向けの高額キットも毎年のように続々とラインナップされていっている。長い歴史の中で技術も進化してきており、プラモデルの歴史の中でも他のジャンルで類を見ないかなり特種な発展を遂げている。
主な進化を述べるなら
- ポリキャップ等、様々な素材を用途に合わせて採用する
- 塗装しなくても配色を再現できるようパーツごとに色分けする「色プラ」化(初期は白一色であった)
- 接着剤を使用しなくても組み立てられるスナップフィット(パーツ内側の棒部分をもう片方の穴に嵌めて接合する)方式を採用する(初期はネジを使用しているものもあった)
- パーツの接合面を処理しなくても目立たなくするようなパーツ分割をする
- 可動や変形といったギミック再現にも可能な限り力を入れる
……等々、一部では最早プラモデルではなく完成品玩具を組み立てキットにしたものとまで言われた事もある。
そしてこの仕様は他社ではあるがスケールモデルにも採用されており、大まかなパーツ分割や色分け、可能な限り簡略化した構造など、ガンプラの影響を受けたキットが多数ある。逆にガンプラの技術を応用したスケールキットはバンダイではほとんど見られず(例えば仮面ライダークウガのバイク「トライチェイサー2000」はスケールモデル顔負けの仕様だが、あくまでキャラクターモデルの範囲である)、ユーザーの中には「この技術を使った戦車や戦闘機のキットがバンダイで出てくれたなら…」とつぶやいている人も少なからずいる。
ぴあが2022年に発行したプラモデル関連のムック本ではガンプラは他のキャラクタープラモデルとは別格の扱いを受けており、それ以外でももはやそう扱われている。存在が大きくなりすぎていると言えなくもない。
なおプラモデルの金型は所持しているだけで税金が掛かるため、他社では不採算となれば廃棄されてしまうことがほとんどであるうえ、他社の(特にミニ四駆など低価格な)プラモデルが海外生産に移行している中で国内生産を維持する(ポケプラ、LBXなど他のバンダイプラモも)など、バンダイの体力には驚嘆せざるを得ない。
しかしながら、一部ラインナップが中国生産になっているものもあるのだが……(とはいえ、パッケージには「バンダイホビーセンタークオリティ」と書かれており、国内生産のガンプラとも全く遜色の無いクオリティである)。
発売はBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)・ホビー事業部(事業再編でバンダイから新会社に異動した)。
なお「ガンプラ」はガンダムシリーズの版権管理を務めている創通の登録商標でもある。
システムインジェクション
ガンプラの進化に合わせて開発されたバンダイ驚異のメカニズム。一つの型に異なる成型色や材質の樹脂を流し込む事で、ランナーに付いた状態で一つのパーツが多数の成型色で色分けされて彩色を再現したり可動部を生成する凄まじい技術。近年では事前にパーツ単位で印刷する技術も確立されているキャラクターの瞳を敢えて異なる成型色の樹脂の充填で再現するという狂気地味た真似を平然とやっている。
ちなみに他社がこれの真似をして、はめ込みで一枚のランナー状態に出来る様に型を作り個別に成形した多色のランナーを組み合わせて「多色成型」をうたったインチキ商品も過去には存在した。
カテゴリ分け
パーフェクトグレード
略称はPG。その時々の技術の粋を集めた最高級モデル。スケールは1/60。
価格も大きさもパーツ量もトップクラス。
マスターグレード
略称はMG。フレーム、内部メカディテールまでも再現した高級モデル。スケールは1/100。
プラモデル用に新たな画稿が起こされるのが慣例となっている。
価格も初期のガンダム(ver1.0)は2500円(+税、当時2575円)だったが、精巧さに比例して値段が上がっており、ガンダムver3.0は4725円になっている。
統一スケールな為、パーフェクトジオングなどの大型機は10000円以上する。
派生商品として、クリアータイプの「クリスタルバージョン」、メッキタイプの「コーティングバージョン」、「蓄積された技術による極限表現」を謳う「MGEX」が存在する。
また、LEDを内蔵し発光する改造キットとして、頭部(3機分)のセットやシャイニングフィンガーや石破天驚拳のセットなどがあった。
カトキハジメ全面監修のMGにはVer.Kaのブランドが付き、ボックスアートも専用の共通形式が用意されている。
近年はガンダムシリーズ以外にも『機動警察パトレイバー』のレイバーたちや、聖戦士ダンバイン、平成ライダーや『ドラゴンボール』のようなそもそもロボじゃないモデルもこのグレードでプラモデルが発売されている。
リアルロボットレボリューション
略称はR3。ガンダム以外のサンライズメカのMGに相当する仕様のキット。上記のイングラムやダンバインに続くシリーズとして独立した物とも考えられる。(なので正確には「ガンプラ」ではなく「ノンガンプラ」である)
強化型レイズナーや1/100ウォーカーギャリアなど、当時発売出来なかったアイテムを21世紀の技術を盛り込んだキットに、というケースもあり後述のRE/100シリーズに通じる物がある。
ハイグレード
略称はHG。
コレクションしやすい程度の価格でチープになりすぎないクォリティを実現したバランスのとれたシリーズであり、その時々の時代におけるガンプラの平均値を表していると言える。シリーズ全体ではスケールは統一されていないがガンプラでは1/144が主流。
宇宙世紀の機体を扱うHGUCをはじめ、いくつかのサブシリーズに分かれている。
詳細は当該記事へ。
HGUCハードグラフ
成形色を変更したHGUCのMSキットと、HGUCに合わせ1/144スケールなったUCハードグラフのライドメカ+MS用追加パーツのセット。
陸戦型ガンダムとザクⅡの2種類があり、名目上は『重力戦線』のシリーズとなっている(HGUCの通し番号はない)。ジムヘッド、61式戦車やホバートラック、ワッパなどの小型メカが欲しい人向け。
ただアニメ劇中に寄せディテールを控えめに造形しているHGUCとミリタリーモデルに寄せたハイディテール路線のUCハードグラフではディテール表現の乖離が顕著で、そのまま並べただけではやや違和感がある。
ハイクオリティー
略称はHQ。『機動戦士Vガンダム』のV2バスターガンダムとゾリディアの1/144キット。
通常のキットでは表現できないメカデザイナーのディテールを表現しているとされている。
ディテールびっしりという訳でもないし両方ともV2ガンダムとゾロアットの流用キットであるため、いまいち差は感じられない。そのためなのか、この2種で打ち止めとなった。
リミテッドモデル
略称はLM。EXモデルの前身か。
基本的に「売り上げの期待出来ないキャラクターを限定(リミテッド)生産」と言うコンセプトの簡易インジェクションキットなので、割高な商品である(値段は普通だが「大型化した無彩色のガシャポン」と言った出来)。詳細はリンク先を。
EXモデル
主に1/144HGシリーズと共演させるためのド・ダイやマゼラアタックなどのサブ・メカや1/1700の戦艦キット等が発売された。LMと似たコンセプトだが、此方はれっきとしたプラモデルであり出来も良い。が、それ故に高価(HGガンダムが1200円の時代に、ドップやジェットコアブースターが3000円もした)。
『戦闘妖精雪風』『カウボーイビバップ』などガンダム以外のアニメキット、『エースコンバット』などのゲームキットもあった。
リアルグレード
略称はRG。2010年にスタートした新ブランド。
HG同様の1/144スケールのサイズにマスターグレードと同等かそれ以上の情報量を詰め込んだ、とにかく凄いシリーズ。
特徴として「アドヴァンスドMSジョイント」と呼ばれる内部フレームを採用しているほか、パーツ量や精緻さも凄まじく、値段も下手なMG並みに高い。
精密さが災いした強度不足でブンドドするには不向きだったり、デザインやギミックも既存のガンプラとかなり異なっていて好みが分かれるところもあり、単純にHGの高級版という物ではない。
1/100キット各種
ここでは21世紀のアナザーガンダム・『SEED』『DESTINY』『VS ASTREY』『00』『鉄血』にて展開されたものについて述べる。『AGE』は1/100スケールはMGとして商品化されている。
アニメ放送期の販売のためにアニメ画稿設定に忠実な方向で立体化されており、デザイナーのアレンジが多いマスターグレードと趣が些か異なる。
開発時期によっては発売同時期のMGクラスの完成度を誇る物も存在する。
『鉄血』のものは第一期展開時に同スケール商品が上記したハイレゾリューションモデルで展開されたり、第二期からは『1/100フルメカニクス』と独自のブランド名が制定されているが、2021年6月からの新ブランドとの関連は不明。
REBORN-ONE HUNDRED
略称はRE/100。リボーンワンハンドレッドと読む。
MG同様の1/100スケールだが、MGよりもパーツ構成をシンプルにしている。
詳細はリンク先へ。
ハイレゾリューションモデル
略称はHiRM。
1/100スケールのガンプラの一つで、劇中の機体設定を「素材の組み合わせ」と「デザインアレンジ」でハイレゾリューション(高解像度)化するブランド。
詳細はリンク先へ。
FULL MECHANICS
略称はFM。
1/100スケールのガンプラの一つ。構造そのものは上記のREと同じコンセプトではあるものの、MG同様の1/100スケールで高密度のディテールと可動の両立を目指した新しいブランドである。2021年6月発売のカラミティガンダムが第一弾。変わったものでは若干変則的で上海で飾られた実物大フリーダムガンダムや横浜ガンダムと呼ばれるRX-78F00が商品化されている(国内では通販限定)。
また、ガンプラ以外にメイレスケンブもこのシリーズからキット化されており、こちらは1/48スケールとなっている。
メガサイズモデル
スケールは1/48。巨大なサイズを活かしたディテール表現と組みやすさがウリ。そのうえPGと比べて3/2~1/2ほどの価格に抑えているのも特徴。
組み立てやすさはニッパー等の工具は不要と言えるぐらいのレベルであり、タッチゲート仕様である上に専用のスクレーパーも付属しているため、購入してすぐに完成させることが可能。大型サイズながらもガンプラを初めて組み立てるユーザーにも非常に適していると言える(発光部分に関してはさすがに工具が不要とはいかない)。
また、色分けにしても組むだけでほぼ再現されており、且つサイズの大きさの割にはポージングの幅も比較的広いが、さすがにPGレベルのポージングは難しい。ガンプラには珍しく関節にはクリック機能があり、ポージング保持に役立っている。
大型モデルであるが、一部ギミックが省略されているものがある(例としてユニコーンガンダムの変身ギミックの省略)。価格と対象年齢のことを考えると致し方ないといえる。
2022年現在11種類(内、限定版は3種)が発売されており、どれもクオリティと組み立てやすさでの両立が出来ている点は良しといえる。
ハイパーハイブリッドモデル
略称はHY2M。
プラモデル形式のパーツに加えて、金属パーツや電飾用のLEDユニット、サウンドユニットなどをふんだんに用いた一種のマルチマテリアルキットであり、「ガンプラ」とは区別して扱われることもある。
MGのオプションパーツとしての意味合いが強い1/100スケールのヘッドユニット「HY2M-MG」や、1/60スケールのフルキットである「HY2Mグロリアス」に加え、1/24や1/12といったメガサイズモデル以上の大スケールのキットも発売されている。
1/24以上のサイズ帯になると、通常のガンプラで用いられる射出成形以外にもテクニカルブロー成形や押出成形、A.G.I.成形といった他分野で用いられる成形技術が活用されている他、組み立てにはボルトとナットが多用されている。
U.C.ハードグラフ
MSではなく、宇宙世紀の兵士や通常兵器に焦点を当てたシリーズ。MSもラインナップに含まれてはいるが、頭だけだったり腕だけだったりする。
タミヤの「ミリタリーミニチュアシリーズ」などと同じ1/35スケールで、パッケージもタミヤなどのスケールモデルキットを強く意識したデザインとなっている。中には特殊車両と言った現実にありそうなデザインのものもあるため、他のスケールキットと組み合わせても違和感は少ない。
REAL EXPERIENCE MODEL
ビッグサイズのキットに駆動・発光・サウンドなどのギミックを組み込むことで、「劇中シーンを現実世界で体感させる」というコンセプトが与えられたシリーズ。
2022年現在で発売されているのはノンスケール(全高約40cm)のユニコーンガンダムの胸像のみ。組立済の駆動発光ユニットに外装パーツを取り付けていく形式で、完全自動変形ギミックなどが組み込まれている。
旧キット
番組放送当時に発売されていたキットの通称。
箱スケール的なものが採用されていた影響からか、意外とスケールは雑多。
基本的に1/144スケールだが、1/220や1/550なども普通に混じっており、戦艦系統は1/1200など艦船スケールモデルレベルの縮尺となっている。ガンプラがスケールモデル的側面を持っていることがうかがえる。
Zガンダムのキットからは、各関節などの部分にポリキャップが採用された。
1/100レイズナーシリーズでは実験的にではあるもののスナップフィットが採用されていたが、ドラグナー辺りまでは組み立てには接着剤を必要としたものが多かった。リアル頭身のガンプラではスナップフィットは逆シャア・0080から。
1/100νガンダムの旧キットでは、強度を保つ為に付属のビスを使用して組み立てるようになっている他、フィンファンネルを背負ったまま自立出来るように足首の関節が重りを兼ねたダイカスト製となっている。
マスターグレードやハイグレードなどで、近年にリファインされた商品の『旧版』といった意味合いで使われる事もある。
永野護によれば、出来の良さ(バッシュなど例外はあるが)で知られるエルガイムシリーズ迄はメカデザイナーの監修を受けていたものの、Zガンダムシリーズ以降では行われなくなってしまったという。
ベストメカコレクション
ガンプラ以前から存在するバンダイのキャラクタープラモデルのシリーズ。初期のMSの旧キットがマジンガーZなどのスーパーロボットやダイデンジンなどの戦隊ロボとともにラインナップ入りしている。
キャラコレクション
ファーストガンダムに登場する人間キャラクターのキット。アムロ・レイからイセリナ・エッシェンバッハまで10キャラクターが商品化された。
情景模型シリーズ
1/250のMSとジオラマ、背景パネルのセット。オマケとして1/550(1/144のMSと同値段帯で発売されていたMAと同じ縮尺)のMSも付属。価格は700円。
「ランバ・ラル特攻」・「ジャブローに散る」・「テキサスの攻防」・「宇宙要塞ア・バオア・クー」の4種が発売された。
リアルタイプ
ガンプラ・ブームの渦中においてミリタリー調のカラーリングが流行したため、1/100の旧キットの成形色を地味なものに変更し形式番号や部隊章、コーションマークのデカールを追加したキット。
また、ガンダムベース限定品としてHGUCキットの成形色をリアルタイプ仕様に変更したものもある。
フルアクション
エルガイム、Z、ZZの1/100旧キットでは、商品名を「フルアクションXX(機体名)」とし、強度を補強するためダイカスト関節やビス止めを採用している。
ハイコンプリートモデル
略称はハイコンまたはHCM。プラモデルが作れない、というファンにも楽しめるよう、半組み立て済み、塗装済みで発売された1/144モデル。ポリキャップと一部ダイカスト関節を採用している。価格はおおよそ2000~3000円台。
MSはMSVのMS-06RザクⅡから、Zの機体やZZを経てRX-93νガンダムまで。他にはVF-1バルキリーやウォーカー・ギャリア、バイファム、エルガイムなどがラインナップ。
エルガイム1種のみだが、「スーパーハイコンプリートモデル」という高級版も存在する。
近年では小型1/200の「HCM-pro」(ハイコンプリートモデル・プログレッシブ/ハイコンプロ)というシリーズが発売されたが、現在休止中。
ハイコンプロの方は、実質完成済みアクションフィギュアと言えるがガンプラ扱いとなっている。ただし武装などは組立式で、「ホワイトベース討伐隊セット」に含まれるキュイのような完全なプラキットも存在する。
こちらの高級版は「スーパーハイコンプロ」で、スケールが旧シリーズと同じ1/144に戻されたが価格は7000円~とかなり高い。
また、同種の半完成モデルとしては『Vガンダム』放映同時に展開されていた「MS IN POCKET」もある。
スピードグレード
略称はSG。HCM-proと同じく1/200サイズのガンプラ。チャック付きのアルミ袋にプラスチック製のランナーと説明書が封入されている。シールやPCパーツは付いていない。
可動箇所はほとんどないが、ランナーにはすでにつや消しで大半の部分塗装とマーキングがされているため素組でも十分見栄えのある完成度になる。小型スタンド付き。
ラインナップはRX-78-2ガンダム、ウイングガンダム(TV版)、Zガンダム、ゴッドガンダムの4種のみで終了しているが、その仕様は後述のエントリーグレードへと受け継がれている。
ファーストグレード
略称はFG。
『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム00』に存在するが、1/144スケールの廉価版キットであることにのみ共通点がある。
『機動戦士ガンダム』のものはガンダム20周年を記念して「旧キットのリメイク」を意図して製作されたもので、ガンダム、シャア専用および量産型ザクⅡが発売された。スナップフィットこそ採用しているが、単色成形・ポリキャップ未使用といった点は旧キットを継承している。
『機動戦士ガンダム00』のものは、後述のコレクションシリーズの後継とも言える型式のもので、関節数が増やされ可動性などは向上している。エクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェのファーストシーズン主役機4機に加え、キャンペーン限定の0ガンダムがあった。
コレクションシリーズ
『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で発売された1/144スケールの廉価無可動シリーズ。通称「種コレ」。
とはいえ首・肩・太もも・足首は動くので多少のポーズは付けられる。また、ディテールが多少省略されている場合と逆に作り込まれている場合がある。
当時HGで発売されなかったストライクダガー・M1アストレイ・グーン・バクゥなどがラインナップされている(後にM1アストレイとバクゥのみHG化)ほか、HGへの流用が可能なソード・ランチャー装備状態のストライクガンダムも発売された。因みに、ソードの方は少々加工が必要。
またフォース・ソード・ブラストと3形態あるインパルスガンダムの中で唯一、ブラストインパルスが製品化されているのもこのシリーズである(後にプレミアムバンダイ限定でHGCE版が登場)。
なお、「コレクションシリーズ」というのはお客側の間でなんとなく呼び始められたものがなんとなく通称として定着したものであり、公式なシリーズ名称ではない。
アドバンスドグレード
『機動戦士ガンダムAGE』シリーズの廉価モデル。
略称はAG。
コレクションシリーズと同じく1/144スケールの廉価無可動シリーズだが、『AGE』放映中に稼働していたアーケードゲーム『ゲイジングバトルベース』に対応可能で、対応させるためのチップが付属している。また、デジタルカードダス『ガンダムトライエイジ』に使用可能なカードも付属している。
ゲームと連動するパーツが入っているためか再販されにくい。
当時HGで発売されなかったクロノスがこのシリーズで立体化されている。
エントリーグレード
略称はEG。
子供などの初心者の入門用キットとして「誰でも楽しく簡単に」をコンセプトとした低価格帯のシリーズ。
ガンプラ枠ではガンダムとストライクガンダム、νガンダムが発売。ドラえもんやカービィ、ウルトラマンゼロや仮面ライダーセイバー、江戸川コナンといった「子供たちのヒーロー」全般をプラモ化しており、あくまでガンダムはその一部として扱われている。
EGガンダムは、少ないパーツ数でHGキットすらも凌駕する脅威的な色分け、『30 MINUTES MISSIONS』などの系譜上にある簡易かつ可動範囲大な関節構造など、バンダイ驚異の技術力を結集した逸品となっている。
変則的な商品として、2022年にエントリーグレードのストライクガンダムと入浴剤のセットとなった『びっくら?たまご ドラマチックお風呂シリーズ』が発売されている(流通の関係上、発売元は赤バンダイ)。
なお、過去にはこれらとは別に、アジア圏を中心とした海外限定の廉価版キットとして「エントリーグレード」の名を冠したシリーズが展開されていた。ラインナップはガンダム、ストライクガンダム、ガンダムエクシア、ダブルオーガンダムの4種類。
武器セット
元は1/144での、ビームライフルとビームサーベルしかないガンダムや、ザクマシンガンしかついてないザクのための、ハイパーバズーカやヒートホーク、ほかグフサーベルなどの装備を補完するためのキット。
Ζガンダムシリーズでは主にMk-Ⅱとリック・ディアス、ハイザックなどの武装(Ζガンダムのランチャーなどはないので注意)が、ドラグナーシリーズではドラウ用の巨大ホーミングミサイルや当時珍しかった可動指の手首が入っていた。
最も充実していたVガンダムシリーズの物は、Vフレーム付属のものがかなり大ざっぱな形状だった手首を精密なディテールの物に交換できたり、小型化MSの利点かかなり大量のライフル・バズーカが封入されている。
また名前こそ違うがGガンダムシリーズでも、ローゼスビットを(文字通りスプリングで)飛ばしたりシャイニングガンダムを(中途半端に)スーパーモードに変化させたりできるパワーアップパーツを発売していた。
2024年現在でも武器セットは発売しており、『ガンダムビルドシリーズ』系統の一応はハイグレードシリーズに当たるHGBC(ハイグレードビルドカスタム)シリーズにおいて武器セットに該当するものが多く、『鉄血のオルフェンズ』のHG IBOではMSオプションセットとして1/144のモビルワーカーと武器がセットされたものが発売されている。
HGビルドカスタムシリーズ
『ガンダムビルドファイターズ』の開始と同時に展開され、『ガンダムビルドダイバーズ』でも継続展開されている所謂オプションパーツ関連のシリーズ。
様々なガンプラとの組み合わせにより幅広いカスタマイズが従来以上にしやすくなってる点はある。
種類的には主にブースター等のサポートメカに値するものが多いが、前述通り武器セットに該当する物も数種類存在する。
但し『ガンダムビルドファイターズ』及び『ガンダムビルドファイターズトライ』での本編ではその長所を活かしたとは言い難いものだった故に発売されてもさっぱりな結果を出してる。
また使い易さの幅広さという点においてもパーツ形状が特殊なものがあるためなのか、コトブキヤが出しているM.S.G.に劣っているとも言われてしまってもいる。
パッケージには様々な使用例が描かれているが、物によってはかなりカオスなものも存在している。そのカオスぶりも含めて、ガンプラは自由である。
なお、『ビルドダイバーズ』続編の『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』でも同様の商品が存在するが、ガンプラ同様に「HGBD:R」ブランドとして連番で発売されておりHGBCシリーズと扱われていない。
HG MSオプションセット
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のHG IBOシリーズは商品価格を抑える為に通常商品の武器が少なめになっているが、その代替に作中に登場するモビルワーカーの1/144スケールのキットと一緒に本編で使用された武器各種がセットされたものが第一期だけで4種類発売されている。CGSモビルワーカーとランスユニットにもなるショートバレルマシンガン、グレイズ用シールドのセット、宇宙用CGSモビルワーカーとテイワズMS用の重火器とグレイズ向けのオプションユニット、ギャラルホルンモビルワーカーとブルワーズ系MS用の武器のセット、ユニオン等仕様のモビルワーカーとガンダムキマリス用ブースター、グレイズ用バトルブレイドのセットとなっている。
第二期では、鉄華団モビルワーカーとガンダムバルバトスルプス用の武器や表情付き手首に使途自由なジョイントパーツとユーゴー用武器のセット、HDモビルワーカーとバルバトスルプス用武器と獅電用の武器等のオプションパーツとバルバトスルプス用表情付き手首に各種ジョイントパーツのセット、ガンダムバルバトスルプス用重火器にレギンレイズ用長距離レールガンとガンダムフラウロス用ナイフとショートバレルキャノン砲とガンダムヴィダール用表情付き手首と各種ジョイントパーツのセットが発売されており、二期は表情付き手首やジョイントパーツという拡張性のあるパーツが追加されている。また、シャルフリヒターとランドマン・ロディ、グレイズ地上戦仕様を再現する為のオプションパーツセットも発売。すげえよバンダイは。
何れも単色成形や成形色の少なさ故に塗装必須である欠点はあるが、クオリティはかなりのもの。
なお、後にプレミアムバンダイ限定でオプションセット封入で成形色変更及び商品化がなされている。塗装する環境すら確保するのも難しい住環境を考えると仕方がない。
ビルダーズパーツ
ひとつはシステムベースという、ディスプレイ用の棚(ハンガー)のシリーズ。
もうひとつはシステムウェポンシリーズと銘打った、半完成品の武器セット。国産ではない。が、ガンプラを名乗ってもみせる。
武器のスコープやグリップを取り替えることで別の武器に換装して楽しむことができ、ドワッジ用の斧などレアなものもある。
システムウェポンは、のちにガンダムベース限定商品として完全なプラモデル形式にリニューアルされた。
ビルダーズパーツHD
WAVEやコトブキヤに20年ほど遅れて、とうとうガンプラの公式汎用改造パーツのブランドが登場。
精密なディテールや1/144・1/100の両スケールに対応した豊富なラインナップを誇る。
BB戦士
SDガンダムを題材としたキット。BB弾やミサイルの発射ギミックを持っている物が多い。詳細は当該記事を参照されたし。
ちーびー戦士
BB戦士の弟分。一体成形のポリパーツ「ちーびーフレーム」を中心に構成されている。のちの『Vフレーム』やRGのフレームに繋がる意外と重要な存在。
ジージェネシリーズ
BB戦士のリデコレーションキットとして『SDガンダム GGENERATION』とのタイアップで発売されたキット。
後半は新規製作に切り替わった。詳細はBB戦士の記事を参照されたし。
元祖SDガンダム
厳密には「組み立て式玩具」だが、実質上プラモデルと言える存在。タカラから発売された『魔神英雄伝ワタル』の「プラクション」人気に対する刺客として送り込まれた存在。海外でも販売された実績あり。長い時期展開が終了し、完成品であるSDXに移行していたが、2016年にプレミアムバンダイ限定ながら新製品が発売されている。
SDEXスタンダード
海外で先行販売されたSDガンダムプラモのラインナップ。略称はSDEX。
BB戦士及びSDBFの流れを汲み、HGシリーズとの互換性を有している。
一部商品は日本では仕様変更の上でBB戦士として発売された。
SDガンダムクロスシルエット
2018年6月より展開される新たなるSDガンダムのプラモデル。略称はSDCS。
SDフレームとCSフレームの2種のフレームと外装の組み合わせで理想的プロポーションを実現する。
なお、『SDCS(SDクロスシルエット)』ブランドとしてマジンガーZとグレートマジンガーが登場。これによってSDCSはガンプラと言い難い独自のブランドとなった。
MASTER GRADE SD
2023年1月より展開されている、SDガンダムにマスターグレードの技術を大いに詰め込んだ大型サイズのプラモデル。
略称はMGSD。
フィギュアライズ
元は『ドラゴンボール』等のキャラクタープラモにして可動フィギュア。
MS少女・すーぱーふみなをHG化する際に(スターウォーズ系の)関節パーツが流用された。
一方で後のダイバーナミはこのブランドで発売されている。こうなった理由は「ダイバーナミはナナセ・ナナミのアバター(極端な言い方をすればコスプレ)であってガンプラではない」と言う設定が挙げられている(すーぱーふみなはサカイ・ミナトが制作したガンプラと言う設定)。
また、「フィギュアライズエフェクト」と呼ばれるエフェクトパーツもリリースされており、ガンプラと組み合わせてディスプレイすることも可能。
フィギュアライズバスト
アニメキャラの胸像(バストアップ)プラモ。最初に発売されたのはキラ・ヤマトとアスラン・ザラ。
ガンダムシリーズ以外にも『マクロスΔ』や『ラブライブ!』等が発売されている。
フィギュアライズラボ
ラボ(研究所)の名の通り実験的なシリーズらしい。
第一弾の「ホシノ・フミナ(水着)」では、肌の下に血が通っている人肌表現を成形色だけで再現すると言う変態技術を見せつけた。
- 従来は、モデラーが重ね塗りで再現していたもの。手間がかかりすぎて量産品では無理。
- 実は高級義手等では以前から使われていた技術。サイズも値段も、そもそも製造方法(量産体制)も違い過ぎだが。
エコプラ
バンダイホビーセンターやガンダムベース限定で販売されている、プラモデル生産の際に出る廃材を再利用して生産されたガンプラ。ホビーセンター見学の際などでしか購入できない限定品。
基本的には既存のHGやBB戦士などのリデコ品(しかも旧商品が中心)である。
アクションベース
ガンプラを飾るための台座。
宙に浮いている状態や飾るには不向きなアクションポーズを取らせるための補助用台座だが、背負い物のせいで素立ちさえ難しいモデルにも必須と言える(現在は簡易台座が付く事も少なくないが、あくまでも「簡易」なのでアクションポーズを取らせる事までは考慮していない)。
人によってはHGやMGを買う度に買い足すため、一番売れているガンプラとも言われている。キットによってはそれは同梱されているほどである。
なおアクションフィギュア用の同社「魂STAGE」を使うユーザーも居る。自由度は魂STAGEが上だが、強度や安定感はアクションベースが上。うまく使い分けよう。また、コトブキヤのフライングベースのような他社製品という選択もある。
ガンダムビルドシリーズでは、「GPベース」「ダイバーギア」等の劇中アイテムを模したアクションベースが発売されている。
また、『マクロスF』のS.M.S Ver.など、ガンダム以外の作品を題材にした仕様も存在する。
キャラスタンドプレート
ガンダム作品の登場人物をあしらったキャラクタープレートのプラモデル。ホシノ・フミナおよび『鉄血のオルフェンズ』のキャラクターのものが発売された。
付属のスタンドアームを取り付けることで、アクションベースと同様のガンプラ用台座として使うことも可能。
デコエアー
「架空のラッピング旅客機」という設定で、ミニサイズのジェット旅客機のキットにガンダムのラッピングを印刷したもの。ガンダム(RX-78-2)、シャア専用ザク、量産型ザクの3種類が発売された他、ガンダム以外にも『NARUTO』仕様などが存在する。
特筆すべきは、販売こそバンナム傘下のプレックスであるものの、キットの開発自体はバンダイ系列外のエムアイシー社が行なっているという点。つまり、海賊版などを除けば数少ないバンダイ以外が開発したガンプラとなっている。
なお、エムアイシーはS.H.Figuartsの原型制作などでバンダイとの他の繋がりもある会社である。
その他
ハイグレードとは異なる、主役機に限定したラインナップの『旧ハイグレード』や、若年層向けの低価格モデル、組立体験会などのイベントやガンダムベースのようなガンダム関連施設の限定品など、これらに含まれないシリーズも多数存在する。
海賊版
文字通り、バンダイ以外のメーカーが勝手に製作したガンダムのプラモデル。第一次ガンプラブーム当時には国産の代物もあったが、現在は中韓のメーカーが製造しているものが大半を占める。
「海外製」などと誤魔化されることもあるが、当然ながら創通・サンライズの許可は取られておらず、存在そのものが違法である。箱ガンダムのレジンキットのような(創通が権利を持たない)合法品もあるにはあるが。
バンダイ製ガンプラのデッドコピーに加え、ガレージキット並みにデザインがアレンジされたキットや、正規のガンプラとしては発売されていない機体(ザメルや1/144ディープ・ストライカーなど)のキット・改造パーツなどが野に放たれているが、バンダイのニッチを不法に食い荒らす存在であることに加え、キットの精度やアフターサービスの面でも劣悪な点があり、手を出すことで被るリスクは少なくない。リスク面でも倫理的にも決して手を出してはならない代物である。
なお、ガンガルやガルダンといった「ガンプラのような何か」とは似て非なる存在。海賊版ガンプラの取り締まりが強まったことを受けてか、比較的セウトなこちらの方向性を狙う中国メーカー、中華プラモも現れている。
ちなみに、WEB企画『ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』には、これらの海賊版を元ネタにした偽ガンプラ「ガンプーラ」が登場している。
絶版品
最初期の商品が今でも安定供給されているガンプラだが、「ハイグレード RX-78ガンダム」(MSジョイントを使用した最初期のHG)のみ絶版とされている。
その理由は多色成形用の特殊金型が疲弊し、再生産に耐えられなくなったため。
初代HGではほかにもZ、ZZ、Mk-2があり、どれも多色形成ランナーがあるが、これらの絶版アナウンスはされていない(ただし再販されることは稀)。
仕様変更で絶版になったものもあり、「HGBD ガンダムダブルオーダイバー」は別ユニットの追加された「HGBD ガンダムダブルオーダイバーエース」のリリースに伴うもので絶版となった。ただしこれは期間限定の商品ともいえなくない。
今は亡きシリーズ
↑「唯一の」に反して、実は歴史の闇に消えていったシリーズは数多く存在している。嘘だと言ってよバンダイ!
ロボチェンマン
1984年から1985年に展開されていた、後のSDロボ商品の嚆矢といえるディフォルメキャラクターモデル。プルバック走行ギミックを有していた。厳密にはガンダムシリーズのみではないものの、ガンダムシリーズも相当数ラインアップされていた。
カワルドスーツ
上記ロボチェンマンと同時期に展開されていたオリジナルメカに変形するギミックを有したディフォルメロボットプラモデル。全種が『機動戦士Zガンダム』から出ている為、BB戦士以前のSDガンダムのガンプラとして扱われることもある。
イロプラ
1980年代初期に多色成形機をもちいた色分け済シリーズ。1/250でガンダム・ザク・シャア専用ザク・グフ、Gアーマーが発売。中でも1/250であるにもかかわらず1/144ですら超えるギミックとプロポーションを持つ「1/250Gアーマー」は群を抜いて出来の良いガンプラである。
1/144と同等のフォルムと可動域であり、良い出来に分類されるキットであったが、初回生産のみで終了している。再版されない原因は、金型が現在と規格の違う海外製射出成形機使用前提による試作要素の強い製品であり、現在の成形機では生産できないためとされている。例外は「Gアーマー」だが、こちらは国内製の射出成形機に対応している商品なので現在でも生産されている。
フルカラーモデル
略称はFCM。『機動戦士ガンダム』初期の旧キットの一部MSをバンダイ中華工場の職人さんが塗装したもの。300円増し程度の価格で売られていた。
BB戦士用追加パーツ
『SD戦国伝』から『武神輝羅鋼』まで色々発売されたのだが、近年の再販でも触れられておらず多分忘れられている。
リアルタイプ武者ガンダム
武者、マークⅡ、ニューの3体が発売された。後にRGで復活した「MSジョイント」を最初に取り入れたシリーズ。同じくMSジョイントを採用したHGガンダムとは異なり、なぜかこっちは黙殺されている。
外装がABS樹脂であるなど低年齢ユーザーを主対象としていたのだが、文字通りの最初期のものであったMSジョイントがきわめて脆弱で、肘のロール可動などをするとたやすく破断する欠陥があった。関節ごと成型されていることも災いし、フレームに外装をかぶせるように組み立てないといけないため、若干面倒な仕様だった。HGガンダム発売時には肉厚と関節を改良された「MSジョイント2」となっている。
また、『モビルスーツ戦国伝』という模型独自のストーリーが展開されており、組立説明書には戦国時代を舞台にした巨大神像「武者頑駄無」の活躍が綴られている。
マイクロガンダム
Vガンダム放映時に発売された小型多色成形の半組み立て済みキット(本体はほぼ組み立て済み)。採算が合わなかったため打ち切りになってしまったらしい。
変なカラーの「ザク改高機動型」や「NT-1>アレックス」のチョバムアーマーを着た「Vガンダムキャノン」などの怪しいラインナップが光る。「ガンキャノン」の発売が予定されていたが金型の関係上見送りとなった。
Gメカコレコレクション
『Gガンダム』主人公側の機体陣の一色成形小型キット。1/220サイズ。一部ギミックやモールドが省略されているが出来はそこそこ。
クイックガンダムモデル
第1期GAT-Xシリーズのガンダム5機が発売された、『機動戦士ガンダムSEED』の簡易モデル。ノンスケールであり、サイズはMOBILE SUIT IN ACTION!!に近い。
間節部や武装はプラモデル形式のABS製パーツで、そこにPVC製・塗装済みの外装パーツを取り付けていく半完成品となっている。
ガンプラコレクション
「ファーストガンダムおよびMSVの1/144旧キットを1/2スケールで再現する」というコンセプトで展開された1/288スケールのシリーズ。
フォルムや単色成形な点は旧キットを再現しているが、スナップフィットが採用されており、パーツ分割などもオリジナルの旧キットとは異なる。また、旧キットでは発売されることのなかった作業用ザクがラインナップに加えられている。
菓子こそ付属していないが、ブラインドボックス形式で販売されるなど、その体裁は後述する食玩に近い。
アーマードレディー
所謂MS少女。詳細は当該項目へ。
ガンダムレーサー
田宮模型のミニ四駆ブームのフォロワーもといパチ四駆の一つであるハイパーレーサー4WDシリーズの一つとして販売された。食玩及びカプセルトイとしてSDガンダム版のSDガンダムレーサーも販売されていた。
ゲキタマン
1998年から1999年に展開されたSDガンダムシリーズの一つ。ビーダマンっぽい様で全然違うもの。コミックボンボンであおきけいが漫画を描いていたが、一番出番があった彼は未発売。
メダルマスター
ビーダマンのようなSDガンダムシリーズその2。機構はゲキタマン以上にビーダマンに近いが、発射するものはメダルに変えられている。なお、正確な区分は元祖SDガンダムと同様の「プラモデル形式の組み立て式玩具」である。
ガンダムダブルエックス(カラーバリエーションあり)とガンダムエアマスターバーストに、本シリーズ用に新たに設定された『SDガンダム シャドー忍伝』のキャラクターを加えた計9種類が発売された。
SDガンダム ターンフラッシュ
元祖SDガンダムの系譜に連なる、プラモデル形式の組み立て式玩具。LEDランプと連動した「ターンフラッシュ」というギミックが組み込まれており、これを用いたボードゲームなどをプレイできる。
ガンダム、シャア専用ザク、Ζガンダム、ウイングガンダムゼロカスタム、∀ガンダムの全5種類と短命に終わった。
騎馬ブレイカー
『SDガンダム三国伝』を題材にしたシリーズで、こちらも「プラモデル形式の組み立て式玩具」に分類される。
電動走行ギミックを持ち、バトルホビー色が強い……より正確にはクラッシュギアの後継と言える存在であり、クラッシュギアに馬の装飾を取り付けたような「騎馬」の上に武将のSDキットを乗せる形式を取る。
武将部分は角を除けばほぼ単色成形で、足の開閉以外の可動ギミックも存在しないなど、ガンプラとして見るとかなり簡易的な品である。また、『三国伝』のBB戦士キットを騎馬に搭乗させることも可能。
モビルスーツコレクション4
ツクダホビーが展開していたファーストガンダムのミニキットのシリーズで、数少ないバンダイ以外が開発したガンプラのひとつ。4機1セットで販売されたのが「コレクション4」の名前の由来である。
ノンスケールだが全高は約36mmに統一されており、ガンダム(RX-78-2)の場合はおよそ1/500となる。
なお、ツクダホビーは近い時期にホワイトメタル製の「メタルコレクション」も発売しており、造形は共通化されている。
ビームライフルキット
マルシン工業がクローバーと共同で商品化した初代ガンダム(RX-78-2)のビーム・ライフルのモデルガンキット。主なパーツはプラ製のものをランナーから切り出す形式を採用しており、こちらもバンダイ以外のガンプラのひとつと言える。
モデルガンらしく、キャップ火薬を用いたブローバック機構が組み込まれている。また、組立済みの完成品バージョンも同時に発売されていた。
後に「Vガンダム」放送時にVガン(ガンイージ)のビームライフルが発売されたが、発売元、仕様共に別物であり、こちらは引き金を引くとライフルの銃口が光り、発射音などのサウンドが鳴る仕様となっている。後の時代に同仕様の初代ガンダムのビームライフルが発売したが、こちらはサウンドのみとなっている。
B-CLUB製改造パーツ
もはやプラモデルではなくガレージキットの範疇ではあるが、『B-CLUB』はバンダイが出版していた雑誌なので半公式である。
ガンプラの顔や手首などをディティールの細かい物に交換したり、メガ・バズーカ・ランチャーやデュエルガンダム用バズーカといったオプション武装、はたまた06F2→06FZ、09→09Gなどのプラキット化されていない機体に作り替える用、などの各種拡張キットがこれでもかというほど出ていた。
また、ガンプラが発売されていない機体を一から立体化したガレージキットもラインナップされており、その中には実際のキット開発をボークスやコトブキヤが担当していたものもあった。
が、今となってはメガ・バズーカ・ランチャーさえプラキットとして登場している時代なので、ほぼコレクター用アイテムになっている。とは言え、アメイジングではない1/144レッドウォーリアのようなB-CLUB製換装パーツが唯一のキット化な機体も地味に残っており、フルキットにまで目を向けるとその数はさらに増える(ザメルなど)。
LM以上にガレージキットしている(レジン製や金属製など)ので値段がかなり高い。改造パーツであっても元キットの数倍の値段だったりする。
『B-CLUB』廃刊後もブランドとして販売が継続されていたが、2013年以降新作が発売されなくなった。各社でインジェクションキットが発売している影響もあるが、第一の理由は「ガンダムのロボットなら待てばキット化される保証がある」ことが関係しているといえる。
それ以降は、同種のキットがイベント限定でボークスなどから発売されるケースもあるが、一般発売のものはほぼ絶滅していると思っていい。
Bクラブソフビキットシリーズ
上述のB-CLUB製ガレージキットの一部。レジンキットと似たような要領でソフトビニール製のパーツを組み立てていくものだが、1/72ガンダム(RX-78-2)や1/75ケンプファーなどの一部キットは、武装や細部が簡易インジェクション形式のプラパーツとなった「一部プラモデル」とも言える仕様となっている。
フルアクション
こちらも「一部プラモデル」なガレージキットで、開発・販売を手がけたのはバンダイではなくウェーブ。
ソフビやホワイトメタルとインジェクションプラパーツを組み合わせるという点ではB-CLUBのソフビキットに近いが、プラパーツが占める部分は武装のみならず関節や一部外装にも及び、よりプラモデルに近い存在になっている。可動も確保されている。
『Ζガンダム』の1/144キットや『逆襲のシャア』の1/100キットなどがリリースされており、ジ・Oやバウンド・ドックなど、旧キットのラインナップから漏れてしまった機体も色々とカバーしていた。
雑誌付録
「ガンダムエース」や「ホビージャパン」といったガンダムを扱う雑誌に付属する形で販売されたキット。「電撃ホビーマガジン」のものはフロクグレード(FG)とも呼ばれる。
既存のガンプラ用の追加武装や改造パーツ、1/48などの大スケールの胸像(スタンド兼用のものもある)、『ADVANCE OF Ζ』のような雑誌企画と連動した登場機体の簡易キットなどが存在する。
再販されることは少ないが、過去に「電撃ホビーマガジン」の付録となった『AOΖ』の1/400キットや『ガンダムAGE』のウェア改造キットがセットとしてプレミアムバンダイ限定で再販されたケースなどもある。
販促用の粗品など
SDガンダムシリーズからHG関係まで多々ある。
Gジェネシリーズ店頭購入のオマケでは、貴重なドッゴーラやグラン・ザムなどの立体物があった。
2013年から始まった『ガンダムビルドファイターズ』と連動したHGカスタマイズキャンペーンではHGブランド一つにつき武器パーツが景品として貰え、好評からか2013年から恒例となっている。景品キットは基本的にその年限りではあるが、形を変えての再販が行われた事もある。
また、マーキングシールやスタンドが採用される事もある。
食玩
『機動戦士ガンダム』放送後から『機動戦士Ζガンダム』放送時にかけて森永より発売された「ガンダムチョコスナック」「ガンダムキャラメル」から、2023年現在の最新シリーズである「MOBILITY JOINT GUNDAM」に至るまで、プラキット型式のガンダムの食玩は多数存在する。「ミニプラ」からも過去にインパルスガンダムやスーパーショックガンダムが発売されたことがあった。
菓子のおまけとされるのが一般的だが、「きゃらか~ん」のように飲料のおまけとして展開されるケースや、「カップガンプラ&カップヌードル」のように菓子以外の食品のおまけになるガンプラもある。
現在ではBANDAI SPIRITSではなくバンダイのキャンディ事業部が管轄しているなど、いわゆる「ガンプラ」とは基本的には別枠として扱われており、その性質上再販される機会はほとんどない。が、再録と言う形での再販はされたことはある。
反面、「ガンダムキャラメル」のフライマンタやキュイなど、「Vガンダムモデル」のゾロ、「ユニバーサルユニット」のGビットやゼク・ツヴァイなど、「ガンダム名鑑ガム」のゲゼやマンダラガンダムなどなど、通常のガンプラでは商品化に恵まれていないメカがラインナップされることも少なくない。
また、ミニサイズフィギュアである「ガンダムコレクション」の特別枠として、クィン・マンサやビグ・ザムといった大型MS・MA、ホワイトベースやムサイなどの艦艇が1/400スケールのガンプラとしてリリースされたこともあった。
カプセルトイ
いわゆるガシャポン型式で展開されたキット。近年では「ガシャプラ」と呼ばれるが、『Ζガンダム』放送当時に展開された「デフォルメΖガンダムシリーズ」をはじめとして、同種の商品はその呼び名が生まれる以前から多数存在した。
「モビルスーツアンサンブル」のように、ランナーから部品を切り出すプラモデルに近い形式でありながら、関節などの一部のみがプラ製で主な部品はPVCなどのプラ以外の素材、というキットもある。
食玩と同様、現在ではバンダイのベンダー事業部が管轄するなど「ガンプラ」とは別枠扱いで、再販の機会が少ない点も同じである。
また、近い型式の変わり種としては、アーケードゲーム筐体「でるでるでるじゃん」用の景品として展開された「プラモカード」があった。
プレミアムバンダイ限定品
バンダイの公式通販サービス『プレミアムバンダイ』内の「ホビーオンラインショップ」で購入できる、完全受注生産品。2009年のHG RX-78ガンダムG30thプレミアムゴールドVer.を皮切りにスタート。
それまでは立体化できなかったマニアックなラインナップを可能とし、基本的にはガンダムAGE-2特務隊仕様や白式といったカラーバリエーション、イフリート改やガンダム・ピクシーといった一部パーツを一般販売品から流用したキットをリリースしているが、ガンダムTR-6やガンダムプルトーネ等の完全新規キットもある。マグアナック36機セットという、数的な意味で規格外のキットが発売された事も。
基本的に店頭には並ばない商品なので、(一部例外はあるが)箱はモノクロで各種解説も省くシンプルなデザイン。
また、一般販売品よりもマニアックなモデラーをターゲットにしているからか、ライトユーザーが敬遠する水転写デカールが付属する傾向にある。
しかし、(他のプレミアムバンダイ商品にも言える事だが)一般で販売しても問題なさそうなラインナップが登場する事も少なくなく、一部のファンから不満の声も上がっている。
(以下、HGでの例)
- 複数買い推奨の量産機(GN-XⅣ、ランドマン・ロディ、ドートレス等)
- 敵味方の後期搭乗機(ガンダムエアマスターバースト、ガンダムサンドロック改等)
- 映像媒体以外の主役機(クロスボーンガンダムX3、ガンダムジェミナス01等)
- カスタム機の元となった機体(ズサ、レギンレイズ、ストライクダガー等)
これら以外にも、あるグレードでは一般販売品だったラインナップが、別のグレードではプレミアムバンダイ限定になってしまう事もしばしば。
とはいえドートレスの様に、量産機ではあるものの知名度の問題から一般販売で売れるか不透明な物もあり、プレバン限定は妥当という声もある。
新型コロナウイルスに絡んだ現況と惨状
2020年初頭からの新型コロナウイルス蔓延によって、おうち時間を過ごすためにプラモデルが着目され、その中でも大人気商品のガンプラも当然のように飛ぶように売れるようになった。日本は勿論海外各国においても。
その結果、80年代もかくやのガンプラブームが予期せぬ形で訪れてしまうこととなった。
それによって、ガンプラですらそれまで着目していなかった転売ヤーの標的となり、新商品が一般販売はおろか、プレミアムバンダイ限定商品まで標的となり、普通に気楽に買える状態でなくなってしまっている。
新発売のアナウンス当日には買えない、なんて笑えない事態が常態化の一途を辿っている。
生産数と売り上げに対する現状
BANDAI SPIRITSはバンダイホビーセンターの新館を2020年12月より稼働開始し、プラモデル全般の生産能力を従前から約1.4倍に引き上げている。また、バンダイホビーセンター隣接のゴルフ練習場跡地を取得し、2025年からの稼働を目指している。
一部報道にもあるように工場は24時間体制での生産体制を構築している。
IR情報を参照すると近年のガンプラ国内出荷比率は生産数に対して約5割を推移している。各種報道によれば、ガンプラ生産個数は上昇を続けているため、下記記述にあるように生産・国内出荷を絞っているわけではない。
また、親会社であるバンダイナムコホールディングスの国内トイホビー事業における機動戦士ガンダム関連の売り上げは2019年以降上昇傾向である。(国内トイホビー事業すべてがガンプラというわけではないが)
ここまでの内容を踏まえると、コロナ禍以降は生産数・出荷数の上昇以上の過剰需要が生じていることによる品薄と見ても問題ないだろう。
インターネット界隈およびファンの反応
BANDAI SPIRITSは工場を増設する(2024年稼働開始予定)など増産への取り組みをしているようだが、BANDAI SPIRITSも国内一般小売店以上に富裕層の多い中国や東南アジア・欧米といった海外や通販、直営店のガンダムベースを重点的に人気再販品や新商品を流通し、一般小売店への流通が極僅かと実質滞っている状態になるなど、コロナ禍以前の気楽に購入できた状態からは想像がつかない異常事態に陥っている(ただ、ガンプラ以外のBANDAI SPIRITSの人気新商品(30 MINUTES SISTERSや30 MINUTES MISSIONSなどのオリジナルプラモ、サイバスターやアルトアイゼン、ゲシュペンスト、ヒュッケバインMk-Ⅱなどといったスパロボ関連など)も同様の状況が続いており、ガンプラに限ったことではない)。その点ではバンダイ以外でも起こっている事なので何とも言えないが。
とはいえ、製品が集中投入されているはずのガンダムベースでさえ、入荷のタイミングを逃せば棚はスカスカというどうしようもない状態が生じていたりする。それどころか整理券を配布するなど気楽に行けない状態にまで陥っているのである。
この現状故に、BANDAI SPIRITSが出している他のキャラクターモデルに対して、気楽に買える商品が売れない商品とレッテルを貼られるだけならまだしも、ガンプラを買うのに邪魔な存在と憎しみが向く状態となっている。
これらに関して、転売ヤーへの嫌悪感は勿論、増産出荷を増やしたとアナウンスしながらも状況が一向に改善していない有様にBANDAI SPIRITSに対する批判も起こっており、そのBANDAI SPIRITSに対する批判者をあろうことかBANDAI SPIRITSの狂信者が転売ヤーとレッテルを貼る等の人格攻撃にまで発展する事態にまでなっている。さらには小売店におけるガンプラをめぐるトラブルも全国各地で発生しており、小売店側が已むをえずガンプラ入荷を取りやめてしまう事態に陥っていることも珍しくもない。
新商品はおろか再販商品まで標的となっている影響からかトラブルも多発し、出荷予定表を悪用して買い占める転売ヤーも出たことから、BANDAI SPIRITSでは出荷予定が転売ヤーに知られない様、再販商品アナウンスすら一般ユーザー相手には取りやめる始末。それでもネット上では一般ユーザーに少しでも入手の機会を提供しようと出荷予定表を基にした再販情報を独自に入手して公開する者がいたため状況は改善されず、BANDAI SPIRITSが再販情報の公表を取りやめるよう訴えたことが賛否を呼んだ(勿論これは逆ギレの類ではなく、BANDAI SPIRITS側も一般ユーザーに対して最適な方法を検討しているという。言い換えれば再販品を欲しい一般ユーザーにも欲しいガンプラがいつ再販されるかを知らせるチャンスを捨てざるを得ない程に転売ヤーを警戒しているものと思われる)。
このような有様は日本はおろか世界各地で発生しており、海外ですら転売ヤーの悪行が横行しているという。ついにはBANDAI SPIRITSが同時に展開しているロボット系キャラクタープラモデル商品に対して、「そんなものを作って生産ラインを割くよりガンプラの品薄をなんとかしろ」という理不尽なヘイトすら起こる始末であり、それ以降のBANDAI SPIRITSが発表する新しいタイトルの商品に対して同じようなことが起こってもおかしくない状況にある。
さらに、一部の小売店はおろか小売店にガンプラを下ろす卸問屋がガンプラを小売店に卸さずにインターネット上のオークションサイトやフリーマーケットサイトにてダミー会社やアカウントを作って転売を働いていた、或いは新商品であるにもかかわらず発売日当日に中古品としてプレ値で商品棚に並んでいるという転売同然の行為を行っているとする疑惑がもたれたり、海外への勝手な並行輸入が行われる(バンダイとの契約違反)など、小売業関連や流通業の信用問題にまで発展。
このような問屋や小売業を擁護したり、これらの一件にはノーコメントと表明したプロモデラーに対しての批判やそんな問屋や小売業、流通業を擁護するバンダイの信者が批判者を誹謗中傷する事態すら引き起こしている。
個人の転売ヤーのみならずホビー中古市場大手でも中古ガンプラに1.5倍~2倍以上のプレ値がつく状態が恒常化しており、本来希少性では上のはずの絶版ヴィンテージプラモのほうが現行のガンプラより安い、という事態すら散見される。ネット通販大手でも第三者からの中古品販売を請け負っているため転売が横行しており、定価の直販品がプレ値の転売品に隠れてしまう状態が恒常化している。
2024年現在でもこの状況は未だ続いており、ガンダムベースや地方都市では「ガンプラ自体が手に入らない」というケースは減少した(とはいえ、来店時に在庫がない、と言った事態は稀に起きる)ものの、都市部ではガンプラの種類が、地方によってはまだ十分に在庫が戻っていない地域も多い。
2022年11月に行われたセブンイレブンのコラボガンプラ企画においては、転売ヤーの悪業のみならずバンダイおよびセブンイレブン本社の少量しか入荷させない品薄商法、セブンイレブン側の店員の不正行為疑惑によって炎上騒動が生じるなど、いまだあらゆる方面の信用失墜が浮き彫りにされている。
この様な状況から、品薄解消には最低でも数年はかかる見通しであるが、もはやバンダイは日本国内は品薄商法で凌ぎ主力市場は中国やその他欧米や東南アジアなど海外にシフトさせているのでは、要するに日本企業でありながら日本人のファンを見捨てているのでは、などと疑われる有様である。
おまけに、中国や東南アジアや欧米の模型コーナーでガンプラが潤沢に陳列されている映像や画像が出回る一方で、日本国内ではろくに流通が回復していない現況を見て、怒りと失望からかバンダイ及びBANDAI SPIRITSに諦観や敵愾心を抱くユーザーも当人の思想の左右に関係なく出てきており、中には「国賊」という強い言葉を使って批判を行うユーザーも存在する。
上記海外の資金潤沢な富裕層は下手をすれば日本以上に割高であろうガンプラを文句も批判もせずにじゃんじゃん買ってくれる上得意であり、文句を言う日本人は本音では切り捨てたい相手なのでは、とする辛辣な見方さえ登場する始末である。
また、バンダイはその歴史の中で、ブーム時に大増産をかけたたまごっちがブーム後に不良在庫と化し大赤字を出した経験や、特定作品のプラモデルのブームが終了した後、ブーム時の需要に対応すべく行った設備投資などが災いして倒産した今井科学の事例を目の当たりにしており(倒産後、イマイの工場や人員、一部製品などはバンダイが引き継いでいる)、それらを反面教師として供給体制の十二分な拡充を渋っているという推測が為されることもある。
品薄に伴うガンプラ売場の縮小と、それに前後して新たにプラモデル業界に参入したメーカーやキャラクターモデルに本格参入したスケールモデルメーカー、新興の中国メーカーなどが相次いで出現したことによって、かつてはガンプラが占めていた模型店や家電量販店の棚を、それまで扱いが小さかった他社のプラモデルが埋めつつある状況も散見される。
また、これらの中には儲けが見込めるのか不安になるようなニッチな題材のキット化を果敢に進め、一般流通に乗せてくるメーカーも少なくない。その手のアグレッシブな商品はおろかテレビアニメで相応の活躍シーンがあったガンダムさえもプレバン送りにしてしまいがちな今日のバンダイは、この点でも一歩遅れを取っているとも取れる。
バンダイ自体、過去にはリミテッドモデルやEXモデル、U.C.ハードグラフなどのブランドで、一般販売を選びつつもニッチな需要に応えていた時期はあり、現在の姿勢はその頃と比べると後退していると言えなくもない。
キャラクターモデル界の勢力図自体が、バンダイ一強あるいはガンプラ一強から書き代わりつつあるのかもしれない。
日本の「キャラクターモデル」というジャンルの中であまりにも大きな存在であり、さらに大きくなりすぎた「ガンプラ」とバンダイに対して現状多種多様なヘイトが向き続けている原因は、昨今のバンダイのプラモデル展開の姿勢と日本のガンプラユーザーが抱く希望・願望との乖離、そしてそれが「ユーザーの声の無視」という形で受け取られているがためと捉えることができるだろう。
これが信用を失う結果を招き、結果的にバンダイ自身の首が絞め続けられることになるのではないかと危惧する向きも存在する。
関連タグ
ケロロ軍曹…ケロロの趣味の一つと言うこともあり、作中によく登場する。
なおMGグフの発売のキッカケとなったのは本作でもある、そういう意味では下記の『ビルドファイターズ』以上に販促効果を出しているケースも度々見られる。
プラモ狂四郎 超戦士ガンダム野郎 プラモウォーズ ガンプラビルダーズ ガンダムビルドファイターズ ガンダムビルドダイバーズ…「ガンプラで戦う」内容の作品たち。うち『ビルダーズ』『ファイターズ』『ダイバーズ』はガンダムの制作元・サンライズが自ら制作。
BIRDIE_WING…アニメ制作会社がサンライズの関連会社で、作中にガンプラが登場する。
量産型リコ…プラモデルを扱ったテレビドラマ。バンダイが企画に一枚噛んでおり、ガンプラも複数登場する。
パーフェクトガンダム フルアーマーガンダム パーフェクト・ジオング…上述『プラモ狂四郎』が初出のMS。ちゃんと宇宙世紀にも組み込まれた稀有な例。
MSV ガンダム・センチネル 機動戦士ガンダムF90 シルエットフォーミュラ91…ガンプラ展開が柱の一つだったシリーズたち。
HGカスタマイズキャンペーン…ガンダムビルドシリーズ展開時に行われたキャンペーンの一つ。海外では食玩として展開された。
スケールモデル…キャラクタープラモデルにスケールを取り入れた走りの一つがガンプラである。
棚の守護神…店舗で売れ残るプラモデルやフィギュア、各種玩具の俗称。ガンプラにも存在する。
転売ヤー…ガンプラを私利私欲で取り扱う輩。