概要
1988年4月15日から1989年3月31日まで日本テレビ系列で午後5時~5時30分に放送されたサンライズ製作のファンタジーRPGロボットアニメ。全45話。自社お得意のメカアクションものでは有るが、蓋を開ければ基本王道の冒険物語でありつつも、その大半はギャグで占められている。
読み仮名は『マシン』であって『まじん』ではない(本放送当時から現在まで認知してない俄ファン及び情報番組とかではよく言われ続けていた事実)。
キャラクターの原型は、芦田豊雄の手による『宇宙少年BOY』というオリジナルイラストを『月刊OUT』に於いてTVシリーズ化をTV局プロデューサーに向け懇願したのが最初とされ、数年後に同雑誌読者投稿コーナー『流星皇子TOMYY』としてリメイク、CDドラマ化も成る。原案当初から龍が登場しており、深い繋がりを持つ。本来の放送形態は『鎧伝サムライトルーパー』との1番組2作品構想で行う予定(タカラ側ではトルーパーを推した)であったが、それぞれ独立した流れとなる。(新紀元社 メモリアルブック及び創世伝記 参照)。元々は『魔神英雄伝説タケル』の名で出され、主役魔神の名称込み案も存在するも、機体変更する為にボツ、商標上の都合で却下され現行タイトルに。
ゲストキャラを含めた敵キャラのネーミングやデザインなどは実在の人物やTVメディアを含めガンダムのバリエーションやDr.スランプの元気さ、ビックリマンの壮大な謂れなどパロディ要素が盛り込まれているも、アイテムや、世界関連は基本的に和名と仏教用語からで、声優陣も固有名詞の呼び方に四苦八苦している(此れは敵魔神についても同じ)。そのぶっ飛んだ小山氏お得意のネーミングセンスと芦田社長のデザイン、井内氏の真面目テイストとの塩梅はオリジナル作品ながらケロロ軍曹や銀魂のルーツとも言える作りである。初期は『ガラット調』なノリとセンスであったが、中盤戦以降は徐々に独自の作風として変化する。製作スタッフは近藤信宏、日高政光、福田満夫、谷田部勝義、川崎ヒロユキ、柳沢哲也、久行宏和、服部憲和をはじめ、後に他のアニメジャンルで高名になる人物が幾人も手掛けた。
効果音や登場人物の声優の多くは『機甲戦記ドラグナー』から流用、続投している。また、サブキャラや悪役は兼任している声優が多い(昨今余り変わらないが…)。
本編に於ける様々な設定の数々はカバヤのシール付きガムやタカラの玩具『魔神大集合』抽選でのファンクラブ会報、児童雑誌『コロコロコミック』『別冊コロコロコミック』で(月刊アニメディア、月刊OUTでは設定された情報を季節企画やコミカライズ、パロディ含め小出しに提供。芦田氏以下スタジオライブのメンバーが新規イラストや漫画形式パロディを幾つも書き下ろす)略補完されており、ガンダムシリーズには遠く及ばないものの、後続サンライズ作品に於けるメディア展開の先駆者とも言えなくない。コミカライズも『小学一、二年生』に掲載されて、たかや健二が作画を担当。また、別冊コロコロ~でも本作を題材にしたダイジェスト的なコミカライズを放映前と途中の挿話、後日談を掲載する。
2017年12月11日、スーパーロボット大戦Xでファン待望とも言えるスパロボ参戦を果たす。過去にはワタルの製作陣がスパロボ参戦に否定的であるという噂も広まっていたが、それを覆す形となった。18年11月5日に於いてスーパーロボット大戦X-Ωにも登場。魂ネイションでブランドが立ち上がった影響だろう。また、2021年にてスパロボDDでユニット参戦。同年6月末日よりラングリッサーモバイルでも中国版に続き限定イベント参戦するも、シナリオが原作細部に忠実でないので注意。12月22日よりラグナロクマスターズでもコラボイベントが開催。三国志系アプリでも参戦した。
上記の影響か、2020年春に新作『魔神英雄伝ワタル_七魂の龍神丸』のYouTube放映が決定。PVが魂ネイション等で10月25日10時より閲覧解禁。この項目はすぐさまTwitterワードにも20000件以上も検索され、賛否両論に呟かれた。
但し、後年出版された集大成ファンブックや大人向けアニメ丸分かり本、TVシリーズ公式HP、YouTubeの『ゆっくり実況解説』などでは、プロフィールをはじめとしたデータや専門用語の大半が情報収集不足で、補足説明が全く足りず、読み方や誤字、未掲載も複数有り注意が必要。pixiv百科事典でも主要人物だけでシリーズ毎に膨大な挿話と情報量から持ち合わせられず、正鵠な基本情報のみに要約される。
ピクシブに於いて
後継、派生作品全てをタグ付けされてないものが大半を占めるだけでなく本文作成で固有名詞の誤字、本作のタイトルだけ、含まれないのに表記するイラストも多く、今週の魔神のみならず、脇役や敵醜男の掲載は極めて少ない。正式名称のみの表記及び続けざまのタイトルタグが望ましい。
キャラクターや魔神もまた同様に漢字表記が簡易中国語が多いので日本での公式表記を推奨する。
あらすじ
桜舞散る夜、天空を一体の龍が飛び、手にする勇者の玉を真の救世主たる少年の元へ放った…
戦部ワタルはごく普通の小学生、今日も近道の龍神池へと向うものの、奇妙な勾玉を拾うも遅刻する。
図工の時間で作った寸足らずの粘土細工ロボットに祠に置いた筈の勾玉を掛け級友たちの目に留まる。
放課後そのロボットに名を着けた直後、龍に遭遇。天を飛翔し神々の世界に連れてこられる。
そこは灰色の虹がかかる巨大な山の麓の村。村人達からいきなり救世主さまと呼ばれとまどうが、ドアクダーの配下の魔神が全てを支配する為襲撃する。勇者の装束を纏ったワタルは果敢に戦うも手も足も出ず危機に陥る。
しかし、自分の名を粘土細工の龍神丸が語りかけ、剣を翳すと本物の魔神と化してこれを打ち破った。
かくしてワタルは神々の山に掛かる灰色の虹を本来の七色の虹に戻すため龍神丸と共にドアクダーを退治する冒険が始まったのである。
登場人物
※EDテロップで判明している分だけの掲載。『・』の有無も注意。▼は『ガム』での表記。
戦部アキコ(CV:伊倉一恵)
アップダウンシティの親子(母CV:滝本小百合)
アベ・コーベ市の女の子
アベ・コーベ市の男の子
ルマニア村の男の子
オユウ(CV:藤井佳代子)
ホットプレート村の若夫婦(夫CV:菊池正美)
マリアンネットの乳母(CV:上村典子)
ユーキ(CV:原えりこ)
センニーン仙人(CV:峰恵研)
イタロウ村の老婆(CV:上村典子)
マンニーン仙人(CV:峰恵研)
タゴ作(CV:龍田直樹)
イチロー(CV:高山みなみ)
シロー
コロガッテルの里の長老(CV:稲葉実)
コノミー(CV:水谷優子)
アリババー(CV:鈴木れい子)
サクラコ(CV:半谷きみえ)
ウルバンバ(CV:沢りつお)
タマンゴ(CV:龍田直樹)
ファイヤードラゴン(CV:稲葉実)
ジョン・タンクーガー(CV:龍田直樹)
Dr.サッカ・サマー(CV:沢りつお)
壮快山▼
アブドラ・ザ・馬之助(CV:亀井三郎)
ソイヤ・ソイヤ(CV:島香裕)
ドン・キホッテ(CV:石塚運昇)
イモ川短銃郎(CV:江原正士)
ドクトル・コスモ(CV:緒方賢一)
へドローナ(CV:郷里大輔)
ムコ・ハーン(CV:石塚運昇)
アック・スモッグル(CV:沢りつお)
ビビデ・オージ(CV:山下啓介)
ビビデ・シシカバ・ブー(CV:郷里大介)
ビビデ・セーキマ・ツー(CV:山寺宏一)
ビビデ・チビット・モレーテル(CV:塩谷浩三)
ビビデ・アラ・ビアン(CV:安西正弘)
ビビデ・ババ・デブー(CV:片岡富枝)
麻婆(CV:峰あつ子)
ウマシカ(CV:山寺宏一)
ニオー・オトート(CV:山寺宏一)
サンチョ・パンダ(CV:塩谷浩三)
ザン・コック(CV:稲葉実)
ザン・ゴロツキー(CV:龍田直樹)
ザン・ギャック(CV:笹岡繁蔵)
ドン・ゴロ(CV:稲葉実、21話以降~戸谷公次)
用語
神部界【しんぶかい】
人間の力では往来出来ない神々が住まう世界で、ヒミコやシバラクなども含め劇中登場する殆どの人物は普段着を身に付けている自然や世界を守る等の役割を持った神や女神である。元々は彼らの祖先も現生界生まれであった。
だが、闇を信奉する魔界の者との度重なる戦乱から人間が魔神に依存しつづける事を良しとせず、魔神の力で貫かれた先へと移住する。即ち現生界よりも外側に存在する世界である。
現生界【げんせいかい】
ワタルが住む世界。神部界の者はこう呼称する。書籍によって現世界とか現実世界やら人間界などと曖昧な記述がなされているも、監督が各メディア作品毎に意図的に設定を弄っている関係で無視して構わないが、一般的にはこちらを推奨。
魔界の者が侵攻しない理由は「魔界と似た状況なので制圧は容易い」と認識している節がある。
創界山【そうかいざん】
神部界の中心に聳える巨大な山。エベレスト以上の大きさで、本来はひとつの山であったが、数万年前の大戦で七つの界層に分かれ、支える柱もなく浮遊している。土や空気が特別ではなく、聖龍妃の慈愛を感じた神々の祈りの力で支えている為で、祈りを止めると浮力を失い墜落崩壊する危険な場所でもある。所謂ダンジョンRPGで言う『階層』などではない。年単位は創界歴、元号は神宝、月や時間帯は十二支、距離は馬里(ばり)で表す。
界層間の往来には虹の橋が使われるが、ドアクダーは橋を破壊して自由に往来を出来なくしただけでなく、劣悪な環境へと変貌させ侵入者を防いでいる。但し、第六界層と第七界層には虹そのものは存在せず、初めて訪れた者は試練聖域(魔幻空間)へと直行し試練を受けなければならない(一部例外もあるが)。
神部文字【しんぶもじ】
創界山と、その麓の周囲で使われている文体。既存作品の例に洩れず平仮名である。『古代神部文字』と呼称される文体も存在するが、此方は近年の神々は余り使われていない。
クレジット
創界山周辺で使用される通貨。日本円に換算すると若干高めである。1億ともなると国家予算にも相当する。
該当項目を参照。
魔神紋章【マシンもんしょう】
魔神のパーソナルエンブレム。同時に搭乗者の家紋も兼ねている。改良型等は基と成った機体の象徴も取り入れられている(例:龍神丸、龍王丸→勾玉、戦神丸、戦王丸→火焔の紋、幻神丸、幻王丸→手裏剣)。
ヒミコやオジジ、オババだけでなく、EXマン、タマンゴ、ヒャクニーン仙人、ブリキントンにも備えられている。当然ながら未登場の人物、住民達にも与えられている。
神部七龍神【しんぶ しちりゅうじん】
創界山を守護する七つの龍神達の総称。その大半がドアクダーの魔界力によって姿を変えられたり、封印されたりしている。彼らは神部界で自然的に発生した存在ではなく、別世界から降臨した意思ある者達である。
暗黒龍【あんこくりゅう】
魔界で崇められている守護神。初めて見た者か、力で屈服させたかで魔界の者は一人前と認められる。数万年前の大戦でたった一頭で創界山を蹂躙し七つの界層へと分断させ、複数の魔神をも物ともしない頑強さを併せ持つ。だが、より強力な神の武具には弱い。
神部七龍神とは容姿が正反対の西洋龍であるが、根本的なルーツは同じである。
魔界【まかい】
神部界とは正反対に位置する世界。『破界山』を中心に、下へと降りながら更なる暗き深淵の世界が続いている。劇中当初は存在を仄めかす台詞は一つもなかったが、中盤から『魔界ザン三兄弟』、『魔界王子虎王』と次々にキーワードとして挙がるようになる(食玩や駄菓子景品の粗筋ではこの言葉は既に書かれていた)。
戦国時代に相当する群雄割拠の日々が常に続いており、家族の情愛も薄く、常に陰謀や裏切りなどが付きまとい地獄すら生温いと云える。
最終目的は自分達を追い落とした『神聖』なる者に色濃く受け継ぐ末裔への復讐と抹殺であり、創界山の支配は足掛かり程度でしかない。
スタッフ
企画 | サンライズ |
---|---|
原作 | 矢立肇 |
キャラクターデザイン | 芦田豊雄 |
ゲストキャラデザイン | まんどりるくらぶ |
メカデザイン | 中沢数宣 |
企画協力 | レッド・カンパニー |
チーフライター(※1) | 小山高生 |
音楽 | 門倉聡・兼崎順一 |
音楽集(※2) | ビクター音産(株) |
音響監督 | 藤野貞義 |
音響製作 | 千田啓子 |
効果 | 依田安文 |
調整 | 依田章良 |
録音 | 整音スタジオ |
撮影監督 | 奥井敦 |
現像 | 東京現像所 |
設定協力 | 朝比奈祥和・北村晃男 |
編集 | 布施由美子 |
タイトル | マキ・プロ |
総監督 | 井内秀治 |
プロデューサー | 武井英彦・伊藤響・佐川祐子・吉井孝幸 |
アシスタントプロデューサー | 富田民幸 |
製作 | ASATSU・サンライズ |
※1)いわゆるシリーズ構成、メイン脚本。
※2)いわゆるサウンドトラックの版権発売元。
主題歌
OP
作詞、作曲:立花瞳 編曲:志熊研三 唄:a・chi-a・chi
ED
作詞:伊藤アキラ 作曲:池毅 編曲:志熊研三 唄:a・cti-a・cti
関連作品
NG騎士ラムネ&40:ライバルスポンサーの作品で、シリーズ構成は本作のチーフライターを務めた小山高生率いるぶらざぁのっぽが担当。同作の脚本に参加したあかほりさとるは同作を本作のパクリと冗談交じりに明言している。
ヤマトタケル:本作へのオマージュ作品。
シリーズ一覧
魔神英雄伝ワタル外伝(FC)
真魔神英雄伝ワタル-魔神山編-(OAV)
魔神英雄伝ワタル外伝-魔界突入物語-(コミカライズ)
魔神英雄伝ワタル-ANOTHER_STEP-(ノベライズ)
魔神英雄伝ワタル2(TVシリーズ)
超魔神英雄伝ワタル(TVシリーズ)
魔神英雄伝ワタル_七魂の龍神丸(YouTube配信)
魔神創造伝ワタル(TVシリーズ)
※2024年1月13日に制作決定の告知がされた
魔神英雄伝ワタル3(ラジメーション)
魔神英雄伝ワタル4(ラジメーション)
魔神英雄伝ワタル外伝ピュアピュアヒミコ(ラジメーション、ノベライズ)
魔神英雄伝ワタル外伝虎ブルファンタジー-伝説にならない三つの物語-(ノベライズ)
魔神英雄伝ワタル-終わりなき時の物語-(OAV)
魔神英雄伝ワタル-虎王伝説-(ノベライズ、ラジメーション)
虎ブルファンタジー-魔神英雄伝ワタル外伝-(ノベライズ)