月刊OUT

げっかんあうと

みのり書房から1977年から1995年にかけて毎月27日に発行されていた月刊雑誌。

概要

1971年に設立されたみのり書房は主にエロ劇画誌を出版していたが、オカルト・ブームに乗って創刊した「オカルト時代」の売れ行きが悪く、その後継のサブカル雑誌として1977年に創刊されたのが「月刊OUT」であった。

創刊号は金田一耕助特集が組まれ、横溝正史へのインタビューなど気合の入ったものであったが全く売れなかった。

しかし創刊2号で「宇宙戦艦ヤマト」の特集をしたところ、増刷がかかる程の売れ行きであった。アニメを扱わなかった創刊3号は売れず、扱った創刊4号が売れるという状況に、完全にアニメ中心の雑誌となっていった。

判型は創刊からしばらくは安定しなかったが、のちにB5版に統一された。

1995年、みのり書房が倒産し、「月刊OUT」（当時の誌名は「月刊アウト」）も5月号をもって休刊となった。

2019年02月20日、『OUT　宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 特集号』が、KADOKAWAから発売された。

特徴

アニメ雑誌として一般的なアニメ記事ももちろんあるが、読者の投稿によるパロディがより中心となっている点である。コアな読者が多く、『月刊ファンロード』の愛読者を「ろーでぃすと」と称していたのに対し、『月刊OUT』の愛読者は「アウシタン」と呼ばれていた。また、「イラストのファンロード」に対し「文字ネタのOUT」と対比されることもある。一応は対立関係にあったが、当然ながら大部分の読者は共通していた。

当時のハガキ職人には現在pixivユーザーとなっている者も見受けられる。

読者投稿コーナーにはさくまあきらや堀井雄二などもかかわっていた。

掲載作品

何気にゾイドの歴史やら超人ロックを連載する。ジャンプ放送局に登場したえのんも在籍していた。

また、アニメ番外編と云えるノベライズも短期集中連載されることもあった。

アニメ・ゲーム原作ノベライズ

• 鎧伝サムライトルーパー異聞　夕陽の果て
• 愛の戦士ダ・サイダー
• 魔動王グランゾート　光の結晶編
• 絶対無敵ライジンオー　　ラブレター大作戦
• 太陽の勇者ファイバード　火鳥くんは一生懸命
• ハルカはご機嫌ななめ
• プリンセスミネルバ
• NG騎士ラムネ&40XX

コミカライズ

• 超人ロック　聖者の涙

パロディ企画

これらのネタは既存作品のパロディとして掲載された。

• 宇宙編集者OUTシャイダー……前半は宇宙刑事シャイダー、後半は「時空編集者アウトシャイダー」として時空戦士スピルバンのパロディで、ちなみに実写。
• 機動戦士Oガンダム……機動戦士Zガンダムの続編を名乗ったパロディ作品。ちなみに本誌で小説として掲載した模様。
• 重合金マジンガイム……『重戦機エルガイム』+『マジンガーZ』らしい。
• 戦え!超ロボット生命体トランスファーマー……トランスフォーマーのパロディ。
• Zアニメーション特集（ゼータアニメーションとくしゅう）…ギリシア語アルファベットのZ（ゼータ）には7の意味がある=7年後が舞台の続編という意味でいろいろなアニメの続編の嘘企画特集
  • ZFマジンガーX（ゼータファイナルマジンガーX）……　マジンガーZから7年後
  • 未来少年Zコナン　……未来少年コナン
  • ゲゲゲのZ鬼太郎　……ゲゲゲの鬼太郎
  • 機動戦士ZZガンダム老衰のシャア（きどうせんしぜーたぜーたがんだむ）……7×7で初代ガンダムから49年後が舞台となる機動戦士Zガンダムの続編
• ガンダム兄弟……ガンダム+ウルトラ兄弟のパロディ。
• 「悩ましのアルテイシア」…機動戦士ガンダムのヒロイン・セイラ・マス（ アルテイシア・ソム・ダイクン ）のヌードイラスト。ガンダムファンに衝撃を与えたが、もちろん、サンライズ非公認である。この件に関して富野由悠季御大がすごいコメントをしたらしい。
• 輝け10人のスケバン刑事……スケバン刑事+仮面ライダーのパロディ。スケバン刑事1号～スケバン刑事ZX。
• ノーチラスター
• 流星皇子TOMMY……元は芦田豊雄が表紙に描いたイラストがもと。実際にはこのキャラクターは魔神英雄伝ワタルとなったが、そのパロディとして登場した。
• 超究極ロボマックスハイパービッグキングダム∞
• シャア猫のこと

読者投稿コーナー

• 絵・美・詩
• ゆう坊のでたとこまかせ
• 投稿時代
• よたろうらんど
• ザ・コンテスト
• ファンサイクロペディア
• ジュリーくんの、なんでもBEST10！
• 見たかキミは?
• やったねサンライズ！！
• 好きなモノはエトセトラ
• 聖闘士★親衛隊参上！
• マンガ&イランコーナー　絵ぇじゃないか

その最期

この雑誌自体は順調な売り上げであったとされるが、読者の投稿をメインとした雑誌の宿命である「内輪ネタの増加による新規ユーザーの減少」などもあり、徐々に部数を落とし、さらに出版社自体が黒字を出せなくなったこともあり、親会社の意向（詳細不詳）もあり、会社は解散され、それに伴い休刊となった。

後継雑誌として青磁ビブロス( BL系雑誌や書籍等の出版で有名な出版社だったが2005年に倒産、事業はアニメイトが出資したリブレ出版に引き継がれた )より出版されたMagazine MEGUが存在する。この雑誌は1995年9月から1997年9月まで出版された。ただし、この雑誌がOUTの影響のある雑誌となっているのは1996年11月の編集長辞任までである。

関連タグ

みのり書房　アニメ雑誌　ファンロード

ゆうきまさみ：1980年4月号に掲載された『機動戦士ガンダム』のパロ『ざ・ライバル』がデビュー作。

ジャンプ放送局：読者投稿コーナーの寄稿家が共通しており「ジャンプ放送局の前身」と呼ばれることもある。

外部リンク

wikipedia：月刊OUT

O U T S I T E