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ジャンプ放送局

じゃんぷほうそうきょく

週刊少年ジャンプにかつてあった読者の葉書投稿コーナー。略称はJBS。担当はさくまあきら。 読者コーナーとしては異例の人気で単行本(全24巻)にもなった。
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概要編集

ジャンプ黄金期を語る上での連載作品ではないが欠かせない半ば伝説の読者コーナー。

文章だけではなくイラストネタでも数々の常連を生み出した。

pixivネタ絵で(サムネで)隣り合った絵に矢印で突っ込みを入れたりするのがあるが、JBSでも定番のネタの1つであった。時代や場所は変わってもネタ職人の考えることはあまり変わらない。

ここではイラスト投稿のコーナーに絞った紹介をする。


ミスJBSコンテスト編集

数あるコーナーの中でもテーマを出してそれを題材にしたイラスト投稿コーナー『ミスJBSコンテスト』はクオリティの高い美少女イラストが数々投稿される名物コーナーのひとつであった。これはイラストが下手な投稿が相次いでいた為、少しでも絵の上手い投稿者を増やそうと設立されたもの。

実際、ここのコーナーだけの常連や、こっそりプロの現場で活躍していた人物が投稿していた事も密かに話題となっていた(中にはここ出身の常連からプロの道に入った者もいる:後述)。とはいえ名だたるネタで勝負するジャンプ放送局の常連でも採用がされにくいほどの採用率は極めてシビアであり(ネタとコンテストの二足の草鞋で活躍した常連も少なからずいる)、当時は雑誌でのイラスト投稿コーナーを持つ読者コーナーのなかでも指折りの一つには入るほどの知名度を持っていたという。もちろん、投稿は官製はがきのあのサイズでの投稿である。

ジャンプ放送局終了後はこのコーナーを発展させたイラスト投稿雑誌『チョコバナナ』をさくまあきらが自費で出版することとなる。


僅かながらではあるが、かつての投稿戦士(ハガキ職人)の中にはpixivに投稿している者も存在する。


ミスJBSコンテストの成功を受けて「ウルトラおもちゃ塾」と称したお題に対してメカニック物・ヒーロー物を扱うイラストコーナーを設立した。こちらはメカニックデザインやキャラクターデザインが得意な投稿戦士の登場が期待されたのだが、ネタに走りまくる投稿者が多くなった為に短命に終わる。


後に漫画家となった投稿戦士が掲載された例として、実はかつてはここの常連だったいわおかめめやVTR11ではあの町野変丸の作品がある。


NG大賞編集

本来は懲罰的にひどい絵のハガキを晒すコーナーだったが、いつの間にかなんでもありなコーナーとなり、意味不明や1発ネタのオンパレードであった。局員ネタは大抵ここに掲載されていた。

また、ここから新コーナーが誕生するきっかけとなる事もあった。



ドラゴンボール特集!!編集

上記のNG大賞から派生したドラゴンボールの一場面等のセリフ等を手描き改変したパロディを扱っていた。元々、ジャンプ掲載作品のパロディはNG大賞では盛んであったが、ドラゴンボールだけがコーナーに昇格した唯一の例。今となっては、いかにドラゴンボールが人気かつ看板作品であったかがわかるといえよう。

特にベジータが屈指のネタキャラとして人気であり、セリフ改変以外では「サザエさん頭のベジータ」「スッパマン化したベジータ」と枚挙に暇がない。今でいうならば手描きMADの部類であろうか。

JBSの恨み、晴らさでおくべきかベジータから皆様へ

イメージとしてはこんな感じの投稿である。右は実際に採用されたネタの再現。


あまりにもパロディの度合いがエスカレートしていった背景もあり、ドラゴンボールの連載がセルゲームに差し掛かったところでコーナーが終了した。


えのんを探せ!編集

えのんをさがせ

えのんネタの最高峰であるコーナー。

人混みから対象の人物を探す絵本として有名な「ウォーリーをさがせ!」が元ネタと思われがちだが、実はウッチャンナンチャンのやるならやらねば!のコーナー「ナンちゃんを探せ!」のパロディ。

ガチで背景に隠れているえのんを探させるものから、上記のイラストのようなネタに走ったものまで様々である。(どちらかといえば後者が多かった)

えのんのワンポイントな部分(目とか尻)しか描いていないものが多くなった事に対して、さくま曰く「三日月目の男を探せ!」や「ブツブツ尻の男を探せ!」になってきているじゃないか!と苦言を呈した事も。

派生ネタとして「さくまを探せ!」や「ちさタローを探せ!」などの局員ネタ、珍しいもので「バナナグローブ社員を探せ!!」なんてものもあった。


人気の度合い編集

当初は局員ではなく動物キャラがメインだったがウケなかったらしく、キャラとして局員が出てきてから人気が出てきたらしい。


ジャンプ黄金期をなぞるように掲載当時は数々の漫画とアンケートで戦っていて、その上で人気の落ち込みで終了することはなかった名物読者コーナーであった(終了理由は監修していたさくまあきらの健康問題から)。


2023年現在でも週刊少年ジャンプの読者コーナーの歴史において長期だったのはこのジャンプ放送局がダントツであり、次いで長期だったのは1970年代に存在した読者コーナー「ハレハレ笑学校」が約10年ほどである。この記録はいまだに集英社はおろか他社の漫画雑誌の読者コーナーでも打ち破られていない。


ジャンプ放送局終了後に後継として「ジャンポスト」が始まったのだが、ジャンプ放送局の圧倒的人気には及ばずにわずか1年ほどで終了し、しばらく週刊少年ジャンプには読者コーナーが存在しなかった時期があった程である(前述にある読者アンケートが少年ジャンプでは鉄則である為その影響が災いしたと思われる)。


2023年現在絶版であり、電子書籍化を含む復刊の動きは無い。投稿作品の権利問題やプライバシーの観点とする説があるが、投稿作品の諸権利は通常出版社が持つので実際の絶版理由については不明。


局員編集

※終了時点でのメンバー。


当初から局長としてジャンプ放送局の長として長らく務めていた。仕事の鬼としても知られていた。晩期には健康問題が現れだして編集にも支障が出ていたらしいが、終了直後に最初の脳内出血で倒れる。


「どいん」の愛称で有名だったメインイラストレーター。独身ネタを筆頭にモテないとか(冷)※とかのネタがあった。

※:「ツメタイオトコ」のルビがふられていた。


レイアウト担当。「えのん」「えのっピ」「えのサン」の愛称で「貧乏ネタ」で愛された。

最初期から既に参加していたが、キャラクターとして立ちだしたのは先任のレイアウト担当の青木澄江が勇退した頃からである。


アシスタント。参加当時はまだ高校生だった。声優業をこなしながらジャンプ放送局でアシスタントを務めていた。「ちさタロー」の愛称があり、ジャンプ放送局では「貧乳ネタ」が最後まで付きまとっていた。実はジャンプ放送局では三人目の女性局員。一時、海外留学で離れていたが帰国後に合流する。


その他編集

スタッフは皆、外部の人間であり集英社の人間は歴代担当であった編集者のみ(なんと初代担当かつ立ち上げ人はあのマシリトこと鳥嶋和彦である。)。作業もジャンプ放送局という部署があったわけではなく、週に一度集英社の会議室に集まって行われていた。

毎週大多数のハガキが届いていた為、スタッフの中に「しゅたたたた・・・」のハガキ仕分け人中西さん(中西日出海)という人が単行本巻末漫画「これがジャンプ放送局だ!」で度々描かれてきた。

その存在と名前は読者からも知られており彼の本業が何なのかは長らく謎であったが、実はさくまあきらの古い友人でありマネージャーであった事が後に判明。さくまの病気を機に「えのん」こと榎本一夫のデザイン会社「バナナグローブスタジオ」に移籍しているという。


最終巻のVTR24はJBS終了後に刊行されており、その後の局員の近況が語られたのだが、さくまが終了後に最初の脳内出血で倒れた事をこれで初めて知った人も多かった。


なお、ジャンプ放送局の終了は投稿採用者に送られていた小冊子「JBS新聞」で先に発表されていたという。



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