概要
悪のマッドサイエンティストで、則巻千兵衛をライバル視している。則巻アラレら自分の邪魔者を倒し、世界を支配することが目標。
1981年版では野島昭生・野沢那智・野田圭一、1997年版では置鮎龍太郎、劇場版では山田康雄、神谷明が演じた。
千兵衛をライバル視していることから、その才能は一応認めてはいるらしい(「千兵衛も世界征服を企んでるのか」と、初期の頃は勝手に見当違いな思い込みをしていた)。千兵衛の「Dr.スランプ」は渾名だが、マシリトは本名である。
悪のロボット・キャラメルマンを製作し、アラレや千兵衛に挑むが毎回敗北しており、途中からは自らをサイボーグ化している(キャラメルマン3号に乗って戦うも敗北、敗走している最中にトラックに轢かれたため)。
悪人だが、『Dr.スランプ』に登場するだけあって、どこか間抜けであり、ライバルである千兵衛からは「ムッツリスケベの変態科学者」と呼ばれている。
キャラメルマン等の性能からして、悪趣味な面も目立つが確かに優れた科学力を持っていることは証明されている。リモコンで操縦するタイプだけでなく、自ら騎乗し操作するタイプのマシンも制作しているが、一般的な自動車の運転免許は持っていない。
アラレに直接勝てないとなるや、アラレのエネルギー源のロボビタンAを製造している千兵衛に狙いを定め、彼に対する爆弾テロを2度に渡って実行しており(※)、それなり以上の悪党である。
(※)しかもあろうことか、爆弾は2回とも家に仕掛ける作戦を取っており、1997年版の気付かずに爆発してしまった世界線では千兵衛どころか何の罪もない妻のみどりまで死んでしまい、一家規模の大々的な葬式が執り行われていた(しかしタイムスリッパーで偶然自分の死の未来を知った千兵衛が大至急過去へ戻り、爆発寸前のところで投げ捨てたため、結局は無事に済んだが)。
その後、スパイカメラでアラレの構造を盗み見して、その構造を完全にコピーしたキャラメルマン4号(オボッチャマン)を作成。しかし、アラレと逆に礼儀正しい律儀な子供にしたのと彼がアラレに恋したこと、またキャラメルマン5号(マシリトがキャラメルマン5号で千兵衛に変装したただのハリボテ)を攻撃したこと(彼は忠実に命令を守っただけだが)で、完全に彼を見放す(それでも製作時は誕生したばかりの4号の真面目さに感動の涙を流すなど、意外な純情さも見せてはいた)。
オボッチャマンを見放したその後、新たに作成したキャラメルマン7号でアラレを一撃で破壊し、オボッチャマンの頭脳を機能停止に追い込む。しかしガッちゃんが二人に増えていたことを知らなかったために7号のゴム製の顎で捕まえていたガッちゃんの一人を取り逃がし、ガッちゃんズの無茶苦茶な操縦によって暴走した7号に踏み潰された挙げ句、7号は自爆した(1997年版では、ニコチャン大王の特攻によって暴走した7号に踏み潰された末、ゴム製の顎から脱出したガッちゃんの光線で7号は爆破した)。そして最終的には、自らを完全に機械化した(もはや顔の表情意外で人間の部分は外観にない)キャラメルマン9号の姿になって登場。
賞金40万円をかけた「世界で一番つおいのだーれだ大会」の決勝戦でアラレをエネルギー切れに持ち込むが、アラレに変装したオボッチャマンのあいさつ砲で粉々にされ、ネジとバネだけが残った。最終回では幽霊として登場している。その為、本作の登場キャラクターでは唯一同じ世界観であり次元が異なる同じ作者の後作の『ドラゴンボール』の魔人ブウの地球爆破以前に死亡をしたキャラクターとなっている。
なお、アニメ版では残骸のネジから復活を果たして則巻家にリベンジマッチを挑むも、またしても敗れている。ショートアニメ「Dr.MASHIRITO ABALEちゃん」には隠し子のマシリトJr.(CV:野沢那智)が登場している。
そして、『ドラゴンボール超』第69話では、なんと地獄を脱出してしまい、幽霊として再びアラレ達の前に現れている。
最も優れた発明品を決める式典「世界発明品アワード」に招待されなかった腹いせとして、遊びたい気持ちを増幅させる薬「アソビタインX」をアラレとガッちゃんに飲ませて大暴れさせ、会場を滅茶苦茶にするように仕向けた。
マシリト本人も幽霊の身体で物理攻撃を無力化し、千兵衛とトランクス達を手こずらせたが、ブルマの機転により呼び寄せられた破壊神ビルスに対して無謀にも「誰だか知らんが空気読め!ボツにするぞ!」とつっかかった結果、見向きもされないまま呆気無く破壊されてしまった。
鳥山明の世界のキャラクターでも、ここまでの状態になったのは極めて珍しい(過去には2名(ないし3名)存在している)。
ただし、続編の『ちょっとだけかえってきたDr.SLUMP』及び1997年のリメイク版『ドクタースランプ』では死んでおらず、前者に準した劇場版第7作では千兵衛とお笑いロボット対決を繰り広げるも、お互い低レベルな親父ギャグで爆笑するほどギャグのセンスが低かったり、9作目では(ある意味似た者同士な)スッパマンと意気投合して一緒に飲み明かしたりしている。
モデル
名前や顔のモデルは当時の担当編集者で、後に集英社の専務となった鳥嶋和彦(漫画中にマシリトとは別に鳥嶋氏本人もたびたび出演している)。もともと千兵衛のライバルキャラには別の原案があったのだが、鳥嶋氏に「インパクトがないからボツ」にされてしまい、内心カチンときた鳥山氏が生み出したのがこのDr.マシリトだったというわけである(名前はトリシマを逆に読んだだけ)。鳥嶋氏は「『お前のいちばん嫌いなやつ、嫌な奴を描いてこい』と言ったところ、自分の顔が描かれた」と語っている。当然鳥嶋氏は激怒したが原稿が締め切り直前でやり直しが許されない状況であったため、やむなく通されたとか。しかもその回が読者アンケートで人気になってしまい、やめろとも言えなくなってしまったのだそう。作中でもマシリトが鳥山に対して「ボツにしてやる」と脅迫する場面がある。
『Dr.スランプ』のヒットやアニメ化などの影響であんまりにしょっちゅうマシリトと呼ばれる為、当初ウンザリしてしまった鳥嶋氏はDr.スランプ連載中にアフロヘアをやめてその後の髪型をDr.スランプ作中に出すことを禁止した(この間、鳥嶋氏を作中に出すときは必ずほっかむり等で髪型を隠していた)。しかしマシリトのことは別に嫌ってはいなかったようで、後にVジャンプ編集長時代にはかつての人気も落ち着いたためか自らマシリトと名乗ってネタにしていた他、『ちょっとだけかえってきたDr.SLUMP』及び1997年のリメイク版では髪型が変更され、アフロヘアを直した後のストレートヘアになっている。
なお、現在の鳥嶋氏は加齢のため白髪となっており、当時の面影はない。
ちなみに千兵衛は30代のうちにてっぺんハゲになる。
関連イラスト
関連タグ
小泉純一郎(顔が似ているとされる)
マトリフ(モデルが同じジャンプキャラ)