概要
頭部の一部/全部に頭髪が一時的/恒久的に失われた状態を指す俗語、またはそのような人を表す蔑称。スキンヘッドとも言う。
山に木や草が生えていない様子も、上記のような状態になぞらえてハゲ(禿山)などと言う。
原因
男性は中年になると頭頂部の髪が薄くなったり生え際が後退してくる人が多く、これは男性型脱毛症(AGA)と呼ばれる。遺伝による個人差が非常に大きく、早い人では10代終盤や20代でハゲが始まるが、かなりの高齢になっても髪が減らない人も居る。
AGAでハゲが始まる部位は、額もしくは旋毛のどちらか片方もしくは両方が一般的。側頭部からハゲて来る場合は円形脱毛症などAGAではない可能性が高い。AGAの原因には男性ホルモン(テストステロン)が密接に関わっており、頭皮に運ばれたテストステロンが悪玉男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて毛母細胞の成長を抑制すると言うのが定説。このためAGAで髪が無くなった頭皮はツルっパゲに見えても毛根は残っており、細く短い毛が生えている場合が多い。女性の場合も同様に中年以降は頭頂部を中心に髪が薄くなる人がかなり多いが、男性のように完全にツルツルになるケースは稀である。
なお、一見AGAに見えても実はストレスによる円形脱毛症、パーマや染髪などの薬品、またはシャンプーやリンスなどの不適切な使い方、若い頃からの喫煙習慣などが直接的な原因を招く場合もあり、この場合は原因を取り除けば目覚ましい回復が望める…はずだが、なかなか治らず辛い思いをする人も多い。
近年では皮膚科でも「AGA治療」を看板に掲げる病院が増えており、薬剤投与やシャンプーの使い方指導などが行われる。中でも抗男性ホルモン薬フィナステリド、デュタステリドの服用は効果的で、かなりの確率で脱毛の進行を止める事ができ多少の増毛も期待できるが、保険はきかない上薬を飲み続けないといけないので、治療費はそれなりにかさむ。
ハゲにまつわる文化
洋の東西を問わず霊力・活力と同一視された頭髪を(特に自分の意に反して)失うことは、不名誉であり死にひとしい事だとみなされてきた。わが子が捕虜にされた時、子が剃髪されるよりもその死を選んだ逸話もあるほどである。
一方で決別のために髪を切る(剃る)習慣も生まれた。例えば、仏教僧の坊主頭やカトリック修道士のトンスラは俗界をはなれ神や仏のしもべになったことの証明である。
対処法
かつらをかぶる、植毛、増毛など様々な技術での隠蔽行為が可能であるが、ある日突然増毛すると周囲で「ヅラ疑惑」が囁かれるようになり、あっさりとバレてしまう。
サイドに髪が残っている場合はそこだけ伸ばして頭頂部に被せてバーコード状にするという古典的な方法もある。本田圭佑はオシャレとしてバーコード調のヘアスタイルにしたところ、翌日イギリスの新聞の「ワールドカップの変な髪形」特集で「彼の母国の伝統の髪型」と紹介されてしまい、その翌日にはまた髪型を変えるハメに陥った。
つまり、バーコードでの隠蔽は世界的に見てもおすすめはできない。
禁句
ハゲの人にハゲと言ってはいけない。
自らハゲであることを好意的に受け入れている人もいるが、多くは気にするものであり、基本的に禁句。「口は災いの元」というように、デブの人にデブと言ってはいけないのと同じくらいのタブーである。
どのくらい禁句かと言うと「このハゲー!違うだろー!」とハゲを罵倒した女性議員は次の選挙で落選したが、不倫した女性議員のほうは当選したくらい、言ってはいけない言葉である。「このハゲー!!」はTVで連日連呼されたため流行語大賞候補にもなったのだが、発表時はなぜか「違うだろー!」のほうに置き換えられていた。
もちろん、ハゲではない人にハゲと言うのも事実無根の中傷に当たるため言ってはいけない。かつて爆風スランプのサンプラザ中野くんがある歌番組に出演した際、「私の毛根は生きている。『坊主』とか『スキンヘッド』とか言われるのは構わないが、決してハゲではない」と強く訴えたことがある。
遠回しな言い方でも禁句に当たるものもあり、アメリカのコメディアンであるクリス・ロックは、アカデミーで司会を務め、ウィル・スミス、及びその妻も同席していた。クリスは、ウィルの妻に対して「GIジェーンみたい(※)」というジョークを飛ばしたが、そのことに夫であるウィルがキレてクリスにビンタした上、罵声を浴びせるという最悪の出来事が起こってしまった。
※「GIジェーン」は、スキンヘッドの女性兵士が活躍する映画。ウィルの妻は、脱毛症に悩まされており、クリスはそのことを知らずに傷つけてしまった。
「ハゲいじり」の重すぎる代償
繰り返すが、ハゲの人にハゲと言ってはいけない。
古事記にも、というわけではないが旧約聖書にもそう書かれている。
―エリシャはそこからベテルに上った。彼が道を上っていくと、町から小さい子供たちが出て来て彼を嘲り、「禿げ頭、上って行け。禿げ頭、上って行け」と言った。
エリシャは振り向いてにらみつけ、主の名によって彼らを呪うと、森の中から二頭の熊が現れ、子供たちのうちの四十二人を引き裂いた。(列王記下2:23-24)
上記のクリス・ロックが遠回しに言った「言葉の代償」が、ウィル・スミスのビンタ事件につながってしまった。
アニメでの規制
原作となった漫画では普通に「ハゲ」という単語が出てくるが、アニメでは規制の関係上、別のセリフに差し替えられていることも多い。
例
- サイボーグクロちゃん…「あのハゲ殺したい」→「あのバカとっちめたい」
- ボボボーボ・ボーボボ…「マルハーゲ帝国」→「マルガリータ帝国」
ハゲキャラ
天然ものではなく剃っているだけの坊主頭・スキンヘッドの若者なども、十把一絡げに「ハゲ」と呼ばれがちである(ドラゴンボールのクリリンが主な該当例)。
俗に「ハゲとオカマとジジイは強キャラ」と言われている。
地肌と頭髪の色が似ている黒人男性はもとより、メイン画像のジェイソン・ステイサムのような白人の男性は頭の形状からハゲが似合うと言われている。
ハゲが悪目立ちしがちな黄色人種にも、例えば渡辺謙のように薄毛がセクシーと捉えられるイケハゲ男優がいる。
主なハゲキャラ
- 磯野波平(サザエさん)
- ヴォルデモート、キングズリー・シャックルボルト(ハリー・ポッター)
- 海坊主(シティーハンター)
- 星海坊主(銀魂)
- 江田島平八(男塾)
- カツラ(ポケットモンスター)
- キース・シャーディス(進撃の巨人)
- 亀仙人、天津飯、ナッパ(ドラゴンボール)
- サイタマ(ワンパンマン):ヒーローネームがハゲマント。
- シグマ(ロックマン)
- トップハム・ハット卿(汽車のえほん)
- ハゲ田ハゲ丸(つるピカハゲ丸)
- バスク・オム(機動戦士Ζガンダム)
- フォンセ・カガチ、ロメロ・マラバル(機動戦士Vガンダム)
- マスター・ゼアノート(キングダムハーツ)
- メイス・ウィンドゥ、最高指導者スノーク(STARWARS)
- 斑目一角(BLEACH)
- ルード(ファイナルファンタジー7)
- 角中正樹(ヒューマンバグ大学)