望みはない……助けは来ない。
ヴォルデモートの足下に跪いて死ぬものか……
父さんのように、堂々と立ち向かって死ぬのだ。
たとえ防衛が不可能でも、僕は身を守るために戦って死ぬのだ……。
「エクスペリアームス!」
注意
- タグ「ハリー・ポッター」は作品名『ハリー・ポッターシリーズ』を指すために使われていることも多く、キャラクターの「ハリー・ポッター」を意味するタグとしてほとんど機能していない。そのため、キャラクターの「ハリー・ポッター」を描いた作品には「生き残った男の子」などの異名のタグを付けるのが、検索の利便性を考慮すると望ましい。
- 『ハリー・ポッターシリーズ』には「ハリー・ポッター」や「ハリー・ポッターシリーズ」ではなく「ハリポタ」タグを付けることが検索の利便性を考慮すると望ましい。これは「ハリポタ」が最も普及している作品タグだからである。
概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔法使いの男性。
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公。物語のほとんどは彼の視点で描かれている。
クシャクシャの黒髪に丸眼鏡をかけた緑の瞳、そして額の稲妻型の傷が特徴のイギリス人。
父ジェームズ・ポッターと母リリー・ポッターは不死鳥の騎士団の一員として闇の勢力と戦い、「闇の帝王」ヴォルデモートの手にかかり殺害される。しかしハリーだけは死の呪いから史上唯一の生存を果たし、生き残った男の子となった。額の傷はその際に残ったもの。
ハリーは孤児として非魔法族(マグル)のダーズリー家に預けられ、半ば虐待同然の扱いを受け育った。
その後ホグワーツ魔法魔術学校に入学。在学中に出会った友人や教授たち、両親のかつての友人たちなどとの関わりを経て、魔法使いとして、そして一人の青年として成長していく。15歳の時に自らの出生にまつわる予言と宿命を知り、両親の仇であるヴォルデモートとの死闘に臨む。
グリフィンドール寮生。グリフィンドールクィディッチチームのエースで、ポジションはシーカー。(後にチームのキャプテンに。)
ダンブルドア軍団のリーダーでもある。
親友はロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーで、三人で共にヴォルデモートへと立ち向かう。代父(Godfather)はシリウス・ブラック。ホグワーツの校長にして不死鳥の騎士団のリーダーであるアルバス・ダンブルドアが最大の師。
プロフィール
Name | Harry James Potter
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異名 | |
誕生 | 1980年 7月31日 |
血統 | 半純血(混血) |
家族 |
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出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🔴グリフィンドール寮 |
在学中の地位など |
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組織 | ダンブルドア軍団 |
最初の杖 | |
得意分野・特殊技能 | |
守護霊 | 🦌牡鹿 |
好物 | |
苦手な動物 | 鳩(『呪いの子』より) |
苦手分野 | |
ボガート | 吸魂鬼 |
所有アイテム | |
映画版演者 |
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映画版吹替 | 小野賢章 |
ゲーム版CV | ダニエル・ラドクリフ/小野賢章 |
ゲームEA版CV | |
舞台版演者 | ジェイミー・パーカー |
舞台日本版演者 |
※彼が映画版8作目でハリーの息子のアルバス・セブルス・ポッターを演じたというのはデマ。映画版でアルバス・セブルスを演じたのはアーサー・ボーエン(Arthur Bowen)であり、全くの別人。
容姿
白人。丸眼鏡を掛けた華奢な体型で、細面。クシャクシャな黒髪のくせ毛が特徴で、後頭部の毛がピンピン跳ねており、セットしてもすぐ飛び跳ねる。
このような容姿は父のジェームズに生き写し。しかし眼だけは母リリーに似ており、アーモンドのような大きい瞳に明るい緑色。
また美男子で鳴らしたトム・リドルが「自分とどこか見た目が似ている」と評しているので、容姿は整っている方だと思われる。
6巻頃からグンと身長が伸び、17歳のころには父とほとんど同じ高さに成長した。ジェームズは「背が高い方」である。
額にはヴォルデモート襲撃時の一歳の時についた稲妻型の傷が残っている。ヴォルデモートの思念に連動して疼いたり痛むことがある。また、原作ではそのせいでしょっちゅう悪夢を見ている。
映画版では原作と異なり癖毛ではなく、むしろサラサラのストレートヘアに近い(特に初期)。また、瞳が緑色ではなく青系。これは幼少期のダニエルにカラコンが合わずアレルギーを起こしてしまったため。
人間関係
ロンやハーマイオニーの他にはフレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー、ルーナ・ラブグッド、ネビル・ロングボトムなどが友人。
幼児洗礼を受けており、シリウスが洗礼親となっている。またルビウス・ハグリッドやウィーズリー家も親代わり。アルバス・ダンブルドアやミネルバ・マクゴナガル、リーマス・ルーピンが師。
ガールフレンドはチョウ・チャン→ジニー・ウィーズリーで、ジニーと結婚した。
人物
優しく謙虚
幼い頃から従兄弟のダドリー・ダーズリーとその仲間たちにいじめられ、マグルの学校でも孤立しており、叔母夫婦からも愛されずに育ったためか、自分に自信が持てないところがある。
しかし、学年が上がるにつれそのような卑屈な面は薄くなっていた。
父ジェームズと因縁の深いセブルス・スネイプからは「父親に似て傲慢」と言われているが、ハリーは育った環境の影響なのか、基本的には謙虚で慎重な性格で、あまり自分の才能を鼻にかけることはしない。
正義と愛情
一方で、シリウス・ブラックから「君は本当にジェームズの息子だ」と言われているように大胆な面がある。
ダドリーやドラコといった相手の悪行や挑発には果敢に立ち向かい、場合によっては口達者に相手をやりこめるなど機転が利く。
自分の目的のためならば校則違反を辞さない。三大魔法学校対抗試合では競技の得点を無視して人質全員を助けるなど、良くも悪くも共同体のルール(社会的善)よりも自分の信念(倫理的善)を重んじる傾向が見られる。
また、両親が父親の友人の裏切りの結果殺されたため、裏切りという行為をひどく嫌っている。
しかしそれ以上に「(復讐による)殺人」を嫌い、父ジェームズの親友であるシリウスとリーマスが裏切り者を殺すのを拒否。彼を生きて償わせることを望んだ。
また人を過度に傷つけることも嫌うため、直接的な攻撃魔法よりも武装解除の「エクスペリアームス」という呪文を唱えることが多い。敵陣営にこの事を気づかれて、本人かどうかの見分け方の基準にもされている。
このような愛に溢れているという美点から、アルバス・ダンブルドアは「一見するとジェームズ似だが、深いところではリリーの方に似ている」と評した。
他者への信頼
ロンやハーマイオニーは言うまでもなく、ダンブルドアや不死鳥の騎士団、ダンブルドア軍団など自らが信用した仲間に対する信頼は厚い。
ハリーがルシウス・マルフォイから解放した元屋敷しもべ妖精のドビーとも信頼関係を築き、共に戦う仲間となった。
また素直であり、一度信用した人物に対してはよほどのことがなければ疑うことをせず、何度かロンと仲違いしても心の底では信用している。
ホグワーツの戦いでは理由(後述参照)があるものの、ダンブルドアに「死ぬべき存在」と告げられても、その運命に従った。
真のグリフィンドール生
力を示したい欲求や決断力、機転といったスリザリンの資質を持っており、組み分け帽子にはスリザリンに入ることで偉大になれると勧められた。
しかし本人は初対面の時のドラコ・マルフォイの嫌な態度やロン・ウィーズリーとの友情、両親の仇ヴォルデモートがスリザリン出身であるなどを理由に拒絶、グリフィンドールへの入寮を果たす。
(のちの原作者インタビューではハリーのスリザリンの強い資質が実は少々特異な条件で生み出されたもの、過剰に見積もられていたものだったことが明らかになった。)
その後は弱冠2年生で「真のグリフィンドール生」の前に現れるグリフィンドールの剣を抜いている。
ダンブルドアいわく、ハリーはスリザリンの資質を持っているが、グリフィンドールを「選択」したことが重要である。
また、そもそもグリフィンドールもスリザリンもベクトルが違うだけで同じような性質を持っているらしい。
頑固で情緒不安
強い正義感と素直さの裏返しなのか、思い込みが激しく、一度決めたことに関しては頑固。
5巻では魔法省と『日刊予言者新聞』による社会的な中傷やダンブルドアから受けた疎外感、さらに思春期の恋の悩みなどが重なり、しょっちゅう怒りを爆発させていた。
スネイプいわくハリーは「心を閉じる」ことが下手である。実際にハリーは閉心術がまともにできなかった。(スネイプが指導者であったことも原因だろうが。)
しかし後に、心が深い悲しみで満たされた時に意図せず閉心術を習得している。
面食い?
物語の大部分で語り部となるハリーは容姿に対する描写が中々辛辣(そしてしばしば独特な例え方をする)である。
数多の登場人物の内、彼が大絶賛したのはシリウス・ブラック(全盛期の頃)、ビル・ウィーズリー、セドリック・ディゴリー、トム・リドル(若い頃)、ゲラート・グリンデルバルド(若い頃)と極僅か。
加えて恋愛対象として好意を持った女性たち、チョウ・チャン、ジニー・ウィーズリーも周囲から美人と言われているので、恐らく面食いなのだと思われる。
またナルシッサ・マルフォイに対してはライバルのドラコの母であるためか「『なんて嫌な臭いんでしょう』という表情をしなければ美人」と前置きを付け足している。
許し
10年以上に渡り虐めを続けてきたダドリーとは最終的に和解。6年間も理不尽な嫌みや減点を続けたスネイプのことも、彼の真意を知ってから見方を改めた。
また偉大だと思われていた父ジェームズやダンブルドアの裏の顔を知り、人間には多面性があることを学んだ。
自身の両親を手にかけた仇敵のヴォルデモートにも、許すというほど寛容ではないが、自ずからの反省や後悔を促し、最悪の魔術によって引き裂かれた魂が元の正常な形に戻るようにさせた。
(しかし「僕は嘘をついてはいけない」という文字を魔法のペンで自ら身体に刻み込む体罰を与えたドローレス・アンブリッジについては許すことはなかった。)
以上のことを総括すると、正統派のヒーローであり、まさに「英雄」と言うべき人物であることが分かる。
来歴
生い立ち
1980年7月31日に純血の魔法使いジェームズ・ポッターとマグル生まれの魔女リリー・ポッターの第一子、長男として誕生。ゴドリックの谷のポッター家で家族三人と猫と共に暮らしていた。
1歳のハロウィーンの夜、史上最悪の魔法使いヴォルデモートに襲われるが、生還。ヴォルデモートは力を失い姿を消す。故に魔法界では「生き残った男の子」として誰もが知る存在となり、英雄視されている。
しかし、この襲撃で両親を喪ってしまった。
ハリーが生き残ったのは、リリーの愛情とその犠牲がハリーを守る古代の魔法として作用し、ヴォルデモートの死の呪いを跳ね返したというのが真相である。→愛(ウィザーディング・ワールド)
両親の死後、上述のリリーの守りの魔法を維持するためにリリーの姉であるペチュニア・ダーズリーのもとに預けられることになる。
ペチュニア、及び夫のバーノン・ダーズリーは魔法に理解のないマグルであり、ハリーは長らく冷遇、虐待を受けながら育つことになる。
一方でダーズリー夫妻の子供である同い年の従兄、ダドリー・ダーズリーは両親の過剰な愛情を一杯に甘やかされて育ち、ハリーを虐めてサンドバッグにしていた。
ダーズリー夫妻がハリーを冷遇する原因について、リリーがジェームズをペチュニアとバーノンに紹介した際、ジェームズとバーノンがお互いに無礼な態度をとってしまったことも大きく関係している。虐待する言い訳にはならないが、多分この出来事からバーノンはハリーを見るとジェームズを思い出してしまうのだと考えられる。
学生時代
そして11歳の誕生日にホグワーツ魔法魔術学校の入学案内を携えてきたルビウス・ハグリッドから自身が魔法使いであることを知らされ (彼曰く、ハリーのホグワーツ入学は生まれた時から決まっていた。との事である) 、1991年9月1日、ホグワーツ魔法魔術学校に入学。
この時、入学祝いと誕生日プレゼントを兼ねてハグリッドから白ふくろうのヘドウィグをプレゼントしてもらい、以降彼の宝物かつ大事な相棒となる。
組み分け帽子にグリフィンドール寮かスリザリン寮か悩まれたが、自らの意志で両親と同じグリフィンドール寮となる。
同じ寮でありホグワーツ特急で親しくなったロン・ウィーズリーと、ロンと共にトロール襲撃から救った学年一の秀才のハーマイオニー・グレンジャーと親友となる。
闇の魔術に対する防衛術の才能があり、一人前の魔法使いでも困難とされる守護霊の呪文を3年生で成功させる。箒での飛行も得意で、1年生の時からクィディッチチームのシーカーを務めた。
その後様々な試練と、学友セドリック・ディゴリーや代父シリウス・ブラック、師アルバス・ダンブルドアとの身を裂くような別れを通して成長していく。
やがて「生き残った男の子」から「選ばれし者」と称されるようになり、復活したヴォルデモートとの決着を迎えることとなる。
19年後
成人後、魔法大臣となったキングズリー・シャックルボルトの紹介で闇祓い局に就職。後に局長に就任する。→闇祓いハリー
最後の決戦の後、親友ロンの妹ジニーと結婚。
3人の子を授かり、両親や、シリウス、ダンブルドア、スネイプなど、かつて縁を結んだ、今は亡き人々の名前を付けた。
その後次男のアルバス・セブルス・ポッターを巡るトラブルから、19年ぶりにヴォルデモートの災いと対面することになるが……?
正体(シリーズ終盤のネタバレ注意)
黄金の炎
ハリーの杖はヴォルデモートの杖とは兄弟杖であり、相対すると互いに正常に作用しなくなる性質を持つ。
7巻ではヴォルデモートの襲撃を自動で探知して黄金の炎で迎撃する機能があることが判明。
これは、4巻において2人の杖がつながった際に杖がハリーにとってヴォルデモートこそが最大の敵であると認識した上に、ヴォルデモートの強大な力の断片を吸収したことによるもの。
この力は杖が最大の敵と認識したヴォルデモートにのみ働き、ヴォルデモートの攻撃に対してヴォルデモートの力で迎撃する。
そのため、ダンブルドア曰く「ヴォルデモートにのみ異常に強力な杖」となったのである。
予言の子
シビル・トレローニーがダンブルドアの前で予言した「闇の帝王を滅ぼす男の子」の候補二人のうちの一人。
更に言えば、「闇の帝王自らが、己と比肩する者として印す者」「一方が生きる限り、他方は生きられぬ」。
ヴォルデモートは純血のネビル・ロングボトムではなく自らと同じ混血のハリーを殺そうとし、そのことでハリーは「予言の子」となり、母リリーの愛の加護を受けたヴォルデモートの終生の宿敵となった。
ヴォルデモートの選択により、ハリーは予言に選ばれし者となったのである。
二つの魂
実は、ヴォルデモートが期せずして作ってしまった7個目(製作した順番では6番目)の分霊箱である。
1981年10月31日、ヴォルデモートがゴドリックの谷のポッター家を襲撃し、ジェームズとリリーに続いてハリーをも殺そうとした時、リリーの愛の防御呪文によってヴォルデモートが放った死の呪文が跳ね返り、ヴォルデモート自身に命中。
これによりヴォルデモートは肉体を失い魂だけの状態になった。実はこの時にヴォルデモートの魂は本人が意図しない形で引き裂かれ、その欠片が側にあった唯一の生きた魂であるハリーに引っかかっていた。
ハリーが蛇語を話すことができ、ヴォルデモートと精神的に繋がっていたのはこのためであった。
組分け帽子がハリーにスリザリンを強く勧めたのも、ヴォルデモートの魂の欠片がハリーのスリザリン入りを強く望んでいたから(Leaky Cauldron - Pottercast2007/12/23)。
この繋がりで、ハリーが死なない限り、ヴォルデモートも死なないという状態になる。ハリーを導くダンブルドアが見据えていたのは、ハリーは最後に死なねばならないという過酷な運命であった。
一方で、ヴォルデモートは肉体を復活させる際の材料としてハリーの血を使用したが、このことでヴォルデモートの肉体はハリーの血の中にあったリリーの防御呪文も一緒に取り込んでしまった。そのため、ヴォルデモートが死なない限り、ハリーも死なないという状態になった。
また、本人が気付かないうちにニワトコの杖の忠誠心をハリーが得ていたため、ニワトコの杖の真の所有者であるハリーをニワトコの杖を用いて他人が殺すことができない状態にもなっていた。
1998年5月2日、ホグワーツの戦いの中でヴォルデモートはこれらの事実に気付かないまま、ハリーを死の呪文で殺そうとした。しかし前述の理由からハリーを殺すことができず、さらにニワトコの杖を用いたことで分霊箱を破壊する条件を満たしていたことから、結果的にハリーに付着していたヴォルデモートの魂の欠片だけが破壊されたのである。
なお、ハリーが分霊箱として破壊された瞬間、ヴォルデモートは一時的に意識を失っているが、ハリーが分霊箱であることも、この時自分の身に一体何が起こったのかも最後まで気付くことはなかった。
戦局を取り巻く者たちの愛憎劇、そこから生まれた数々の闇の帝王の誤算によってハリーは生存することができ、名実ともに死を制する者となったのである。
余談・裏話
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周囲の存在
(友人・仲間・恋人)
ビル・ウィーズリー チャーリー・ウィーズリー パーシー・ウィーズリー
(家族・先祖)
(親代わり・師)
(敵対者)
(子供など)
(後作主人公)