概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』に登場するホグワーツ魔法魔術学校にある学寮(House)のこと。
の四つ。
ホグワーツの生徒は「資質」そして「選択」の結果、必ずこの四寮のいずれかに組み分けされ、寮友と七年間寝食を共にする。同僚の生徒たちは長年共に過ごすためか家族同然に親交を深める一方で、プライベートルームである談話室は厳重に出入りが制限され、レイブンクロー以外他寮の生徒が訪問することは出来ない。
四寮にはそれぞれシンボルカラーやシンボル動物が存在する。また、原作者J・K・ローリングの発言により、四大元素や四大宝石、トランプの記号(スート)などとも合致していることが明らかになっている。
Pixivのタグとして
ホグワーツ魔法魔術学校の寮の「生徒」「モチーフ」「シンボル」などがそれぞれ四つ揃って描かれた作品に付けられる。
グリフィンドールとスリザリンが二つ揃って描かれた作品には「獅子と蛇」のタグが付けられる。
【🔴🟡四寮一覧表🔵🟢】
表の上から
- 寮名、資質、色、動物、元素、スート
- 談話室、場所、入口、入り方
- 創設者、遺品、出身地、ホグワーツに残したもの
- 『ハリー・ポッターシリーズ』の寮監の担当学科、寮憑きのゴースト
- 日本のファンダムでの略称
を並べている。スマホの場合は横向き推奨。
グリフィンドール | ハッフルパフ | レイブンクロー | スリザリン |
勇気/大胆/騎士道 | 勤勉/公平/忠実 | 英知/独創/受容 | 大望/狡猾/同胞愛 |
🔴紅 🟠金 | 🟡黄 ⚫️黒 | 🔵青 🟤銅 | 🟢緑 ⚪️銀 |
🟥ルビー | ⬜ダイヤ | 🟦サファイヤ | 🟩エメラルド |
🦁ライオン | 🦡アナグマ | 🦅ワシ | 🐍ヘビ |
🔥火 | 🧱土 | 🌀風 | 💧水 |
❤️ハート | ♣️クローバー | ♠️スペード | ♦️ダイヤ |
東の塔 | 地下(Basement) | 西の塔 | 地下(Dungeon) |
肖像画 | 樽 | ノッカー | 石壁 |
合言葉 | リズム | クイズ | 合言葉 |
ゴドリック | ヘルガ | ロウェナ | サラザール |
🗡️剣 | 🏆杯 | 👑髪飾り | ⛓️首飾り・🪄杖 |
西の荒野 | 谷間 | 谷川 | 東の湿原 |
組み分け帽子 | 料理のレシピ | 城の仕掛け | 秘密の部屋 |
🐾変身 | 🌿薬草 | 💫呪文 | 🧪薬学 |
卿 | 修道士 | レディ | 男爵 |
獅子寮 | 穴熊寮 | 鷲寮 | 蛇寮 |
【🔴グリフィンドール寮】
勇敢で大胆、騎士道精神を持つ者が集う寮。
ライオン、火、ルビー、ハートをシンボルとし、真紅と金を纏う。
闇の帝王と戦った偉大な魔法使いアルバス・ダンブルドアの出身寮で、「他とは違う」と言われる優秀さで知られる。
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公であるハリー・ポッターとその仲間の多くが所属。
詳細は→グリフィンドール
【🟡ハッフルパフ寮】
勤勉で公平、忠実な者が集う寮。
アナグマ、土、ダイヤモンド、クローバーをシンボルとし、黄と黒を纏う。
他寮と比べると実績が見劣りするとよく言われるが、実際は優秀な魔法使いも多い。
また、最も闇の魔法使いが少ない。
『ファンタスティック・ビーストシリーズ』の主人公であるニュート・スキャマンダーの出身寮。
詳細は→ハッフルパフ
【🔵レイブンクロー寮】
英知と独創に溢れ、他者の知性を受容する者が集う寮。
ワシ、風、サファイヤ、スペードをシンボルとし、青と銅を纏う。
成績優秀者が多い他、独特な発見や発明をした者が目立つ。
『ハリー・ポッターシリーズ』では主人公ハリーを精神的に癒す少女ルーナ・ラブグッドの寮として登場。
詳細は→レイブンクロー
【🟢スリザリン寮】
大望を持ち狡猾で、同胞を愛する者が集う寮。
ヘビ、水、エメラルド、ダイヤをシンボルとし、緑と銀を纏う。
時に排外的なほど自分と同族を大切にする傾向があり、「真の友」を得られるという。
また目的達成のためには手段を問わない貪欲さを持つため、闇の魔術の使用を躊躇わない傾向もある。
『ハリー・ポッターシリーズ』の最大の敵、闇の帝王ヴォルデモートの出身寮。
またハリーの次男アルバス・セブルス・ポッターもこの寮。
詳細は→スリザリン
寮の創設
中世、十世紀にホグワーツ魔法魔術学校を創設したのは以下の四人である。
- 🔴魔法使いのゴドリック・グリフィンドール(Godric Gryffindor)
- 🟡魔女のヘルガ・ハッフルパフ(Helga Hufflepuff )
- 🔵魔女のロウェナ・レイブンクロー(Rowena Ravenclaw)
- 🟢魔法使いのサラザール・スリザリン(Salazar Slytherin)
彼ら彼女らにはそれぞれ生徒の好みがあり、それを反映して創設者の姓(ファミリーネーム)を名に冠した寮が四つ誕生した。
グリフィンドールの持ち物であった三角帽子に、四人がそれぞれ知性を吹き込み「組み分け帽子(Sorting Hat)」が誕生する。
グリフィンドールとスリザリンは親友であったが、魔法族の血統を巡る思想の違いから決裂。決闘に至り、スリザリンが学校を去った。しかし実はスリザリンはホグワーツに「秘密の部屋(Chamber of Secrets)」を隠し、彼の継承者のために残していた。
組み分け
組み分けの儀式
ホグワーツ入学時、新入生は大広間にて組み分け帽子の歌(四寮の紹介)を聞き、その後一人一人帽子を被る。帽子は新入生の資質そして選択を汲み取り、最も適した寮の名を叫ぶ。おそらくこのプロセスには開心術(Legilimency)が使われている。
全ての新入生の組み分けが終わると、教職員からの挨拶の後、学期開始のパーティーとなる。
組み分けの時間
通常は組み分けは数秒から一分ほどで終わるが、中には五分近くかかる者もいる。その中でも五分を超えた者を「組み分け困難者(Hatstall)」と呼ぶ。
『ハリー・ポッターシリーズ』の主人公ハリー・ポッターが出会った魔法使い・魔女のうち、「組み分け困難者」はミネルバ・マクゴナガルとピーター・ペティグリューの二名だけであり、非常に珍しい存在である。
ハーマイオニー・グレンジャーやフィリウス・フリットウィックも五分近く組み分けに時間がかかっているが、五分を超えていないため「困難者」ではない。
組み分けと家系
寮は家系と関係すると言われている。例えばウィーズリー家は代々グリフィンドール、ブラック家やマルフォイ家は代々スリザリンの一族である。
しかし、一卵性の双子であるパーバティ・パチルとパドマ・パチルが別々の寮に組み分けられたり、シリウス・ブラックが伝統を破りグリフィンドールに入寮したりしているので、どこまで関係しているのかは謎である。
寮の制服(映画版)
映画版およびその後生まれたゲーム版では、ローブの裏地やネクタイ、マフラーが寮のシンボルカラーとなっている。
ちなみに原作ではだれもかれも真っ黒な長いローブと三角帽を身につけており、色による区別はない。
寮生活
ホグワーツでは寮生は同じ談話室(Common Room)で寝起きし、休み時間を共に過ごす。授業も基本的に寮単位だが、他寮との合同もある。食事も大広間で寮ごとのテーブルで取る。
「寮の得点(House Points)」が存在し、素行や成績、クィディッチ寮対抗戦の得点に応じて加算され、場合によっては減点される。この得点を寮対抗で一年かけて争い、学期末のパーティーには優勝寮が発表され、「寮杯(House Cup)」が授与される。寮の得点は大広間の前にある巨大砂時計で視認できる。砂の代わりに四寮それぞれのシンボル宝石が入っている。
寮には寮監(Head of House)が一人ずつ存在し、その寮を卒業した教授が生活指導や引率を行う。といっても談話室は基本的には生徒のみの空間であり、寮監は特殊な連絡事項がなければ立ち入ることはない。
五年生~七年生の生徒の一部は監督生(Prefect)を務める。彼らは各寮の各学年につき男女一人ずつ任命される。寮生をまとめる義務があり、基本的には教授しか持たない寮の加点・減点の権利を持つ。また、特殊なコンパートメント(ホグワーツ特急の個室)や大浴場を使うことが許される。(余談だが、クィディッチの寮代表チームのキャプテンも同じような待遇である。)
四寮のトリビア
- 一般的にグリフィンドールとスリザリン、ハッフルパフとレイブンクローがライバル関係にあり、前者は特に激しい。またスリザリンは他三寮とは敵対する傾向がある。
- 四寮は物質の状態を象徴しているという説もある。グリフィドールがプラズマ、ハッフルパフが固体、レイブンクローが気体、スリザリンが液体である。
- 原作で大広間のテーブル配置は玄関→奥の順で「スリザリン、レイブンクロー、ハッフルパフ、グリフィンドール」となっている。
- 映画版や一部のゲーム版のレイブンクローは青と水色がイメージカラーで、動物は大カラスに変更されている。
- 寮の創設者のファーストネームとファミリーネームはそれぞれ頭文字が同じ。例えば「ゴドリック・グリフィンドール→G・G」
- そしてグリフィンドールとハッフルパフ、レイブンクローとスリザリンがそれぞれアルファベット順で隣り合っている。(ABCDEFGH…中略…RSTUVXYZ)
- ホグワーツの寮のモデルはイギリスのパブリックスクールの寮と社会階層であるらしい。
- 日本を含めたアジア圏ではスリザリンの人気が他国より高いらしい。
四寮のよくある誤解と偏見
(🔴グリフィンドール編)
- ✖️グリフィンドールは優れた寮である。
⭕️グリフィンドールは勇気や騎士道を重んじる寮である。また、優れた寮という評判を得ている。一方で勲章名にもなった最高の魔術師マーリンの寮はスリザリンである。
- ✖️グリフィンドールは正義の寮である。
⭕️ハッフルパフがグリフィンドールより闇の魔法使いの輩出数が少ない。
- ✖️グリフィンドールは贔屓されている。
⭕️その一面があるのは否めないが、スリザリンもまたセブルス・スネイプにより贔屓されていた。ハリーが入学するまでの6年連続で寮杯を取りつづけていたのはグリフィンドールではなくスリザリンであったことは言うまでもない。
- ✖️グリフィンドールは陽キャの寮。スリザリンはその逆。
⭕️何をもって陽キャとするのかによる。身内意識や社交性(世渡り、機知)は寮の特徴に基づけばスリザリンの方が上だろう。また、性格の朗らかさならハッフルパフの特徴である。行動力(悪戯も含む)ならもちろんグリフィンドールである。
- ✖️ゴドリック・グリフィンドールにはスリザリンやハッフルパフよりも実は差別意識があった。
⭕️あくまで勇敢な生徒を教えようとしただけ。好みの生徒に教えたかったのは他の三人も同じ。ただしハッフルパフは生徒を選ばなかったらしいので(と言いつつ勤勉さや忠実さを好んでいるので限度は不明瞭だが)、そういう面ではグリフィンドールの方が差別的と解釈することはできるが……。グリフィンドールは決闘の際にマグル相手では魔法ではなく剣を使っており、マグル差別はもちろんしていない。
- ✖️ルビウス・ハグリッドはハッフルパフ出身である。
⭕️グリフィンドール出身だと作者が明言している。
(🟡ハッフルパフ編)
- ✖️ハッフルパフは闇の魔法使いを輩出したことが全くない。
⭕️ハッフルパフは四寮の中で最も闇の魔法使いの輩出数が少ない。完全にないわけではない。
- ✖️ハッフルパフは他の三寮に拒まれた人間の受け入れ先である。
⭕️ネビル・ロングボトムの場合のようにハッフルパフが生徒を拒むこともある。謙虚なので埋没する傾向のある寮でなある。また、「ヘルガ・ハッフルパフは生徒を選ばなかった」と組み分け帽子が歌っているため、「ハッフルパフは受け皿」という解釈・考察がファンの間で生まれただけである。
- ✖️ハッフルパフは他寮より人数がかなり多い。
⭕️公式ソース不明。もし本当に受け皿的な役割を果たしているのであれば、他寮よりある程度生徒が多くてもおかしくはないが……。
- ✖️ハッフルパフは男女の寝室が行き来自由で、それにもかかわらず不純異性交遊が起きていない。
⭕️公式ソース不明。グリフィンドールが男部屋→女部屋の侵入ができないのは原作に記述あり。ハッフルパフ生が潔癖で奥手であるという情報も原作にはない。
- ✖️ハッフルパフの宝石はトパーズである。
⭕️ダイヤモンドである。これは作者がTwitterで明かしている。
- ✖️ハッフルパフはホグワーツの戦いに全員が残留した
⭕️ザカリアス・スミスは逃げている。また、彼以外にも逃げている生徒はいる。ホグワーツの戦いの参戦者数は「グリフィンドール>ハッフルパフ>レイブンクロー>スリザリン」の順番。
(🔵レイブンクロー編)
- ✖️レイブンクローは実は陰湿で排他的である。
⭕️確かに寮内での排斥・いじめ描写が多い。スリザリン生のジェマ・ファーレイに言わせると同寮同士で蹴落としあっているらしい。しかし一方で受容性の寮でもあり、唯一談話室にシステム上合法的に他寮生が入れる。また、他寮に比べて変人を歓迎する風潮もあるようだ。(ルーナ・ラブグッドはいじめられていたが……。)
- ✖️レイブンクローはホグワーツの戦いで全員が逃げ出した。
⭕️グリフィンドール、ハッフルパフより少ないだけである程度のレイブンクロー生も残留して戦った。
(🟢スリザリン編)
- ✖️スリザリンは犯罪者予備軍の寮である。
⭕️スリザリンは保守的・伝統的な寮であり、ヴォルデモートの影響もあって先鋭化しただけだと思われる。またグリフィンドールとはコインの表裏の関係であり、似通っている部分がある
- ✖️スリザリンは純血しか入れない。
⭕️完全な純血などもう存在しない。スリザリンは片親がマグルの学生も一定数存在する。
- ✖️スリザリンにマグル生まれはいない。
⭕️明言されていない。ちなみに死喰い人の中にもマグル生まれがいることを原作者は明かしている。
- ✖️スリザリンはホグワーツの戦いで全員地下牢に閉じ込められた。
⭕️映画版ではそう。原作では寮監ホラス・スラグホーンが責任を持って全員引率して戦いから帰した。また、少数はスラグホーンと共に終盤ホグワーツで戦ったらしい。(ソース)
- ✖️スリザリンはエリート集団である。
⭕️魔法使い、血統、スリザリンとしての矜恃が強い集団である。そう意味ではエリート意識は良くも悪くも強い。またハリー入学前は寮杯を連続で長年獲得していた。寮の資質的に世渡りにも長けており、ブラック家やマルフォイ家は富裕層である。しかし死喰い人になり収監された者も多く、一概にエリート集団とも言い難い。
- ✖️ハリー・ポッターは本来スリザリンに行くべきであり、無理やりそれを拒否しただけ。
⭕️ハリーがスリザリンに適性があり、それを組み分け帽子は組み分け後も認めていた。しかしそれは帽子が自らの選択を誤ちだったと断言しているということではない。上手くやれただろうと言っているだけである。また彼のスリザリンの素質には彼ではないもうひとつの魂の意思も関係していたことを鑑みるべきだろう。(参照)
- ✖️ピーター・ペティグリューはスリザリンに行くべきだった。
⭕️帽子はピーターをグリフィンドールに入れたことを誤ちだと認めていない。
- ✖️セブルス・スネイプはスリザリンではなくグリフィンドールが適切だった
⭕️アルバス・ダンブルドアが「組み分け帽子は時に性急」と言った通り、スネイプはグリフィンドールの重んじる勇敢さを示した。しかしスネイプは力への渇望や狡猾さなどスリザリンの資質の多くを持っており、元からスリザリンを希望していた。またスリザリンもグリフィンドールと同様に勇敢であり(方向性は違う)、例えばレギュラス・ブラックもまたスネイプのような英雄的な行動をとっている
マグル向け組み分け診断
『ウィザーディング・ワールド』公式サイトの組み分け診断サイト(日本語版)→リンク
ここでは他にも杖や守護霊の診断ができる。
また『ホグワーツ・レガシー』など『ウィザーディング・ワールド』シリーズのゲームでも組み分け診断を行える。(前述の公式サイトの組み分けを『ホグワーツ・レガシー』に引き継がせることも可能である。)
それ以外の組み分け診断サイトは、全てファンが作った非公式のものである。エニアグラムやMBTIといった既存の性格診断と組み合わせたものもあるが、公式ではない。
類似した概念
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