概要
緑色の宝石がS字の蛇の形で埋め込まれているロケットペンダント。ホグワーツ魔法魔術学校の創設者でスリザリンの寮の祖であるサラザール・スリザリンの遺品。蛇語を用いなければ開けることができない。千年前の遺品なので、当然写真入れとしてではなく薬入れとしてのペンダントであることは間違いない。
スリザリンの子孫であるゴーント家の家宝として代々受け継がれてきたが、1925年にメローピー・ゴーントがトム・リドル・シニアと駆け落ちした際に実家から持ち出した。その後、シニアに見捨てられたメローピーは生活に困窮し、ロケットを格安(10ガリオン)でカラクタカス・バーク(ボージン・アンド・バークスの創設者の1人)に売り払う。後に資産家でヘルガ・ハッフルパフの子孫であるヘプジバ・スミスが購入し、自宅に保管していた。
ネタバレ注意
ヴォルデモートの分霊箱の一つ。メローピーは彼の母親であり、このロケットは自らの血筋を証明する宝物でもあった。1946年及びそれ以降、ホグワーツを卒業してボージン・アンド・バークスで働いていた彼は、店の顧客であったヘプジバの自宅でこれを発見。ヘプジバを殺害してハッフルパフのカップと一緒に強奪した。その後、1946年から1979年の間にマグルの旅行者を生贄にして分霊箱にした。
最初はヴォルデモートが幼少期を過ごしたロンドンの孤児院に近い海辺の洞窟にあり、何重もの防御(一人前の魔法使いを一人しか乗せない小舟、血をもってしか開けない扉や飲む者に悪夢を見せ強い乾きをもたらす毒水、水面に触れたものに襲いかかる亡者が仕掛けられ、厳重に保管されていた。
しかし、ヴォルデモートはこの防御魔法のテストにクリーチャー(ブラック家の屋敷しもべ妖精)を利用して使い捨てたため、クリーチャーの主人であり死喰い人のレギュラス・ブラックはヴォルデモートに失望して彼を裏切り、ロケットを偽物にすり替えた。しかし、レギュラスはロケットの破壊には失敗し、本物のロケットをクリーチャーに託して死亡する。
本物のロケットはブラック家に保管されていたが、誰にも気付かれないまま捨てられてしまう。その後、クリーチャーが盗み出して自身の部屋に隠したが、金目の物を探していたマンダンガス・フレッチャーによって再び盗まれ、更に賄賂としてドローレス・アンブリッジの手に渡った。そして、ハリー・ポッター達が魔法省に侵入してアンブリッジから奪還し、1997年12月28日にロン・ウィーズリーがグリフィンドールの剣で破壊した。
なお、アンブリッジの元から奪還してから破壊するまでの間はロンが所持しており、彼を精神的に不安定にさせている。
アンブリッジはこのロケットを身に付けながら平然と守護霊を出していた(それどころか、ロケットに付いている宝石のSの文字をマグル生まれの魔法使いに見せながら「これはセルウィンのS」などと言い放ち、自分は純血のセルウィン家の子孫であるという経歴の詐称に堂々と利用していた)が、これはアンブリッジが元から邪悪な人間だったことによって振れ幅が小さかったためである。作者のJ・K・ローリングは「意地が悪いので分霊箱に親近感を抱いていた」と表現している。
関連タグ
創設者の遺品
🟩スリザリンのロケット