ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

概要

後のヴォルデモート卿ことトム・マールヴォロ・リドルの母親。

本編開始よりとうの昔に死亡している人物であり、第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の過去編のみに登場する。

最後は生活に困窮しやつれ果てており、息子を産むと彼を孤児院に預けてすぐ死亡した。年齢は1925年の時点で18歳。

容姿

両眼は兄のモーフィンと同じく外斜視。髪は艶がなく垂れ下がっており、蒼白くぼってりとした顔立ち。

お世辞にも美しくはなく、父と兄から受けた虐待の為か打ちひしがれた表情をしている。

生涯

純血聖28一族の中でも、サラザール・スリザリンの末裔として有名なゴーント家の出身。

ただし家財の枯渇、そして〈純血の死守〉を目的とした近親婚の繰り返しによる遺伝子異常のせいで、マールヴォロが生まれる数世代前の時点でかつての栄華は見る影もなくなっていた。

ゴーント家の最後の3人である、父マールヴォロと兄のモーフィン、妹のメローピーは共にマグルの村リトル・ハングルトンの郊外で、豚小屋のような劣悪な環境で生活していたのである。

暴力的な父と兄に虐待を受けながら育った彼女は、ある日近所に住むハンサムなマグルの男性トム・リドル・シニアに恋をする。しかしその恋を知った父と兄がトム・リドル・シニアへの暴行がきっかけで、一緒に逮捕されアズカバンに収監された後、トム・リドル・シニアに服従の呪文か愛の妙薬を使って自分のものとし、彼の子供を孕んだ。この際、ゴーント家の家宝であるスリザリンのロケットを実家から持ち出している。

メローピーは家族からスクイブであると思われ、ホグワーツにも通っていなかったが、これらの事実から虐待による精神的な圧迫から魔力が発揮できていなかっただけであると分かる。

よって、彼女がオブスキュラスであった可能性も存在する。

彼女はトム・リドル・シニアが自分を本当に愛していると信じていたのか、はたまた試したかったのかは不明だが、ある時から彼を彼を操るのを止めた。正気に戻った彼は、知らないうちに近所に住んでいただけのよく知らない女と結婚し、あまつさえ妊娠させていたということにショックを受け、彼女を捨て実家に逃げ戻った。その事態にメローピーもまたショックを受け、彼女は以後魔法の行使をやめた(あるいは全く出来なくなった)。

結果、金も職も魔力もない彼女は困窮し、仕方なくスリザリンのロケットをボージン・アンド・バークスで売るが、これも安値(10ガリオン)で買い叩かれる。そして1926年12月31日、彼女はロンドンのウール孤児院に辿り着くと、息子を出産してほどなく死亡した。

その際、息子に「トム・マールヴォロ・リドル」と名付けた。夫の名前「トム・リドル」に、ミドルネームとして父の名前「マールヴォロ」を組み合わせたものである。これが息子に彼女が残した唯一の贈り物であった。また、息子の外見が自分ではなく夫の方に似るように願っており、これは叶うのだが……

人物像

アルバス・ダンブルドア曰く「メローピーは打ちのめされた弱い女性で、ハリーの母リリーのように息子に愛情を注ぎ何かに立ち向かう強さがなかった」と評価している。故に「子供のために生きようともしなかったのか」と憤るハリーに対して「あまり責められるべきでもない」とも擁護している。

魔力を手に入れてからの行動が、自立への試みではなく惚れた男への依存であったり、今際の際ですら息子に(父親に似た)ハンサムな容姿を期待したり、自分を傷つけた男2人の名前を付けようとする等々、被虐的で男性に左右される気質であると窺える。

上記の「惚れた男」にしても、ハンサムな顔というだけで自分が一方的に惚れたのであり、相手側の事情や人格を全く考慮に入れていないことが読み取れる。実際にトム・リドル・シニアは地主の息子で、当時は両想いの婚約者、セシリアがいた。

また、リドル家の人間は総じて高慢で礼儀知らずな性格の為、地位に反して周囲から嫌われていた。

また、実家から持ち出した家宝であるスリザリンのロケットに関しても、どのくらいの価値のある物かを知らなかった為、前述の通り安値で買い叩かれてしまっている。

現にバークは「これは値が付けられないほど(の価値がある品物)だ。(にも拘らず)10ガリオンで喜んで、こんな上手い話はまたとなかった」と当時を振り返っている。

息子

メローピーの息子トム・マールヴォロ・リドルは天地開闢以来最も危険な魔法使いヴォルデモート卿となった。

「もし母親が魔女であるなら魔法で自分の身を守れたはず」との理屈に基づき、トム・リドルはずっと父親が魔法使いだと思っていた。しかしホグワーツのどこにもリドル姓の生徒の記録がない事実、そしてゴーント家の最後の生き残りであるメローピーの兄・モーフィンとの対峙により、自分を産んだ後死んだ母・メローピーこそが魔女であり、自分はサラザール・スリザリンの血を引いていた真実を知る。

これがトム・リドルが自分の名前を捨てる契機となった。上述した通り、メローピーは息子の外見が自分ではなく父に似るように願い、実際にそれは叶った。だが肝心の息子はとある闇の魔術の実践により、生まれもった端正な顔立ちを自分から破壊していく。

『魔法界の病み(=闇)』の象徴

ヴォルデモート卿=トム・リドルの数々の行為が、彼の出自と生育環境による問題に根差しているのは明らかである。

実際に作者も「彼女(メローピー)がトム・リドルを愛を持って育ててやれば、何も問題は起こらなかった」と述べており、彼女がトム・リドルを捨てたことがヴォルデモート卿の誕生に繋がり、後の世の禍根になった。

物語内や現実世界のどのような法律や倫理に照らしても、彼の生い立ちからは情状酌量や同情の余地を生むだけであり、彼の犯した数々の非道に対する免罪符にはなり得ない。ある意味では彼女と彼女の行為は、作中の世界における諸悪の根源と断言しても過言ではない

しかし、メローピーもまた被害者でもある。

幼少期より父と兄から理由なき精神的・身体的な家庭内暴力を日常的に振るわれていた。また、自業自得な所はあるものの、金も力も頼りにできる縁故も無く、愛した男には捨てられ、最終的には心身ともに打ちのめされた中で死亡している。

この状況の中で子供を捨ててしまった選択に関しては致し方ないと言えよう。

更にはゴーント家の人間全体が、先祖代々の純血思想の被害者であると考えられる。

ゴーント家はマルフォイ家等と違い、真の意味での純血を守る為に近親婚を繰り返してきた一族である。そのせいで遺伝子レベルで脳に異常を来しており、自らの意思で自分の人生を修正する能力がそもそも欠如していた可能性がある。

仮に上記の遺伝子云々の話が本当でも、そうでなかったとしても彼らが古くからの因縁に捕らわれていた実態は確かであり、それを何らかの形で取り除くように周囲のサポートがなかったのは同情できる部分ではある。

また、魔法社会自体の福祉・教育の問題とも考えられる。

これまで述べられてきた事実からも分かる通り、メローピー自身は芯が弱いだけの魔女であり、魔法使いの社会では極ありふれた存在である。

しかし、そんな彼女がマグルの社会に放り込まれた結果、彼女は人生のどん底を味わった末に社会の片隅でひっそりと息を引き取る結末になってしまった。

これは福祉的な観点から見た場合、

1:マグルの社会と魔法使いの社会との間に、相互扶助の精神が欠如している

2:魔法使いの社会自体が、児童虐待家庭内暴力そのものを放置している

の問題となっている。

込み入った表現となったが、上記はいずれも、弱者を助けようとする精神の欠如に根本的な問題がある。

総括すると、ヴォルデモート卿は魔法界、そして人間の暗部を非常に色濃く受けた故に生まれてしまった存在である。

ヴォルデモート卿の悪行そのもの自体はヴォルデモート卿にしか責任はない。

しかし、ヴォルデモート卿を生むきっかけとなったのは、メローピーやゴーント家にまつわる古い魔法界の因習であり、これは魔法界に根深く存在する差別思想が原因である。

アルバス・ダンブルドアが〈魔法族優先思想〉や人狼・半人間差別に反対し、リベラル派の急先鋒として常に魔法省とは異なる思想グループを形成していたのは、第二、第三のヴォルデモート卿を生む要因を出来る限り取り除こうとしていたからかもしれない。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • ハリポタ短編

    トムくんはママを愛しすぎてる

    トム・リドルがもしママに愛されていたら? という成り代わり夢です。 めっちゃ短いです。ギャグだと思います。 こういう、メローピーさんに愛されてるトムくんのお話しください。いっぱい下さい。 余談ですが、前に書いていた五十嵐さんのお話(短編)も再公開しました。 メンタル強い夢主読みたい方はどうぞ ◾️ルーキーランキング5位に入りました。ありがとうございます。 11/30
  • ヴォル様魔法士へ

    幕間の物語

    ⚠あてんしょーん⚠ ・ツイステ×ハリポタのクロスオーバー ・拙い文章 ・捏造しかない ・読んでからの苦情は受け付けません 『幕間の物語』 今作はスピンオフとなり、本編より過去のお話です。 読んでも読まなくても、この先の本編に影響はありません。 ⚠一部、暴力的で残酷な描写や表現、死ネタがございます。 苦手な方はお気を付けください。 ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー こんにちは!カクレウオです🐟 唐突にスピンオフを挟みました。 どうしても書きたいと思ったので、投稿させていただきました。 次回は本編「思春期・入学編」です。 いつも、いいねやブックマークをありがとうございます。 本当に感謝です。 誤字脱字がありましたら、こっそり教えてくださると嬉しいです。 タグに関して間違っているものなどがありましたら、そちらも教えてくださると有難いです。 2021.2.21 ― 追加修正 2021.3.13 ― 追加修正 2021.5.25 ― 追加修正 ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー ㅤㅤ↓読了後推奨↓ ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー:ー ︎︎ ︎︎ ︎︎   ○7ページ 『SAO 208954』 ― Shaula Vespar 『SAO 208954』とは、さそり座λ(ラムダ)星のこと。 Shaula(シャウラ)は、さそり座λ星の固有名であり、アラビア語で『針』を意味する。 Vespar(ベスパー)は、イタリア語で『蜂』を意味する『Vespa』に“r”を付けたもの。 彼『シャウラ・ベスパー』には、歳が少し離れた弟の『マーカス・ベスパー』がいました。 しかし、弟と遊んでいるとき、運悪くボールが遠くへ行ってしまいました。 弟がそのボールを追いかけた先で、事故に遭い亡くなってしまったのです。 シャウラはウィリアムに復讐をするために、訓練兵になり、王室師団へと入団しました。 その最中、母親まで亡くしてしまい、彼の心は更に復讐に囚われてしまったのです。 彼のユニーク魔法は、 『静寂をもたらすもの (ポイゾナス・スティンガー)』 一定時間、スズメバチの姿になれるという魔法です。 彼はチャンスが来るまで、毎日毎日、ウィリアムの寝室の窓まで飛んでは、開くまで待ち続けました。 そして、遂にその日がやって来たのです。 彼にとって運がいいことに、ウィリアムは不調を起こして動けなくなっていたので、簡単に弟の仇を取る事が出来ました。 ウィリアムの瞳の光が消えるまで、彼の命が消えてしまうその時まで、シャウラはずっと見つめ続けました。 その後の彼の行方は、誰も知りません。
    12,913文字pixiv小説作品
  • 31th December 1926

    ウール孤児院にて。 最後の日のメローピーとの話です。 追記 3.17 ほんのすこしの加筆修正をしました。 追々記 6.22 今でもたまに読んでくださる方がいて嬉しいです、ありがとうございます。 久しぶりに読み返すと至らないところが多かったため少し手直しをいたしました。
  • ホグワーツの魔法

    命の賽子(2)

    命の賽子全17章(予定)のうちの第一章のその2です。前回の続きですが、まだ全然本編に入ってません。次で本編に入…いえ、それはどうでしょう…
  • White

    本編終了後、ヴォル様が白い駅で過ごす話です。何でも許せる心の広い方向け。 詳しくは1ページ目をどうぞ! 筆者の解釈が多く含まれております。ご注意下さいませ。
    15,192文字pixiv小説作品

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

メローピー・ゴーント
17
編集履歴
メローピー・ゴーント
17
編集履歴