もしかして
ほぼ同名のオープンワールドゲームは→prototype
概要
通称は『Experiment 1006(実験体1006号)』あるいは『Claw(鉤爪)』。
ホラーゲーム・「PoppyPlaytime」に登場する謎の存在。
かつて廃業した巨大おもちゃメーカー企業「Playtime社」が密かに行っていた謎の実験に関わる重要な存在の一つであり、
特に同社が廃業する原因となった、従業員の失踪事件のキーパーソンと見られている。
chapter1から存在を示唆されているが、その全容は未だに謎に包まれている。
現状唯一判明している外見は片腕だけであり、
その姿は黄ばんだ腕骨を中心にケーブルや機械部品が絡み合った細長い腕と、細く鋭いフレームが剥き出しとなった手のひらといった様子で、本作の敵であるおもちゃ達とは明らかに異質なものである様子。
チャプター3のビデオテープでは老若男女の声をモンタージュしたような不気味な音声を用いて、研究員と片言の会話をする様子も見られた。
プレイタイム社の「ラボ」と呼ばれる施設に収容され、何らかの研究のために過酷な"実験"を受けていたらしい。
ゲーム内で得られる情報によれば高い知能と暴力的な性格を併せ持っており、
ラボでの収容時にはレーザー装置を自作して監視カメラを撹乱、その隙にカメラの死角に潜み脱走したように見せかけ、駆けつけた施設職員を襲ったというエピソードも語られている。
また、工場にあるおもちゃのパーツを自身の一部として取り込んだり、分離することができる模様。
ゲーム内での登場
chapter1
黒いビデオテープの音声資料にて、『Experiment 1006 Prototype(実験体1006・プロトタイプ)』として初めて言及される(カセットテープの内容はこちら)。
管理を離れ、暴動を引き起こしたという趣旨の内容から当時はハギー・ワギーを指すと思われていたが、次第に公開された情報によって別の存在である事が判明していく。
chapter2
今チャプターでも黒いビデオテープで脱走未遂事件について言及される。
そしてついに、初めてプレイヤーの前に登場した。
ラストの逃走フェーズでマミー・ロングレッグを撃破した直後、降ろされたシャッターの隙間から這いずるように現れる何か。
それまでさんざん目撃したおもちゃ達とは異なる、骨組みと機械部品が剥き出しのそれは腕だけをのばし、細く鋭い指先でマミーの残骸をつまむと、それを引きずりながら廃工場の暗闇へと消えていくのであった……。
わずか数秒ながら、インパクト抜群の顔(?)見せであったプロトタイプ。
マミーを回収した理由については、
上述のビデオテープにある「おもちゃを取り込む」という能力と、
マミーが断末魔に「 “He'll make me part of him!(=あいつの一部になってしまう!)”」と叫んでいる事から、
恐らくは……。
Chapter3
このチャプターでも後述の黒いビデオテープ等でその存在が語られる他、事前に公開されていた情報から、彼の暗躍の一端が垣間見える。
今チャプターの舞台、地下に築かれた孤児養育施設である『プレイケア』が運営されていた十数年前、
プロトタイプはそこで暮らしていたセオドア・グランベルという少年と接触し、交友関係を築いていた模様。
周囲からは彼のイマジナリーフレンドと誤解されていた事も手伝い、巧妙に身を隠しつつ、セオドアにプレイタイム社の資料を盗ませるなどの行為に及んでいた。
さらには最新式のグラブパック2.0を盗み出し、彼にそれを使ってのプレイケア脱出を促したが、セオドアはグラブパックの操作を誤って感電してしまい、死にかけたところをプロトタイプに救助されたようだ。
その後、セオドアは実験体1188…キャットナップへ生まれ変わり、本チャプターのメインエネミーとしてプレイヤーの前に立ち塞がる。
キャットナップは自身の命の恩人であるプロトタイプを神様のように崇め、彼こそが「我らを救う」のだと発言している。
そのためか、キャットナップの縄張りである「プレイケア」はたびたび「教会」にも例えられており、
その片隅には彼がおもちゃと廃材で作り上げた、グロテスクな「祭壇」が設置されている。
熱狂的な崇拝の元、忠実に動くキャットナップは、プロトタイプにとっても切り札と言える存在であったようだ。
そして、例によって最終戦で登場。
グラブパックに帯電した超高電圧を喰らい、火達磨になって苦しむキャットナップ。そんな彼の頭上から、明るい光とともに何かが降りてきた。
ダクトから伸びる剥き出しのフレームだけの腕…そう、プロトタイプである。
取り乱し後ずさるキャットナップだったが、神々しいライトの後光と、救いを差し伸べるかのように開かれた掌の表情を見てか、
彼は落ち着いて座り直し、彼を崇めるかのように両手を広げた。
グラブパックによる感電、己の危機に駆けつけたプロトタイプ。
奇しくもそれは、かつてのセオドア少年が体験した絶体絶命の危機が再演された形でもあった。
そしてまた、あの時のようにプロトタイプは自分を助けてくれるのだ……キャットナップはそう思っていたのだろう。
しかし、彼の眼前で広げられた指先は窄められ、二度目の救いは与えられなかった。
プロトタイプの腕は無防備になっていたキャットナップの喉元を刺し貫き、殺害。
そのまま残骸を吊り上げるように、ダクトの中へと消えていった。
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外部リンク
喜びの時間(ネタバレ注意!)
次のメッセージはプレイタイム社の従業員に向けたもの。
午前11時01分東部標準時、未知の敵対勢力がプレイタイム社の施設内に存在することを確認。
施設内の従業員は直ちに緊急避難プロトコルを開始せよ。
所持品は一切持たず、敵対勢力に近づかないこと。
避難経路が使えない場合は隠れられる場所を探すこと。
毛布やクッションで身体を覆い、音を立てないこと。
窓は一切覗かないこと。如何なる場合もドアを開けないこと。
誰とも目を合わせては 〈中断〉
今すぐドアを開けること。
喜びの時間がやってきた。
1995年、8月8日のあの日の真実。
チャプター3にて、従業員が失踪した事件の真相が明かされた。
それはプロトタイプによって引き起こされたおもちゃ達の一斉蜂起…すなわち従業員全てを対象にした大虐殺であった。
プロトタイプには生きたおもちゃ達を支配、あるいは洗脳する力があるようで、
彼の命令のまま、おもちゃ達は従業員を襲い、殴り、引き裂き、いたぶるように殺した。
そして証拠の隠滅も兼ねて大量の死体をすべて地下施設へと隠し、さらには餓えを凌ぐためその死肉を貪り食らったのだ。
なぜ「喜びの時間」は引き起こされたのか。
それを引き起こしたプロトタイプとは一体何者なのか?
未だに多くの謎が残されているが、その答えの手掛かりとなり得るものが見つかっている。
チャプター3で入手できる、黒いビデオテープの内容である。
内容はプロトタイプを研究する、とある科学者による音声ログ。
普段は無口であるというプロトタイプが珍しくコミュニケーションに応じたようで、彼と科学者の対話によってある真実が浮き彫りになる。
"私…質問…ガ…アル…"
『…続けて』
"オ前ハ…何カ…感ジル?"
"突イテ…殴ッテ…切リ裂ク…感ジナイカ?"
彼は実験と称した拷問まがいの仕打ちを受け続けていたのである。
『お前の中の秘密だ、1006。計り知れない価値がある』
『私が切って、突いて、焼くたびにそれは…どんどん近づいているんだ…』
『だから話せ。話すな…抗え。いや、屈しろ…どちらにしろ、毎日お前のことを新しく学んでいる』
『興奮するよ…‼︎』
……もはやそれは研究を建前に、意志あるものを蹂躙して悦に入るという外道の所業以外の何物でもない。
彼もまたプレイタイム社の狂気に蹂躙されていた被害者であるならば、
『喜びの時間』とは、復讐の歓喜に湧く瞬間だったのか。
あるいは…
"アリガトウ"
『私に…礼を?』
"勿論ダ。私モオ前ニツイテ学ベル…毎日、ナ"
プロトタイプは、人間の歪んだ喜びを学習してしまったのだろうか…?