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はじめに

魔法ワールド(Wizarding World)」(略称は「ウィザワ」等)は、複数の事柄を指す。

  • ユニバースとして

イギリスの小説家「J・K・ローリング」が創造した世界のこと。魔法族が現実の歴史の影に潜み、独自の文化圏を作り上げているメディア・フランチャイズかつシェアード・ユニバース

小説『ハリー・ポッターシリーズ』(略称"ハリポタ")や映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ(同"ファンタビ")などが有名。中でも前者は「史上最強のファンタジー」の異名を持つ。

この記事では主にユニバースとしての魔法ワールドについて説明をする。

  • コミュニティとして

上記の作中で、特に非魔法族(マグル)の社会と区別した魔法族の社会のこと。→魔法界(ウィザーディング・ワールド)で解説。

  • ウェブサイトとして

「Pottermore」が前身の総合ポータルサイト「Wizarding World: The Official Home of Harry Potter」のこと。

概要

J・K・ローリングによる小説『ハリー・ポッター』シリーズを最初の原作とし、映画、舞台劇、ゲーム、テーマパークなど多様なメディアミックス展開がされている作品群。

ウィザーディング・ワールド」「ウィザワ」の名でも知られる。

タグとしてはカタカナ表記のほうが用いられることが多い。

ファンタスティック・ビースト』がシリーズ化した第2作『黒い魔法使いの誕生』の公開をきっかけにユニバースとして定義された。

世界全体での興行収入はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、『スター・ウォーズ』シリーズに次ぐ第3位で、日本国内に限定すれば知名度も含めMCUを上回る。

展開一覧

『ハリー・ポッター』シリーズ

<媒体:小説・実写映画など>

舞台は20世期のイギリス。意地悪な親戚の家に住む11歳の孤児ハリー・ポッターのもとに、アルバス・ダンブルドアが校長を務めるホグワーツ魔法魔術学校入学許可の手紙が届く。親友のロンハーマイオニーとの学校生活、そして闇の魔法使いにしてハリーの両親の仇ヴォルデモート卿との死闘が描かれる。

小説は全7巻。初期は児童書的な明るい雰囲気だが、作中でハリーが成長するにつれて読解の難易度が上がり、社会の腐敗や差別、主要人物の死など暗い描写が増える。

ワーナー・ブラザーズによって映画化されている(イギリス側との共同制作)。

しかしストーリーの省略、根幹となる設定の矛盾が多く含まれているため、正史はあくまで原作となる小説版だと考えた方が良い。また、その原作の邦訳版も大量の珍訳・誤訳が含まれているので注意。

…と言っても大まかなあらすじ程度なら乖離は少ないので、どちらかを選んで視聴/読了後、それらの相違点について検索するくらいで構わないだろう。

HBO Maxで10年にもわたるドラマシリーズが制作されることが、映画シリーズ完結後11周年を迎えた2023年4月12日に公式発表された。キャストは映画シリーズ一新され、製作総指揮はなんと原作者ローリングがみずから努める。原作のファンタジーが詳細に、忠実に描かれる予定。

原題は原則『Harry Potter and the~』となっており、邦訳版では『ハリー・ポッターと〇〇の△△』としている。

<作品一覧>

※発表年は全て原語版のもの。

No.原題
  • 邦題
小説映画ドラマ
1Harry Potter and the Philosopher's Stone1997年2001年未定
2Harry Potter and the Chamber of Secrets1998年2002年未定
3Harry Potter and the Prisoner of Azkaban1999年2004年未定
4Harry Potter and the Goblet of Fire2000年2005年未定
5Harry Potter and the Order of the Phoenix2003年2007年未定
6Harry Potter and the Half-Blood Prince2005年2009年未定
7Harry Potter and the Deathly Hallows2007年
  • PART1:2010年
  • PART2:2011年
未定

※忠実に訳すなら「半純血のプリンス」や「混血のプリンス」が適当

(外伝・解説書)

こちらも著者は全てローリング氏。

原題
  • 邦題
発売扱い・備考等
Fantastic Beasts and Where to Find Them
  • 幻の動物とその生息地
2001年ホグワーツ魔法魔術学校指定教科書
Quidditch Through the Ages
  • クィディッチ今昔
2001年同上
The Tales of Beedle the Bard
  • 吟遊詩人ビードルの物語
2008年作中作
Short Stories from Hogwarts of Heroism, Hardship and Dangerous Hobbies
  • エッセイ集 ホグワーツ 勇気と苦難と危険な道楽
2016年電子版のみ
Short Stories from Hogwarts of Power, Politics and Pesky Poltergeists
  • エッセイ集 ホグワーツ 権力と政治と悪戯好きのポルターガイスト
2016年電子版のみ
Hogwarts:An Incomplete and Unreliable Guide
  • ホグワーツ 不完全&非確実
2016年電子版のみ

ハリー・ポッターと呪いの子

原題は『Harry Potter and the Cursed Child』

時系列は『死の秘宝』本編の19年後で、ハリーたちの子世代のホグワーツにおける活躍を描いた物語。

上記シリーズの続編であり"第8巻"という位置付けだが、初出の媒体が小説ではなく舞台劇であること、原作者ローリングは原案の共同執筆者であり、脚本はジャック・ソーンが書き、おおよそ大部分を別人が書いた作品であるということから「正史ではなく、あくまでパラレル」と見なすファンもいる。

ちなみにローリング本人は「舞台劇のために書かれたもの、映画にする予定はない」と言っている。

これは、舞台版における独自の設定、世界観、登場人物に関しては他のフランチャイズ作品にも流用されていないという意味でもある。

ロンドンで2016年初演。2022年には東京にて日本人キャストで公演予定。

ファンタスティック・ビースト』シリーズ

舞台は『ハリー・ポッター』シリーズより半世紀以上前。

魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公に、不思議な魔法動物たちとの交流や暗躍する闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドとの対決を描いた物語。

ニュートが著したホグワーツ指定教科書、という設定の前述の副読本『幻の動物とその生息地』を発展させたスピンオフまたは前日譚的な映画シリーズで、制作は引き続きワーナー・ブラザーズでイギリス側との共同によって行われる。全5作予定。

またそれぞれの脚本も(公開からやや遅れて)発売されている。

原作者ローリングが単身で、3作目からは共同で脚本を担当しているため「正史」とみなされることが多い。

<作品一覧>

No.原題
  • 邦題
公開日(米英)公開日(日本)
1Fantastic Beasts And Where To Find Them2016年11月18日2016年11月23日
2Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald2018年11月16日2018年11月23日
3Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore2022年4月15日2022年4月8日
4(タイトル未定)2024年(予定)
5(タイトル未定)2026年(予定)

※1 忠実に訳すなら副読本の邦訳と同じ「その生息地」が適当

※2 同じく「グリンデルバルドの罪」

ポートキー・ゲームズ

瞬間移動ができる魔法道具「ポートキー(Portkey)」から名前がつけられたゲームレーベル。2017年に設置された。

ちなみにポートキー以前にも『ハリー・ポッター』シリーズのゲーム化はされており、レゴシリーズとのコラボ作品、映画シリーズを基にした作品、『ハリー・ポッター:クィディッチ・ワールドカップ』、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの事件簿』などが存在する。

すべてそれぞれのゲーム会社が原作を参考にして製作しており、原作者ローリングは一切関わりを持っていない。

英題
  • 邦題
種別媒体製作リリース年
Harry Potter : Hogwarts MysteryナラティブRPG(ADV)
  • iOS
  • Android
Jam City2018年
Harry Potter : Wizards Unite位置情報・拡張現実
  • iOS
  • Android
Niantic2019年
Harry Potter : Puzzles & Spells3マッチパズル
  • iOS
  • Android
  • Fire OS
  • Facebook
Zynga2020年
Haryy Potter : Magic AwakenedCCGMMORPG
  • iOS
  • Android
  • Windows※1
  • MacOS※1
NetEase,Zen Studio2021年※2
Hogwarts Legacyオープンワールド型アクションRPG
  • PS5
  • PS4
  • Windows
  • Xbox(One、Series X/S)
  • Nintendo Switch
Avalanche Studio2023年

※1専用のエミュレーターを使用

※2中国、台湾版のみ。海外版は2023年内のリリースを予定している

テーマパーク

  • ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター

ユニバーサル・スタジオのテーマパークに導入されている、世界観を忠実に再現したエリア。

場所テーマパークモデル開業年
アメリカ・フロリダ州アイランズ・オブ・アドベンチャー
  • 禁じられた森
  • ホグズミード村
2010年
アメリカ・フロリダ州ユニバーサル・スタジオ・フロリダ
  • ダイアゴン横丁
  • グリンゴッツ銀行
2014年
日本・大阪ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
  • ホグズミード村
  • ホグワーツ城
2014年
アメリカ・カリフォルニア州ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド
  • ホグズミード村
  • ホグワーツ城
2016年
  • ワーナーブラザーズ・スタジオツアー東京 メイキング・オブ ハリー・ポッター

ロゴについて

本が見開かれた状態で、九本の杖がページを模している。

杖は左から順に以下の通り。

杖(持ち主)諸元備考
ヴォルデモート不死鳥の尾羽根、イチイの木、34センチ
ロン・ウィーズリーユニコーンの尻尾の毛、柳の木、35.6センチ
ハーマイオニー・グレンジャードラゴンの心臓の琴線、ブドウの木、27センチ
ハリー・ポッター不死鳥の尾羽根、柊の木、28センチ
ニワトコの杖セストラルの尻尾の毛、ニワトコの木、38センチ死の秘宝の1つ
ニュート・スキャマンダー骨、ライムの木・先端はトネリコ・持ち手は貝殻、36センチ
ティナ・ゴールドスタイン現状不明
クイニー・ゴールドスタイン同上
アルバス・ダンブルドア同上ファンタビ当時

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