ハリー・ポッターと死の秘宝
はりーぽったーとしのひほう
『ハリー・ポッター』シリーズ第7章にして本編最終章。ハリー17-18歳の物語。
初めてホグワーツから舞台を離れ、様々な場所で逃避行をしながら戦いを続けるトリオの物語となる。
もはや学園小説とは言えず、完全にダークファンタジーのそれ。映画では英国中を駆け巡るロードムービー的な雰囲気もある。
数々の伏線が回収されていくが、中でもアルバス・ダンブルドアとセブルス・スネイプの過去が決着に関わることとなる。
前から匂わされていた「死」というテーマが色濃く出ているのが最大の特徴。
魔法界に古から言い伝えられてきた、死神からの贈り物とされる三つの秘宝がキーアイテムとなり、最終決戦の雌雄を決する。
死を制するハリーと、死から飛翔したリドル。捻れた運命に縛られた二人の戦いは、全ての始まりの場所ホグワーツにて決着する。
映画では前作までとは異なり、「Part I」「Part II」の前後編構成である。『アズカバンの囚人』以降は原作からのカットシーンが増えていたのだが、本作では尺が伸びた事で原作の要素は大体網羅されている。
両親と共に避難するさいに「ハリーは行かないのか?」と心配する素振りを見せた。
また、両親がハリーに辛辣な態度を取った為にハリーが「僕は粗大ゴミみたいなもんさ」と自嘲したのに対して「粗大ゴミじゃない」と反論し、ダドリーは拙く遠回りな言い方ながらもディメンターから助けてくれたハリーに対して感謝を伝えた。
ハリーは部屋の前で紅茶を置かれていたあの行為が嫌がらせではなく、ダドリーなりの気遣いであった事を察して気恥ずかしくなりながらもダドリーと和解して握手した。
因にペチュニアも何か言いたげではあったが、結局は何も言わずに立ち去った。
彼の改心は今までのダドリーを知るハリー(と読者)の目を剥かせた。