注意
セブルスとスネイプのどちらかだけのタグをつけている作品が多いが、セブルス・スネイプとフルネームでタグ付けをするのが最も検索における利便性が高い。
概要
ハリー・ポッターシリーズに登場する人物。全七巻通じて登場するメインキャラクターの一人。
ホグワーツの魔法薬学の教授であり、主人公ハリーを目の敵にしている。
不死鳥の騎士団員でありながら死喰い人。
謎が多く、彼の真意は最終巻の終盤まで明かされなかった。
実は物語の鍵を握る人物であり、シリーズの「影の主人公」と呼ぶべき人物。
プロフィール
本名 | Severus Snape(セブルス・スネイプ) ※ミドルネーム不明 |
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誕生 | 1960年 1月9日 |
死亡 | 1998年 5月2日(享年38歳) |
死因 | ヴォルデモートの蛇ナギニに噛まれ出血死 |
種族 | 人間 魔法使い |
人種・国籍 | 白人 イギリス人 |
血統 | 混血 |
(家族)
両親 | 母:アイリーン・プリンス(純血魔女) 父:トビアス・スネイプ(マグル) |
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兄弟 | なし |
生家 | イギリス・イングランド、ミッドランド、コークワース、スピナーズ・エンド |
婚姻 | 未婚 |
子供 | なし |
ペット | 不明 |
(所属)
出身校 | ホグワーツ魔法魔術学校 寮:スリザリン |
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在学中の地位・賞与など | スラグ・クラブ(おそらく) |
組織 | 卒業後すぐ死喰い人→不死鳥の騎士団(死喰い人との二重スパイ)+ホグワーツ魔法魔術学校魔法薬学教授(1996年度はDADA教授、1997年度は校長。1996年度まではスリザリンの寮監も兼任していた) |
(魔術)
杖 | 詳細不明 |
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パトローナス | 牝鹿 |
技能 | 魔術全般に熟達。特に魔法薬、魔法の開発、闇の魔術とその防衛術、無言呪文、決闘術、開心術、閉心術など |
(容姿)
眼の色 | 黒 |
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髪の色 | 黒 |
肌の色 | 土気色 |
(演者)
俳優 | アラン・リックマン(映画版) |
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CV | 土師孝也(映画版吹き替え)/茶風林(ゲーム版) |
人物
ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学教師。スリザリン寮の寮監。
顔は土気色で、大きな鉤鼻が目に付く。歯は不揃いで黄ばんでいる。
髪は黒くねっとりとしており、肩まである真ん中分け。体臭は古い革靴の臭い。
瞳の色も黒で、重たげな漆黒のローブを纏っている。
実は元「死喰い人」。ただしヴォルデモート凋落前に不死鳥の騎士団側へと造反。
ホグワーツ校長にして騎士団のリーダーであるダンブルドアの庇護もあり裁判から逃れることに成功した。ヴォルデモート復活後は再び死喰い人へと加入するが、実はダンブルドアの指示により騎士団との二重スパイを行っており、両陣営から常に疑いの目を向けられている。
性格は無愛想で陰気。自寮への贔屓が露骨なため、スリザリン生以外の寮生からは嫌われている。
出来の悪い生徒には執拗に小言を言う悪癖があり、とりわけ魔法薬学が苦手なネビルに関しては、授業中皆の前で露骨に失敗を嘲笑ったり、(たちの悪いジョークであるだろうが)彼のペットに毒薬を飲ませようとしたりと当たりがキツい。自分の監督するスリザリン以外の寮(特にグリフィンドール)に理不尽な減点をするなど教師にあるまじき面もある。
「優」をOWL試験で取らなければNEWT過程へ進ませないなど、指導レベルは高度。しかもスラグホーンが着任しハードルを「良」に下げても、(ハリー曰くたったの)12人しか生徒がいなかったため(四寮合同授業)、よほど厳しいようだ。クラス授業中の私語なども許さず(ドラコ・マルフォイなどのスリザリンのお気に入りを除いて)、スネイプの授業は常に緊張感が漂っている。
闇の魔術について精通しており、DADA教授の座を毎年狙っているが採用されていない。彼を知る人間によれば、学生時代は一年の時点で高学年よりも呪詛に詳しかったという。実際、在学中に「セクタムセンプラ」などの高度な呪文や「レビコーパス」などの呪詛を自作していたことが後に判明する。
専門である魔法薬学についてもかなり優秀で、闇の魔術と同様学生時代から既に高い能力を示していた。教科書よりも効率的な魔法薬の製造法を独自で編み出したりしている。
これらの独自の技術は教科書『上級魔法薬』の余白にメモしていた。その後何の因果かホグワーツに保管されていたそれをハリーが入手し、その力に助けられることとなる。
魔法薬学の教科書にサインしていた名前は「Half-Blood Prince(半純血のプリンス)」。これは母親アイリーンの旧姓『プリンス』から来ているものである。スネイプは学生時代に父親のマグルの血統にコンプレックスを持ち、母方の血筋を強調していたことが窺える。
無言呪文や閉心術/閉心術に熟達しており、作中に登場する魔法使いの中でも上位に入る実力の持ち主。また不死鳥の騎士団や死喰い人として戦争を経験しているだけあって決闘術も相当なもの。
おそらく魔法の総合力では親世代(ハリーの両親と同世代)の中では最優秀のジェームズとリリーに追随するものと思われる。戦闘力に関してはベラトリックスに匹敵していると考えられ、ダンブルドアやヴォルデモートという規格外を除けば作中トップクラス。
ハリーのことを敵対視を超えて憎悪しており、少しでも隙を見付けると減点する。ハリーの方もスネイプに対し口答えしたり感情を爆発させたりと、両者の関係は常に険悪なものだった。
ハリーを憎悪する理由は学生時代の遺恨があるジェームズ・ポッターに瓜二つであることが主な原因である。
スネイプだけでなくジェームズ側にも非があったこと、スネイプを殺しかけた相手がジェームズの親友にしてハリーの代父シリウスであったことなどが判明(後述参照)。更には「予言」を盗聴しヴォルデモートに伝え、結果ジェームズとリリーを死に追いやったという発端が死喰い人時代のスネイプであることなども明らかに。ハリーはそれまで英雄だと信じ尊敬していた父親の実態を知りショックを受けると共に、徐々に自分の両親とその周囲の人々との因縁の深さを知ることになる。
実は意外と義理堅い人物でもあり、嫌っているリーマス・ルーピンに対して(最終的に八つ当たりで退職に追い込みはしたものの)定期的に脱狼薬を処方するなどしての勤務を支援していた(そもそも辞職に追い込んだ理由も、八つ当たりでなかった可能性がある。「リーマス・ルーピンとの関係」にて後述)。
ジェームズ・ポッターに並ぶ憎悪の対象であるシリウス・ブラックに対しても、四巻で利害の一致から形式的に和解した後は彼の身の安全を真面目に考慮している。
アルバス・ダンブルドアに対しては並々ならぬ恩義もあってか、六巻で本人から殺害を懇願されるその時まで諦めずに彼の呪いの治療に手を尽くした。
ヴォルデモートとは死喰い人時代からの付き合いである。スネイプがダンブルドア陣営のスパイであることを他のデスイーターに疑われることも度々あったのだが、スネイプはヴォルデモートの開心術でも破れない非常に優れた閉心術の使い手であったため、疑い深いヴォルデモートもやがてスネイプのことを重用する様になった。
そして、ハリー・ポッターの母親リリー・ポッターは、ホグワーツ入学以前からの幼なじみであり初恋、そして生涯唯一愛した相手。学生時代の仲違い以降、彼女と絶縁状態になってからもずっと慕っており、リリーの死後も変わらずスネイプの守護霊が彼女と同じ雌鹿だったことや、ポッター家の写真をリリーの部分のみ保持していたこと、リリーからシリウスに宛てた手紙の「愛を込めて リリー」の一文を切り抜いて大事に持っていたことなどから慕情の深さと後悔が窺い知れる。
つまり、リリーは彼にとって生涯の想い人であり、ハリーを守る理由そのものであった。
偏屈で嫌味な反面、リリーへの愛情を貫徹した意思の強い人物であり、ハリーは彼の問題多き人格を強く嫌っていた一方で、自分を守ってくれる理由を知って以降は考えを改め、最終巻のエピローグではホグワーツ入学を控えてスリザリンへの入寮などを不安がる次男を諭す際に「おそらく一番勇気のある人だった」と評した。
そのキャラクター像から海外でも日本でも人気が高く、映画『死の秘宝Part2』の公開時に行われた人気投票で海外・日本ともに主役3人を抑えて1位を獲得している。Pixivでの投稿数・閲覧数もぶっちぎりの1位。
経歴
生い立ち
1960年1月9日、廃墟となった工場と汚れた川の近くにある荒れ果てた袋小路、スピナーズ・エンドに生まれる。父親はマグル、母親は魔女で、物心ついた頃から不仲であり、家庭環境は良くなかった。
リリー・エバンズ(とその姉ペチュニア)とは9歳頃に知り合う。美しく活発なリリーに、スネイプは会話する前から好意を持ち、マグル生まれのリリーに魔法界のことを教えるうち、友達になった。
一方魔力のないペチュニアとは互いに蔑視し合い、それがエバンズ姉妹の関係悪化にも影響した。
学生時代
ホグワーツ在学中はスリザリン寮所属。
他の生徒が知らない様々な呪いを独自に習得するほど闇の魔術にどっぷり浸っており、1年生の頃から既に大半の7年生よりも多くの呪いを知っていたという。
魔法薬学にもずば抜けた才能を発揮し、教科書の間違いを自ら訂正するほどだった。
友人は同級生となったリリー以外には皆無と言ってよく、陰険な外見と性格ゆえ嫌われていた。スリザリン内でも浮いていたようである。
ただし、当時高学年であったルシウス・マルフォイとは良好な関係であり、互いに卒業してからも関係は悪化していない。おそらく才能を見出されたのだろう。
ハリーの父ジェームズとも同級生であったが、入学前のホグワーツ特急でジェームズとシリウスのいたコンパートメントに乗り合わせた際、スネイプがリリーにスリザリン入寮を奨めるのを聞いたジェームズが「スリザリンに入るくらいなら退学する」と口を挟んできたことから激しく対立し、入学後2人から悪質な「悪戯」を受けるようになる。ジェームズとシリウスはスネイプに『スニベルス(泣き虫)』と言うあだ名を付けているが、スネイプが在学中に泣いたという描写は一切無い。恐らく二人がスネイプを嘲笑する為に創った蔑称と考えられる。
スネイプが2人の嫌う闇の魔術や純血主義に傾倒し、時に他生徒を使って闇の魔術を実験していたことに加え、ジェームズは自身の想い人であるリリーが彼を気にかけていることへの嫉妬も要因となった。ちなみに、ジェームズ、シリウスの友人ルーピンは彼らの争いを傍観していた。(他生徒に魔法の実験を行っていたのはジェームズもシリウスも同様。ただし彼らの場合おそらく闇の魔術ではなく、冗談目的か仕返し目的であったとは思うが)
スネイプも決してやられっぱなしではなく、自作の呪いを仕返しに掛けてみたりはするが、ジェームズとシリウスに徒党を組まれ、多人数の前でいじめられていた。スネイプにもマルシベールやエイブリーといった闇の魔術関連の仲間がいたようだが、常にスネイプの味方であったかは不明。
そしてスネイプがジェームズ達の尻尾を掴もうとルーピンの秘密を探っていた際に事件は起こった。
シリウスが叫びの屋敷へ向かうよう冗談半分で唆し(暴れ柳の宥め方を教えてしまった)、スネイプがそこで人狼となったルーピンに殺害されそうになったということがホグワーツの教師、理事たちに露見し、大問題となったのだ。
ジェームズが襲われそうになったスネイプを救出したのだが、スネイプは日頃の恨みもあってか「奴は自身と仲間の保身のために助けたに過ぎない」と評している。
事実スネイプが噛まれていたらルーピンは退学どころか極刑となった可能性もあり、唆したシリウスもブラック家の加護があったとして厳罰は免れなかった。ジェームズが良心を持って救ったとしても普段の行いから疑われて然るべき状況ではあったのだ。
グリフィンドールの二人との関係が本格的に悪化していく一方でリリーとの心の距離も学年が上がるに連れ開き、彼女の心を取り戻したかったスネイプは「リリーに自分を見てもらうためには偉大な闇の魔法使いになるしかない」と思い込んだ。そうして将来死喰い人となってゆく集団に身を置くようになったスネイプは更に闇の魔術に没頭していくが、リリーは闇の魔術を嫌い、彼と付き合っている連中も快く思っていなかった。スネイプの当時の仲間がリリーの友人を傷付けたため、ついに手を引くよう忠告したが、スネイプが耳を貸すことはなかった。
5年生のある日、スネイプが大人数の前でジェームズにスネイプ自身が開発した呪文であるレビコーパスを使われ逆さ吊りにされ、下着を露出されられるという辱しめを受けていたとき、それを止めようとリリーが介入した。
ジェームズから受けた屈辱と怒りからうっかり彼女を「穢れた血」と呼んでしまい、それがきっかけとなり絶縁状態となってしまう。
スネイプはこの時謝ったが、我慢の限界だったリリーは完全に愛想を尽かしてしまい、以降スネイプにとって「穢れた血」はトラウマワードとなった。
そして7年生の頃、リリーは素行を改めたジェームズと交際を始め、シリウス達とも親しくなっていった一方で、スネイプはリリーと決別するきっかけを作ったジェームズを一層憎み、彼と卒業するまで呪いをかけ合う日々を過ごした。
死喰い人時代
卒業後、死喰い人に加わり、「不死鳥の騎士団」をスパイする任務を与えられた。
しかしシビル・トレローニーの予言をヴォルデモートに密告した結果、リリーの子ハリーがヴォルデモートを倒す子供であると睨まれ、ポッター一家の命が狙われてしまう。
“If she means so much to you,” said Dumbledore,“surely Lord Voldemort will spare her? Could you not ask for mercy for the mother, in exchange for the son?”
“I have – I have asked him –”
“You disgust me,” said Dumbledore, and Harry had never heard so much contempt in his voice. Snape seemed to shrink a little. “You do not care, then, about the deaths of her husband and child? They can die, as long as you have what you want?”
リリーの命だけは助けてほしいとヴォルデモートを裏切ってダンブルドアを頼り、「二重スパイ」となるが、スネイプの尽力は実らず、リリーは殺害されてしまった。
ダンブルドアは、絶望するスネイプにリリーの遺志を継ぎハリーを守るよう諭し、以後スネイプはリリーを死なせてしまった事への贖罪に生きることとなった。
そしてヴォルデモートの失踪後、ダンブルドアの庇護下で母校の「魔法薬学」教授となる。
ホグワーツ教授時代
1991年、ホグワーツにハリーが入学。彼に恋敵ジェームズの面影を見たスネイプは、ハリーがジェームズ同様「傲慢で嫌な子供」という偏見を抱き何かと突っかかるも、「リリーの息子を守る」という誓いのもとダンブルドアに従い行動し、1巻ではハリーを箒から振り落とそうとしたクィレルに対し(日頃の行いが災いして妨害されてしまったが)反対呪文を唱えて救ったり、5巻ではハリーに閉心術を教えたり(常に険悪ムードで、リリーと決別した際の記憶を覘かれ怒りのあまり中断してしまったが)、遠まわしに手助けしていた。
なお、ハリーと対立することが多かったドラコ・マルフォイのことは(数少ない友人の一人で、学生時代の先輩でもあったルシウスの息子であることを差し引いても)個人的に気に入っていたのか、2巻では彼の露骨なおべっかを建前上注意しつつも嬉しさを隠さず、一方のドラコからも強く信頼されるなど、(5巻の時点までではあったが)極めて良好な信頼関係にあった。
1996年、ダンブルドアを(本人からの頼みで)殺害しホグワーツから逃亡。不死鳥の騎士団からの憎しみを一身に受けることとなる。
ヴォルデモートが魔法界を掌握した後、ホグワーツ校長に就任する。表向きはヴォルデモートに従いつつ、ダンブルドア(の肖像画)の命を受けて、ハリーたちを陰から支援していた。校長と認めない人物を排除する校長室の扉がスネイプを受け入れていた事実からも、歴代校長からの信任を得ていたことが窺える。
また、ルシウスの没落とダンブルドア殺害の実績により、ルシウスの後釜としてヴォルデモートの右腕的存在に収まる。結果、ベラトリックスから疎まれ、ドラコからも父の地位を奪ったとして憎まれることになった。
1998年5月2日、ヴォルデモートの命を受けたナギニに致命傷を負わされ(ヴォルデモートは『死の秘宝』の一つ『ニワトコの杖』の忠誠心が彼に移っていると勘違いしていた)、直後に現れたハリーに自身の記憶と真実を託し、失血により絶命。
自分が一番憎んだジェームズと生き写しな顔立ちの中で唯一自分が永遠に愛したリリーと同じであるハリーの緑の瞳を見ながら「僕を見てくれ」と呟いて息を引き取った。享年38歳。
その死後、ヴォルデモートに従ったという事実もあってか校長室への肖像画の設置は見送られてしまった。しかし、ハリーが彼の肖像画を校長室に飾るよう粘り強く働きかけたため、現在では設置させているという。
人間関係
リーマス・ルーピンとの関係
前述の通り八つ当たり&学生時代からの恨みで辞職に追い込んだ……ように見えるのだがそうでない可能性も指摘されている。そもそも彼がルーピンを追い込み始めたのはシリウスを取り逃がすより前からであり、実際スネイプの宿題がもとでハーマイオニーはルーピンの正体に気が付いた。またルーピンが担当した闇の魔術に対する防衛術の担当教師はある人物が就任を望みダンブルドアが断って以降、一年以上勤め上げた前例が無く、さらに作中では秘密の暴露という理由であっても無事に退官し、その上無事に勤め上げたのは校長就任前のスネイプ本人以外ではルーピンのみであり、一年間偽物に成り代わられて監禁され偽物も捕らえられたケースや最悪死亡したケースなど、この二人以外はまともな辞め方すらできていないかそもそも勤められていない。おそらく彼が手を下さなくとも、校長自身が適当な理由をつけて解雇しようとしていたり、ルーピン本人が退職を決めていた可能性もある。
作中スネイプの態度は直接苛めを受動したシリウスと積極的な加担を避けたルーピンでは明らかに異なっており、シリウス相手では常に一触即発だがルーピンからはファーストネームで呼ばれ普通に会話もしている。こうしたことから彼がどういう感情でルーピンに接していたのかは不明な点が多い。
ただし二人の関係が表面上であれ穏やかだったのは、スネイプがダンブルドアを殺害するまでである。このことでルーピンは激しくスネイプを憎み、呼び方も”セブルス”から”スネイプ”に変わった。その後かつての仲間や教え子の襲撃にスネイプが加担した時も激しく憤っていたが、皮肉にもこれはルーピンの命を助けようとした結果であった可能性が、後にハリーがスネイプの記憶を見たことで浮上している。しかしこの時点で既に二人とも死亡していたため、誤解であってもそれが解けることはなかった。
映画版
彼を演じるアラン・リックマンの名演により、スネイプの不気味さや冷淡さが綿密に表現されていた……のだが!
意外なことにアラン・リックマン氏は天然気味な上にかなりユーモア溢れる人物らしく、トム・フェルトン氏にローブを踏まれただけでは飽き足らず、自分でローブを踏んで自爆という笑撃のNGまで炸裂させたことも。
最終作ワールドプレミアの時に至っては会場に轟くスネイプコールに投げキッスを返している。
映画の脚本では、スネイプというキャラクター自体が原作よりも好ましい性格で描写され、生徒を大っぴらに侮辱したり嫌がらせしたりすることはほとんどない。
映画版『アズカバンの囚人』では、オオカミ状態と化したルーピンから盾になってトリオを守ろうとするシーンが付け加えられたり、『死の秘宝 PART2』の回想シーンにおいては、ダンブルドアにリリーだけではなくポッター家全員をヴォルデモートから保護するように懇願している(小説ではまずリリーを守るように頼み、ダンブルドアに窘められて一家を守るようにと言い換えた)。
ファンならば原作を読むほうが実際彼のキャラクター性が知れて良いだろう。
映画本編でも第4作での「長めの袖を軽く捲ってからハリーとロンの頭を思いっ切り押さえる」「授業態度が悪いロンの後頭部を教科書でダイレクトアタック」といった名演技で天然な部分を余すことなく出したりするなどして、原作では見られないユーモラスなスネイプ先生を見せてくれる。
また、第1作のメイキング映像には一瞬だけ笑顔のスネイプ先生が映る。
実はリックマン氏は原作者から(最終巻が出るまで黙秘することを条件に)かなり早い段階で物語の結末やスネイプとリリーの縁を唯一知らされており、そのせいか第3作でのスネイプ先生はルーピンが獣化した際に危険を承知でルーピンの前に立ち塞がり、身を挺してハリーたちを守ることで、原作以上に「実は味方」という事実を抜群の説得力と共に観客に見せつけてくれた。
ただ、彼のキャラの原作・映画でのあまりにもの違いはしばしば論争を引き起こし、映画しかみていないファンと原作からのファンとの衝突を生む切っ掛けともなっている。
リックマン氏自身は、撮影時にも作者の意図に合わせようとして監督に積極的に意見していたが、作者との約束の内容上理由を明かせず、それもあってか度々意見が衝突したとのこと。
また、最終巻発売までの数年間、「ネタバレをやらかしてしまうのでは」と不安に苛まれ続けていたらしい。
2016年1月14日、見事にセブルス・スネイプを演じてくれたアラン・リックマン氏は、癌により帰らぬ人となった。享年69歳。
ご冥福をお祈り申し上げます。
第8作「呪いの子」
並行世界ではヴォルデモートの完全勝利により生存しており、スコーピウスの協力者となる。
ただし、本性がダンブルドア側であることに変わりはない。
リリーへの愛情にこそ及ばなかったが、ヴォルデモートに対する忠誠も相応に本当であったらしく、スコーピウスから、本編世界における自身の死について知らされると「闇の帝王自身の手にかかったなら光栄だ」と語っていた。
彼は善人か悪人か
ファンの間でよく議論されてきたのが彼は『善人』であるかということである。
前述の通り日本だけでなく海外の熱狂的なファンはスネイプの本編でのリリーを一途に想い、ハリーを陰ながら守ってきたという行いをもって聖人の様に扱う者が大勢いた。
しかし、元はスネイプが闇の魔術に傾倒し、リリーを結果的に裏切り、デスイーターとなった後に予言をヴォルデモート本人に話したことによってポッター夫妻が亡くなったことなど大勢の犠牲者が出ているため、彼は善人ではなく悪人だという意見も散見された。結局はスパイとしてダンブルドア側についたものの、彼が死喰い人として誰一人殺めていないということは言及されてはいない。
作者J・K・ローリングは、
「スネイプはすべてが灰色だ。彼を聖人にすることはできない、彼は執念深く、意地悪な人だったから。彼を悪魔にすることはできない、彼は魔法界を救うために死んだから。」
「グレー。もう一言付け加えるならば、『非常に欠陥のある英雄(a very flawed hero)』と答えるだろう。付け足しようがない。」
と語っている。
上記にあるようにスネイプの肖像画は最後の場面にはなかったのだが後にハリーが彼の名誉回復をして肖像画をかけさせ、そしてその後生まれた次男には、『アルバス・セブルス』と名付けている。
ハリーは自らを守るために命を落とした二人に責任を感じて赦されることを望み、そして名前を継ぐ家族がいない彼等のために命名したのだとされている。
だが上記の通りアルバス本人に『最も勇気のある人』だと告げていることから、複雑な感情は抱きながらも恐らくハリーの中ではスネイプも英雄の一人であることがわかる。
ハリー・ポッターシリーズの登場人物は完璧に見える人物にも皆どこか欠点をかかえており、むしろ不器用で不完全なヒーローであるスネイプにファンは共感したのである。
スネイプが完全な善人でただの正義の味方であったならばここまでの人気は出なかったであろう。
余談
J.K.ローリング女史は以前twitterで、高圧的かつ作者相手に尊大な態度をとってきたスネイプファン過激派に対してSnapesplaining(スネイプスプレイニング、マンスプレイニングとスネイプを掛け合わせた造語)と発言したことがある。
確証は無いが、ホグワーツ史上最年少の校長であった可能性がある(就任時37歳)。
同じく確証は無いが、映画においてグリフィンドールの剣は長時間放置すると帽子に送還される描写があるため、スネイプはこの剣をハリー達の近くに送る前に、スリザリン出身でありながら帽子の中のグリフィンドールに認められてこの剣を取り出した可能性がある。
(この可能性があるのは映画版のみで、原作では剣は校長室のダンブルドアの肖像画の裏に隠されていた。)
名前
セブルス |
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セブルス(Severus)という名前はラテン語で『船尾』を意味する他、シビアで知られる英単語"severe"(厳格な、容赦のない)に由来する。
ローマ帝国のセウェルス朝並びにセプティミウス・セウェルス(Septimius Severus)と同じスペルとなっている。
ホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めた魔法使いたちの内、フィニアス・ナイジェラス・ブラックはペスケンニウス・ニゲル(シリア軍団長)、アルバス・ダンブルドアはクロディウス・アルビヌス(ブリタニア軍団長)とローマ皇帝を僭称した三人の帝国軍軍団長の名前がモチーフとなっておりセブルス・スネイプは最終的に皇帝となったセプティミウス・セウェルス(アフリカ軍団長)に由来する。
スネイプ |
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またsnapeという動詞も存在し意味は"to be hard upon(~に辛く当たる), rebuke(叱責する), snub(鼻で笑う)"というものとなっておりスネイプのキャラクター像と一致する。
プリンス |
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プリンスとはそのまま『王子』、イギリス以外であれば『大公』ないし『公爵』の意味がある。
しかしプリマドンナなどの言葉からも連想できるように起源をたどるとラテン語で『第一』を意味するprincepsに由来する。
また英語で"The Prince"は、イタリア語で"Il Principe"と表記されるニッコロ・マキャヴェッリ著の『君主論』を連想させる。
この著書の内容から「いかなる手段や非道徳的な行為を用いたとしても、結果として国家の利益を増進させるのであれば許される」という考え方をマキャヴェリズム、権謀術数主義と呼び、出身寮であり監督寮であるスリザリン寮の特質と深く結びつく。
イニシャル |
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これはスリザリン寮を創設したサラザール・スリザリン(Salazar Slytherin)と同じである。
アナグラム |
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→エバンズの騎士を参照。
関連イラスト
関連タグ
作品系タグ
所属グループタグ
ホグワーツ魔法魔術学校
不死鳥の騎士団 死喰い人
ハリポタオールスターズ 親世代オールスターズ
スリザリン 親蛇トリオ
鹿師弟 蛇師弟
歴代校長
前任 | アルバス・ダンブルドア |
---|---|
後任 | ミネルバ・マクゴナガル |
キャラ派生
キャラ属性
NLカップリングタグ
BL系カップリングタグ
親世代間
ジェスネ シリスネ ルスネ スネルー
ルシセブ レギュスネ マルセブ
異世代間
スネハリ ハリスネ
性転換系
スネハリ♀ ジェスネ♀