概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔女。
ホグワーツ魔法魔術学校の「占い学」教授。
堂々と頻繁に生徒の事故や死を予言するが、ほぼ当たっていない。はっきり言ってデタラメ。
ただし、ミーハーなラベンダー・ブラウンやパーバティ・パチルなどの一部の女生徒からは熱烈に支持されている。
実は魔法界で著名な「予見者」であるカッサンドラ・トレローニーの曾々孫にあたる。
プロフィール
Name | Sybill Patricia Trelawney
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出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🔵レイブンクロー寮 |
家族 | 独身 (過去に一度結婚) |
映画版演者 | エマ・トンプソン |
映画版吹替 | 幸田直子 |
容姿
大きな眼鏡を掛けた痩せ形の女性で、スパンコールで飾った服を着ていることが多い。他にも腕輪や指輪、鎖やビーズ玉など装着品が多く、ハリーは彼女を「きらめく特大トンボ」と喩えている。
人物
普段は「俗世に下りると内なる目が曇る」ため、自分の教室がある北塔の最上階(屋根裏部屋)に篭りきりで、階下に降りてくることは滅多にない。
シェリー酒が好きらしく何本も隠し持っており、教室は常にシェリー酒の匂いが漂っている。
自身の才能に関しては半信半疑のようで、芝居がかった大げさなしゃべり方とハッタリを用いて凶運を示唆する予言を告げては、騙されやすい生徒たちに感心されることを楽しみとしている。
また彼女の授業はつまらない上に、面倒くさい作業が多く、ほとんどの生徒からは不評である。また、ハリーに対しては常に「死」や「不幸」を見出していることから、ハリーは彼女の授業を非常に嫌っている。多くの授業を進んで履修しているハーマイオニー・グレンジャーすらも途中で授業を放棄したほどであり、ミネルバ・マクゴナガル教授も「魔法の中でも一番不正確な分野の一つ」と評し、占い学をあまり快くは思っていない様子である(ただし、トレローニーがアンブリッジによってホグワーツから追放されそうになった時には、マクゴナガルは彼女を庇っていた)。
このように強烈で非常に好き嫌いの分かれる人物だが、完全に同情できない詐欺師というわけでもなく、才能ある教師ばかりの学び舎で自分の立場が低いことをしっかり自覚しており、根底には悲哀に満ちた劣等感を抱えているようだ。
大抵の時間を孤独に屋根裏で過ごしている理由は「内なる目を曇らせないため」というよりは、このためであり、シェリー酒も単なる好みというより精神的ストレスによる依存である。高等尋問官のアンブリッジがネチネチと厭らしい苛めをしている間はさらにひどくなり、勤務中にすら酔っているように見えた。
またそんな中自分を慕ってくれる生徒には親愛の情を抱いているらしく、パーバティには「貴女は真の予言者になる素質を全て兼ね備えている」と言ったり、ロンがラベンダーに下ネタを言った時はミネルバ・マクゴナガルのような厳格な言動に豹変した。アンブリッジによって解雇されたとき、二人はシビルに水仙の花を持ってきて慰めてくれた。
7巻終盤ホグワーツの戦いでは、ラベンダーを襲っていたフェンリール・グレイバックの頭に水晶玉を落とし気絶させたが、負傷したラベンダーは「弱々しく動いている」と描写されたのみでその後の生死は不明。(映画では死亡が確定)
5巻では、ドローレス・アンブリッジの査察により解雇され、ホグワーツ城から追放されそうになったが、ダンブルドアの機転で城からの追放は免れた。
6巻でフィレンツェと共同で教科を担当する形で復職した。トランプ占いを2回しており、物陰に隠れるハリーの存在と、ダンブルドアの死を言い当てていた。
7巻では杖で水晶玉を浮かせ、「テニスのような華麗なサーブ」で死喰い人を倒している。
映画版では第3作『アズカバンの囚人』、第5作『不死鳥の騎士団』、第8作『死の秘宝 PART2』に登場。
実は元既婚者、しかし「ヒグルボトム」という姓が嫌という理由で離婚している。
ヒグルボトムのヒグル(higgle)は『値切る』を意味するhaggleの変形で、ボトム(bottom)は『底』という意味なので、『最低額まで値切る』=『ケチ』という意味にとられかねない姓となっている。
夫婦別姓という手段があるとか言ってはいけない。まあそういう面でケチな相手だったのかもしれない。
世代はスネイプの死喰い人時代に求職していることから最も若くても親世代の年少組(レイブンクローだとクィリナス・クィレルやギルデロイ・ロックハートがいる)だと思われるが不明。便宜上親世代へ分類しているが彼女をどの世代に含めるかは創作者の自由。
元既婚者なので案外アンブリッジ世代や爺世代あたりかもしれない。映画版では親世代と同年代くらいに見えるキャスティングがされたが、原作で彼女の年齢を示唆する情報は出ていないのである。
占い師として
彼女の告げる多くの占いは、おおむね平均値の法則に従って些細なことを偶然当てるくらいが大抵ではあるが、実はときどきちゃんと出来事を当てていることもある。
例としてシビルは3巻で「イースターのころ、クラスの誰かと永遠に別れることになる」と予言しているが、実際にハーマイオニーが「占い学」の履修を中止している。またクリスマス休暇における会食で「13人で食事をすると、最初に席を立った人が最初に死ぬ」ので相席を断ったが、(スキャバーズも人数に入れれば)たしかに彼女に挨拶しようと最初に立ち上がったダンブルドアは最初に死んでしまった。
そして、極稀に普段の人格が意識を失い、「本物の予言」を行うことがある。普段は霧の彼方から聞こえてくるような声で話すが、トランス状態のトレローニーは荒々しく太い声になる。(ちなみにトランス状態の記憶は残っておらず、彼女自身は自分が真の予言者であることを知らない。)
作中でトレローニーがトランス状態に陥ったのは以下の2回。
1回目の予言
「ヴォルデモートを倒す者が7月の終わりに生まれる」「その者とヴォルデモートのどちらかがどちらかを殺さなければならない」
1980年の夏ごろ、彼女が教員採用面接を受けた際にダンブルドアの前で行われた予言。この時点では、条件を満たす子供はハリーとネビル・ロングボトムのどちらかということしか分かっていない。しかし、実はこの予言は(前半部分のみだが)死喰い人なって間もないセブルス・スネイプにも盗み聞きされており、この後の彼の行動が「ハリー=予言の子」ということを確定させ、かつ彼がその後二重スパイを長く務めるきっかけにもなった。
また当初はトレローニーの採用(というより占い学そのものの存続)に消極的だったダンブルドアだが、予言の内容を聞いて評価を改め、予言を行ったトレローニーをヴォルデモートと死喰い人たちの襲撃から守るべく、彼女を教師という形でホグワーツに保護することになった。
アンブリッジによる解雇の危機に、ダンブルドアが理屈を捏ねて彼女を庇ったのもこの事情に拠る所が大きい。
2回目の予言
「裏切者が野に放たれ罪なき者が殺される」「召使いがヴォルデモートのもとに戻り、ヴォルデモートが復活する」
3巻(1994年の夏)にハリーの前で行われた予言。罪なき者とはシリウス・ブラックとバックビークを指す。最終的にハリーとハーマイオニーは逆転時計の力によって彼らを救うことに成功するが、同時にペティグリューの逃亡を許し、それがヴォルデモートの復活に繋がってしまう。
彼女の予言は本物なのか?
実際の所何とも言えない。
「占い学」はマクゴナガルはおろかダンブルドアにすら理解の及ばない領域であり、彼女の「内なる目」がどのように機能しているかは本人もよく分かっていない可能性が高い。
作者に言わせればヴォルデモートというグリンデルバルドをも凌ぐ牙城を切り崩す唯一の鍵となったのは事実だが、彼女の予言はヴォルデモートとダンブルドアという強大な2人の魔法使いが予言を重視した事で大きな力を帯びたのであり、彼女の予言自体は大きな力はないとされる。作中でも神秘部に保管されている予言の中で実現したものは極わずかであることが言及されている。
要は「選択」が重要なのだ。
ただ、彼女が受け持った学生に行なう「死の予言」はマクゴナガルのいう通り確実にただのパフォーマンスだと思われる(もっとも、ハリーに関しては思わぬ形で的中したが)。
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