概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔法使いの男性。『ハリー・ポッターシリーズ』に登場。ハリー・ポッターと同期のグリフィンドール生。
名家ロングボトム家の出身で、厳しい祖母に育てられた。
ドジで気弱だが、次第に成長していき、ダンブルドア軍団の中心的存在となる。
プロフィール
Name | Neville Longbottom
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誕生 | 1980年 7月30日 |
血統 | 純血 聖28一族 |
家族 |
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出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🔴グリフィンドール寮 |
組織 | ダンブルドア軍団 |
二本目の杖 |
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守護霊 | 不明 |
映画版演者 | マシュー・ルイス |
映画版吹替 | 上野容 |
容姿
映画版では黒髪。初期はやや出っ歯。
ちなみにブロンドというのはあくまで作者のイメージであり、原作においては髪色は明言されていない。
……とはいえ白黒の挿し絵においては明らかに髪が白っぽく描かれており、明言されていないとも言いきれないところもある。
映画版では黒髪に設定されたため、特に日本ではネビルと言えば黒髪に描写されることが多い。海外では金髪ネビルのファンアートも存在する。
また映画版ではシリーズが進むにつれて出っ歯が解消され、ぽっちゃりとした体も筋肉質へと成長していった。
人物・来歴・過去
お婆ちゃん子
純血の魔法族、ロングボトム家に生まれたネビルは厳しい祖母のオーガスタ・ロングボトムに「一族の誇りたれ」と育てられた。
魔法族の子供に魔法力が顕れるのは大体7歳ぐらいだが、ネビルは魔法力の発現が遅かったため、魔法力を持たない魔法族、スクイブの可能性が浮上。オーガスタをはじめ大おじのアルジーと大おばエニドは気を揉んだ。
アルジーはどうにかして幼いネビルの魔法力を引き出そうとブラックプールの桟橋の端しから突き落とすなどネビルに不意打ちを幾度も食らわせた。
ネビルが8歳の時、アルジーはネビルの足首を掴んで二階の窓からぶら下げていたが、エニドがメレンゲ菓子を持って来たのに気を取られてうっかり手を離してしまった際に彼の魔法力は顕れ、毬のように弾んで難を逃れた。
その魔法力の開花にアルジーとエニド、そして何より祖母のオーガスタは大喜びであった。
魔法力があらわれたことでホグワーツ魔法魔術学校への入学が決まり、大おじのアルジーからは祝いとしてペットのヒキガエルを与えられ、ネビルはトレバーと命名した。
自信のない劣等生
ホグワーツ魔法魔術学校へ入学し、組み分け帽子による組み分けが行われた際、ネビルは比較的長い時間を要した。
自分に自信のないネビルは劣等生が多いと言われるハッフルパフ寮にいきたいと考えていたが、組み分け帽子はネビルの資質からグリフィンドール寮への組み分けを勧めた。
ネビルは自身にグリフィンドールの要素が見いだせず、虐められるのが嫌だと組み分け帽子と口論となるが、ネビルにはハッフルパフの要素である忍耐と勤勉さが足りず、またその不適切な志願理由から、結局グリフィンドールに組み分けられた。
当初のネビルはドジで、物忘れが激しく、何をやっても失敗ばかりのため劣等生の印象が強い。
自分はホグワーツに入学しているにもかかわらずスクイブだと卑下することもあった。
得意の薬草学を除けば学業も優秀とは言えず、自分に自信が持てない性格。
苦手科目は魔法薬学。というよりは担当教授のセブルス・スネイプに対する恐怖から失敗を繰り返していた。
しかし、一年次に校則違反をしようとするハリー、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーを止めようとした点を、仲間に立ち向かうのは敵に立ち向かう以上に勇気がいることとして校長のアルバス・ダンブルドアから10点を与えられ、これによってグリフィンドールがその年の寮対抗杯に勝利した。
もう一人の予言の子
占い学の教授であるシビル・トレローニー教授が1980年に出した本物の予言に、闇の帝王ヴォルデモートを倒す存在の誕生を示唆するものがあった。
内容は、七月末、闇の帝王に三度抗った両親のもとに産まれる子にヴォルデモートは滅ぼされるというもの。
ヴォルデモートに夫婦で抗い、七月末に子供をもうけた夫婦は7月31日生まれのハリーの両親であるジェームズ・ポッターとリリー・ポッターのポッター夫妻と、7月30日生まれのネビルの両親であるフランク・ロングボトムとアリス・ロングボトムのロングボトム夫妻だった。
ロングボトム夫妻はポッター夫妻同様に不死鳥の騎士団の創設時の初期メンバーであった。優秀な闇祓いでもあった二人は多くの魔法使い、魔女たちからの尊敬を集めた。
紙一重の運命にあったハリーとネビルだが、リリーがマグル生まれの魔女であり「半純血」のハリーに対し、ネビルは純血の魔法使いと魔女の間に生まれた「純血」の魔法使いであった。このことが二人の運命を分けることになる。
自身も「半純血」の魔法使いであるヴォルデモートは、自らと同様「半純血」のハリーこそを予言の子とみなし、1981年のハロウィーンの夜にポッター家を強襲した。
ロングボトム夫妻襲撃事件
ヴォルデモートはポッター家を襲撃しポッター夫妻を殺害するも、ハリーの殺害には失敗。死の呪いが跳ね返り自身の肉体を消滅させられてしまう。その後、ロングボトム夫妻はヴォルデモートの配下死喰い人たちに拉致された。
行方不明となったヴォルデモートの行方を捜していた四人の死喰い人、ベラトリックス・レストレンジ、その夫のロドルファス・レストレンジ、その弟のラバスタン・レストレンジ、そしてバーテミウス・クラウチ・ジュニアはロングボトム夫妻がヴォルデモートの行方を知っていると勘違いしたのだった。
拘束をしても明確な答えを得られなかった彼らはロングボトム夫妻が真実を隠していると考え、拷問のため磔の呪いをかけ続けた。
後にこの四人の凶悪な死喰い人たちはアズカバンへと収容されるが、ネビルの両親は心神喪失状態にまで追い詰められてしまった。
現在のロングボトム夫妻
精神崩壊を起こし廃人となった夫妻は現在、聖マンゴ魔法疾患傷害病院に長期入院している。
ネビルと祖母のオーガスタは二人の見舞いに定期的に訪問しているものの、彼らはネビルを我が子とすら判別できない状態である。
特に母親のアリスはかつてはふっくらとした幸せそうな面影と描写されたほどだったが、その顔は痩せこけ、やつれ果てて目だけが異常に大きく見えて髪は白くてまばらな状態となり、まるで死人のような状態だった。
ある意味では殺されたポッター夫妻以上に辛い状況に置かれてしまったロングボトム夫妻であるが、原作者曰く「この状態から回復することは決してない」とのこと。
もう一人の英雄
ネビルの才能の開花の兆しは四年生の時、闇の魔術に対する防衛術の教授となったアラスター・ムーディに目を掛けられ、元々得意だった薬草学の才能が向上する。
しかし皮肉なことに、このムーディーは両親の仇の一人であるバーテミウス・クラウチ・ジュニアがポリジュース薬で変身した姿であった。
そして五年生の時、復活したヴォルデモート及びヴォルデモートの復活を認めようとしない魔法省に対抗するためにホグワーツ内で組織されたダンブルドア軍団に参加。
自らの両親の仇である死喰い人がアズカバンから脱走したこと、ハリーたちに自分の両親の過去を知られたことなどにより奮起。次第に実力を伸ばしていく。
ハリーたちと共に魔法省神秘部に乗り込み、両親の仇であるレストレンジ家の死喰い人たちと交戦する。
七年生では死喰い人に実質占拠されたホグワーツでのレジスタンス活動を先導した。後にホグワーツの戦いで再び死喰い人と戦い、ヴォルデモートがハリーを殺したと宣言し、生徒らに自分の軍門に下るよう脅した際、たった一人ヴォルデモートの前に進み出ると、堂々と啖呵を切りながら拒んでみせるなど、かつての弱腰だった性格が嘘のような勇敢さや豪胆さを見せた。これにより組分け帽子から「真のグリフィンドール生」として認められ、帽子からグリフィンドールの剣を取り出すことに成功。
その剣でヴォルデモートの飼い蛇であり、分断した彼の魂「分霊箱」の最後のひとつナギニを倒し、ヴォルデモートを滅ぼす重要な決定打を決めた。(このことからネビルは生死が魔法界全体の明暗を分けるレベルで重要人物であることが『ハリー・ポッターと呪いの子』で描写されている。)
それらの功績から、決戦後は周囲から「ハリーに次ぐ英雄」と讃えられた。
物語が進むと共に目まぐるしい成長を見せ、ハリーとは異なるタイプの主人公性の持ち主といえるネビルだが、作者のコメントによるとネビルがヴォルデモートに選ばれ、予言の子となっていたとしても、ネビルは勝利していたとのこと。
その後
戦後はハリーやロンと共に、キングズリー・シャックルボルトの元闇祓いとしてしばらく働いていた。
その後、ポモーナ・スプラウトの後任として、得意科目であった「薬草学」の教授としてのキャリアをスタートさせる。
また同級生の金髪三つ編みのハッフルパフ生、ハンナ・アボットと結婚した。ハンナはネビル同様にダンブルドア軍団に参加した戦友であった。また、ネビルと同様ドジで気弱な面がある女性だった。
ハリーの子供たちとも交流を持っており、ハリーの次男アルバス・セブルス・ポッターの後見人となっている。
映画版
ネビルを演じたマシュー・ルイスは黒髪であるということを除けば、当初原作のネビルのイメージ同様にぽっちゃりとした体型であった。
しかしマシューは成長と共にスリムになっていき、口の中に綿を入れたり、ファットスーツを着て入れ歯をするといった工夫をして、シリーズ最終作まで出演した。
また映画版のネビルは祖母に仕込まれたのか社交ダンスが得意という設定の他、同じダンブルドア軍団の仲間であり友達であったレイブンクロー寮のルーナ・ラブグッドに恋をしていた。
最終エピソードでも彼女に告白するためにも死ねないと死亡フラグ染みた発言をハリーにしたにもかかわらず生き延び、告白の有無及び返答は不明だが戦いが終わったホグワーツでルーナと寄り添う様子が描かれた。
因みに原作版のルーナはニュート・スキャマンダーの孫のロルフ・スキャマンダーと結婚しているが、映画版がパラレルワールドの場合、ネビルとルーナが結ばれた世界観が存在しているのかもしれない。
余談・裏話
ブラック家との繋がり
シリウス・ブラックの出身である純血の魔法族ブラック家の分家筋にはロングボトム家に嫁いだ者がいる。
フィニアス・ナイジェラス・ブラックを祖父に持つカリドーラ・ブラックはハーファング・ロングボトムとの結婚により息子一人と娘一人を儲けている。
仮にこの息子がネビルの祖母、オーガスタの夫であった場合、カリドーラにとってオーガスタは義理の娘、フランクは孫、ネビルは曾孫ということになる。
(ウィーズリー家)
カリドーラには二人の妹がおり、すぐ下の次女のセドレーラ・ブラックは家訓に反し親マグル派のウィーズリー家のセプティマス・ウィーズリーと駆け落ちをし家系図から抹消される。
公式の描写でセドレーラはロン・ウィーズリーおよびその兄妹の祖母であることが確定しているため、仮にカリドーラが曾祖母であればロンとその兄弟は父親の再従弟妹(はとこ)、ネビルにとって同い年の再従叔父(はとこおじ)、再従叔母(はとこおば)になる。
(クラウチ家)
カリドーラの一番下の妹、三女のカリスは純血の名家クラウチ家のキャスパーに嫁いでいる。家系図では息子一人と娘一人を儲けたことしか判明していないが、世代的にバーテミウス・クラウチ・シニアがカリスの息子の可能性がある。
そのためその一人息子のバーテミウス・クラウチ・ジュニアはカリスの孫、カリドーラの大甥である場合、クラウチ・ジュニアは再従兄弟(はとこ)同士のフランクとその妻を再起不能にした可能性がある。
フランクは闇祓いの職についていることから特別措置が置かれない限り、殺害時は22歳以上である。ジェームズと同い年なら21歳であるため、バーテミウスとホグワーツでの在学期間も被っている可能性も高い。
関連イラスト
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ピーター・ペティグリュー:ネビルと一見すると似ていたが……。