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スクイブ

すくいぶ

『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の血統の一つ。魔法族の出身であるにもかかわらず魔法を使えない人々のこと。
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概要編集

ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の血統の一つ。


魔女や魔法使いを親に持ちながら魔法を使えない人々の総称である。


要はマグル生まれの逆。

別名はwizard-born(魔法族生まれ)


解説編集

実態編集

魔法を使うことは全くできず(魔法薬も調合できない)、を持つことや魔法学校に行くことも許されていない。


ホグワーツには過去にたった一度だけ、入学許可証も貰わずに組分け式にたどり着いたスクイブ、アンガス・ブキャナンがいるが、帽子は彼が被った途端、親切にも「きみは魔法使いじゃない」と宣告した。


かなり珍しい存在。

かつては現在より更に激しい差別があり、スクイブは恥とされ、各家庭で座敷牢のごとく隠されたことも多かったという。


ロン・ウィーズリーの大叔母のミュリエル曰く、スクイブは早めにマグルの学校にいれてやるのが最良、らしい。


この考え方には一理ある。なぜならイギリス魔法界では、ホグワーツ以前の義務教育(初等教育)が存在しないからである。魔法族の子供は親や家庭教師から教育を受けるか、あるいはマグルの小学校に通うことになる。ということは、「子供は魔法使いだと思い込んでいたので家庭学習させた結果、ホグワーツから手紙が来なかった=スクイブだと判明した」という最悪のケースがあり得るのだ。この場合、初等教育を飛ばしたままマグルの中学に無理やり混じるか、まっさらな履歴書で社会に出るしかなくなる。


このように非常に微妙な立ち位置なため、「魔法界で魔法を使わない仕事」や「マグル界で魔法に関わる仕事」などをすることが多い。前者はアーガス・フィルチで後者はアラベラ・フィッグ


マグルとほとんど変わらない生活を送る者もおり、モリー・ウィーズリーのはとこはマグル界の会計士として働いている。彼はマグルの女性と結婚している。(なお裏設定・初期案によれば夫妻の娘マファルダは魔女であり、ホグワーツ魔法魔術学校に通っている。あのモリーが苦手意識を持つほど無礼な夫妻にさえ疎まれるほどなかなか強烈な性格をしているらしい。)


スクイブの存在は何かとトラブルになってしまうことがあり、ドローレス・アンブリッジは魔法使いの父と共にマグルの母やスクイブの弟と絶縁している。またギルデロイ・ロックハートにはスクイブの姉二人を差し置いて魔法使いの母から人格を歪めるレベルの溺愛をされた。


とはいえ、魔法界ではスクイブ支援協会(SSS)があるため、最低限の福祉は整っているようだ。


原理編集

魔法は優性かつ回復性のある遺伝である。

スクイブは優性の法則上いくらかの確率で発生する劣性遺伝(潜性遺伝)が表現化したもので、祖先のマグル遺伝子を持って誕生した結果であると考えられる。


しかし、遺伝上彼らの次世代以降に魔法使いが普通に誕生するので、普通に魔法族と結婚することもある。


魔力編集

スクイブと魔法の力の関係は、いまのところ曖昧である。


アラベラ・フィッグは、ハリー・ポッターが正当でない理由でマグルの面前で魔法(守護霊の呪文)を行使したとするウィゼンガモットの裁判において、「(スクイブである)自分は吸魂鬼を見た」と主張した。


これが本当ならばスクイブは魔法が使えないだけで微量の魔力を持っていることになる(マグルは吸魂鬼を視認できない)が、じつのところこの証言はウソである。フィッグはハリーが吸魂鬼に襲われたと確信できるだけの知識を持っていたものの、吸魂鬼そのものは目撃しなかった。これが単にフィッグが来たころには吸魂鬼が去っていたということを示すのか、そもそもフィッグが吸魂鬼を視認し得ないということを示すのかは不明である。


興味深いのはフィッグもフィルチもと深く関わりながら仕事をしていることである。フィッグに関しては猫に似た魔法動物ニーズルのブリーディングを生業としており、非常に魔法と近接する職といえる。


ミセス・ノリス


「KWIK SPELL(クイックスペル)」という初心者向けの魔法の通信教育講座によれば、スクイブでも努力次第では魔法が使えるようになるケースもある模様だが、まあこれは誇大広告だろう。おそらくクイックスペル自体がスクイブ向けのコンプレックス商法をやっている悪徳情報商材


誤解編集

魔法使いや魔女であっても、魔法の腕が芳しくない者に対して「スクイブ」という言葉がスラング的に使われることがある。


作中では2巻でネビル・ロングボトムが自身をスクイブと自嘲し、6巻でメローピー・ゴーントは家族からスクイブ扱いされていた。また7巻ではミュリエルやリータ・スキーターが、魔法学校にも通わず人前にも姿を現さなかったアリアナ・ダンブルドアをスクイブだと思っていた。


判明しているスクイブ一覧編集

アーガス・フィルチホグワーツの管理人。

アラベラ・フィッグダーズリー家の近所に住む。不死鳥の騎士団のメンバー。

マリウス・ブラックシリウス・ブラックの母方の大叔父。ブラック家の家系図から抹消されている。

イドリス・オークビー:スクイブ支援協会(SSS)の設立者。


余談編集

完結以前にJ・K・ローリングは「ペチュニア・ダーズリースクイブでは無いわ」と、考察するファンに明かしていた。


妹であるリリー・エバンズ(リリー・ポッター)はマグルの家系から生まれたマグル生まれの魔女だが、ペチュニアはマグルの家系から生まれたマグルである。


関連編集

受け入れ羽根ペンと入学名簿

スクイブについて ― J. K. Rowling's official site

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