概要
有性生殖では、親から子に、髪色や瞳の色、身長、各部位の形…等さまざまな形質が遺伝する。
この際、一つの形質に異なる二つの遺伝子が共存した場合、表に現れやすい方を優性、現れにくい方を劣性といい、子に劣性の形質が現れた場合を劣性遺伝という。
メンデルのえんどう豆の実験で明らかになったように、えんどう豆の場合丸型が優性、しわ型が劣性となっている。
丸型としわ型を掛け合わせた場合、丸型遺伝子がしわ型遺伝子を押さえつけて表出するため、次世代は全て丸型になってしまった。
人間の場合、例えば髪の色は黒髪が優性、金髪や赤毛など薄い色は劣性となっている。この他、髪質やえくぼ、そばかす、耳垢のタイプなどさまざまな形質に優性と劣性がある。
詳しくは→メンデルの法則
誤解されやすいが、この「優性」「劣性」というのは形質そのものの優劣ではない。
劣性の形質を持っているからといって「遺伝的に劣っている」ということは全くなく、単に遺伝の際の出現しやすさとしにくさを表したものである。
字面のせいで誤用される事例が多かったためか、現在は顕性遺伝と潜性遺伝という言葉に変更されており、2021年より教科書もそのように変更されている。