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レイ・ザ・バレル「正しきあるべき姿へと戻るんだ。人は、世界はっ!」

概要

C.E.73年末にZGMF-X42S デスティニーと同時開発されたザフトの最新鋭モビルスーツ(MS)。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルを中心とする開発陣がデスティニーと同様に、核エンジンデュートリオンビーム送電システムのハイブリッド機関であるハイパーデュートリオンエンジンを実装し完成させた。

本機は、C.E.71年の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で実戦投入されたZGMF-X13A プロヴィデンスの後継発展型に相当する機体として開発され、全身に搭載されたドラグーン・システムによる全方位同時攻撃を本領とする。系列機故か、それとも開発者の意図なのかは不明だが、機体の意匠やカラーリングがプロヴィデンスと類似している。

背面に巨大なドラグーン・プラットフォームを背負っており、プラットフォーム付随のスラスターの大推力によって重力下での飛行も可能となっている。ドラグーンの無線遠隔操作は重力下では不可能だが、ドラグーンはプラットフォームに接続したまま可動砲台として使用する事も可能で、その場合の火力も在来機の比ではない。

ドラグーンの総ビーム砲数はプロヴィデンスに比べ減少している(43→34)ものの、プロヴィデンスのドラグーンの扱いにくさや(フリーダムジャスティスに比べ)少し劣る機動力・武装の取り回しの悪さ等多くの欠点が解消されており、バランスの取れた機体となっている。またプロヴィデンスでは左腕に装着された「MA-V05A 複合兵装防盾システム」にマウントされていたビームサーベルビームジャベリンとして独立したため使い勝手が向上し、シールドもビームシールドを搭載したことで防御力も向上している。

本機に搭載されたドラグーン・システムはパイロットの空間認識能力に依らない第二世代のものであり、ZGMF-X3000Q プロヴィデンスザクにおいて試験されたものの更なる発展型である。

機体の高性能化を優先しニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)を軍事利用するというユニウス条約を無視した機体となったが、これは開戦に伴い同条約が形骸化した事の現れでもあり(開戦時に加盟していた地球連合軍プラントへ向けて核ミサイルでの攻撃を行った時点で形骸化している)、前駆型のインパルスを始めとするセカンドステージシリーズが第一次連合・プラント大戦期の核エンジンMS(ZGMF-Xシリーズ)の性能再現のために実用化したバッテリー機用の新規技術も取り入れ、さらなるパワーアップが果たされている。

ハイパーデュートリオンエンジンの基幹技術にはNJC搭載型核エンジンが使われているため、本来ならZGMF-Xシリーズ同様型式番号の末尾にはAがつくべきではあるが、(形骸化しているとはいえ)ユニウス条約に違反している事には変わりはない為、セカンドステージシリーズを表す『S』をつけることで、表向きはセカンドステージシリーズの機体とすることで隠蔽を図るという政治的要因が絡んでおり、実際にはサードステージシリーズ相当のスペックを有する。

最新技術を盛り込んだサードステージの機体だけあって、カタログスペックはデスティニーやストライクフリーダム、インフィニットジャスティスと並び、C.E.73時点では最高峰の性能を誇るハイエンド機である。

機体名については、第一次連合・プラント大戦時のプロヴィデンスの伝説的な活躍を継承するものという意味で、レジェンド(伝説)と命名された。また、戦争犯罪者であるラウ・ル・クルーゼが駆ったプロヴィデンスの名を使うのを避ける為とも云われている。

額にはイタリア語で66を指す「SESSANTASEI」(セッサンタセーイ)の文字がある。

なお、本機のパイロットとして当初デュランダルが選定したのはアスラン・ザラであったが、当のアスランがデュランダルへの疑念から脱走したために席が空き、その脱走したアスランを追撃する際に緊急的にレイ・ザ・バレルが搭乗したのを契機にそのままレイが正式なパイロットとなった。

武装

MMI-GAU26 17.5mmCIWS

側頭部に内蔵された近接防御火器。デスティニーやインフィニットジャスティスに搭載されたものと同型。ゲイツやZGMF-Xシリーズの「MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲」の系列で、従来モデルよりも小口径化され、弾数も増加している。

劇中での使用は確認されていない。

MA-BAR78F 高エネルギービームライフル

プロヴィデンスの「MA-M221 ユーディキウム・ビームライフル」からプロヴィデンスザクの「MA-BAR76T 高エネルギービームライフル」を経由し開発されたこれらの発展改良型専用ビームライフル。

通常のビームライフルを上回る出力を持ちつつ射程距離や連射性能を向上させ、更にユーディキウムに比べ短くスリムになった。そのため、プロヴィデンスでは肩に銃身後端を乗せていたのが解消され、片手で扱えるようになっている。

不使用時はバックパックに縦にマウントされる。

MA-M80S デファイアント改 ビームジャベリン

近接格闘用のビームサーベル系装備。ブラストインパルスに装備されていた「MA-M80 デファイアントビームジャベリン」の発展型もしくは同規格の武装。非使用時には分離させて両脚の側面に収納されている。ラケルタ系ビームサーベルのように柄尻を連結させた「アンビデクストラス・ハルバード」形態で運用するのが標準であり、基本的に分離状態での運用はオプション的な意味合いが強い。

ジャベリンとは「投げ槍」の事であるが、実際にはそのような使用法は確認されていない。ビーム刃の発振技術等を応用して、ブラストインパルスのビームジャベリンと同じように手を離してもビームの刃を保持できるため、この名称とされたと思われる。

ドラグーン・システム

本機の主兵装となるドラグーン・プラットフォーム。ZGMF-X24S カオスの「EQFU-5X 機動兵装ポッド」を経て量子インターフェースにも改良が加えられた第2世代ドラグーンシステムを搭載している。これは空間認識能力が無くても使用できる最新型で、以前の物と異なりパイロットの制限は抑えられ比較的容易に運用が可能となっている。もっとも、本機のパイロットが高度な空間認識能力を持つレイであった事もあり、あまり活かされていない感は否めないが。

また、プロヴィデンスでは想定されなかった重力下での使用にも配慮し、プラットフォームが左右2分割になり折り畳んだり傾斜角を変えたりできるように機構が変更され、大気圏内でもデッドウェイトになりにくいよう工夫された。

  • GDU-X7 突撃ビーム機動砲

背部プラットフォーム最上端に2基装備される大型ドラグーン。1基につき9門のビーム砲を内蔵する他、砲自体から小型のビームスパイクを形成し直接打撃を与える事も可能であり、このビームスパイクはデストロイの巨体を容易く貫通する。また、本体への連結時はプラットフォームごと前方に90度倒した砲撃姿勢を取る事も出来る。

劇中ではこのプラットフォームからの一斉射で、ストライクフリーダムのビームシールドを打ち破り態勢を大きく崩させるという活躍を見せた。この点から、瞬間火力ではデストロイの主砲を上回る威力を誇る可能性がある。

  • GDU-X5 突撃ビーム機動砲

背部プラットフォーム側面及び腰部に合計8基装備される小型ドラグーン。2門のビーム砲を内蔵し、ドラグーン本来の分離式のビーム攻撃端末としての機能の他、機体との連結時は可動式砲台としても使用できる。この場合、前方に砲口を集中させ面制圧攻撃に用いる事が多い。

また、背面に撃つ事で死角を補い、奇襲的に扱う事も可能。これは特にドラグーンを独立稼動させられない大気圏内戦闘において使用される。

MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置

両手の甲に篭手の様に装備されているビームシールド。

プラントと交流のあったロゴス系軍需企業「アクタイオン・インダストリー社」からもたらされた新機軸の防御システムで、アクタイオンが技術提携を行っていたユーラシア連邦で開発された「モノフェーズ光波シールド」技術の源流としている。

基本的にはビームの形状を菱形の盾のように展開しているが、展開領域は任意で調整することが可能で、シールドの形状を変えることで機体全体を保護する事のみならず、ビームガンやビームソードなどの攻撃としての使用もできる。展開中でも内側からの攻撃は素通りし、攻撃と防御を同時に行うことが可能である。従来の実体式シールドに比べてビームに対する防御機能は遥かに向上し、同時に総重量の軽減にも一役買っている。

デストロイの大出力ビームを完全に無効化するなど、ビーム兵器に対しては従来の対ビームコーティングシールドを凌駕する防御力を発揮する。一方で、ストライクフリーダムの「MA-M21KF 高エネルギービームライフル」の連結モードには幾度となく破られている。同じく実体弾にも有効だが、ビームシールド共通の弱点として対ビームコーティングされた物体には展開面を透過されてしまう弱点を持つ(ただし、本機は装甲にヴァリアブルフェイズシフト装甲を採用しているため、これにも対応可能)。

ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスに搭載されたものより最新型で、レジェンドの両手甲部に採用された他、デスティニーインパルスドムトルーパーの両腕にも装備されている。

MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀

ZGMF-X56S/β ソードインパルスの武装で、ヘブンズベース攻防戦にて1本借り受けて使用。ソードインパルスやデスティニーと共にデストロイを攻撃した。

活躍

第35話、ザフト軍ジブラルタル基地にてデスティニーと同時にロールアウト。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルによってアスラン・ザラに受領されるが、アスランがメイリン・ホークと共に脱走した為、追撃のために急遽レイ・ザ・バレルが搭乗しシン・アスカの乗るデスティニーと共に出撃、彼らの乗るグフイグナイテッドを攻撃。グフがデスティニーによって撃墜されたことで本来のパイロットがいなくなったため、レジェンドはレイの機体となった。

ミネルバ艦載機となった後、ヘブンズベース攻略戦に参加。ライフルや背部のドラグーンを存分に活かし多方向への攻撃で複数のMSを撃墜。更にデファイアント改でデストロイ1機を単機で墜とす。しかしそれは有効打になりにくく手間取るためか、ルナマリア・ホークソードインパルスからより攻撃力の高いエクスカリバーを1本借りてインパルスと共にデストロイを1機撃墜、最後の1機もデスティニーを含めた3機での連続攻撃で沈めた。

オーブ侵攻では当初はミネルバ内で待機していたが、キラ・ヤマトストライクフリーダムの参戦を受け、一度帰投したデスティニーと共に出撃。数的優位でもストライクフリーダムには手こずるが、ドラグーン一斉射で隙を作りデスティニーにロックオンさせ撃墜寸前まで追い詰める。しかし、そこへアスランの駆るインフィニットジャスティスが参戦したことで阻止された。レジェンドはストライクフリーダムと戦闘を行うが、デスティニーの右腕がインフィニットジャスティスの斬撃で切り落とされ、同時に旗艦を失った他目的であったロード・ジブリールがシャトルで宇宙に逃走してしまったことからミネルバが撤退命令を出したことで、デスティニーを連れて撤退。

レクイエム攻略戦ではデスティニーと共に陽動を務め、初の宇宙戦でドラグーンの本領を発揮、オールレンジ攻撃を駆使して多数の敵機を撃墜。かつてインパルスが大苦戦したザムザザーをもドラグーンで瞬殺するなど、その高い攻撃性能を見せつけた。更にジブリールが搭乗し再度の逃走を図ったガーティ・ルーに即座に対応、大型ドラグーンをブリッジに突撃させて撃沈しジブリールの抹殺に成功した。

レイがメサイアに呼び出された際、デスティニーと共にメサイアへ入港。

そしてメサイア攻防戦において、キラの駆るストライクフリーダムとの激しい戦闘を展開。序盤こそラウ・ル・クルーゼを自称するレイの気迫とそれにキラが圧されたこともあり優勢だったものの、レイに対する反論をぶつけて精神的に優勢となったキラにより次々とドラグーンを撃墜され、その後にキラの言葉にレイが大きく動揺した隙にハイマットフルバーストの直撃を受け大破、ストライクフリーダムに傷一つ付けられないまま戦闘不能に陥ってしまう。

その後レイは戦闘不能ではあるが稼働はする機体でメサイアに向かったが、それ以降の行方は不明。メサイアが陥落した為、恐らく失われたと思われる。

本編以外での活躍

ビルドシリーズ

スーパーロボット大戦シリーズ

SEED DESTINYが参戦しているシリーズでは基本的に登場する…が、『第3次Z天獄編』では自軍に合流してもデスティニーの召喚武器としてのみの登場。また『UX』『V』では原作終了後設定の関係で、レイがいないため登場しない。

登場する作品でも無条件で味方にはならず、一定以上の条件を満たして初めて仲間になるパターンが多い。

特にアークエンジェルがプレイヤー側の視点になる作品では登場からしばらくはずっと敵で、中盤以降にザフトとの決着がついてから、条件を満たしていた場合のみ参入が基本。

逆にザフト側がプレイヤー視点になる作品では序盤から味方だが、やはりメサイア攻防戦までに離脱してしまい、条件を満たさないとそのまま永久離脱になってしまう事が多い。

最も「ずっと味方」に近い『L』でもメサイア攻防戦の際の永久離脱分岐はあるので注意。

このようにSEED勢の主要モビルスーツの中で最も使用に制限がかかりがちな機体だけあってか、性能は折り紙付きであることが殆ど。

特にMAP兵器版ドラグーンシステムはストライクフリーダムのものと同じように敵味方の識別ができるタイプであるにもかかわらず、ストフリと違って自機中心円範囲で使いやすく、MAP兵器版も残弾制ではなくEN消費制であるため条件次第で連発可能と、ことMAP兵器においては最強を誇る。

それ以外でも地上MAPでもドラグーンシステムに代わる主砲を持つため使いやすく、総じて「もったいぶって参戦するだけある高性能MS」と言って差し支えない。

相性抜群な相方に恵まれた『L』では、どこぞの冥王に例えられるほどに最強ユニットとして暴れ回るほど。

機動戦士ガンダムEXTREME VS.シリーズ

アシストやCPUでの敵としての登場に留まっていたが、マキシブースト稼働と共に参戦。ベース機となったプロヴィデンスガンダムが2500コストになったのとほぼ同時にプレイアブル機体へと昇格である。ドラグーンも一基ずつ自機の周囲に停滞か相手に向かって射出か、あるいは全部一斉に停滞か射出を選べる似たような仕様となっているが、こちらはビームカーテンのような広範囲設置系の武装はなく、代わりにドラグーンを前面に向けての細いゲロビがある。

ドラグーンを飛ばしての後衛での援護がメインとなる武装となっている。

比較対象のプロヴィデンスガンダムと比べると地味という印象が拭えない。あちらに比べ火力面等が不足しておりどうしても目劣りしてしまう。一応、自衛においては光ものがあるのだが。

そしてエクバ2移行時に武装が大幅変更。ドラグーンも全基自機の周囲に停滞か相手に向かって射出に絞られるようになる。そして呼び出すアシスト機体がデスティニーガンダムとインパルスガンダムの2種に変更、しかもどちらも振り向きアメキャン(※注)可能。これにより、着地狩りの狙い合いになれば全く隙が皆無な手堅すぎた機体へとなってしまい、稼働前半のうちに複数回下方。アシストも向きを向き直さなくなり、機体の向きの調整が必要となった。

以後は、アシストを絡めた手堅い立ち回りができるものの、突出した武装に乏しいという立ち位置に落ち着く事になる。

余談だがレイの慇懃無礼な性格を表現しようとしたのか

「ビームライフル…とくと味わえ!」

「ドラグーンの熱線に焼かれて死ぬがいい!」

と、視聴者からは『レイ、お前そんなキャラだっけ!?』と言いたくなるような変ちくりんな台詞回がいくつか存在する。

  • (※注)振り向きアメキャン…アシスト呼び出し→足の止まらないメイン射撃へキャンセルルートがある事を活かして硬直を上書きするテクの一つアメキャン。振り向きアメキャンはアシスト呼び出し時に自動的に体制が相手の方に向き直す仕様のアシストでのアメキャンを指す。機体の向きを気にせず出せるというアドバンテージがある。

余談

初期案

  • 実は当初ザクタイプとして出す案もあったという。後にその初期案をクリンナップしたのがSEEDMSVに登場するプロヴィデンスザクであり、メタ的にもレジェンドの試作機といえる存在となった。
  • レジェンドという名称はストフリやインジャと異なり、登録や組み合わせの関係上名前が変更されたわけということでなく(上記を参照)、最初からプロヴィデンスの名を外す予定だった。これはレジェンドの立ち位置に関係するもので、継承はしているものの様々な事情(主にパイロット関連)で変更された、という設定も関係している。

不遇

  • 終盤の数話しか登場しなかったプロヴィデンスと比べて出番自体は多く、それ相当の活躍を見せているが若干影が薄い。実際他の後半主役ガンダム(ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、デスティニー)がMGやHGCEなどでリメイクされているのに対し、本機のみが未だにリメイクされていないほどである。原因については以下のものが挙げられる。
  • 【ドラグーンシステムの絶対性】…あちらはまだドラグーンが普及していなかった第1次連合・プラント大戦での投入に加え、パイロットの技量も相まって単騎でありながら他を圧倒していた事が大きかった。しかし、第二次連合・プラント大戦では敵対勢力でもドラグーンが運用されている事もあり、(大気圏内での運用を意識してはいるものの)ドラグーンを有している事が絶対優位ではなくなっている。
  • 【パイロットのカリスマ性】…乗り手にしてみても、「ナチュラルでありながら自分を生んだ復讐心だけでコーディネイターだらけのザフト内で白服に上り詰め、たった一人で両軍の対立を順序を踏んで苛烈化させた名悪役」のクルーゼと、「出生こそ同じだがデュランダルとの共依存でどっちつかずな性格になってしまった上に、シンにインパルスのパイロット選考で敗れた、ただの強いザフトレッドの一人」に過ぎないレイとでは悪のカリスマ性も雲泥の差で、それがそのまま搭乗機体にも反映されてしまっているのも大きい。特に自身の野望が果たされる直前のクルーゼの高揚ぶりは関俊彦氏の名演もあってプロヴィデンスの悪役としての圧倒的カリスマ性に拍車をかけている。
  • 【簡略化され過ぎたデザイン】…プロヴィデンスは全体的にマッシブな体型やむき出しになったケーブルなど線の多い不気味なデザインが、悪役然としたクルーゼのカリスマ性も合わさって絶妙な存在感を引き出していた。一方レジェンドはプロヴィデンスから線が減り(上述通りドラグーンの数も大きく減っている)良くも悪くも毒が抜け落ちたかのような、どこかヒーロー感を捨てきれていないようなどっちつかずなデザインとなってしまった。デザインがプロヴィデンスから大幅に簡略化されたことがかえってプロヴィデンスをデチューンした量産機のように見えてしまうのも影が薄い印象を与えてしまう要因になっている。
  • 【劇中での戦績】…プロヴィデンスは元ザフトレッドのディアッカ・エルスマンが乗るバスターやかつて地球連合軍屈指の実力者だったムウ・ラ・フラガエールストライクを瞬時に戦闘不能にしただけに留まらず、スーパーコーディネイターであるキラのフリーダムに対してもミーティアを一方的に破壊した上で互角以上に渡り合い、(戦闘以外の理由もあるが)一時的に戦闘不能にまで追い込んだのとは対照的に、本機が無双していたのはほぼ地球連合の量産機しかなく、最終決戦では序盤こそ優勢であったものの逆に一方的に押された末、最終的には撃墜されたというまるで序盤ボスでも相手にするかのような陳腐な展開に終わってしまったのも原因である。ただし活躍の項でも書いてるように、相手取った連合の量産機には突破が難しいデストロイの存在もあり、ストライクフリーダムとの勝敗についてはパイロットの精神状態に左右された部分が大きいため、機体性能自体がストライクフリーダムに劣っていたということはなく、当代最高峰の機体の一つという立場と設定は揺るがない。
  • 総括すると、レジェンドの影の薄さは裏を返せばクルーゼとプロヴィデンスがラスボスとしてはあまりにも完成され過ぎているという意味でもあり、もはやレイとレジェンドじゃなくてもSEEDシリーズでクルーゼに勝る悪役キャラを生み出すのは至難の業となってしまっている。おそらく今後もプロヴィデンス系列のアップデート機体が出ては、(演出や戦績面で)元祖と比較されるのは避けられないのは明白であり、同系列が背負わされた哀しい性と言えるだろう。

アスランとの適性

  • 元々はアスラン用にデュランダルが用意した機体だったが、「アスランにもドラグーンを操れるだけの空間認識能力はあるのか」「最初からレイに乗せるつもりでザフトに疑念を持ち出していたアスランにハッタリをかけていたのではないか」は議論の種にもなっていた。
    • これに関しては、アスランの得意戦法といえばジャスティス系列の「連結ビームサーベル」があり、レジェンドにもデファイアント改という類似の武装が存在している点、ジャスティス系列でマルチロックオンシステムを使いこなした点、「ファトゥム」と言うドラグーン・システムを用いずに無人飛翔ユニットをコントロールしている点など、アスランにも高度な空間認識能力があると証明されており、デュランダルはアスランにレジェンドを託そうとしたのは本心であった可能性が高い。
    • 一方でDESTINYまでは「ドラグーン・システムを使ったことは無い」と言う意見もあったために確固たる物ではなかったが、映画『FREEDOM』でスーパードラグーン採用機であるストライクフリーダム弐式に登場し、スーパードラグーンを問題なく操作していた。厳密に言えば、涼しげな顔で相手(シュラ)を煽りながら使いこなしている。
    • 何ならストライクフリーダムのスーパードラグーンはキラの高い空間認識能力を前提にチューンした結果第1世代同様にパイロットを選ぶ兵装に逆戻りした代物であり、本機のものより操作難度が高いので、本機のドラグーンが自在に扱えていた可能性は高い

アクションベースの原典

  • 何かと不遇な扱いのレジェンドだが、実は強みとなる個性が一つある。それは現在ではすっかり定着したガンプラ用台座アクションベース」採用第一号機という事である。
    • 2006年6月発売の「1/100レジェンドガンダム」に初回特典として初めて万能型の台座が付属することとなった。同ブランドではデスティニー、ストライクフリーダム、インフィニットジャスティスでも初回限定の台座はあったもののいずれも簡易型でジョイントも各機体に特化した万能とはいえないものだった。そんな中おおよその(1/100サイズの)ガンプラに対応させる事を意識した台座はレジェンドが最初だったのである。
    • そしてその半年後、成型色を変えて単品発売されたのが「アクションベース1」だったりする。説明書でも用途が明かされていないBA3-C⑩パーツは、レジェンドに対応させたジョイントの名残り。
    • 以後様々なカラーリングやデザインのアクションベースが発売され、ガンプラの方もアクションベース対応前提に開発されていったのを見ると、レジェンドは『ガンプラの台座の歴史』においては、まごうことなき「伝説の始まり」となった機体なのである。

関連動画

関連タグ

関連機体

前駆型

兄弟機(サードステージシリーズ)

その他関連機種

その他

シーザーレジェンドガンダムSDガンダムワールドヒーローズの登場人物。名前の通り、本機をモデルとしていて責任感が強く、一国の国を治めようとする善良な性格の持ち主。つまりは完全に味方サイドキャラクターである。また、デスティニーガンダムをモデルとした司馬懿デスティニーガンダムが敵キャラな事もあり、相対することとなるので、こちらとは一線を画す。

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