「何でこんな事…また戦争がしたいのか、あんた達は!」
プロフィール
誕生日 | C.E.57年9月1日 |
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星座 | 乙女座 |
血液型 | O型 |
年齢 | 16歳(DESTINY)→17歳(FREEDOM) |
身長 | 168cm(DESTINY)→169cm(FREEDOM) |
体重 | 55kg |
趣味 | 読書 |
嫌いな食べ物 | 貝類、きのこ類、酸っぱいもの全般、ナス |
声優 | 鈴村健一 |
人物像
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公。
黒髪、色白の肌、深紅の瞳が特徴的。髪の毛は寝癖とのこと。
一人称は基本的に「俺」だが、稀に「僕」となる時がある。
一途で純粋な性格の持ち主であり、本質的には正義感の強さや弱い者を労わる優しさを持ち合わせていて、誰かを守る為の行動力や決断力もある。
己の無力を強く呪い、『自分のような被害者をもう出したくない』という確固たる信念を持つ。
劇中では「優しくて温かい世界」を守りたいという純粋な想いから、力を持たなければ守れないという現実を知り、やがて戦いに傾倒していく。
作中では純粋さ、苛烈さ、優しさなど様々な表情を見せている。
実は、精神的トラウマによるPTSD症状に苦しめられ続けており、心の傷と常に戦い続ける戦士でもある。戦争が終わった後も家族やステラを失う夢を見続けているとのこと。
天性の戦闘センス、そして『SEED』の資質を持っている。
とはいえ、最初からエリートだったというわけではなく、アカデミーに在籍していた時は(同期のパイロット候補生の中でも)かなりの落ちこぼれだった。
そのため、同期のアグネス・ギーベンラートからは見下され、暴言を吐かれることもあった。
アグネスは(シンがオーブからの避難民であるとは知らずに)「士官学校なめてるんじゃないの!?私の足を引っ張るんなら、さっさと退学してよ!やめてお家に帰れば!?」とシンを罵倒し、これをヨウラン・ケントが嗜めるということが起きている。
決して褒められた発言ではないのは確かだが、アグネスは口先だけじゃなくて実力が伴っており、チーム戦でお荷物となっていたシンへの当たりが強くなること自体は理解できる感情だろう。
個人戦でトップになったことを「こんなことなら個人戦で少しは手を抜くんだった」と胸中で愚痴っている。
それでも、アカデミーに在籍していた当時から仲が良かったルナマリア・ホークやレイ・ザ・バレルからのコーチングやアドバイスを受け、愚直に努力を重ねていった結果、成績上位者の証である赤服を得ている。
赤服組としては成績は低い方だったような描写が多いとはいえ、シンもその気になったら自身が苦手なMS工学のテストで、レイ以上の点数を取ったことがある。
また、SNSや二次創作において免疫機能などしか調整されていないコーディネーターなどと言われることがあるが、劇中(小説版含む)においてその様な設定が明かされたり、そうと思しき描写がされているシーンは一切無い(免疫機能と容姿以外がナチュラル同然なのは外伝に登場するイライジャ・キールぐらいである)。
恐らく、シン自身のコーディネイターに対する認識として免疫機能の強化を肯定的に捉える発言があったことや、小説版では自身の才能に対して愚痴るような描写があったことで誤解が生じたのではないかと思われるが、前述の通り、シンは第二世代のコーディネイターであるため、アスランやイザーク達と同様、第一世代である両親からの遺伝子を受け継いでいる。
主な搭乗機はインパルスガンダム、デスティニーガンダム、デスティニーガンダムSpecⅡ。
『DESTINY』の第1クールOP曲『ignited -イグナイテッド-』はシンをイメージした曲だという。
キャラクター性
その純粋さ、一途さゆえに迷い葛藤し、相反する思いに苛まれる姿や激情に身を任せてしまう姿が見受けられる。
- 趣味が意外にも「読書」。
- 休暇中は一人で部屋で大人しくしてることが多い。
- 一人称が「僕」になる時がある。
- 作中では同世代の友人と普通にコミュニケーションを取っている。
- 性格については、レイ曰く「優しすぎる」。
以上のことを見ると、本来のシンは大人しくて物静かな性格だったようだ。
目の前で家族を失ったことや軍人としての生活、いつまで経っても終わらない戦争など、劇中は常に気を張っていたために、あらゆるものに怒りを感じるかのような過剰な反応が多くみられたのかもしれない。
心の底に「大切な人を死なせたくない」「平和な世界がほしい」という願いを持っているという点においては、彼も間違いなく主人公たり得る戦士といえる。
実は物語の開始前から密かに精神的トラウマによるPTSD症状に苦しめられ続けており、戦争が終わった後も家族やステラを失う夢を見続けているとのこと。
妹の携帯はその象徴。
劇場版では環境の変化もあって(監督によればフリーダム強奪事件を経て)色々と落ち着いたのか、元々の性格に近い素直でかわいい感じになっている。
シンの声を担当した鈴村健一氏は、本来のシンははわりと天真爛漫な性格で、最初にシンについての説明を受けた時に「普通の明るい男の子」だと言われた事はよく覚えていると話している。
両澤氏によるとシンの「本当に欲しかったもの」とは「もう戻らない、家族と過ごした幸せな日々」である。
監督を務めた福田己津央氏によれば、本来のシンは明るくて素直な可愛い子。
曰く、「守る」「守る」と言って戦っていたが守って欲しくて、助けて欲しくて悲鳴を上げていたのはシン。
安らぎたい、もう二度と失いたくない。
でも誰もそんな世界をくれない。
だから自分でその世界を必死で創ろうとした。
ステラにしてあげたことは自分がして欲しかった事。
『DESTINY』の放映開始前に公開されたPVでの彼のキャッチコピーには、「力に出会い、魅了された少年の運命は?」との一節があるが、劇中での彼は正しくその様な状態であった。
戦闘では気性の荒さを見せることが多く、まるで狂犬のように言われることもあるが、普段は友人や整備兵と一緒にいるシーンが多いため、基本的に人付き合いが悪いというわけではない。
目上や年上の人物が苦手そうな描写も時々あるが、劇場版で隊長となったキラとは良好な関係を築いている。
ただし、アスランだけは仲良くなれない(”嫌い”ではない。)。
また、仲間と認めた相手を見捨てる事に強い忌避感を持つ性格であり、裏切った人物を回収しに行くなどのプラスの面に働く場合もあるが、リーダーに立ち直って貰おうと厳しく諫言したが責任逃避に走らせてしまう、保護した女の子が遠からず解剖されると思い詰めて、友人と大暴れして怪我をさせたり、脱走したアスランと友人の妹に投降勧告をしたにもかかわらず、それを無視されて撃墜せざるを得なくなる、内心は政策に懐疑的ながらも、レイと自身を見込んで庇ってくれた恩人の為に無理をして戦場に立ったりするなど、ことごとくマイナス方向に働いてしまった事例も数多く存在する。
パイロット技能と戦闘スタイル
主に、スピードと瞬時の判断力を生かした近接戦闘を得意とする。
大剣や銃を使った一撃必殺が彼の持ち味。
戦闘が激しくなればなるほど、自身の言動もキレたように荒っぽくなるが、基本的には冷静であり、直感的に最良の選択肢を導き出す傾向にある。
作中において、パイロットとしての実力はトップクラスであり、キラ・アスランに匹敵しうる数少ない存在。
スピードとセンスを活かしたスタイルという点ではキラに、近接戦闘を得意とする点ではアスランに似ている。
いわば、上記の二人の中間のような戦闘スタイルといったところ。
明らかに有利な条件下での戦闘だったとはいえ、キラ・アスランの両名に1度は勝利したことがある。
特に、分離合体機構を持つインパルスの強みを最大限に活かした対フリーダム戦は、彼の最大の強みが発揮された戦闘だった。
後に受領した半専用機であるデスティニーは、スピードと高火力な武装の選択肢を武器とする一撃必殺タイプの機体であり、設計に関わった議長の慧眼を示すかのような高相性な機体であり、特に対デストロイで顕著な活躍を見せた。
なお、SEED世界の常としてシンに限った話ではないがメンタル面が大きく戦闘力に影響する。
特に精神的に極限まで追い詰められていたメサイア攻防戦においては、アスランの乗るインフィニットジャスティスに対して相手の得意な(というよりデスティニーの強みを活かせない)状況で勝負を挑んだ結果、あえなく敗北してしまった。
ちなみに、割と機体に愛着を持つ方らしい。
この点は、モビルスーツを道具としか見ていないアスランと対照的で、劇場版では(アスランの乗機としてのイメージが強い)「ジャスティス」に乗ることに対して違和感を覚えている様子であった。
人間関係
メイリンによると「いつもつんけんしてて怖い」とのことだが、必ずしも誰彼かまわずにやみくもに対立するタイプではない。
劇中ではレイやルナ、整備班たちと談笑するシーンも描かれた。
ただ、DESTINYの劇中においては前述の精神的トラウマのためか、怒りっぽくなっているのは間違いなく、特にアスランとカガリ、祖国であるオーブに対して、好意と複雑な感情が入り混ざった非常に刺々しい態度や言動が目立った。
アーモリーワン襲撃事件でミネルバに偶然乗り合わせ、その後は上司として再開することになるアスラン・ザラに対しては、関わっていく中で尊敬を感じる面は多々あれど、彼とシンのコミュニケーションスキルが共に稚拙であったこともあり、対立する事も多かった。
また命令に従わなかったり、挑発するような発言をした際には殴られたことも度々あった。
但し、尊敬していると思わしき面もあり、寧ろある意味で甘えている様子や、超えるべき壁として意識しているような描写すらある(漫画THE EDGEでは、ミネルバ備え付けの訓練マシーンで、アスランが考え事をしながら出したハイスコアに驚愕したシンが、このスコアを目標に、何度も何度も訓練にチャレンジしている描写がある。なお、シンがスコア更新目前まで迫っていることに気が付いたアスランは微笑み、何も言わず自分のスコアを大幅に上書きしていた)。
故に、アスランがキラになすすべなく撃墜された際は、同戦闘で自身が大活躍したこともあり、失望の色が濃かったのかもしれない。
その際、シンは「部屋でどーんと落ち込んでんじゃないの?あんま強くないよね、あの人。なーんであれでフェイスなんだか。昔は強かったってやつ?」とアスランに失望しつつも、「部屋じゃなくてこんなところで落ち込んでたんですか。呑気なもんですね。ルナが心配してましたよ。どうしてるかって。自分もやられて怪我してるくせに」「悪いのは全部地球軍なんだ。あんただって、それと戦うためにザフト軍に戻って来たんでしょ!だったらもっと、しっかりして下さいよ!」と態度に問題は有れど、アスランに立ち直って貰おうと諫言すると言う行動に出ている。
シンの行動としてはかなり珍しく、アスランに隊長として、また自分の超えるべき壁としての役割を期待していたことの表れといえる。
また、折に触れてアスランから向けられていた「力を持つものはそれを自覚しろ」「本当はオーブが好きだったんじゃないか」等の、シンの自覚や自省を促す言葉も結構効いていたらしく、効いていたからこそ反発していた側面もあったらしい(Edgeではルナマリアも「あれで結構、アスランの言葉は効いてるんですよ?」とアスラン本人に言っている)。
アスランがインフィニットジャスティスに乗るようになってからは複数回に渡って交戦。
その度に過剰反応気味に怒りを表し、明らかに冷静さを欠く描写が目立った。最終決戦ではレイの願いを引き受け、議長の采配で対アスラン用の切り札としてルナマリアと共にレクイエム周辺に配置されたものの、やはり迷いは捨てきれず、冷静さを欠いたままアスランと交戦。
最終的に、これまでの多大なストレスが積み重なった結果か、錯乱状態に陥り、あわや誤ってルナマリアを撃墜するところだったが、アスランの介入によりシンが撃墜され、事なきを得る。
そのまま終戦し、戦後アスランに連れられてオーブの慰霊碑に向かうこととなる。
脚本の両澤氏が執筆された戦後のドラマCDでは、元上司のアスランから「いい加減困るのは、自分に都合のいい人間の話しか聞かないところとか。立場も状況も無視して自分の思い込みだけで勝手に暴走するところとか。間違っても非を認めないどころか、指摘すると逆ギレするところとか。認められれば調子に乗って天狗になるし、落ち込めば八つ当たりするし。最初はそれでも、経験やら境遇やらで仕方ないかと思ってたんですよ。けど!いっくら言っても分からないどころか、逆らって逃げて増長して、どんどん無茶苦茶になるし!パイロットとしての力量はある分なお厄介で!そういうところも全部ひっくるめて強さになってるんだろうとは思いますけど、それじゃあ身勝手なただの暴れん坊ですからね!どうしようもありません!」と指摘された。さらに「イザーク科イザーク属です。一緒は無理なんですよ」「仲が悪いわけではないけれど、仲良くはなれないって種類のやつです」と評されている。
また、本編後のAnother Century's Episode R等では敬語は使っているし反発も少ないが、一貫して呼び捨てである(これに関してはアスラン本人からの要望もあるだろうが)。
劇場版では直接のコミュニケーションは少ないが、相変わらず絶妙とも微妙とも言える距離感であった(少なくともDESTINY本編よりかは関係は幾分かマシになってはいるが)。
レイとは一番の友だち。
ミネルバでもなぜか(おそらく議長の指示もあり)ずっと同室である。
THE EDGE Desireでは士官学校時代にはロボットのように成績を上げていくレイをライバル視していたが、ある訓練をきっかけに親友関係となったエピソードが描写された。
基本的には直情的すぎるシンをレイが諫めるという関係だったとタリアに語られており、序盤のカガリへの暴言のシーンなど、実際にそれっぽいシーンもあるものの、ステラ拉致事件の顛末を見る限り、レイの方も相当な直情家であり、似た者同士にみえる。
ステラ拉致事件以降は、自分の味方をしてくれたレイとさらに関係を深めていくことになった。
作品序盤から多くの場面で共に出撃するが、機体性能の影響もあり、中盤はシンの単独か、シンとアスランのコンビが増え、レイは後方支援に回ることが多かった。
それでもエクステンデット工場調査など要所ではコンビで動く場面が見られた。
中盤、アスランが裏切ったことで、これを撃墜すべくシンと共にサードステージ機体に乗り換え、コンビ復活となる。
アニメ終盤、議長の方針に疑問を感じつつあったシンだが、自身の素性と運命を明かしたレイからの説得により、まだ見えない自分の未来を探るよりも、明日を持たない親友の選んだ確かな未来への願いを叶えることを選び、最終的にはデスティニープランを守るために戦うことを決断した。
ただ、シンの方も、本当は運命も未来もないレイが、デスティニープランで幸せになることはないことには気が付いてはいたらしい。
一方のレイの方も、議長直轄の人間として切り札たるシンを育成・コントロールしつつも、本当に親友だと思ってもいた模様。
結局、心根が優しいシンを誰かを護るためではなく平和という大義のための弾圧者として戦わせ続けることになる自分の行動に心の底では疑問を感じていたらしい。
最後の最後、メサイアにてキラの言葉を聞き、議長を射殺した際に『彼の明日は…』とシンを思わせる発言をしていた。(※複数解釈あり)
ルナマリアとは、アカデミーの頃から付き合いが長く親しみを込めてか「ルナ」とほぼ愛称で呼んでいる。アニメ中盤まではルナがアスランにアプローチしていたこともあってただの同期であり、この時期のルナマリアはアスランに恋をしており、シンとの絡みはほとんどなかった(シンもシンでステラの方に構っていた)。作中中盤、アスランがザフトを脱走し、そのせいでアスランと、裏切りに同行したメイリンを自らの手で撃墜してしまったことに対し、殺した自分に怒りや恨みをぶつけることも責め立てることもなく、ただ悲しむルナマリアを見たことで、自らの家族を失ったことに対して「怒り」が先行していた自分を顧みるきっかけとなったようで、以後、傷を舐め合うように恋愛関係に発展した。
その後のこれからの戦闘では「ルナを守る」ことがシンの今後の重要な行動目標となっており、ルナマリアが単独出撃することに反発を見せるシーンもあるなど、過保護なくらいに彼女を心配し気にかけていた。
THE EDGE Desireではアカデミーの頃から一人でいる事が多かったシンを気にかけており、気さくによく話しかけてきてくれた。
劇場版ではともにコンパスに出向。
恋愛関係は現在も継続しているらしいが、依存のような関係でなく健全な恋愛になっている模様。
最終決戦でルナマリアがピンチに陥った時にシンが気づいて駆けつける姿は正にヒーローである。
ルナマリアの方も、終盤の最終決戦でアグネスに好きでもない相手と付き合ってると言われた際に、「はぁ!?好きだけど。悪い?」と、シンのことが好きであることをちゃんと表明した。
キラ・ヤマトとは地球降下後のオーブの慰霊碑前で軽く面識を持ったが、DESTINYでは、最終話で再会するまで、フリーダムのパイロットが、その時に会っていた人物だと知らなかった。
フリーダムの出現直後から、オーブ軍を止めようとするカガリを庇っての彼の介入行動と、それを庇うアスランに対して怒りを露わにしていたが、ステラが亡くなったベルリンの戦いの後は極めて強い敵愾心を持ち、フリーダム撃墜に向けて行動を開始。
レイと共に徹底的な分析とメタ戦法を構築し、万全の準備を整え、ザフトの大軍勢を動員したエンジェルダウン作戦に最後の詰めとして出撃、ついにはフリーダム撃墜に成功する。
機体こそ完全に撃墜したものの、パイロットのキラは生還しており、ほどなくして新型・ストライクフリーダムガンダムを駆り戦場に復帰。
再び戦場で邂逅した際はシンも驚愕していた。
その後は幾度となく交戦し、撃墜されかけた場面もあったものの、決着をつけることなく終戦。
戦後オーブの慰霊碑前でキラと再会し、以前に会っていた彼がフリーダムのパイロットであることを知る。
かつて自身が発した「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす。」という諦念が強く混じった言葉に対する、キラの「いくら吹き飛ばされても、僕らはまた花を植えるよ、きっと。」という返答の覚悟と、敵だった自身に対する「一緒に戦おう」とまで言ってくれた彼に感銘を受けて、和解。
戦後はザフトからの出向でコンパスに参加。
劇場版ではヤマト隊に属す部下としてキラを慕っており、『ジャスティス』に乗っているにも拘らず、彼に今一つ頼られない自分を不甲斐なく思っている様子が見られる。
ハイネ・ヴェステンフルスは、補充戦力としてミネルバに乗艦した際に初対面した。
アスランよりも更に年上であるにも拘らず自分とアスランを呼び捨てにさせるなど、ミネルバのコミュニケーションを潤滑にしてくれそうな好人物だったが、残念ながら乗艦直後に戦死してしまった。
彼の戦死はアスランとの関係悪化の一因となった。
ちなみにアニメ版ではハイネとは大した交流はないが、漫画版では深く交流を持った末、ハイネ自身の最期もシンを庇って戦死するものとなっている。
ステラ・ルーシェに対しては、彼女の悲惨な境遇に同情心を寄せ、彼女を戦争被害者として扱う。
妹を重ねている面があり、同情では済まないほど心を砕き、命の危機に瀕した際は、軍規違反をしてでも敵であるネオロアノークにステラを返還した。
その際にステラを戦場に出さないことをネオに約束させたが、当然ながらネオにそのような権限はなく、ステラは再度無茶な出撃をさせられてしまい、結果死亡する。
この死が最終的な決定打となり、シンはフリーダム撃墜に憑りつかれてゆく(ちなみに、EDGEでは、ネオがこの約束を破ってしまったことに後悔を感じている描写があった。この後悔が、記憶が戻らないままAAを守って連合を裏切ることに影響したようだ)。
ギルバート・デュランダルに対しては、当初からかなり素直に尊敬の念を示している。
穏健派の旗手であり、戦争の根絶を訴えるが、同時にただ平和を叫ぶだけの弱腰のハト派ではなく時には軍事力の行使を躊躇しないデュランダルはまさにシンの理想とする為政者であったと考えられ、そのデュランダルから期待と賞賛を受けることは当時のシンの大きな喜びとなっていた。
父も家族もいないことで年長者からの承認に飢えていたところもあったのかもしれない。
そのために、簡単に彼の思惑に乗せられ、増長していくこととなってしまった。
劇中の描写を見る限りでは、デュランダルから見たシンは遺伝子情報に基づき選定し、子飼いのレイを張り付かせて誘導・育成した非常に有力な戦力であり、キラやアスランと異なり自身の課した役割に(つまり遺伝子に)忠実な存在と認識していたようで、表面的にはシンに親しげに接したり信頼をしているような素振りを見せていた(それらが本心であったかは不明)。
また、ハイネやイザーク等のザフトでもトップクラスの実力を持つことが明らかなパイロットでもキラには一蹴されているあたり、如何に有利な状況を整えたところでキラを撃墜し得るパイロットは殆どいないと思われ、それが可能なシンをエリートとは言い切れない成績だったアカデミー時代に見出したデュランダルは、遺伝子工学者としては確かな慧眼の持ち主だったといえる。
しかし、状況次第ではアスランやキラを倒しうる存在まで育て上げ、実力に相応する機体も与えたにもかかわらず、シン本人の精神面を軽視したために結果的にはシンはアスランに敗北することになり、これが彼の敗因の1つとなった(対オーブ戦はデュランダルの目的完遂のためには避けられないため、どうしようもなかった面もある)。
シンの劇場版の活躍を見れば、精神面までパーフェクトなら本当にアスラン・キラに抗し得る戦力であったことは相違ないようで、それほどの戦力として育成したシンが、議長の考えるデスティニープランの精度(差し当たって目立つ家系でも何かしらの処置もされていない)シンを見出せたのはプランの精度を示している)と欠陥(遺伝子的な素質はあっても精神面を軽視すれば役割を果たせない)を示してしまったことは全く皮肉であるというしかない。
上官であるタリア・グラディスやアーサー・トラインを始めとするミネルバの大人達とは、問題行動を起こして衝突することも度々あるが、同時に素晴らしい戦果を挙げる戦力としてかなり重要視されてもいる。
が、超個人・実力主義のザフトの特性もあって、中盤以降は腫物に触るような扱いが悪化していき、キラとマリューのようなお互いに信頼し合う関係性にはならなかった(キラが正規の軍人ではなかったとはいえ、前作でのキラとAA隊クルー達の距離が近過ぎただけかもしれないが)。
このため、お互いに軍務を果たしている以上、誰かが悪いわけではないが、シンに生き方や戦い方を諭したり、ストレスに向き合う関係性になることもついに無く、成長機会の少なさの一因になった。
歴代のガンダム作品の主人公達は、ガンダムの乗り手としての実力を上げていくのと共に、様々な人達との出会いと別れを経て精神的な成長を遂げているし、厳密な軍属ではないことが奏功し、人間味ある艦長や上司に、柔軟な対応でもって、精神的に鍛えてもらうのも定番パターンであった。
シン自身も「優しくて温かい世界」を守りたいという想いを持っていたのだが、ガンダムシリーズでは珍しく完全な軍人であったことが大きな原因となり、倫理の面から正しく導かれる機会に恵まれず、といってザフトの特性上、完全な軍事的な統制をされることもなく、軍功の評価だけが先立つことが多かったその結果、弱者を想う優しさを人一倍持ちながらも、大切なものを次々と失い、「今度こそ」という思いと自分の力への自信から「戦う為の力」へさらに傾倒していくという悪循環に陥ってしまった。
なお、このような将兵の精神的幼さに由来する問題は、シンだけの問題というよりも、成人年齢が低く統制が難しいザフトの体質的問題でもあった(第一次大戦での捕虜の虐殺など)らしく、戦後はこうした問題点の改善や独立国としての体裁を整える為にザフトにも階級制度が導入され、統制が再整備されることになった。
タリア・グラディスはステラ・ルーシェを巡ってシンが犯した軍規違反でシンが銃殺刑にならないか苦悩していたがシンがその事を知る術も無く、その後はアスラン・ザラの方がザフト軍人としては問題のある行動が増えていき彼の方を叱責することになる。
その後はシンと大きく関わること無く彼女はデュランダルとレイと共に戦死することになる。
アーサー・トラインは残されたミネルバ隊と共にコンパスに移ったが、シンからは余り頼られていない模様。(『DESTINY』小説版ではシンはアーサーのことを「こんな人が副長で大丈夫なのか」と不安がっている。)
ある意味ではアークエンジェル副官であったナタル・バジルールこそミネルバに必要だったタイプの副官だったのかもしれない(逆に心理的余裕が無さ過ぎるSEED当時のアークエンジェルにはアーサーの様なムードメーカーな副官こそが必要だったと言えるが、そちらはそちらでナタルの力量あってこその場面もあるので有り合わせの人員だった点も含めアークエンジェルの方がある意味で深刻である)。
オーブへの複雑な感情
劇中ではカガリ・ユラ・アスハに食って掛かりオーブを「あんな国」と呼ぶ、オーブ軍をかなり積極的に攻撃するなど、オーブを憎んでいるかのように見えたが、本編・小説・漫画と媒体を問わず、心の底では変わらずオーブを愛している様子が見られる。
カガリに対して特に強い敵愾心を見せていたのも、オーブ上層部を信じていたからこその期待と失望の裏返しであろう。
アニメ内でも、本心をアスランに看破されているが、例によって反発を見せていた。
「ずっと、ここ嫌で。でも、ずっと気になってて…」
戦後は、オーブが主要な後ろ盾であるコンパスに参加しており、感情も落ち着いてきたことが想像される。
略歴
機動戦士ガンダムSEED
SEED本編には登場しないが、リマスター版でオーブから避難するシーンとZ.A.F.Tアカデミーのシーンが追加された。
第一次大戦開戦時はオーブ連合首長国に在住する一般市民で、モルゲンレーテの技術者である両親(共にコーディネイター)や妹のマユ・アスカと共に平和に暮らしていた。
が、地球連合によるオーブ開放作戦に際して、おそらくは両親の職種の影響もあり避難開始が遅れ、モビルスーツ戦闘の余波に巻き込まれる。
シン自身はマユが落とした携帯電話を拾いに行ったことで直撃を免れたが、家族は死亡、天涯孤独となる。また、この惨劇のトラウマからPTSDを発症し、以後長く人知れず苦しむようになる。
この時に「オーブ首脳陣が徹底抗戦の道を取ったために家族を失った」と考えた彼はアスハ家とオーブの理念に怒りの矛先を向け、2年後に至っても「家族をアスハに殺された」と公言している。
時々議論になることだが、オーブが降伏すれば戦火に巻き込まれなかったかどうかは、なんとも言えないというのが正確であろう。
この当時ザフトの地上戦力は完全に払底していたため、占領後にはザフトに侵攻されないor侵攻されても早期に迎撃できた可能性は否定できない。
その一方で、三隻同盟の戦力は大きく不足するため、絶滅戦争へ向かう可能性が史実より大幅に高まる。
避難船でオーブを離れたシンは、オーブ軍のトダカ(当時一尉)の勧めと計らいでプラントへと移住。
その後、戦争を終わらせるための力を求めザフト士官学校へと編入。
軍人としての道を歩むことになる。
在学中にレイ、ルナマリアとメイリン・ホーク、アグネスといった同期達と出会う。
士官学校の入りたての頃はエリートというわけではなく、シミュレーターでは14秒で被撃墜。
座学もだが、体術も女子のアグネスやルナマリアに負ける有様で、あるのは体力とあきらめの悪さぐらいだった。(月光のワルキューレの描写)、ただ、『FREEDOM』でとある事情でルナマリアがシンをボコボコにする出来事があるのでルナマリアが女子としては規格外である可能性も高い。
しかしその後は実力を伸ばしていき、主席のレイと互角の訓練スコアを出す(THE EDGEの描写)、ナイフ戦1位になるなど、赤になる程度には優秀な成績を収めた。
とは言え、どちらかというと落ちこぼれであるような描写が多く、劇場版でもアグネスに馬鹿にされていた。
成績上位者(元は10名だが、シンの世代からは上位20名)の証である赤服を受領して士官学校を卒業後、あるいは在学中にプラントの最高評議会議長・ギルバート・デュランダルに遺伝的資質を見出され、最新鋭のモビルスーツであるインパルスのテストパイロットに選抜される。
同期たちとともに同機の運用に特化した新鋭艦ミネルバに配属されたところから、『SEED DESTINY』の物語は動き出す事になる。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
スペースコロニー「アーモリーワン」にて地球連合の特殊部隊による最新鋭機強奪事件が発生し、破壊活動を行う機体を止めるためインパルスで出撃する。これがシンの初陣となった。
なお、事件発生の直前、民間人を装い潜入していたステラと市街地で出会っているのだが、後にディオキアの浜辺で再会した時には、お互いにその事を忘れている。
強奪機体の追撃及びユニウスセブン落下妨害作戦の中でアスランと邂逅。その強さを見る中で、憧れるべき強い力を持つ先輩がなぜオーブにいるのかわからず、食って掛かる姿がよく見受けられた。
また、カガリに対しては、前述通りアスハの理念への怒りをぶつけている。
ブレイク・ザ・ワールド発生後はアスランとともに単独での地球降下を強いられるが何とか生き延び、ミネルバのメンバーと共に地球へ降下。再び燃え広がる戦火の中で「何かを守る為には戦わなければならない」と言う信念のもと戦い続ける。
復帰という形でミネルバに配属されてきたアスランへは、(ザフトに属するシンから見れば)その煮え切らない態度に対してフラストレーションを見せるシーンが多くみられたが、それでもなお尊敬しているような気配が強かった。ディオキア基地に寄った後は、配属されてきたハイネの気遣いによってアスランを呼び捨てるようになるなどコミュニケーションが円滑になりそうな気配もあったが、直後の戦闘に乱入してきたフリーダムの影響もあり、ハイネが戦死してしまう。
その後、ブルーコスモス関連の施設を調査する中で襲撃してきたガイアを沈黙させるも、そこに乗っていたのはディオキアの沖で出会っていた少女・ステラであり、彼女が連合の強化人間・エクステンデッドである事を聞かされ、大きな衝撃を受ける。
クレタ島沖での戦闘では、アスランがキラに撃墜され、連合・オーブ連合軍の攻撃でミネルバが危機に陥った結果SEEDを発現。アビスガンダムの撃墜、旗艦のタケミカヅチも轟沈に追い込むなど多大な戦火を上げるが、その旗艦に乗っていたのがかつての恩人であるトダカだとは最後まで知らなかった。
成すすべなくステラの症状が悪化していく中、プラントの上層部が彼女を検体として利用し、助ける意思がないことを知った結果、レイの協力を得る形でステラを連れ出し、彼女をもう戦わせない約束の元で連合の指揮官であるネオ・ロアノークに託す。
ステラを連れ出して返還したシンの行動は、銃殺刑になり兼ねない程の重罪として扱われており、彼も罰を受けることを覚悟していたが、シンを利用する事を考えていたデュランダルの意向によって無罪となる。
その後、ベルリンでデストロイを止める命令が下されるがミネルバは戦力不足であり、やむなくシンは単機で現場へ向かう。
そこで交戦していたデストロイとフリーダムの戦闘に割り込み、デストロイを追い込もうとするも、その場にいたネオからデストロイに乗っているのがステラだと聞かされたシンは、攻撃を止めて説得へと変更。
一時は彼女を正気に戻しかけるも、フリーダムが視界に入ったステラは再び暴走してしまい、デストロイの攻撃によってシンが窮地に陥ったため、フリーダムがスーパースキュラの発射口に攻撃し、デストロイは沈黙する。
(キラの配慮かは不明だが)ステラに大きな外傷はなかったものの、度重なる調整とデストロイ操縦による過負荷、撃墜ダメージなどが累積し、限界を迎えたステラはシンの腕の中で死亡する。
デストロイによるベルリンの虐殺後、独りステラを弔ったシンは、怒りのままフリーダムへの復讐を決意。デュランダルによるロゴス打倒の演説が行われた直後のエンジェルダウン作戦で、大軍による包囲とインパルスの特性を最大限に生かした戦い方で仇敵フリーダムの腹部を刺し貫き、撃破に成功する。なお、フリーダムが最高機密だったためにシンが機体構造を知らなかった可能性もあるが、フリーダムのコクピットは胸部にあるため、撃墜は出来たもののパイロットはほぼ無事であった。
ちなみに、当代最強の機体と言われたフリーダムを撃墜した戦果から、シンは「フリーダムキラー」と呼ばれるようになった。
ジブラルタル基地への到着後、最新型機であるデスティニーを受領する事になったシンは、より強大な力を手に入れた事に喜ぶも、その直後にアスランの脱走事件が起こったために(※議長の意図したところであるが)皮肉にもデスティニー搭乗の初陣は、複雑な感情を持つアスランの討伐任務となってしまう。圧倒的な機体性能差に加えて戦闘意思がなく、同乗者までいる状況ではさしものアスランでもどうにもならず、機体は撃墜されてしまう。
これを機に、アスランとメイリンを殺してしまったという自責の念に苛まれるようになったシンは、肉親である妹にスパイ容疑が掛けられた上で失ってしまったルナマリアと相互依存的に恋愛感情に発展。元々、無残な形で家族を失ったPTSDに苦しめられていたシンだが、この頃から更に精神状態を悪化させていくこととなる。
その後はヘブンズベース攻略戦で多数のデストロイを撃墜し多大な戦果を挙げた功績を認められ、FAITHに就任するも、その後のオーブ戦にて、撃墜した筈のフリーダムが再び現れた事に驚愕。仇敵が生きていた事に激昂し、レイの搭乗するレジェンドと連携でも撃墜出来ず苛立つ中で、殺してしまったと思っていたアスランまでもが、ジャスティスのパイロットとして現れさらに動揺。迷いを無理矢理振り切るように彼を「裏切り者」として倒そうとするも、本気を出したアスランの反撃によって逆に追い詰められ、おまけにロード・ジブリールに逃走されてしまった事もあって、撤退を余儀なくされる。更に戦闘後、面識があり複雑な感情を持つカガリ・ユラ・アスハがオーブ代表に復帰、彼女の演説の中に本物のラクス・クラインが現れ、同時にデュランダルへの疑念を表明する事態が起き、デュランダルが彼女の贋物を政治に利用していた疑惑が確定的になる。
落ち着く暇もなく、追い詰められたロゴスが起死回生を狙い月面のダイダロス基地からプラントに向けて戦略兵器「レクイエム」をプラント首都に向けて発射。
イザーク隊らの奮戦で直撃は回避されたものの大被害を受ける。
ミネルバはこのレクイエムを破壊する任務を負って宇宙へと上がり、防衛部隊を展開したロゴスとザフトの最終決戦となる。
この戦いでもシンは大活躍し、結果的にレクイエムの沈黙とジブリールの討伐に成功する(原作ではレイによって討たれ、漫画等ではシンによって討たれている)のだが、それから程無く、デュランダルがデスティニープランの強制導入を発表、プラントに大きな被害を与えたレクイエムを修理すると、反対勢力に対して武力による徹底的な弾圧を宣言。
ことここに至って、自分が思い描く平和とデュランダルの考える平和が大きく異なっていた事を悟って愕然とするも、デュランダルに全てを賭けていたレイに、クローンとしての自らの出自と、自分の余命が僅かであることを聞かされ、その思いを聞いた結果、レイの信じる未来を守ることに同意。
レイの言う、戦争の無い世界が来ると信じ、ザフト軍のエースとしてオーブ軍・クライン派との最終決戦に臨む。
キラと因縁のあるレイに対し、アスランへの対抗馬として配置され、議長の狙い通りアスランとの最終決戦に臨む。
しかし、内心ではやはり迷いを払拭する事が出来ておらず、これまで積み重なったストレス要因に加え因縁のアスランとの戦いとあってはルナマリアのサポートがあっても、もはやその力を発揮できる状況ではなかった。
戦闘は三隻同盟の優位に進み、レジェンドは大破、ミネルバも轟沈。戦闘続行が無意味な状態であるとルナマリアに制止されるが、ステラとマユの幻覚を見たシンは恐慌状態になり、彼女に攻撃を仕掛けるも、それを制止すべく種割れしたアスランによってデスティニーは瞬く間に戦闘不能に追い込まれ、月面に落下する。
その後、意識を失ったシンは、ステラの幻影と邂逅。
明日を見ようとする彼女の言葉で意識を取り戻すと、自身を気遣うルナマリアと共にメサイアが崩れ落ちていく様子を目の当たりにし、戦いの終わりを悟るのだった。
戦闘終結後、ルナマリアと共にアスランに回収され、戦後に彼等と共にオーブの慰霊碑の元へ訪れる。
その場でフリーダムのパイロットがキラ・ヤマトであったことと、この世界に対する彼の覚悟を知り、感銘を受けてキラと和解。本当に平和な世界を作るべく新たな道を歩み始める。
様々な戦いを経て、敗北という挫折で立ち止まったシンの「優しくて温かい世界」を守る為の本当の戦いはようやく始まりを迎える事が出来たのかもしれない。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
終戦後のオーブの慰霊碑前でキラが言った「一緒に戦おう」の言葉に共鳴して世界平和監視機構コンパスに参加。
C.E.75年、ブルーコスモスによる軍事侵攻や各国家による独立運動が活性化するなか、ザフト、オーブ、連合軍が共同で発足させた世界平和監視機構「コンパス」のメンバーとしてキラ率いる「ヤマト隊」の一員として活動し、世界各地の戦闘に介入している。
ザフト時代、自身の隊長であったアスランに対する態度とは打って変わって「隊長」(プライベートな場では「キラさん」)と呼び慕う、命令にも素直に従うなど、行動で尊敬の念を表している。一方で当のキラ本人は仲間であるはずの自分たちを頼らず施設防衛や救助活動を命じ、独りで戦闘の矢面に立とうとしていることから「信頼されていないのではないか」という不安を抱いており、ザフト以来の付き合いであるルナマリアにその胸中を吐露している。
この際アグネス・ギーベンラートから自身が「フリーダムキラー」と呼ばれていることを聞き、前大戦でデュランダルに利用されていた件を引き合いに出されながら「自分を殺そうとした奴のことなんて信頼するわけがない」という主旨の発言でなじられている(以前からズケズケと辛辣な正論を言うアグネスには苦手意識を抱いており、馬鹿にされてもロクに言い返せない程で、この劇中における彼女とのやり取りは皮肉にも前大戦でアスランやカガリに対して辛辣な言葉を浴びせた過去の自身と全く同じだった)。
今作では本来の天真爛漫な性格が表に出ることが多い(心の闇がなくなった訳ではないがクローズアップはされない)。
ミレニアム乗組員からは「一番変わったのはあいつかもな。全てのわだかまりが解けた今のシンが、本来の姿なんだよ。」と評されている。(アーセナルベース フレーバーテキスト)
シン自身はキラから信用されていないのでは?と不安を感じていたが、新型機のイモータルジャスティスのパイロットに指名されたり、冒頭のオルドリン自治区防衛戦では「政府施設の防衛」というかなりの重要任務(一方で、ルナマリアとアグネスには『市民の避難誘導をしつつ、守備軍の援護』と別の命令をされている)を任されているので、キラなりにシンへの信頼感を持っている事が窺える。また小説版で追加された箇所の一つに、「シンを信用してないなんてことはないよ」とキラ本人がアグネスに言う場面がある。しかし福田監督はキャラクターアーカイブで「キラは誰も信用していないので、部下であるシンにもアグネスにも出撃許可を出さない。シンはそのことにフラストレーションを抱えています」と言われている。
また実に微笑ましいコメディリリーフ的な役回りも多く、
- ファウンデーションに出向いた際は、アウラ・マハ・ハイバル女王に他コンパスの面々が頭を下げている事に気づかず、1人だけ礼・直れの動作が遅れる。また小説版では華麗かつ重厚な王城内やアウラへ優雅に挨拶するラクスを「まるで本物のお姫さまのようだ」と思ったりとすべてに感銘していた。
- パーティでは、料理を皿に山盛りにしてがっつき、デザートの乗った皿を両手に持ちながら、アグネスにディスられてるとはつゆ知らず、険悪な雰囲気のルナマリアとアグネスに「何の話?」と能天気に話しかける。
- イモータルジャスティスが撃墜されてヒルダ姐さんに救出されギャンシュトロームのコクピットに収容された際に(シンは気付いていないが)胸を鷲掴みにしており、ヒルダは眉間に皺を寄せていた(さすがに状況が状況だったので水に流した模様)。
- キラとアスランの殴り合いを(アスランを)止めようとした際は流れ弾を食らうように両方から思い切り殴られる(ちなみに石田氏によれば、アスランはシンを殴ったことに気づかなかったらしい)。
- 一見、アスランへ噛み付いた様に見えるが、口ではアスランを非難しながらもキラの腕を掴んで止めようとするという、第三者として仲裁しようとしたのが分かる場面である。
- また、二人から殴られる場面もアスランは意図的にやった様に見えるが、キラの方は振った拳をアスランが後退して避けているのでもらい事故だった可能性が高い。
- 殴り飛ばされた後も半ばヤケクソ気味に再び仲裁しようとした際、ヒルダから首に腕を回されて止められる。犬のリードを引っ張るが如くシャツの袖を掴まれたりも。因みにマリューは頭を抱えて呆れていた。小説版ではヒルダの発言に同感して首を縦に振っている。
- 極めつけに、ミレニアムへの偽装ハイジャックにかこつけてルナマリアを驚かそうとした結果、返り討ちに遭い危うく射殺されそうになる(小説版では更に肘打ちを顎に食らって鼻血や口内が血まみれと悲惨な事になっている。シンの独白によれば、ルナマリアには体術で一度も勝てたことが無いらしい)。
などなど上記のように作中全体の緩衝材となっている。
また作中で「化物」と聞いて、フリーダム強奪事件の時に見たファウンデーションのモビルスーツを思い出していたが、小説版では続けて内心で「もし、あれが敵に回ったら――?」と不安を懐き、頭から振り払っている。
今作ではルナマリアと中盤ではあんなことをしようとしたことを示唆するような場面もある(シンが何かヘマをやらかしてルナマリアを怒らせたらしく、未遂に終わった模様で甲板で体育座りをしてひどく落ち込んでいた)。
このシーンに関して鈴村氏は福田監督に「一度ルナマリアに手を出そうとしたけど、上手くいかなくってちょっとギクシャクしているんだよ」との説明を受け、「子供のため息にして欲しい」「若い子が『俺って駄目だな』と思っている感じに」とディレクションを受けたとのこと。
しかし視聴者からは「精神年齢が男子中学生ぐらいに幼児退行したように見える」という意見もあれば、「戦争で家族全員を亡くしたショックでその時から情緒の成長が止まっていたのでは?」と意見もある。
もっとも、劇場版の時点でもまだ10代の少年であることを考えればそこまで不自然な素振りでもなく、様々な要因を踏まえると本編が余りにも過酷で限界気味だっただけでこれがシンの素の状態だったのではないかと目されている。
鈴村氏もシンを久々に演じた際のインタビューで「こんなに素直で可愛い子なんだなと思った」と語った。
そんなシンだが、前作でも見せたパイロットセンスは健在で、冒頭ではシールドで市民を守りつつ戦闘を行い、この際遠方から飛来するミサイル3機をビームライフルで撃ち漏らすことなく撃墜するというテクニックを見せている。
先述の不安はありながらも精神的な余裕ができたからか視野も広くなり、キラの命令の「市民の避難誘導」そっちのけで敵機の撃破を優先しているアグネスを咎めている。
また敵機コックピットへの直撃を避けるというキラの不殺戦法を真似ており、作中ではダガーに対し一撃目に脚サーベルの回転蹴りで武器を切り飛ばし、二撃目に頭部をビームライフルで破壊して武装解除を行うというシーンがあった。
この際に回転蹴りの勢いを制動しきれず、ビームライフルを一度構え直してから射撃している事から、まだこの戦い方に慣れていないことが分かる。
この戦法を用いていた事がイモータルジャスティス搭乗時の戦績がいまひとつ奮わなかった要因の1つであった可能性を指摘する声もある。
なお福田監督によればこの行為は、前述した不安を拭うため、キラの信頼を勝ち取り認めてもらおうと思っての行動であるらしい。
最終決戦ではオーブで極秘に回収されていたかつての愛機の改修機に乗り込む(この際、愛機との再会に目を輝かせていた)。更にキラから「 シン、ミレニアムを頼むよ。 」と言われた事でこれまでの不安が一気に払拭された結果、歴代最高潮のコンディションとなって凄まじい戦闘力を発揮する(キラから頼まれた「ミレニアムを任せる」という言葉は、シンにとっては何より大切で自身がやりたかったことである「皆の帰る場所を護る」ということだったのも影響したのかもしれない)。
戦端を開いた直後にそれまで余裕の態度を示していたブラックナイツに実力を示し(波状攻撃を防ぐために撃墜よりビームライフルの破壊を狙っており、4機のうち三機のビームライフルを破壊している。
また盾で防がれても続け様に回転斬りを何度も浴びせ無理矢理叩き切るのはともかく、MSを蹴って加速したり、ノールックで背後の敵を撃ち抜いたりと非常識極まる戦法を続け様にとって)困惑させ、更にSEEDを発動させて反射神経のみで戦闘を行い相手の読心を封じる。
ブラックナイツは事態を打開するためにアコード特有の精神干渉による心の闇で溺れさせようとするが、シンの心の奥底に潜む闇の深さで逆に恐怖する結果に終わる。
- 小説版では、彼らは知らない。シンが経験したような地獄を。戦争によって両親を、妹を失い、慈しんだ少女を失い、信じていた友を失った。その間、グリフィンらはアウラのつくった小さな世界しか知らずに生きてきたのだ。と綴られている。
その後も分身を駆使して戦う相手の立ち回りを「寝ぼけた分身」と一蹴、逆に相手よりも高度な分身戦術を見せつけるなど、機体スペックでは劣るデスティニーの特性を最大限活かすことでブラックナイトスコード ルドラ4機と互角以上に戦ってみせた。
最後はデスティニーの分身を利用して隙をついたヒルダのゲルググに1機を撃墜されたことで、その死の恐怖が伝播して恐慌状態に陥った3機をデスティニーの複数の武装で次々と撃墜。
一連の戦闘において自機は無傷のままであり、戦いの最中に間隙を縫ってルナマリアにデュートリオンビームでの補給まで行うなど、(ルドラの火力支援となる機体群の一掃に尽力したルナマリアや、好機を見逃さずに1機を撃墜して決定的な隙を作り出したヒルダの協力があったとはいえ)DESTINYでの最終決戦とは真逆とも言える圧倒的な活躍をしてみせた。
ルドラの撃墜後はディアッカからミーティアを受け取ったルナマリアと共にレクイエムへ急行し、ムウから受け取ったゼウスシルエットでレクイエムを破壊、祖国であるオーブを守り抜いた。
なお決戦の出撃時「ジャスティスだったから負けたんだ!!デスティニーなら!!」と作中前半に搭乗していたイモータルジャスティスがあんまりにも可哀想な問題発言をかまし視聴者の腹筋にフルウェポンコンビネーションしている(実際シンの戦闘スタイルとジャスティスの性能の噛み合わせが良いとはいえなかったので、この発言もあながち間違いとは言い切れないのだが)。
ちなみに前作でレクイエムを守っていたのに今作は一転、破壊する役回りとなったわけだが、「実は、あのシーンにはそこまでの意図はなかったんですよ(笑)。たまたまレクイエムを壊せる武器が、あの「ゼウスシルエット」という装備しかなかったので、シンがやるしかなかった。」と監督は述べられている。
ちなみにこのゼウスシルエットはデュランダル議長がデスティニーとセットで造っていた武装でSEEDDESTINY時点で既に存在していた模様。
そしてその運用設計は「オーブのように地下シェルターに逃げ込めるような設計になっている国に対し、バンカーバスターのように撃ち込んで完全に抹殺する」ことを目的とした拠点破壊用兵器となっている。
つまり、本来はシンにオーブが二度と、絶対に立ち直れない程の完全なトドメを刺させるための武装であったのだ。
そのように使用せずに済んで本当に良かったと言わざるを得ない。
人間関係について
DESTINYでは(ラストの慰霊碑シーン以外では)交流の無かったキラとの関係だが、アスランとのそれとは比べ物にならないほどに良好。
「キラに信用されていないのでは」と思い込んでヘコみ、アスランがキラを殴った際には憤り、殴り合いが始まると「やめろアスラン!隊長は!」と割って入る。キラに頼られた際は満面の笑みで答える等のシーンからもよく分かる。
その慕いっぷりは、視聴者からは「忠犬シン公」、ブラックナイツの1人からは「腰巾着」と馬鹿にされる程。
一方で、アスランには相変わらず名前も呼び捨て。呼び捨ては元々ハイネの一提案であるため、ドラマCD等でルナマリアは戦後アスランを呼び捨てにするのを止めている事が確認出来るが、シンは相変わらず継続して呼び捨てにしている。頭ごなしに説教してシンの反発を招くアスランと対照的に、穏やかに諭すキラはシンとの相性が良かったようである。
小説版では、自分がジャスティスのパイロットであることには違和感がぬぐえずにおり「後継機とはいえ、あのアスランが乗っていた機体だと思うと、何となく釈然としない」と書かれている。
- ちなみに福田監督はシンとアスランの関係をXで「シンとアスラン、仲が悪いのではなく、仲良くなれないだけですから」とポストし、舞台挨拶で「キラには懐いていて、アスランには甘えている」と口にしたり、インタビューでは「キラへの慕い方とは逆の方向にベクトルが働いてしまっている」、ガンダムSEEDFREEDOMキャラクターアーカイブだと「キラの忠犬ですね。一度懐くと、すぐに尻尾を振っちゃう(笑)だけどアスランのことは大嫌い(笑)」「アスランは何かというと説教臭くなってしまうから」
- ただ、本作でシンは普通にアスランに「本当なんですか、コンパス凍結って」と聞き、対するアスランも普通に受け答えしている事から、両者の仲が特に悪いようには見受けられない。
。
そんなこんななので「アスランの言うことは聴かないのに同じことを言っているキラの言うことは聴く」というネタ絵もpixivで描かれたり。
また、キラ以外のアークエンジェル組とはどうかというと、カガリとは一言二言あったかもしれないがお互い引っ張ることはなく和解している。
ムウとも彼がネオ・ロアノークだったことを考えると、ステラ絡みで遺恨が残っていてもおかしくはないのだが和解している。監督曰く「何が悪かったかというと戦争が悪かった」。冷静に考えるとステラはどのみち助からないとムウとシンも分かっていたから。
シン「おっさん!」
ムウ「おっさんじゃない!」
と、どっかで聞いたようなやり取りをしており、特に遺恨は残さず和解を果たしている。
ムウの性格上、自分がネオだったことを隠しているとは思えないので、シンの方がちゃんと過去のことに折り合いをつけていると思われる。
2013年に発売されたHDリマスターBOX3初回特典のCDの段階で、ムウを嫌っている遺恨が残っているとか視聴者に示唆や勘繰らせたりする描写もなかった。カガリについても同上のCDにおけるアスランとの会話の中で「でも、ラクス様って…前はあんたの婚約者だったんですよね?」アスラン「なっ!?」「ああ!でも今はメイリ…あれ?アスハ代表は…あれ?」と他意はなく言っていて、DESTINY本編で見せていた感情は昇華している様子が窺える。
ただメイリンへの負い目は消えていないようでメイリン曰く「未だにあたしに会うと絶対下を向くの」だそうな(FREEDOM以前の話なので現在は改善されている可能性はある)。撃墜されたメイリン本人は気にしていないばかりか、アスランに対する態度も合わせて「ほんっとにガキなんだから!」と呆れており、これにルナマリアも「そうなのよ、そこがねー…あれ、いずれは何とかなると思う?」と同意している。
雑誌インタビュー
『アニメージュ』2024年4月号で福田監督はルナマリアとの例のシーンについて「シンは子どもだから、そういうことをしないと思われがちなんでしょうけど、彼ももう17歳ですよ。そりゃ盛り上がったらシンのほうから関係を詰めようとするんじゃないかなって。でも、付き合いも長いしルナのほうが大人だから、そういうムードを作ろうとしたけど盛り上げが足りなくて、はぐらかされちゃったんだと思います。ルナも気持ちとしてはOKなのに、一生懸命になってるシンを見て笑っちゃった、とか。それでシンが「チクショー‼︎」って逃げちゃったと。あの時、彼はいたく傷ついていたんじゃないでしょうか」
なお、ラッキースケベの語源としてある意味有名なシンであるが、このシーンは恋人同士なのでしっかりとした(?)スケベをしようとしたようである(中の人達と違い失敗してしまったが)。
シンから現れたステラは「あれはシンの心の中にいるステラです。あの場面はステラの想いがシンを守った……と僕は思っています。その後に出てきたオバケみたいなステラは、アコードたちからはそう見えているだけで。シンが言う〝守る〟って言葉を考えた時、ステラの意思が彼の中に残っているんじゃないかなと」「別にシンがルナのことを忘れているわけではないんです。ちゃんとルナのことは好きですよ」
DESTINYの主人公として
1話から48話までエンドクレジットで1番上に記載されていたのはシン・アスカだったが、49話からキラ・ヤマトに変わり、シンは3番目に下げられた。
擁護するならば、そもそも第1話の時点でもうアスランのウエイトがかなり大きくダブル主人公のような状態であったが…このあたりの動向は、シンを演じた鈴村氏を含めて、視聴者から凄まじいバッシングを受けた。
本放送中のアニメ雑誌では苛烈なバッシング記事が掲載され、ここ百科事典ですら中傷的な内容が掲載されていた。
小説版の解説欄において、演者の鈴村氏は「そういった(中傷的な)手紙が届く事もある」とした上で、「どのような感想を持ってくれても構わない、自分が決められる立場にはない」といった旨の発言をしている。
もちろんドラマである『DESTINY』には一つ大きな「視点」があります。「ドラマ上の悪」デュランダルを「ドラマ上の正義」キラ達がやっつけるという「視点」です。なのでその観点から言えば「キラと対立しアスランの言う事を聞かないシン」は「ドラマ上の悪」になるのだと思います。ただその構図だけでシンが嫌いな方が多かったのです。
でも「作品」というのは客観的な「視点」で観る事ができます。対立する二つのどちらの考えも知る事ができるのです。そんな特殊な環境なのですから自分が好きなキャラクターに敵対している奴を理解してみる事もできる気がします。その上でさらに嫌いになってもらえればそのキャラクターを演じた僕は表現者として幸せです。
(角川スニーカー文庫・『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY 4 示される世界』解説 シン・アスカ役 鈴村健一 より)
劇場版公開後の監督インタビューよると 「正直に言ってしまうと、『DESTINY』の最初の段階で、シンを主役で最後まで物語を進めるには難しいなと思ってしまったんですよね。なので両澤は、早々にアスランに物語の軸に切り替えていましたし、僕は僕でキラに軸を切り替えていた」
また、「当時は僕も含め、制作側も演者も、全員が心に余裕がない状態でキャラクターを動かしていた感じがします。「シン・アスカってこうじゃないよな」と僕は言い続けていたんですが、あの時は第1話の家族が死んだところからスタートし、すぐオーブのちょっとポンコツな姫が来てブチ切れちゃうという流れに引っ張られて、怒りの部分が強くなりすぎちゃったんですよね」「本来のシンは人懐っこくて優しい子なんです。それがちょっと時間を置いたことによって表現しやすくなったのかなと思っていますね。」「本来はああいう感じの子なんですよ。カッとなった時は昔のあの怒りに満ちた瞳でぶつかってくるんですが、要は「爆発力が純粋」だっていうことなんです。それが今回のシンはよく描けたかなと思っていて、まぁ当初の人物設定に近い形で今回はもう一度やり直したということです。」と述懐している。
実際問題「前作主人公が取りこぼした存在」は通常、短編シリーズや1話完結の話、外伝で出して和解させるなり死なせるなりして取りこぼした物に向き合わさせたり、主人公の頑張りを知って憎しみを納める様な話を作るために登場するもので、続編主人公に据えてしまえばシナリオは当然「前作主人公への糾弾」にシフトしてしまう。
実際、一部の視聴者からはキラの不殺と見えるような戦い方に対し「徹底してない中途半端な偽善」という非難の声もあった。
- 実際は「殺人」という行為に対する忌避感や、過去の経験から可能な限り命を奪わないようにしているだけであり、そもそも他作品の不殺キャラの様に作中においてキラ自身が不殺を誓っているわけでもない。そのため民間人へ甚大な被害を齎した存在や、生かしておけば再び大きな危険を齎しかねない相手は躊躇なくコクピットへ攻撃している。
しかし前作主人公に対しそういう扱いをするのはそれはそれで問題があるし、その場合キラの人気から考えても別の意味で非難が上がるのも容易く想像できる以上、コンセプトからして破綻してしまっていると言われても致し方ない。
- SEEDの続編は準備期間一年で急遽決まった物なのでこういった粗はしかたないものがある。
しかし劇場版の制作に伴ってか、近年ではデスティニーと共に再び主人公として扱われる事が増えており(2023年のHDリマスターとスペシャルエディションのBru-rayボックスと特典のスリーブ・収納ボックスや『バトルスピリッツ』のコラボ時にガンダムシリーズの集合イラストが製作された時にはデスティニーが代表として扱われていた)、劇場版公開直前の公式のダイジェスト映像でも最後もシンで締め括っていたりと「シンの物語」と言って良い様に扱われている。
そして2024年、満を持して公開された劇場版では鈴村氏のインタビューにあった本来の「人懐っこくて優しい」部分が大いにクローズアップされ、ゲームや小説などでの補完や当時の視聴者の成長と共にシンの心情を理解できるようになった事も相まって「シンを好きになれた」、「君も主人公の1人だ」と好評の声が多く上がっている。
搭乗機
PHASE-01からPHASE-35まで搭乗。
フォースインパルス、ソードインパルス、ブラストインパルスの3形態を使用した。
アビスやフリーダムを撃破するなど、機体特性を活かし活躍した。
デスティニー受領後、インパルスはルナマリアの乗機となった。
「これが………!デスティニーの力だッ!!」/「俺とデスティニーで、戦争を終わらせて見せる!」/「コイツは………デスティニーは戦争のない世界を創る為………!その為の力なんだ!」
PHASE-35でデュランダルから受領、続くPHASE-36から最終話まで搭乗。
デストロイを幾度となく撃破、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも激闘を繰り広げる。
最終話にてインフィニットジャスティスにより撃破され、墜落した小惑星に放棄された。
劇場版の前半部にて搭乗。
インフィニットジャスティスのデータを用いられて作られた実質的な後継機。
ただし、シン自身は前身機の搭乗者との関係からか複雑な感情を抱いていた。
劇場版の後半部にて搭乗。
メサイア攻防戦終結後に放棄されていたデスティニーをターミナル経由でオーブが回収。その後モルゲンレーテ社にて秘密裏に新型融合炉と新装備の性能評価のテストベッドとして修復・近代化改修が行われた機体。
外見や武装面はほぼデスティニーと変わりないが、シンとの相性も相まって敵側の最新鋭機4機をほぼ単騎で圧倒するという八面六臂の活躍を見せた。
余談
- ラブコメで有名な単語「ラッキースケベ」の語源になった人物でもある(当該記事を参照)。しかも中の人である鈴村健一はDESTINY3~4クールの時期にジャンプ原作のハーレムアニメの主人公役も掛け持ちしていた。
- あくまでファンの与太話であるが、SEED能力や作中の設定では説明がつかないオカルト的な演出が多いため、「霊感が高いのでは?」と疑われることがある(SEEDシリーズには宇宙世紀シリーズの様な霊魂や残留思念と呼ばれる現象についての設定や言及があるわけではない)。
- 視聴者視点だと、シンもキラもアスランもイザークも美形に見える。けれど作中で他者から容姿に言及された男はアスランだけであるため、シンの顔面偏差値が公式設定的にどれほどのものかはファンの推測の域を出ない。たねきゃら劇場で女装して誰にも気づかれなかった事を根拠に女顔扱いするファンもいるが、見ての通りなキャラ崩壊ギャグ作品なのでこの話を根拠に「女顔」とするには信憑性に欠ける。アグネス評だと「チンクシャ」、イザークはアグネスの初期プロットで「怖そう」、レオナード・バルウェイは「見た目も最高に恰好いい」、キラとアスランは触れてないので不明。
- 終始デュランダルに騙されていた(疑問を持ってもレイに思考を誘導されていた)経緯から、2024年4月1日に結果発表されたガンダムインフォで行われた「ガンダム国勢調査」では、エイプリルフールにちなんで『だまされやすそうなキャラ』で他の候補に7倍近い差を付けて1位になってしまうと、あんまり嬉しくない結果となってしまった(参照・ガンダム国勢調査 第858回)。
当時放映中だった劇場版で、ある人物からデュランダルに利用された過去について馬鹿にされたため、映画を見た多くの視聴者にそうした印象に残っていたことが原因かもしれない。
- FREEDOMでは特に裏切る事や敵対するなどの要素は無かったのだが(裏切りはシンの同僚が行った)、同時期に担当声優が別作品で楽曲ランキングに推参していた為、劇場版の主題歌を担当した西川貴教氏から「裏切り者が混ざってんな… <シンのヤロー!」と指摘され、演者の鈴村健一氏は本作品のセリフを用いて引用するなど微笑ましい敵対をした事になっていた。
メディアミックスでの活躍
小説版
シンに限った事ではないが、劇中で語られなかったモノローグや心情が多く描写されている。が、著者は「自分の解釈」だと明言されている。
小説版ではオーブへの真っ直ぐな愛が描写されると同時に、ユウナ・ロマ・セイランの売国行為によってオーブ軍が行ったミネルバへの裏切りへの怒り、連合やロゴスの非道への義憤、「ステラを助けてくれないのであればザフト上層部もグラディス艦長も連合とやっていることは同じ」と思い軍規違反を行った近視眼的な考え、「全てロゴスのせいだから自分は何も悪くない」という増長や責任転嫁など、人間的な腐敗も描写されていた。
一方、最終決戦でアスランに敗北後、アニメでは放映されることがなかったインパルスに乗ってメサイアにいるレイと通信し、シンが如何にレイとの友情を大切にしていたのかを本人にぶつける場面がある。
最終的に自分がオーブと敵対したことで家族が眠る慰霊碑のある公園は、爆撃でえぐられ、美しい花は丘ごと消え失せ、かろうじて慰霊碑だけが残っていた。
そこでアスランに「シン…彼がキラだ」とフリーダムのパイロットであるキラを紹介され、シンが生身の彼を知った所で『DESTINY』の物語は幕を閉じる。
漫画版
マガジンZ版、コミックボンボン版、THE EDGEがある。
ガンダムエース連載『THE EDGE』では、シンに関しては本編と事象は変わらないが、心情を深く掘り下げられており、キャラクター像がわかりやすくなっている。また番外編では士官学校時代のストーリーも見る事ができる。
守りたいという想いから次第に絶望していく複雑な心情の変遷が描写され、立場も主人公がアスランということもあって仲間からラスボスへと変化した。
最終的に、迷いを押し殺さずにザフトを離反したアスランと異なり、迷いながらもデスティニープラン施行の流れに逆らうことはしなかったシンだが、アスランの言葉がさらにシンを追い詰め、苦悩させていた。
「俺だって!!守りたかったさ、俺の"力"ですべてを!だけど・・・俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪うことだって・・・"力"で解決できることなんて何もないって!!アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!!」
アスラン(シン・・・・俺は・・・お前を絶望させていたのか?)
「できるようになったのは、こんなことばかりだ・・・っ!」
アスラン(違う!俺がお前に言いたかったのは・・・・)
「でも・・・議長とレイは戦争のない世界を作るために・・・俺の力が役に立つって言ってくれたんだ・・・!この"力"ですべてを終わらせて・・・その先に平和があるのなら俺はっ・・・!!」
ボンボン版の台詞は後にガンプラ『SDガンダム EXスタンダード デスティニーガンダム』の説明書や多くのガンダム関連のゲーム内で採用されている。
コミックボンボン版は月刊誌という制約上ストーリーを終始シン側に焦点をあてて描いた結果、彼の苦悩などがより描写され、最後まで主人公として活躍。
最終決戦も結末こそアニメと同じもののアニメ以上にアスランを追い込んでおり彼と本気で互いの気持ちをぶつけながら死闘を演じた。
前述のガンプラやゲーム版へ逆輸入された台詞の大半がこの最終決戦時のものである。
そして最後は戦いに敗北し全てを失うが、精神的に成長し揺らがぬ心と力だけではない強さを手に入れた姿はアニメ版以上に主人公として映っていた。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.
最終回より前のアニメ放映中に発売されたこのゲームでは原作とは違うオリジナルシナリオのルートも存在し、ゲームを進めていく上で、プレイヤーのとった行動により展開が分岐し、それによって結末も変化する、といったようなシステムになっている。
また、このゲームはシン・アスカやザフト陣営に最後までスポットが当てられてストーリーが展開していくので、この点も見どころでシンが原作において辛酸をなめさせられたキラやラクス、カガリを死に追いやると言うルートが存在する。
結末は6つ用意されておりストーリーの展開次第では、地球(もしくは月基地)へのネオジェネシス発射でザフトが戦争に勝利するといった結末や、外伝作品のみにしか登場しなかったキャラが戦闘に参加したり、アニメ本編では生き残ったキャラの戦死などといった意外な展開が用意されている。
Gジェネレーションシリーズ
「行くぞ、シン!俺達の手で世界を守るんだ!」 - レイ・ザ・バレル
「大丈夫よ、シン!援護は私に任せて!」 - ルナマリア・ホーク
「シン!今度なんか奢ってくれよ!?」 - ヴィーノ・デュプレ
「許しは請わないが、努力はさせてくれッ!!」 - ムウ・ラ・フラガ
「ステラも……シン、守る……!!」 - ステラ・ルーシェ
「シン!僕も一緒に戦うよ………!」 - キラ・ヤマト
「シン!あまり無茶はするなッ!」 - アスラン・ザラ
「これからは、共に平和への道を進みましょう………!」 - ラクス・クライン
「どこの「お兄ちゃん」も、心配性だねぇ~。」 - ユハナ・ハクリ
「行くぞ………トランザム!!」 - GNドライヴ(GNドライヴ[T]も含む)搭載機搭乗時
「行けよ!ファングゥッ!!」 - GNファング搭載機搭乗時
初登場は『DS』だが、本格的な参戦は『PORTABLE』からとなる。
主人公ということで、『WORLD』『OVERWORLD』ではマスターセレクト候補の1人になっている。
彼を選ぶと入手できるベーシック機はソードインパルスガンダム、ベーシック機体は本物からデチューンされている機体ばかりだが、本機は換装機能が使えないため、フォースやブラストが無い分遠距離が非常に弱い、また折角のデュートリオン対応もミネルバが高いことや、送信機が中盤になるまで手に入らない事が多いなど序盤特有の死に特性が多くなっている。
トビアやドモン、刹那に並ぶ格闘メインの主人公である(現在ではアスノ家が追加されている)。
ステージ中では『DESTINY』後半の展開を中心にクライン派やオーブがゲスト軍になることもあってか、強敵として登場する場面も少なくない(シンに限らずレイをはじめとするミネルバ隊に当てはまることだが…)。
クロスレイズでゴッドガンダムに乗せてゴッドフィンガーを使用すると特殊なセリフが聞ける。
スーパーロボット大戦シリーズ
同シリーズでは本来の素直さや一途な性格から「王道主人公」へと路線変更が行われている場合が多く、彼の持つ悲しみや憎しみを理解し導いてくれる大人のキャラ達に恵まれており、本家ほど多くを失うということが無い。
また、兄弟がいる相手には「兄」として振る舞うこともある。
シリーズ初参戦となったSC2では仲間になる時期がストーリーの終盤であるため、他の作品のキャラクターと殆ど関わることができなかったのでそれ以降の作品のを記載する。
- Zシリーズ
シリーズ二度目の参戦となったZでは本格的に各種主人公同士の夢の競演が実現。
その掛け合い数は史上最大数で、ストーリーではカミーユ・ビダンやオリジナル女主人公のセツコ・オハラをはじめ、他にも紅エイジやロラン・セアック等とも深く交流し、原作とは違った方向へ成長して行く。
特に女主人公編では実質主人公を勤めていると言っても過言ではなく、ルートによってはデュランダルの手から離れ、彼と向き合っていく。
本作からデスティニーのオリジナル必殺技として『フルウェポン・コンビネーション』が登場する。
再世篇製作中に中の人が結婚した事もあり、シナリオ中ルナマリアとの絡みが用意されている。
特に再世篇のコードギアスシナリオ中の「キューピッドの日」では、ルナマリアにおでこタッチをせがまれて「そんな事しなくても…俺達恋人同士だろ」と公言している。
時獄篇の中盤シナリオでは、今回のオリジナル敵に襲撃されたオーブを単身で防衛に行くと言うシナリオが用意されている。
そのシナリオをクリアした後のイベントは必見モノ。
これぞスパロボマジック。
また、この作品以降からフルウェポン・コンビネーションは『武装一斉攻撃』に変更された。
Lでは原作とストーリーが大きく違っていくこともあって、自軍部隊と敵対する事は無く、デスティニーガンダムを「運命を切り開く機体」として、デュランダルやレイの考えを真っ向から否定、デスティニー・プランにも真っ向から立ち向かっていく事になる(そもそも今作ではデスティニー・プランの内容も違っている)。
元々の性格からか、周囲の人間と非常に仲が良く、キラとも初対面時に意気投合。
また、この時偶然会ったディアッカからキラについて聞いた時「不器用で馬鹿だけどよりも人の命を大切に思ってる…アイツは、そんな奴さ。」と彼なりの意見を述べたことで和解の切っ掛けとなる。
結果ステラを無事救出し、のちにキラの窮地をも救うことになる。
そしてオーブの一件後、アスランから今回の黒幕のことを探るべくキラ達と独自の行動を志願する。
もちろんシンは戸惑うが、「シン、お前はもう一人前のFAITHだ。これからは、お前が中心となってミネルバを守るんだ。できるな、シン?」と彼の口から改めて後事を託すと伝えられる。
そしてそれを聞いた自身も「どれだけあなたの戦いを見てきたと思ってんです。やれますよ。やってみせます!!」と力強く返した。
そのためキラだけではなくアスランとも良い師弟関係を持ったことを証明している。
他の作品ではマクロスFの面々とは最初期に出会ったこともあり、特に仲が良くランカ・リーのファンクラブに入会している。
ステラが無条件で生き残り(戦闘に参戦するにはフラグを立てる必要があるが)、ゲームには登場しないが、恩人であるトダカが戦死しない等最もシンが幸せな作品との声も多い。
逆にUXにおいては原作終了後であることを最大限に活かし、原作でのステラやレイの死や自分の挫折を受け止め、よき先輩として蒼穹のファフナーの主人公真壁一騎を導けるまでに成長している。
お陰で当人はキャラデザインが同一ということもありファフナーの登場人物「飛鳥真」、愛機はマークデスティニーと呼ばれる程にファフナーの世界観に馴染んでしまっている。
ただ、グラハムに乙女座の連携を提案された事には少々戸惑っているようだ。
第四章の『デスティニー』でアスランと共に登場。
資源プラントを襲撃したインベーダーのに対するアスランの指示に自分なりに意見を述べる。
戦闘が終わった後に自軍に加わる。
2016年6月のイベント『運命の騎兵隊』から追加参戦。
この作品では基本的にイベントクエストでの登場となるが、ソリス側のイベント『それは、小さなキセキ』に登場したのを反映してか、メインクエスト終盤でも若干ながら登場する。
2021年1月のイベント『明日に咲く花』ではメインを張り、キラとの初の合体技『コンビネーション・アサルトⅡ』を披露した。
本作では「ザフトの青い稲妻」という異名が設定された。
トンデモ設定を持つ(という役割を与えられているに過ぎない)悪の黒幕たるブラック・ノワールと対決した際、戦闘前会話で彼(彼女)から「お前は憎しみのまま戦い、失意の中で死ぬ筈だった」と、本来予定されていたシンの運命をネタにしたやり取りがある。
10を超える並行世界の運命を賭けた戦いを描いており、シンやキラ達の生きるコズミック・イラを内包する世界は「第3世界」と呼称されている。
今までのシンにとってのバフだった「フレイ・アルスターの死亡」が初めて失われる事となり、ある意味「シン・アスカの本当の地力」が試される機会と言える。
そして、第3章part7にて遂に参戦。
本作では、「アズラエルの謀略でオーブに侵攻したインベーダーとプレイヤー部隊ディバイン・ドゥアーズの戦いに巻き込まれて家族を喪った」設定で、早い段階からアークエンジェルやフリーダムを敵視し、更には彼らを内包するディバイン・ドゥアーズへの警戒心を強めている。
また、力を求めてザフトに入隊した理由も、もしもディバイン・ドゥアーズが自分達の世界の完全な脅威となった際の抑止力になるためであり、彼らの素性や事情、他の世界に存在する脅威等、肝心な情報を知らないが故に若干ズレてはいるが、シンのこの視点は第3世界の一般人代表としての側面を持っていると言える。
この経緯の為、原作とは違ってユニウスセブンの落下阻止に参戦する事になったアークエンジェルと遭遇した際、彼らから交戦の意思は無いと告げられるも、聞く耳を持たんと言わんばかりに襲撃、その影響で原作よりかなり早くキラとフリーダムと激突する。
しかし、そのキラに介入してきたファントムペイン(因みにステラ)の攻撃から庇われた上に、危機的状況で私怨を優先する行動を逆にディバイン・ドゥアーズから批判されると同時に共闘するように説得され、それに折れる形で申し出に応じることとなった。
『K』と同様に最初はマイナス補正が掛かっている感じに思えるが、ユニウスセブンの一件後、アスランに「本当はフリーダムを倒しても仇討ちにならない事は理解している」と語った上で上記の考えを示しているので原作再現している中でもかなり色々と考えて行動している。
そして、『CC』や『X-Ω』同様、『SEED』からの地続きでありながらも基本的には味方扱い(逆に、シンとキラが敵対する時は一貫してキラが敵扱い)であり、良識的な思考は完全には失われておらず、精神的な成長の余地を十分に残している。
しかし、今作では最大のifとして、シンにとって本当の仇と言うべきムルタ・アズラエルが健在且つオリジナル敵勢力の一員となり絶賛暗躍中な状態にあり、ベルリン戦では彼の介入が遠因でノアローク隊が壊滅したばかりか、ステラは原作とは逆に彼女の救出を試みたキラが結局死なせてしまったように見せかけるために撃墜されてしまい、そうしてシンがキラを憎むように仕向けるなど、悲劇の元凶たる人物によって原作の比では無い程の悪意に踊らされる羽目になってしまっている。
上記のアズラエルの策略もあり、キラ以外にプレイヤー部隊にも憎しみの視線を向けている中、流竜馬に「仇討ちしたけりゃ、死ぬんじゃねえぞ」と去り際に言われて驚く。
ディバイン・ドゥアーズの面々は自分達の戦いに巻き込まれてしまったシンの境遇に責任や同情を感じており、彼と和解したいと考えているが現状ではかなり難しく、極力撃墜しないように細心の注意を心掛けている。
性能は他のメンバーに負けず劣らずで、攻撃射程が広く、移動力を高めれば遠くの相手でも狙える様になる。
ガンダム無双2
ガンダム無双2のミッションモードのシン・アスカ編ではスパロボZと同じくカミーユ、そしてロランとのクロスオーバーにより、キラとアスランに自分の思いをぶつけられるまでに成長した。
機動戦士ガンダムVS.シリーズ
連合VSザフトから皆勤賞で参戦している。
同ゲームの家庭用では、彼を主人公に据えたストーリーモードが追加された。
ガンダムVSガンダム及び同NEXTではインパルスガンダム/デスティニーガンダムにて参戦。
インパルスは対フリーダム戦で使われた戦法(反射ビーム攻撃、エクスカリバー突撃、Aパーツ分離攻撃)で戦う。
火力は低いものの性能面でバランスが取れており、初心者向けになっている。
デスティニーガンダムはSEED勢最強の性能を持ち、火力は全機体中トップクラス。
機動戦士ガンダムエクストリームバーサスにも参戦。
ゲーム中で最高の強さを持つコスト帯3000に、デスティニーガンダムと共に引き続き参戦。
キャンセルルートが豊富かつ近~中距離戦が得意だが高エネルギー長射程ビーム砲を使った砲撃でそこそこレベルであるもの撃ち合いもこなせ、丁寧な射撃戦から強烈な格闘を差し込んでくる高機動万能機。
コスト3000帯でも最高峰の戦闘力を誇り前作に続き評価は高い。
インパルスは操作機体としては登場しないが、ルナマリア駆るガナーザクウォーリアが代わりに参戦。
同機体の覚醒必殺技ではエクスカリバーを携えた状態のインパルスが召喚され、突進攻撃を行う。
続編以降にもコスト3000として引き続き参戦。
当初は下方修正に苦しめられたが、召喚がレジェンドガンダムに変更され自由度の高い移動技等アップデート後は再び強さを取り戻している。
また、インパルスがFBにてコスト2500で復帰参戦。
フォースインパルスは高い機動力からのガンダムVSガンダム時代で使われた技で戦う。
このほか、ブラスト・ソードへの換装が可能になった。ブラストは武装の回転率に、ソードは機動力に難があるものの、どの形態でも[レバー前+特殊射撃]で瞬時にソードに換装してそのまま突撃、[レバー後+特殊射撃]で瞬時にブラストに換装して砲撃といったほかの換装機のとは違うテクニカルな動きが可能となる。
素早いフォースを起点にこれらのアクションを織り交ぜていけば多彩な戦法が可能となる。
エクスカリバーの突進は覚醒必殺技として発動(どのフォームでも同じ)。
HGに恋するふたり
主人公である神崎さやかの好きなキャラして愛機のデスティニー共々挙げられている他、さやかが悩んでいる時にさやかに問い掛ける役割として登場し、ガンダムシリーズのパイロットでは断トツで出番が多い。
なお登場するシンは当然さやかの脳内存在であるため口調はともかく価値観や性格はさやかの解釈によるもので本人とは異なる。
二次創作にて
本編再構成では精神的に強く成長しているか性格が変わっているなどのが描かれたりしている。
マユだけが生存してる二次創作もあったりする。
クロスオーバー作品ではスパロボを除けば、SEEDFREEDOMが出る前は良くメサイア攻防戦の際に別世界に飛ばされて他作品のキャラと出会い、交流したりする展開が多い。
その場合はシン単独だったり、ルナかキラ、アスランと一緒に跳ばされたりする時がある。
その際、デスティニーがそのまま一緒に来るか、デスティニーを元にした跳ばされた先の作品の主な道具や力に基づいたのを持ったりしている。
また女性がメインの作品で複数の女性に好意を寄せられたりするのもある。
アスキーアートでは良く原作のを元に作られてる他、ちいかわを元にした奴が作られていたりする。
良くクロスオーバー作品ではツッコミ役を担ったりしている。
関連イラスト
劇場版SEED FREEDOM
関連タグ
主人公 ダークヒーロー 復讐者 みんなのトラウマ 悲劇の主人公 悲劇のヒーロー
一級フラグ建築士:連ザ2プラスでのシン。
無我の境地:『FREEDOM』で敵から考えずに戦っている事に驚かれた事から。
アスカ・シン:苗字と名前が入れ替わってる同姓同名のキャラクター
親友のレイや上司のデュランダルと深い関係があった人物。『SEED』の最終決戦にて彼が発した「正義と信じ!わからぬと逃げ!知らず!聞かず!」という言葉は、まるで『DESTINY』のシンを体現しているかのような言葉である。
搭乗機
イモータルジャスティスガンダム デスティニーガンダムSpecⅡ
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