もしかして、アスカ・シン?
プロフィール
誕生日 | C.E.57年9月1日 |
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星座 | 乙女座 |
血液型 | O型 |
年齢 | 16歳 |
身長 | 168cm |
体重 | 55kg |
趣味 | 読書 |
嫌いな食べ物 | 貝類、きのこ類、酸っぱいもの全般、ナス |
声優 | 鈴村健一 |
人物像
『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』の主人公。
くせのある黒髪、色白の肌、深紅の瞳が特徴的。
厳しい表情が多いが、目が大きく童顔細身、比較的容姿は中性的で幼い。
一人称は基本的に「俺」だが、稀に「僕」となる時がある。
特に調整を受けていない一般人の第2世代コーディネーターながら、遺伝子レベルで天性の戦闘の才能を秘めており、アスラン・ザラらと同様に『SEED』の資質も持っている。
その資質はプラント最高評議会議長であるギルバート・デュランダルからもスーパー・コーディネイターであるキラ・ヤマトに対抗しうる資質があると見込まれている。
ザフトの正規隊員になったすぐに、最新鋭のセカンド・ステージの専属パイロットに選ばれる程で、初陣から短期間で名実共にエースパイロットの座を得ている。
性格は一途で純粋であり、本質的には正義感の強さや弱い者を労わる優しさを持ち合わせており、誰かを守る為の行動力や決断力もある。
己の無力を強く呪い、自分のような被害者をもう出したくないという確固たる信念を持つ。
劇中では「優しくて温かい世界」を守りたいという純粋な想いから、力を持たなければ守れないという現実を知り、やがて戦いに傾倒していく。
人前では強気な態度を取るものの、密かに精神的トラウマによるPTSD症状に苦しめられ続けている。
作中では純粋さ、苛烈さ、優しさなど様々な表情を見せる。
主な搭乗機はインパルスガンダム、デスティニーガンダム。
T.M.RevolutionのOP曲『ignited -イグナイテッド-』はシンをイメージした曲だという。
人間関係
ある意味では「ガンダムシリーズの中で最も孤独だったキャラクター」とも言われる。
父、母、妹など、近しい者は全て故人となり、その無残な死に様を目撃した事で精神に重大なトラウマを負う。孤児となってからは、1人で身を立て、人前ではPTSDの影響を見せず虚勢をはり、いわば開始時点で『限界近くまで頑張っている』状態。精神的な余裕は既にない。
アスラン・ザラに対しては、ヤキンドゥーエを戦った英雄として淡い憧れがありつつも、煮え切れない彼の態度に激しくぶつかることもあり、意見が合わず対立する事も多かった。もともとPTSD症状を持っていたが、アスランを撃った以降は症状が更に悪化している。
潤滑油に成り得る存在であったハイネ・ヴェステンフルスは戦死。
アスランと同期の一人であったメイリンを失ってからは、肉親を失ったルナマリアと相互依存的な関係となる。
上官であるタリア・グラディスやアーサー・トラインを始めとするミネルバの大人達とは、問題行動を起こして衝突することも度々あるが、同時に並以上の戦果を挙げるだけの実力はあることから戦力としてはかなり重要視されてもいる。
弱者には献身的な優しさを見せる。ステラの悲惨な境遇に同情心を寄せ、彼女を戦争被害者として扱っている。
シンのPTSDの症状に唯一気づいており、中盤からはステラ救出に協力してくれた友人のレイに対して心を開いていく。デュランダルの目的の為に利用される一方で、痛みに共感する奇妙な仲間意識が二人の間には流れるようになる。
終盤にレイから自身の出生がクローンでもはや命が長くない事を聞かされた結果、デスティニー・プランによる彼の思想に賛同する。
歴代のガンダム作品の主人公達は、ガンダムの乗り手としての実力を上げていくのと共に、様々な人達との出会いと別れを経て精神的な成長を遂げている。
シン自身も「優しくて温かい世界」を守りたいという想いを持っていたのだが、劇中ではその思いを(キラ側を主人公として見るならば)正しく導かれる事が無かった。弱者を想う優しさを人一倍持ちながらも、大切なものを次々と失い、「今度こそ」という思いから「戦う為の力」へさらに傾倒していくという悪循環に陥ってしまっている。
すなわち、守るべきものを守るための力はしっかり持っていたにもかかわらず、正しい使い方を知らず、あまつさえそれを周囲の人間に知らず知らずのうちに利用されてしまい、結果として守りたいものを次々と失ってもなお、「戦争のない世界」こそがきっと自分が望んだ「優しくて温かい世界」なのだと信じ、本心を殺して戦い続けた「哀しき主人公」といえる。
DESTINY放映前PVでの彼のキャッチコピーには、「力に出会い、魅了された少年の運命は?」との一節があったが、劇中での彼はまさにその様な状態であった。
キャラクター性
その純粋さ、一途さゆえに迷い葛藤し、相反する思いに苛まれる姿や激情に身を任せてしまう姿が見受けられる。その激情的な側面も…
- 趣味が意外にも「読書」。
- 休暇中は一人で部屋で大人しくしてることが多い。
- 一人称が「僕」になる時がある。
- 作中では同世代の友人と普通にコミュニケーションを取っている。
- 両親は研究者。
キャラが立っている事もまた事実であり、彼も間違いなく「ガンダムの主人公」の一人に名を連ねる人物である。
行動自体の善悪や性格的な問題はさておき、心の底に「大切な人を死なせたくない」「平和な世界がほしい」という願いを持っているという点においては、彼も間違いなく主人公たりえる戦士といえる。
主人公として
前半では出番が少なく、後半では正統派主人公らしからぬ演出が強調され、本放送中のアニメ雑誌では批判的な記事も掲載され、ここ百科事典でも一部に中傷的な内容が掲示されている。
声優を務めた鈴村健一氏に対してさえ、一部の前作ファンから凄まじいバッシングを受けていた。
例えば、戦闘シーンでは、他のキャラの時はそういった描写はないのに、シンに撃破された敵だけが、何故かやたらパイロットの断末魔シーンが描かれる傾向にある。またシンが活躍する時のBGMは大抵不穏な音楽である。
凄惨な過去と本来の人間性による葛藤から擁護意見も多い一方、身勝手で自己中心的、現実逃避や責任転嫁、逆恨み同然の言動と思考から否定的な意見も非常に多い。総合的に、好き嫌いの分かれやすいキャラクターである。
生い立ち
ストーリー開始時点で既に正規の軍人という、テレビシリーズとしては稀有な主人公。
OVAやゲームでは当たり前なのであまりピンと来ないが、実はTVシリーズで開始時点から正規軍人の主人公は彼のみなのである。
(コウ・ウラキやシロー・アマダは最初から軍人だが両名ともOVA版の主人公。刹那や三日月は正規軍ではないためノーカウント扱い)
また主演作「DESTINY」自体が、ガンダムのテレビシリーズとしては非常に特殊な位置にある。
また、シンは多感な時期に重大なトラウマを負ったまま、天涯孤独の身の上で自力で身を立て、生きる場所を戦って勝ち取っていくしかなかった。
戦わなければ強者に踏み潰され、塵のように消える未来しかなく、逃げようにも帰る場所はない。シンが軍に入隊したのも生活のためという側面が大きい(多くの戦災孤児が戦場へ送られる理由でもある)。
キラやアスランのように資産家や権力者である血縁や知人に恵まれた、ある意味で特権階級的、貴族的な境遇にいるわけではない。
戦争に対する認識が異なり、作中でも特にアスランとは意見をぶつけあう場面が多くある。『THE EDGE』版では本編の原案にあった戦災孤児に銃の使い方を教えるエピソードにてそれが明確に描写される。
公式によるとシンの「本当に欲しかったもの」とは「もう戻らない、家族と過ごした幸せな日々」であり、戦後もステラや家族が死んだ時の夢を、戦争が終わった後も見続けているという。
オーブへの複雑な感情
劇中ではカガリ・ユラ・アスハに食って掛かりオーブを「あんな国」と呼ぶなど、オーブを憎んでいるかのように見えたが、本編・小説・漫画と媒体を問わず、心の底では変わらずオーブを愛している様子が見られる。
「ずっと、ここ嫌で。でも、ずっと気になってて…」
余談
なお、「ラッキースケベ」の語源になった人物でもある(1話)。
Specal educationで、キラとシンが戦没者慰霊碑で出会う場面は、最終回ラストシーン一案の改変であり、その最終回案は「シンは最後にキラまたはアスランに倒され、数年後の戦争終結の日=シンの命日にザフト軍共同墓地へラクス達が墓参りに行く」と言うものだった。
実現していれば、ガンダムシリーズ初の「主人公がダークヒーローとして散る」結末になっていたかも知れなかった一方、最後の最後に元監督に救われたと言える。
※後に、鉄血のオルフェンズで、三日月・オーガスが(世間的にはだが)「主人公がダークヒーローとして散る」末路を迎えている(TVシリーズ以外だと小説媒体だが後にアニメ化された閃光のハサウェイが先となるが)
略歴
機動戦士ガンダムSEED
SEED本編には登場しないが、リマスター版でオーブから避難するシーンとZ.A.F.Tアカデミーのシーンが追加された。
この時代ではオーブ連合首長国に在住する一般市民だった。
研究職である両親(共にコーディネイター)や妹・マユ・アスカと共に平和に暮らしていたが、連合のオーブ侵攻であるオーブ開放作戦により発生した攻防戦での流れ弾により、家族を目の前で失った。
シン自身は、マユが落とした携帯電話を拾いに行ったことで直撃を免れており、結果的にこの電話が形見となってしまった。
この時オーブ首脳陣がすぐに降伏せず、徹底抗戦の道を取ったために家族を失ったと考えた彼はアスハ家とオーブの理念を憎むようになる。
連合とオーブの戦闘後、軍のトダカ一佐(当時一尉)の勧めで、コーディネイター社会であるプラントへと移住する事になる。
プラントへの移住後、家族を守れなかった己の無力を呪ったシンは、トラウマに苦しみながら今度こそ誰かを守る力を求め、士官学校へと編入。軍人としての道を選ぶ事になる。
そこでレイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホーク、メイリン・ホーク等といった5人の同期達と出会い、将来有望のエリートとして優秀な成績を出しているのだが、上官には恒常的に反抗的態度をとっている等、素行面は問題があった。(DESTINY本編においてもその傾向は顕著であり、何の権限もない一兵卒が公式に自国の最高責任者との会談に訪れた一国家の代表に対し公衆の面前で「タメ口」、しかも私怨による罵詈雑言を言い放って侮辱するなど、国際問題にもなりかねない行動を平気で取ったり、後述されている通り捕虜を私情から勝手に返還するなどの軍規違反も犯している)
しかし士官学校の卒業後、プラントの最高評議会議長・ギルバート・デュランダルにパイロットとしての資質を見込まれた結果、最新鋭のモビルスーツであるセカンドステージ・シリーズの一機・インパルスガンダムのテストパイロットに選抜される事になった。
ここから、『SEED DESTINY』の物語は動き出す事になる。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
「また戦争がしたいのか!アンタ達は!!」
一話から主人公として登場。
地球連合の特殊部隊によるモビルスーツ強奪事件が発生。 ザフト軍のエリート「赤服」として成長していたシンは、 最新鋭機インパルスガンダムを駆ってこれに応戦する。
なお、事件発生の直前、アーモリー・ワンに潜入していたファントムペインの少女であるステラ・ルーシェと出会っているのだが、後にディオキアの浜辺で再会した時には、お互いにその事を忘れている。
ユニウスセブン落下作戦の中でアスラン・ザラと邂逅。憧れている強い力を持つ先輩がなぜオーブにいるのかわからず、食って掛かる姿がよく見受けられた。
また、カガリ・ユラ・アスハに対しては、自身の家族がアスハの理念に殺されたと怒りをぶつけている。
ブレイク・ザ・ワールド発生後はミネルバのメンバーと共に地球へ降下し、その後は再び燃え上がる戦火の中で「何かを守る為には戦わなければならない」と言う信念のもと戦い続ける。
復帰という形でミネルバに配属されてきたアスランには当初は憧れともつかない感情を持っていたが、煮え切らない彼の態度に苛立ちを持つようになる。
ディオキア基地を拠った後は、配属されてきたハイネの気遣いによって一時的に緩和されたかと思っていたが、その後の戦闘で戦死してしまった結果、戦闘に介入してきたフリーダムへの不満も合わさって、結局元に戻ってしまった。
その後、ブルーコスモス関連の施設を調査する中で襲撃してきたガイアガンダムを沈黙させるも、そこに乗っていたのはディオキアの沖で出会っていた少女・ステラ・ルーシェであり、彼女が連合の強化人間・エクステンデッドである事を聞かされ、大きな衝撃を受ける。
クレタ島沖での戦闘では、再び挑んできたオーブ軍に対し、徹底的に攻撃を加え、旗艦のタケミカヅチも轟沈に追い込むのだが、そこに乗っていたのがかつての恩人であるトダカだとは最後の最後まで知らなかった。
帰還後、アスランが再び戦闘に介入してきたフリーダムに撃墜されたのを知り、次第に増長して彼に対して見下した考えを持つようになる。
そしてプラントの上層部が彼女を検体として利用し、助ける意思がないのを知った結果、レイの協力を得る形でステラを強引に連れ出し、連合の指揮官であるネオ・ロアノークに返還してしまい、これが後に大きな惨劇を招く事になってしまう。
勝手にステラを連れ込んだ上に今度は勝手に連れ出して返還したシンの行動は、銃殺刑になり兼ねない程の重罪として扱われており、彼も罰を受けることを覚悟していたが、シンを利用する事を考えていたデュランダルの意向によって無罪となる。しかし、この一件が更なる増長を招き、シンは自分の行動が正しく、かつ上層部がそれを理解し評価してくれているものと思い込んでしまう。この頃を境に、元々あった自己中心的な傾向が加速していく。
その後、ベルリンで暴れまわっているデストロイガンダムを止める命令が下され、シンは単機で現場へ向かう。
そこで交戦していたデストロイとフリーダムの戦闘へ強引に割り込み、デストロイを追い込もうとするも、その場にいたネオからデストロイに乗っているのがステラだと聞かされたシンは、攻撃を止めて説得へと変更。
一時は彼女を正気に戻しかけるも、その場を静観していたフリーダムが視界に入ったステラは再び暴走してしまい、デストロイの攻撃によってシンは窮地に陥った所で、フリーダムがスーパースキュラの発射口に攻撃し、デストロイは沈黙する事になるが、度重なる調整とデストロイによる戦闘の過負荷で、限界を迎えたステラは衰弱死してしまう事になった。遺体を誰にも利用されたくないという思いから、ステラの遺体が湖への水葬にされる。
デストロイによるベルリンの虐殺後、怒りに支配されたシンは、レイと共にフリーダムへの対策を考案し、デュランダルによるロゴス打倒の演説が行われた後のエンジェルダウン作戦では、インパルスの特性を最大限に生かした戦い方でフリーダムの撃破に成功する。因みにこのキラへの憎悪はシンにとっては至極当然ではあるものの、大元のベルリンの大惨事が他でもないシンが引き起こしたも同然であり(もっとも仮にステラが居なかったとしても代わりにスティングがデストロイに搭乗することでこの惨状を引き起こしていたかもしれないが)、しかも自分のせいであるという意識がまるでなく、それを最初からないかのようにキラに全てなすり付けているような描写から「責任転嫁」や「逆恨み」という意見が放送当時は非常に多く、放送終了後もファンの間では意見が分かれている。更に、直後のアスランとアークエンジェルの関係を知った上での嘲笑と暴言が元で、アスランとの確執は決定的となる。
小説版やマガジンZ版では、自分のせいでステラがデストロイに乗っているという認識はあっても、あの大惨事を引き起こした意識は無い上に、約束を破ったネオを撃墜するなどの行動に走り、自分の行動の結果を考えるという原理や責任の欠如が目立っていた。つまり、ロゴスが全ての元凶だから自分もステラも被害者であり何も悪くないという責任転嫁に至ってしまったのである。
ジブラルタル基地への到着後、新型機であるデスティニーを受領する事になったシンは、より強大な力を手に入れた事に喜ぶも、その直後にアスランが脱走したという騒ぎとなり、皮肉にもデスティニー搭乗の初陣は、彼の討伐任務となってしまう。
これを機にアスランとメイリンを殺してしまったという自責の念に捕らわれる様になったシンは、肉親である妹にスパイ容疑が掛けられた上で失ってしまったルナマリアと相互依存的な関係となる。
ヘブンズベース攻略戦で多大な戦果を挙げた功績を認められ、FAITHに就任するも、その後のオーブ戦にて、倒したと思ったフリーダムが再び現れた事に驚愕。
レイの搭乗するレジェンドと連携でも倒す事に出来ず苛立つ中で、死んだと思ったアスランまでもが、ジャスティスに搭乗して現れた事で動揺を隠せなくなり、迷いを無理矢理振り切るように彼を「裏切り者」として倒そうとするも、本気を出したアスランの反撃によって逆に追い詰められる事になり、ロード・ジブリールに逃走されてしまった事もあって、撤退を余儀なくされる。
更に戦闘後、カガリ・ユラ・アスハの演説の中で本物のラクス・クラインが現れた事で、デュランダルが彼女の偽物を政治に利用していたという疑惑が浮上する。
度重なる衝撃の出来事に心を乱すシンは、これまで見ようともしなかった自分達の負の側面を突きつけられる事で、苦悩に苛まれていく。
その後、月面のダイダロス基地からプラントに向けて発射された戦略兵器「レクイエム」を止めるべく、ミネルバ隊と共に宇宙へと上がり、レクイエムの沈黙とジブリールの討伐に成功する(原作ではレイによって討たれ、漫画等ではシンによって討たれている)のだが、プラントに被害を与えたレクイエムを今度はザフトが修理してまで地球連合に向けて使った事には驚愕を隠せなかった。
その後、デュランダルに全てを賭けているレイから、自身の出生がクローンでもはや命が長くない事を聞かされた結果、デスティニー・プランによる彼の思想に賛同。戦争の無い世界が来ると信じてザフト軍のエースとしてオーブ軍・クライン派との戦いに望む。
しかし、内心では迷いを払拭する事が出来ず、アスランのジャスティスとの戦闘時は、精神的に追い詰められて、もはやその力を発揮できない状態にあった。そして、同じく自分達の行動に迷いを感じていたルナマリアに制止された際、ステラとマユの幻覚を見たシンは危うく彼女にまで攻撃を仕掛けてしまう事になるも、それを静止したアスランのジャスティスによってデスティニーを戦闘不能に追い込まれ、月面に落下する。
その後、意識を失っていたシンは、ステラの幻影と邂逅。明日を見ようとする彼女の言葉で意識を取り戻したシンは、自身を気遣うルナマリアと共にデュランダルのいた機動要塞メサイアが崩れ落ちていくのを目の当たりにし、戦争の終わりを迎える事になった。
終戦後、ルナマリアと共にアスランに回収されたシンは、彼等と共に家族の慰霊碑の元へ訪れる。
自らの力の象徴であったデスティニーを破壊され、力の誘惑によって自身を縛ろうとしていたデュランダルが倒れた後、ようやくその呪縛から開放されたシンは、自分自身を見つめなおす事が出来る様になり、自分が本当に望んでいたのは何であったのかを思い出す。
そして、キラ・ヤマトとの和解(以前シンはオーブの慰霊碑の近くを通りかかった際にキラと対面したが、この時まで忘れていた)も経て、その後は本当に平和な世界を作るべく新たな戦いの道を歩み始めた。戦後ルナマリアと共にオーブ軍に出向している。
様々な戦いを経て、敗北という挫折で立ち止まったシンの「優しくて温かい世界」を守る為の本当の戦いは、憎むべき敵(かたき)をも許すということで始まりを迎える事が出来たのかもしれない。
搭乗機
ZGMF-X56S インパルス
PHASE-01からPHASE-35まで搭乗。
フォースインパルス、ソードインパルス、ブラストインパルスの3形態を使用した。
アビスやフリーダムを撃破するなど、機体特性を活かし活躍した。
デスティニー受領後、インパルスはルナマリアの乗機となった。
ZGMF-X42S デスティニー
PHASE-35でデュランダルから受領、続くPHASE-36から最終話まで搭乗。
デストロイを幾度となく撃破、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも激闘を繰り広げる。
最終話にてインフィニットジャスティスにより撃破され、墜落した小惑星に放棄された。
メディアミックスでの活躍
小説版
シンに限った事ではないが、劇中で語られなかったモノローグや心情が多く描写されている。
小説版ではオーブへの真っ直ぐな愛が描写されると同時に、「全てロゴスのせいだから自分は何も悪くない」という増長や責任転嫁など、人間的な腐敗も描写されていた。
漫画版
マガジンZ版、コミックボンボン版、THE EDGEがあるが、その内特にボンボン版の台詞は後にガンプラ『SDガンダム EXスタンダード デスティニーガンダム』の説明書や多くのガンダム関連のゲーム内で採用されている。
コミックボンボン版は月刊誌という制約上ストーリーを終始シン側に焦点をあてて描いた結果、本筋こそアニメと同じだが彼の苦悩などがより細かく描写され、最後まで主人公として活躍。
最終決戦も結末こそアニメと同じもののアニメ以上にアスランを追い込んでおり彼と本気で互いの気持ちをぶつけながら死闘を演じた。
前述のガンプラやゲーム版へ逆輸入された台詞の大半がこの最終決戦時のものである。
そして最後は戦いに敗北し全てを失うが、精神的に成長し揺らがぬ心と力だけではない強さを手に入れた姿はアニメ版以上に主人公として映っていた。
ガンダムエース連載『THE EDGE』では、守りたいという想いから次第に絶望していく複雑な心情の変遷が描写され、立場も主人公がアスランということもあって仲間からラスボスへと変化した。また番外編では士官学校時代のストーリーも見る事ができる。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.
最終回より前のアニメ放映中に発売されたこのゲームでは原作とは違うオリジナルシナリオのルートも存在し、ゲームを進めていく上で、プレイヤーのとった行動により展開が分岐し、それによって結末も変化する、といったようなシステムになっている。
また、このゲームはシン・アスカやザフト陣営に最後までスポットが当てられてストーリーが展開していくので、この点も見どころでシンが原作において辛酸をなめさせられたキラやラクス、カガリを死に追いやると言うルートが存在する。
結末は6つ用意されておりストーリーの展開次第では、地球(もしくは月基地)へのネオジェネシス発射でザフトが戦争に勝利するといった結末や、外伝作品のみにしか登場しなかったキャラが戦闘に参加したり、アニメ本編では生き残ったキャラの戦死などといった意外な展開が用意されている。
Gジェネレーション
初登場は『DS』だが、本格的な参戦は『PORTABLE』からとなる。主人公ということで、『WORLD』『OVERWORLD』ではマスターセレクト候補の1人になっている。彼を選ぶと入手できるベーシック機はソードインパルス。
ステージ中では『DESTINY』後半の展開を中心にクライン派やオーブがゲスト軍になることもあってか、強敵として登場する場面も少なくない(シンに限らずレイをはじめとするミネルバ隊に当てはまることだが…)。
スーパーロボット大戦シリーズ
同シリーズでは本来の素直さや一途な性格から「王道主人公」へと路線変更が行われている場合が多く、彼の持つ悲しみや憎しみを理解し導いてくれる大人のキャラ達に恵まれており、本家ほど多くを失うということが無い。また、兄弟がいる相手には「兄」として振る舞うこともある。
シリーズ初参戦となったSC2では仲間になる時期がストーリーの終盤であるため他の作品のキャラクターと殆ど関わることができなかったが、シリーズ二度目の参戦となったZでは本格的に各種主人公同士の夢の競演が実現。
その掛け合い数は史上最大数で、ストーリーではカミーユ・ビダンやオリジナル主人公のセツコ・オハラをはじめ、他にも紅エイジやロラン・セアック等とも深く交流し、原作とは違った方向へ成長して行く。特に女主人公編では実質主人公を勤めていると言っても過言ではなく、ルートによってはデュランダルの手から離れ、彼と向き合っていく。
第2次Zでは再世篇製作中に中の人が結婚した事もあり、シナリオ中ルナマリアとの絡みが用意されている。特に再世篇のコードギアスシナリオ中の「キューピッドの日」では、ルナマリアにおでこタッチをせがまれて「そんな事しなくても…俺達恋人同士だろ」と公言している。
第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇の中盤シナリオでは、今回のオリジナル敵に襲撃されたオーブを単身で防衛に行くと言うシナリオが用意されている。
そのシナリオをクリアした後のイベントは必見モノ。これぞスパロボマジック。
Lでは原作とストーリーが大きく違っていくこともあって、自軍部隊と敵対する事は無く、デスティニーガンダムを「運命を切り開く機体」として、デュランダルやレイの考えを真っ向から否定、デスティニープランにも真っ向から立ち向かっていく事になる。
元々の性格からか、周囲の人間と非常に仲が良く、キラとも初対面時に意気投合。
結果ステラを無事救出し、のちにキラの窮地をも救うことになる。
他の作品ではマクロスFの面々とは最初期に出会ったこともあり、特に仲が良くランカ・リーのファンクラブに入会している。
ステラが無条件で生き残り(戦闘に参戦するにはフラグを立てる必要があるが)、ゲームには登場しないが、恩人であるトダカが戦死しない等最もシンが幸せな作品との声も多い。
逆にUXにおいては原作終了後であることを最大限に活かし、原作でのステラやレイの死や自分の挫折を受け止め、よき先輩として蒼穹のファフナーの主人公真壁一騎を導けるまでに成長している。
お陰で当人はキャラデザインが同一ということもありファフナーの登場人物「飛鳥真」、愛機はマークデスティニーと呼ばれる程にファフナーの世界観に馴染んでしまっている。
ただ、グラハムに乙女座の連携を提案された事には少々戸惑っているようだ。
Vでは、トンデモ設定を持つ(という役割を与えられているに過ぎない)悪の黒幕たるブラック・ノワールと対決した際、戦闘前会話で彼(彼女)から「お前は憎しみのまま戦い、失意の中で死ぬ筈だった」と、本来予定されていたシンの運命をネタにしたやり取りがある。
ガンダム無双2
ガンダム無双2のミッションモードのシン・アスカ編ではスパロボZと同じくカミーユ、そしてロランとのクロスオーバーにより、キラとアスランに自分の思いをぶつけられるまでに成長した。
機動戦士ガンダム バーサスシリーズ
連合VSザフトから皆勤賞で参戦している。同ゲームの家庭用では、彼を主人公に据えたストーリーモードが追加された。
ガンダムVSガンダム及び同NEXTではインパルスガンダム/デスティニーガンダムにて参戦。
インパルスは対フリーダム戦で使われた戦法(反射ビーム攻撃、エクスカリバー突撃、Aパーツ分離攻撃)で戦う。
火力は低いものの性能面でバランスが取れており、初心者向けになっている。
デスティニーガンダムはSEED勢最強の性能を持ち、火力は全機体中トップクラス。
機動戦士ガンダムエクストリームバーサスにも参戦。
ゲーム中で最高の強さを持つコスト帯3000に、デスティニーガンダムと共に引き続き参戦。
キャンセルルートが豊富かつ近~中距離戦が得意だが高エネルギー長射程ビーム砲を使った砲撃でそこそこレベルであるもの撃ち合いもこなせ、丁寧な射撃戦から強烈な格闘を差し込んでくる高機動万能機。
コスト3000帯でも最高峰の戦闘力を誇り前作に続き評価は高い。
インパルスは操作機体としては登場しないが、ルナマリア駆るガナーザクウォーリアが代わりに参戦。
同機体の覚醒必殺技ではエクスカリバーを携えた状態のインパルスが召喚され、突進攻撃を行う。
機動戦士ガンダムエクストリームバーサス・フルブーストにもコスト3000として引き続き参戦。
当初は下方修正に苦しめられたが、アップデート後は再び強さを取り戻している。
また、インパルスがコスト2500で復帰参戦。
フォースインパルスは高い機動力からのガンダムVSガンダム時代で使われた技で戦う。このほか、ブラスト・ソードへの換装が可能になった。ブラストは武装の回転率に、ソードは機動力に難があるものの、どの形態でも[レバー前+特殊射撃]で瞬時にソードに換装してそのまま突撃、[レバー後+特殊射撃]で瞬時にブラストに換装して砲撃といったほかの換装機のとは違うテクニカルな動きが可能となる。素早いフォースを起点にこれらのアクションを織り交ぜていけば多彩な戦法が可能となる。
エクスカリバーの突進は覚醒必殺技として発動(どのフォームでも同じ)。
HGに恋するふたり
主人公である神崎さやかの好きなキャラして愛機のデスティニー共々挙げられている他、さやかが悩んでいる時にさやかに問い掛ける役割として登場し、ガンダムシリーズのパイロットでは断トツで出番が多い。
台詞集
劇中本編
- 「また戦争がしたいのか!アンタ達は!!」
- 「さすが綺麗事はアスハのお家芸だな!」
- 「俺を助けろこの野郎!とか…」
- 「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
- 「戦うべき時には戦わないと。何一つ、自分たちすら守れません。普通に、平和に暮らしている人たちは守られるべきです」
- 「ステラ!大丈夫だステラ!君は死なない!!君は俺が…俺が守るから!」
- 「死なせたくないから返すんだ!だから絶対に約束してくれ!決して戦争とかモビルスーツとか、そんな死ぬようなこととは絶対遠い、優しくてあったかい世界へ彼女を返すって!」
- 「大丈夫だよ、ステラ。何も怖い事なんかない。苦しい事もない。もう何も君を怖がらせる物はないから、誰も君を虐めに来たりしないから…だから安心して…静かに、ここでおやすみ…」
- 「アンタはオレが討つんだ!今日、ここで!!」
- 「やった…ステラ…やっとこれで…」
- 「どんな敵とだって戦ってやるさ」
- 「アンタが悪いんだ…アンタが裏切るからぁー!!」
- 「アンタって人は!!」
- 「ずっとここ嫌で、でも、ずっと気になってた。こんなふうじゃなかった。こんなところじゃ」
派生作品
- 「僕の出番が無くなるじゃないか!」
- 「戦争のない世界以上に幸せな世界なんて…あるはずがない!」
- 「あんたが正しいっていうのなら!俺に勝ってみせろ!」
- 「アスラン…あんた やっぱ強いや…」
- 「疲れた…何も考えたくない…早く休みたい」
- 「レイの運命は…変わらないのか?」
- 「俺だって!!守りたかったさ 俺の“力“で全てを!」
- 「そんなのはただの言葉じゃないか……誰がそんなことを決めたんだ!失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!それを決めていいのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない!決着をつけるんだ!」
- 「誰かが誰かの夢や未来を決めて、平和が生まれるものか!俺は…色んな悲しい想いをしたけど、自分の生き方を決める事が出来た!自分で考え、自分で決めたんだ!誰かに正しい事を決められるような生き方をしちゃ駄目なんだ!わかってくれ、レイ!」
- 「レイ!俺がお前を止める!お前は俺の友達だから!そして、お前ともう一度話をする!今までの事…これからの事を!」
- 「レイ!お前が俺を気にかけたのは、お前が誰かだったからなのか!?」
- 「そうじゃないはずだ!お前自身の意思でそうしたいと思ったからじゃないのか!?」
- 「俺にとってお前はラウ・ル・クルーゼなんかじゃない!レイ・ザ・バレル、俺の…友達だ!」
- 「来い、レイ!お前が運命に囚われるなら…俺がそれを断ち切ってやる!」
- 「…彼女を守るのは俺の役目です」
- 「あの時。そう約束しましたから」
- 「やめろよルナ!何でだよ!?」
- 「どうしてルナと戦うようなことに…」
TVCM
- 「アンタは一体何なんだ!」
- 「なんで議長まで、チェックしてるんだ!」
関連イラスト
関連タグ
ガンダム 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY 主人公 ダークヒーロー 愛すべき馬鹿
キラ・ヤマト アスラン・ザラ ルナマリア・ホーク レイ・ザ・バレル
マユ・アスカ
ザフト オーブ連合首長国
シンルナ シンステ
インパルスガンダム デスティニーガンダム
関連キャラクター
- アークライト・ブルー……スーパーロボット大戦64のリアル男主人公:序盤で家族が死ぬ、呆然としているところを軍人に戦いの道を示される、想いを寄せていた少女が死ぬ、上司が裏切る、と彼が元ネタかと思うほど非常に酷似している。特に彼のライバルと戦闘台詞の一つ「あんたはぁぁぁっーー!」は完全に…(ry
- カミーユ・ビダン……機動戦士Zガンダムの主人公。性格や境遇が似ている。スーパーロボット大戦Zシリーズでは無二の親友同士となる。
- コウ・ウラキ……機動戦士ガンダム0083の主人公。第1話で正規の軍人、ライバルに勝てない・偏食家・脚本家の被害者などこちらも共通点が多い。
- フリット・アスノ……機動戦士ガンダムAGEの主人公。こちらも家族を亡くし大切な人を目の前で失った事で復讐鬼と化した共通点を持っている。
- 工藤シン……マクロスゼロ主人公。中の人繋がりかつ名前で、SC2とACE:Rで共演。
- マーレ・ストロード……DESTINYASTRAYに登場するアビスガンダムのテストパイロット。インパルスのパイロットの座を狙っていた為、シンに対して異常なほどの嫉妬心を抱いている。
- サトシゲッコウガ……ポケットモンスター XY&Zの重要なポケモン。上記のコウ・ウラキと同様、ライバルに勝てない脚本家の被害者としての共通点が多い。
- セネル・クーリッジ……テイルズオブレジェンディアの主人公で、シンと同様に鈴村健一が声を担当している。また、シンと同じく愛する人を失うこと、愛した人の名前もまた『ステラ』であるとう、何の関係もないはずのシリーズ同士なのにやたら濃さを感じる共通点がある。
- ペガサス光牙……聖闘士星矢Ωの主人公で、先代主人公・星矢への複雑な心境と、自身の持つ闇の小宇宙に葛藤する。シンとは対照的に星矢は脇役に徹し、光牙はキチンと最後まで主役を通した。(ちなみに城戸沙織とシンは誕生日が同じ)
- 風見志郎……仮面ライダーV3の主人公で家族の死を目の当たりにした事で戦いに身を投じる。
- 比良坂綾奈……ガメラ3 邪神覚醒のヒロインで過去の戦場で亡くした家族の仇を討つことを憎しみで強く誓っている。
- 飛電或人……仮面ライダーゼロワンの主人公で大切な女性を目の前で失った事で復讐鬼と化したという共通点がある。
- 剣鉄也、本宮大輔……アニメ側の前作の続編の主人公繋がり。
- ムサシ……アニポケに登場する主要な悪女で子供の様に駄々を捏ねながら同じメンバーの上司としばしば仲違いしているという共通点がある。
- 神崎さやか……ガンダムシリーズやガンプラが好きな女性ファンが主役の漫画作品の主な主人公。カラー絵だと茶髪だがモノクロだと黒髪で描かれており、髪型や顔立ちも相まってシンをアラサーの女性にしたバージョンのように見えなくもない(度々回想に出る少女時代の姿も充分シンに似てなくもないが)。しかもさやかは放送当時からシンに対し、当時の自分と似ていたと感じたり当時は同い年の16歳だったのも相まって、本人曰く「とてつもなく感情移入していた」「シンにすごく自己投影して見ていたから」という程。更にはイメージや心の分身のような形でシンが現れ、前へと進むきっかけをくれたりも…?
- アスカ・シン……偶然の可能性が高いが別作品の同姓同名。(姓名の表記を揃えると完全に)シリーズ第2作の主人公、本放送時の枠&製作局と共通項が多い。
- アナキン・スカイウォーカー、シャドウ・ザ・ヘッジホッグ……カミーユなどというよりもむしろこの2人のイメージが強い。因みに前者の恋人・パドメはルナマリアとマユの声優が吹き替えを担当し、後者の声優は中の人と同じく仮面ライダー電王に変身するイマジンを演じている。
スーパーロボット大戦UXにて
飛鳥進
ファフナー・マークデスティニー
マスターテリオン:敵として対峙し条件次第で終盤仲間になる。ただシンがカップ焼きそば現象ばりにキャラ改変されたのに対しマスターテリオンは完全な同一人物である