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ラウ・ル・クルーゼ

らうるくるーぜ

『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物。SEEDの戦争を裏から操った張本人であり、同時にSEEDの戦争の原因の一番の被害者でもある。
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CV 関俊彦

「これが人の夢!人の望み!人の業!!他者より強く、他者より先へ、他者より上へ!」
「競い、妬み、憎んで、その身を喰い合う!」

概要

人種ナチュラル
誕生日C.E.46年後半
出身地GARM R&D社L4コロニー メンデル内研究所(ヒビキ研究室)
年齢24歳(没年齢)
血液型O型
身長183cm
体重77kg


ザフト軍の精鋭部隊・クルーゼ隊の隊長でパトリック・ザラが信頼を置く士官。ザフトの「仮面の男」として、地球連合軍側にも広くその名は知られている。
その異名の通り、常にシャアよろしくヘンテコな仮面を着けているが、素顔を知りたがると死亡フラグである(実際知りたがっていたミゲル・アイマンニコル・アマルフィは戦死している他、素顔を見たフレイ・アルスターも殺されている)。自身の士官室の机の中には、大量の予備の仮面が用意されており、相当素顔を見られたくはないようである。なお、素顔はスペシャルエディションDVD及びHDリマスター版でしか見られない。
また、何らかの病気を患っているのか薬を常用しており、作中では相当苦しそうに悶えながらカプセルを飲む姿も度々見られる。
地球連合軍パイロットのムウ・ラ・フラガとは、グリマルディ戦線のエンディミオンクレーターでの戦いで交戦して以来の因縁の相手である(ただしラウの方は、これ以前から面識があるような言動をしていた)。

ネタバレに関する注意


※以下の記述には、作品ストーリー及び彼の正体・目的・過去についてのネタバレが含まれます。未見の方はご注意下さい。※










出生事情および作中での動向


その正体は、キラ・ヤマトの父親であるユーレン・ヒビキ博士が、スーパーコーディネイターを作り出す研究の資金を欲して生み出した存在「ラウ・ラ・フラガ」。
ライバルであるムウ・ラ・フラガとは、『ムウの父親「アル・ダ・フラガ」のクローン』という複雑な関係にあたる。
人間のクローンを創り出す行為はコズミック・イラにおいても違法行為であったのだが、アルは不仲の妻との間に生まれたムウに納得いかず、自分の才能を100%受け継ぐ後継者が欲しかったという「愚の骨頂」を絵に描いたような実にくだらない理由で、「法など変わる、所詮は人が定めたものだ」と研究資金を餌にヒビキ博士を押し切ってクローンを作らせたのである(ラウ自身は、「己の死すら金で買えると思い上がった愚か者」と唾棄している)。

ナルシズムの強かったアルの「完全なる分身」という意向を受けて、遺伝子改良による手が加えられていない「ナチュラル」として生み出されたのだが、遺伝子を改良して産み出され、最初から高い能力を有する「コーディネイター」だらけのザフト軍で白服(指揮官クラスの能力者)を着ている事からも、その凄まじい素質や能力の高さや、そこに至るまでに壮絶な努力をした事が窺える。
またその遺伝特性故に、ムウ同様にドラグーンシステムを制御可能な高い空間認識能力を有すると共に、近くにいるムウの存在を感じる事ができるという特殊能力を持つ。これらの能力からナチュラルでありながら、スーパーコーディネイターのキラ・ヤマトと真っ向から互角以上に渡り合える程の実力を持つ。このようにナチュラルの中では間違いなく、外伝も含めてシリーズ最強のキャラである(ファンからは、「スーパーナチュラル」と呼ばれる事もある)。
本編放送終了後の監督の発言によると、「彼は死にもの狂いの努力でザフトのエースになった」との事。

しかし、体細胞クローンの宿命であるテロメア遺伝子の減少短縮問題を解決する事が出来ず、彼は余命が短く早期に老いが訪れるという「失敗作」として誕生させられてしまい、アルはラウをムウに代わる後継者として期待していたが、失敗作だと知るやあっさり彼を捨てて家から追い出してしまう。
この事から彼は、自分を不遇な身体で誕生させた上にあっさり捨てたアルと、それを招いた人類の競争そのものを憎悪し、報復として放火でアルを妻諸共殺害して、以後「ラウ・ル・クルーゼ」と名乗り、人類を滅ぼす為の活動を始めたのであった。物語終盤ザフト軍の新兵器であるNJC(ニュートロン・ジャマー・キャンセラー)のデータを「戦争を終わらせる鍵」と説明してザフトに拘束されていたフレイ・アルスターに持たせて解放し、そのデータが連合軍戦艦ドミニオンに乗船していたブルーコスモスの頭首ムルタ・アズラエルの手に渡った(それ以前からアラスカ基地でのオペレーション・スピットブレイクの内容を漏洩したなど、内通していた節がある)事で、地球連合軍は核兵器を再び使う事が可能になった。
クルーゼはこの行為によって戦局が更に泥沼と化する事、それによって大量の犠牲者・死者が生まれる事を全て承知の上でNJCのデータを流出させたのは、最早説明する必要はないだろう。

ちなみに彼が常時服用していたカプセルは、親友であるギルバート・デュランダルに特別に作って貰ったもので、細胞分裂を抑制してテロメアを延長させる事で、老化を遅らせる薬である。ただし副作用として、薬効が切れると激しい苦痛に全身が蝕まれる他、長期服用すると癌の発症確率も飛躍的に上がるらしい。もしかすると、彼の身体はもうボロボロだったのかもしれない。
常に仮面を着けているのも、急速に老化していく自身の容姿を隠す為である。

運命の地であるコロニーメンデルでキラとムウの2人と対峙した時は、この薬切れの副作用で苦しみながらも、殆ど気迫と精神力だけで身体を動かして2人を銃撃戦で圧倒し、2人に全ての真実と自身の言いたい事を最後まで言い切るなど、その精神力と人類への憎悪は途方もないものである。

なお、「DESTINY」に登場したレイ・ザ・バレルと遺伝子的には同一人物である(同一遺伝子から作出されたクローン体で、出生的に表現するならラウの弟に近い)。彼もまたラウと同じクローン故のテロメアの減退に苦しめられるが、彼の方はギルバートやラウに愛情を受けて育った為に、世界への憎悪で動いてはいなかった。

コーディネイターで構成されたザフト内部で、彼がナチュラルであった事はデュランダルとレイしか知らず、上記の空間認識能力も含めた卓越した能力や才能の数々でコーディネイター社会のザフトにおいても、彼をナチュラルだと思う者は誰もいなかった。
また、ナチュラルでありながら、コーディネイター用のモビルスーツをコーディネイター以上に使いこなしていたのもその理由であると言える(これはムウですらできなかった事である)。

自らを産み出した人類に対する憎悪で行動しており、最終目的や行動原理、行動パターンはフロスト兄弟類似している。

最終的には、キラ相手に戦いで圧倒した上に言葉で勝利(ただし、途中から完全に開き直っていた事もあり、舌戦で勝利したというよりは勢いで押し切ったという方が正しい。むしろ議論を自ら放棄したという意味ではクルーゼの負けともいえる)し、更にフレイをキラの目の前で殺害するが、それで怒りを爆発させSEEDを発動させたキラに惜敗、アスランによって破壊されたジェネシスのガンマ線の光に包まれて、乗機であるプロヴィデンスガンダムと共に消滅した。

後に彼の名前と人類に対する憎悪は、DESTINYにて意表を突いた形で復活を遂げるが、SEED最終話よりも意志と決意が強固になったキラに戦いと言葉の両方で完全敗北する、という結末を辿ることとなる。

また公式ガイドブック3に掲載されている監督インタビューでは、「彼の中には人類を滅ぼしたい自分とそうしたくない自分が同時に存在し、自分に未来が無く死期が見えていた。フレイを送り出したのは意識的に扉を開くというよりもコインを投げる賭けの感覚に近く、世界の行く末を決める重要な場面を人智を超えたところに判断を委ね、結果データは渡った為行くところまで行くしかないのだ、となった」とあり、彼が完全には人類に絶望しておらず、心のどこかで自分を止めてくれる存在を求めていたのが窺える。 ムウやキラに対しては、「お前に討たれるなら本望だ」というような事を言っていたのもこの気持ちからである。
つまり、最期に笑みを浮かべながら消えていったのは自分が止められた事への納得や安堵の為であった。 彼にとってキラは「憎くもあれど、自分と同じく個人の欲望の為に人為的に作られ、生まれながらにして人生を歪められた存在として愛しくも思っていた」とも記されており、完全なる人工人類の完成形として嫉妬と羨望を向けると同時に、自分と同じ他者の身勝手で生み出された存在として親近感も抱いていた。

そして、彼の憎悪自体も至極もっともであり、極めて正当なもの。親…より正確には自分のオリジナルの身勝手で不完全な体で作り出され、挙句不完全だと解ったらまたも親の身勝手(傲慢で横暴と息子に唾棄されるアル・ダ・フラガの性格からして、『自分のクローンだからどう扱うのもオリジナルである自分の自由』となるのは想像に難くない)で追い出されるとなれば、彼でなくとも程度は違えど同じような思考にたどり着くのは想像に難くない。ある意味では、彼は『人間の業つまりは悪性の一番の被害者』でもある。更にいえば、少しでも形が違っていればキラやアスランとて彼と全く同じ道を歩んでもおかしくなかったのである。
彼がSEEDで戦争を裏から操り、数々の悲劇を招き多くのキャラの死の原因を作りながらも根っからの極悪人としては扱われないのも、そういった事情があるからであろう。

その圧倒的なキャラクター性と強さや、最後のキラとの名勝負などから現在でも非常に高い人気と知名度を誇るラスボスである。SEEDシリーズのラスボスと言えば多くのファンが連想するのがクルーゼであり、その人気っぷりはぶっちゃけ続編のラスボスが完全に霞んでいる程である。

デュランダルやレイという極めて例外的な人物はいても、『研究資金』と『気に入らない息子の代わりに後継者として自分のクローンを作らせる』、かと思えば『失敗作だと分かった途端に本来の息子を後継者に据えてクローンの方は捨てる』
この様な経験をしてしまえば、人間とは邪悪な存在であると断じて、違う側面があるなどと信じるわけがない。そもそも、それしか知らずに生きてきたのだから尚更である。
『同様に存在自体が人間の醜悪な欲望であるキラ』と真逆の人生で、本人も『醜悪な欲望と悪意しか知らない』と認めている。

小説版においては、仮面の下の素顔はアル・ダ・フラガが存命ならばこうなっているだろうという老人の姿とされているが、スペシャルエディションやリマスター版で追加されたシーンの素顔は、目元に皺などはあるもののそこまで老化した外見ではない。
一方で、SEEDDESTINYのリマスター版の回想で登場した赤服時代の彼の容姿は、当時はまだ年齢相応に若々しく、その外見はまさにDESTINY本編のレイとそっくり(というか髪型以外は完全に同じ)である。しかしこの当時の時点で、その言動は既に外見や年齢には不相応な非常に大人びて達観しきったものであり、一回り歳上のギルバートともあくまで対等の友人として話をしていた。
ちなみになまじ赤服に仮面で金髪である為、この当時の外見は本編以上に赤い彗星感が強い。

搭乗機体

ジン
ジン・ハイマニューバ
シグー
ディン(指揮官機)
ゲイツ(指揮官機)
プロヴィデンスガンダム

スーパーロボット大戦では

  • 第3次スーパーロボット大戦αではキラとの舌戦時の開き直りが拾われており「厄災を撒く者」として描かれている。人類を守ってきた自軍部隊に対し憎悪をむき出しにして「人類を滅亡させるため」戦いを挑んで来る。



  • スーパーロボット大戦Wでも基本的な行動は変わらずザフトが敗北しても自軍部隊に戦いを挑んできた。しかし、総合的には「叢雲劾の見せ場の為の噛ませ犬」という印象が強く、ボン太くんを見て闇が薄れかけたりと原作ファンからの評判は悪い。

  • スーパーロボット大戦Card Chronicleでも基本的な行動は変わらないものの、「他人の欲望により生み出された人造人間」という似たような境遇を持つ塞臥を救助し、彼から自身の境遇への絶望を告げられた際には己の境遇と目的を明かすなど、まさかの他作品キャラに自分の胸の内を全て明かせる友人ができた。また、最期は自身とは違い絶望へと堕ちなかったレイを遠回しに激励しており、最後の最後で希望を信じて逝く事ができたとも受け取れる描写になっている。

関連イラスト

ねむい
ラウ




関連タグ

機動戦士ガンダムSEED 
ムウ・ラ・フラガ キラ・ヤマト 
レイ・ザ・バレル ギルバート・デュランダル
クルーゼ 
哀しき悪役 ラスボス 美形悪役 クローン

フロスト兄弟…上述通りクルーゼとは似た行動原理で世界に復讐を誓ったラスボス。ただし終盤でD.O.M.Eで明かされた真実を知れば復讐から開放される可能性は十分あったにもかかわらず、最終決戦ではそれに取り憑かれたあまり説得しようとしたフリーデン側の言い分も聞かずサテライトキャノンの撃ち合いに発展した。(ただし両者とも奇跡的に生還している)。
ドルメン大帝未来ロボ ダルタニアス)…クルーゼと同じく、人間のエゴでクローンとして生み出された事が原因で、自らを生み出した世界の全てに対して憎悪を向けたラスボス。
プロメテパンドラ(ロックマン)ロックマンゼクス)…クルーゼと同じく、創造主の身勝手で不完全な体で作り出された事が原因で、世界の全てを滅ぼそうと暗躍した敵役。
エンヴィー2003年版『鋼の錬金術師』)…「土6」枠における『SEED』の後番組(および同作続編の前番組)に登場した。クルーゼと同じく、創造主身勝手な行動(ただし、その創造主自身や動機そのものは、まだ理解や共感のできるものである)によって誕生したラスボス。創造主のみならず人間の全てを憎み、世界を滅ぼそうとまでした事や、主人公を圧倒する(あちらは殺害までしている)など、やりたい放題やった末に勝ち逃げ同然に退場した事もクルーゼと共通している。さらにその後は、己の罪を受け入れた創造主と共に死ぬという、この手のキャラの中ではかなり恵まれた最期を遂げた。
トレーズ・クシュリナーダ…クルーゼ同様、最終決戦で因縁の相手に戦闘では敗北し戦死したが、舌戦では勝利した(それ故相手に「勝ち逃げ」だと引きずらせた)。こちらも殺されたのが「討たれるなら本望」な相手だったため、満足気な笑みを浮かべつつ最期を迎えている。

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