概要・及び出典
OVA『冥王計画ゼオライマー』のロボット「天のゼオライマー」の強化版機体。
元々はOVAのメカデザイナー森木靖泰が描いた「八卦ロボを全部合体させてみた」というネタ的な簡単な解説が記されていた一枚絵の機体であった。
それをご丁寧に『スーパーロボット大戦J』のスタッフが、森木靖泰氏と協力して一部設定を作り起こして再現したのがこの「グレートゼオライマー」である。
これを全部組み合わせた事で、スパロボ史上五指に入るチートロボットが誕生した。
後年にはスパロボシリーズ外にも活躍の場を広げており、2019年には『機動戦隊アイアンサーガ』にもコラボイベントでゲスト参戦した事がある。
『J』では、鉄甲龍でルラーンが死の直前に開発した不完全なグレートゼオライマー(マサキオリジナルである「天」の性能部分が欠けている不完全版)との戦闘で辛くも勝利するが、大破してしまった天のゼオライマーを前述の不完全体グレートゼオライマーの残骸を使ってミキシングビルド改修した機体となっている。
入手条件として課される縛りは厳しめで、「強制出撃以外のステージで天のゼオライマーを出さず、八卦ロボ全部を天のゼオライマーで撃破する」というもの。ゼオライマー目当てで買ったプレイヤーなら、初見達成はまず無いであろう。とはいえレベルや撃墜数は関与しないので、強制出撃面でしっかりレベルを上げていれば達成自体は特に苦労することはない。
最大の問題点としては、八卦ロボの出現するルート分岐を選択すると、多くの隠し要素……例えばレイズナーMk.IIやダイゴウジ・ガイの復帰、ストライカーパックI.W.S.P.等を、片っ端から諦めなければならないと言う事。
……と、よく言われるが、実際には特に問題にはならない。
と言うのも「グレートゼオライマーを手に入れようとするとほとんどの隠し要素を諦めなければならない」ということは、逆に言えば「グレートゼオライマーフラグと逆のルートに行けば、ほとんどの隠し要素が手に入る」と言う事だからだ(『J』のルート分岐は2択しかない)。
つまり、1周目はグレートゼオライマーを手に入れて2周目は逆のルートで隠し要素を回収する(もしくはその逆)事で、2周で無駄なく全てのシナリオと隠し要素を体験する事ができるのである(もちろん、ちゃんとフラグを立てれば)。
むしろ強制出撃以外でゼオライマーを出撃させられない方がよっぽど困る。もちろん、その苦労に見合っただけの性能はあるが。
『CC』では敵の非道への怒りの力で通常のゼオライマーから変異。剣鉄也によって「グレート」の名を与えられる。
八卦ロボに因んだ「天」に代わる称号は「烈のグレートゼオライマー」。
性能
簡単にはっきり言うなら歴代最強格のチート機体。
2022年現在、30年以上に渡るスパロボの歴史の中において、版権作品が参戦する所謂「本家スパロボ」の中でも「単騎でラスボスまで倒せる無双機体」の一角として数えられている。
作品設定上ゲームシステム的に制約を受けやすいイデオンと異なり、入手に手間はかかるが圧倒的に使いやすいため、人によっては歴代最強版権ロボに本機を挙げる人も(他の「チート機体」に関しては後述の類似機体を参照)。
全体的に異様な高能力を誇り、ゼオライマー時の欠点だった地形適応が全てA(ゼオライマーは空B水C)となった。
ゼオライマーの時に引き続いて搭載されている次元連結システムによる軽減バリアと分身、地形に左右されず常に最大の移動力を発揮できる座標ジャンプ移動、そのうえHP・EN共に毎ターン大幅に回復するため、ぶっちゃけ無改造でもどうにでもなる。
さらに攻撃面ではこれまでに倒してきた八卦ロボの全必殺技を使用可能で、(いまいち息の合わなかったシ姉妹のトゥインロードも分身して放てる)、メイオウ攻撃の強化版である「烈メイオウ」に至っては地球終了のお知らせといわんばかりの演出とそれに違わぬ桁違いの威力を発揮する。しかもMAP兵器版込みである程度連発可能。
そして、最弱武器の「デッド・ロン・フーン」ですら、フリーダムガンダムの必殺武器「ハイマットフルバースト」を凌駕しているという凄まじさである。
欠点として「EN消費武器しかない」があるが、実際は前述の通り最弱武器ですらこの火力(ついでにP属性長射程)なので烈メイオウ連打でもしない限りあってないようなもの。
さらに恐ろしいのは、この機体に使われている技術が地球外文明や異世界、未来からの通信などによってもたらされたモノではなく、(作中における)完全に純粋な地球の技術によって建造されているため、開発者がその気になれば量産も可能であろう点だろう(長い目で見ればだが)。
武装
- デッド・ロン・フーン
多数の竜巻を合成し大竜巻を相手に叩き付ける格闘属性武装。風のランスターの武装。まだ地球に優しい。前述通り、一応の最低威力武器ながらフリーダムのハイマットフルバーストを僅かに上回る威力を持ち、本機の壊れ性能ぶりを端的に象徴している。
- アトミック・クエイク
射撃属性武装。地のディノディロスの「地震攻撃」と山のバーストンの「核ミサイル」を同時に放つ。ゲームシステム上は合体攻撃でしか使わないが実際はそれぞれ単体で使用する事も可能と思われる。因みに初登場した時のスパロボJでは機動戦士ガンダムSEEDも参戦しているので、作中ではニュートロンジャマーのせいで核兵器は本来使えないはず(Nジャマーキャンセラーが出てくるのは、鉄甲龍との決着後である)だが、そんなものお構いなしと言わんばかりにバカスカ撃ちこんでいる(山のバーストンも同様)。独自に技術上の障害を克服していたのであれば鉄甲龍驚異のメカニズムである(単純に設定ミスの可能性もあるが)。
2011年以降、「地震と核(放射能)」という組み合わせは社会的配慮が求められる風潮になった。そのため「地震攻撃」と「ミサイル」として別個に実装されるか、戦闘アニメーション制作のコスト高騰も相まって省略される懸念がある武装となっている。
- トゥインロード
射撃属性武装。火のブライストと水のガロウィンの合体攻撃をグレートゼオライマーが二体に分身して行う。連携が必要なら両方とも自分でやればいい、仲の悪い姉妹二人で無理に息を合わせる必要もない完璧な合体攻撃である。演出上はマサトと美久が2機のゼオライマーをそれぞれ制御しているようにも見えるが、それでも元の二人よりは連携精度は高いだろう。こちらもゲームシステム上は同時にしか使わないが単体の「マグラッシュ」と「メガサーチャービーム」で別個に使う事は可能と思われる。
- Jカイザー
射撃属性武装。月のローズセラヴィーの物。マサキ版の初期型ローズセラヴィーと異なりスカートアーマーを変形させる砲身形成を行う。ローズセラヴィーではルラーンの復元力の低さ故に必要だった機能だが、他にメリットが存在した為かグレートゼオライマーでもそのまま採用されている。そしてチャージなど必要ない。
- プロトンサンダー
格闘属性武装。雷のオムザックの武装。未完成時は「オメガ・プロトンサンダー」でありこちらが最強の武装扱い。攻撃エフェクト回数がオムザックの二倍となっている。
- 烈メイオウ
射撃武器。天のゼオライマーのメイオウ攻撃のグレートゼオライマー版。
余談になるがグレートゼオライマーでは不完全版グレートゼオライマーには存在しない天のゼオライマー由来の手甲部光球が有るので天のゼオライマーの「エネルギー波」や「次元連結砲」も使用可能と思われる。
令和の時代に立体化
グッドスマイルカンパニーのMODEROIDブランドで2020年7月に発売。
その後、2022年7月には天のゼオライマーも同様にMODEROIDから発売。これによって2体を一緒に並べることも可能になった(改修・変異系の後継機であるため設定上は同時に並び立つ事はないが)。
関連タグ
類似機体
スパロボプレイヤーの間ではバランスブレイカーとして合わせて語られる事も多いユニット群。
イデオン:元祖スパロボチート機体。多少手間がかかるがグレートゼオライマーを超える射程無限の超広範囲・超高威力MAP兵器を持ち、やろうと思えばほぼMAP全域をカバーでき、さらに無限ENなのでこの超MAP兵器を息切れせずに連射可能と、殲滅力による無双という点においては随一と言えるチート機体軍団筆頭格。
飛影:スパロボチート機体の一角にして元祖経験値泥棒。味方ユニットとして使えるまでの間、中立味方ユニットとして現れては敵陣に突進して当てて避けての囮戦法で経験値と資金をかっさらう。UX以降は新たにランカスレイヤーという称号も賜っている。
マジンガーZERO:スパロボチート機体期待の新人。攻撃力・防御力共に他の機体に勝るとも劣らない性能を持つが、MAP兵器の範囲の狭さや燃費の悪さのせいで若干見劣りする。それでも十分すぎるくらい無双できるが。
ファイナル・ガオガイガー:SRWシリーズ30周年記念作にてデビューしたスパロボチート機体の超新星。常時7人乗りという精神コマンドのデパート、二種類の軽減バリア、圧倒的破壊力を有する武装の数々を引っ提げて現れた。4つの強力な機体からパイロットを乗り換えないと使えない事、EN回復が無いため燃費が悪い事が欠点だが、燃費は強化パーツで補え、乗り換えはむしろ出撃枠を圧縮できると考えるとメリットが遥かに勝り、新人ながら一気に歴代上位に躍り出た。
アルティメットダンクーガ:同じくスパロボ30で登場したもう一体の超新星。こちらはDLC限定の登場となっており、誕生経緯的にはグレートゼオライマーにも近しい。ファイナル・ガオガイガーに並ぶ程の機体性能を持ち、あちらとは4人乗り・MAP兵器が無い、単発の火力で劣るが、複数回行動・最強武器の射程が2という取り回しの良さで勝る。この2体が並び立った状態ではどんな敵も瞬く間に灰塵と化すだろう。
ネオ・グランゾン:スパロボオリジナルにおけるチート機体。空間歪曲能力を持つ強化型。開発者兼パイロットが傲岸不遜な科学者(マッドサイエンティスト)であり、「一度は死んで蘇る、主人公にしてラスボス」と設定面での共通点がなにかと多い。
ヤルダバオト:スパロボオリジナルにおけるチート機体。スーパーロボット大戦OG外伝においては最強武器をほぼ無限に連射できる性能があり、スタッフが「ゲームステータス設定をミスった」と冗談半分に言うほど。